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お）されざるなり。之（これ）を確言（かくげん）すれば今（いま）に至（いた）るまで彼（かれ）は僕（ぼく）にして、その行（おこない）は畏（おそれ）を免（まぬか）れざるなり、何（なん）となれば謙遜（けんそん）なくしてその行（おこない）を修（おさ…

>> その思（おも）ひを以（もつ）て神（かみ）の仁（じん）慈（じ）の前（まえ）に高（たか）ぶり、傲然（ごうぜん）として神（かみ）の仁（じん）慈（じ）を辱（はづ）かしむる無耻（むち）の人々（ひとびと）に対（たい）し、神（しん）意（い）によりて起（おこ）る誘惑（ゆうわく）は左（さ…

あそぼう（遊（アソ）ばう）　とぼう（飛（ト）ばう）　はこぼう（運（ハコ）ばう）』　ぼうどう（暴動（バウドウ））　ぼうけん（冒険（バウケン））　ぼうず（坊主（バウズ））　しょぼう（書房（シヨバウ））　めつぼう（滅亡（メツバウ））　きぼう（希望（キバウ））　ぼうちょう（膨張（バウチヤウ）） びんぼう（貧乏（ビンバフ）（　　ボフ））…

と、だめをおされました。唯圓房（ゆゐゑんぼう）は「はい、決（けつ）してお言（ことば）に違（ゐ）背（はい）いたしませぬ」と承（しよう）知（ち）申（まを）されましたで、聖人（しやうにん）は「たとへば人（ひと）を千人（にん）殺（ころ）しますか、然（しか）らば往生（わうじやう）はきまります」と…

さ）らんを願望（がんぼう）す。たとひ大（おほい）に富（と）むといへども乏（とぼし）きを告（つ）げざる知識（ちしき）はあらじ。之（これ）に反（はん）して信仰（しんこう）の宝（たから）は天（てん）も地（ち）も容（い）れざるなり。信（しん）の希望（きぼう…

書誌情報の詳細は議論ページをご覧ください。 　えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧（おさ）えつけていた。焦躁（しょうそう）と言おうか、嫌悪と言おうか――酒を飲んだあとに宿酔（ふつかよい）があるように、酒を毎日飲んでいると宿酔に相当した時期がやって来る。それが来たのだ。これはちょっといけなかった。結果し…

ものなり。また、良心（りやうしん）の故（ゆゑ）に強（つよ）く壓（おさ）へられ、つねにいとも惡（あ）しき事（こと）を、思（おも）ひまうくるなり。 12 そは、恐怖（おそれ）は、理念（まこと）の與（あた）ふる助（たすけ）を捨（す）て去（さ）る。 13 また、心（こゝろ）の内（うち）より出（いづ）る待望…

さ）にて縛（しば）らるべきか。 答　恒（つね）に睿（えい）智（ち）に従（したが）ひ生命（せいめい）の教（おし）へに富（と）むを以（もっ）て縛（しば）らるべし。けだし意（い）の放恣（ほうし）を抑（おさ）へんがために、かくの如（ごと）く有力（ゆうりょく）なる鏈鎖（れんさ）は他（た）に之（これ）あらざるなり。…

展望の北隅を支（ささ）えている樫の並樹は、ある日は、その鋼鉄のような弾性撓（し）ない踊りながら、風を揺りおろして来た。容貌（ようぼう）をかえた低地にはカサコソと枯葉が骸骨（がいこつ）の踊りを鳴らした。 そんなとき蒼桐の蔭は今にも消されそうに見えた。もう日向と…

秋のひかりは地におちてひろがる このひかりのなかで遊ぼう 月にてらされると ひとりでに遊びたくなってくる そっと涙をながしたり にこにこしたりしておどりたくなる かなしみを乳房（ちぶさ）のようにまさぐり かなしみをはなれたら死のうとしている ふるさとの川よ ふるさとの川よ よい音（おと）をたててながれているだろう…

と贅物（ぜいぶつ）とを去（さ）れ、何（なん）となれば汝（なんじ）の欲（ほっ）せざるに拘（かか）はらず、こは汝（なんじ）を節制（せっせい）にみちびくを余儀（よぎ）なくせしむればなり。すべてのものに欠乏（けつぼう）するは人（ひと）に節制（せっせい）を教（お…

（つみ）は霊魂（たましい）に近（ちか）づかざらん。祈祷（きとう）は貞潔（ていけつ）の為（ため）に預（よ）防（ぼう）方法（ほうほう）なり、心（こころ）の練習（れんしゅう）なり、ほこりを抑（おさ）へ、うらみをのぞき、そねみの心（こころ）を絶（た）ち、不正（ふせい）を改（あらた）むるなり。祈祷（きとう）…

ぼう）の大将とは。爰をもつて後世の人も察（さつ）し申さるゝ義也。古（いにし）へ頼朝公（よりともこう）。尊氏公（たかうぢこう）永久（えいきう）に世をおさめ家督（かとく）さうぞくすといへ共。其内にもさゝはる義ありて。嫡々（ちやく〳〵）は家（いへ）をつぎ給はずと…

とく）がなくては望德（ぼうとく）も愛德（あいとく）も有（あ）られぬからである。然（さ）りながら三（みつ）の中（うち）に勝（すぐ）れたのは愛德（あいとく）である。假令信德望德（たとひしんとくぼうとく）はあっても愛德（あいと…

さか）ゆる御代（みよ）を外濠（そとぼり）の　線（せん）は祝（いは）ふて廻（めぐ）るなる 濠（ほり）の彼岸（あなた）に建並（たちなら）ぶ　西洋建（せいようだて）や破風造（はふつく）り　右手（みぎて）の町（まち）は尾張町（をはりちょう）　銀座通（ぎんざどお）りと知（しら）れける…

修道士（しゅうどうし）はすべての行状（ぎょうじょう）と動（どう）作（さ）に於（おい）て凡（およ）そ彼（かれ）を見（み）る者（もの）の為（ため）に建徳（けんとく）の模（も）範（はん）とならんことを要（よう）す、光線（こうせん）の如（ごと）く光（ひか）り輝（かがや）く許（きょ）多（た）の徳行（と…

も為吉も土地では相当の農家で、金衛門は三十八、娘のおさんは十六、為吉は二十一で、妹のお種は十七、双方は何かの遠縁にあたっていて、来年はおさんを為吉の嫁にやるという約束も出来ていたのですから、云わば一家も同然の間柄で、金右衛門が自分の親類をたずねると云えば、為吉兄妹（きょうだい）も付いて行くことになったのです。…

七 主（しゅ）よ、爾（なんぢ）の怒（いかり）を以（もつ）て興（お）き、我（わ）が敵（てき）の暴虐（ぼうぎゃく）に向（むか）へ、我（わ）が爲（ため）に起（お）きて、爾（なんぢ）が定（さだ）めし審判（しんぱん）を行（おこな）ひ給（たま）へ、 八…

そうした心の静けさとかすかな秋の先駆は、彼を部屋（へや）の中の書物や妄想（もうそう）にひきとめてはおかなかった。草や蒸しや雲や風景を眼の前へ据（す）えて、秘（ひそ）かに抑（おさ）えて来た心を燃えさせる、――ただそのことだけが仕甲斐（しがい）のあることのように峻には思えた。 「家の近所にお…

おさまり。目出度御代なれば。風摩がうはさ。乱波（らつは）が名さへ。関東にうせはてたり   四　戦船を海賊といひならはす事   見しはむかし。北条氏直（なを）と。里見義頼（さとみよしより）。弓矢（ゆみや）の時節（じせつ）。相模（さ…