シリヤの聖イサアク全書/第六十三説教

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第63説教[編集]

<<修道士しゅうどうし生涯しょうがい如何いかんして保護ほごせらるゝか、かみさかえするの順序じゅんじょ。>>


修道士しゅうどうしはすべての行状ぎょうじょうどうおいおよかれものため建徳けんとくはんとならんことをようす、光線こうせんごとひかかがやきょ徳行とくこうために、しんてきも、かれて『ハリスティアニン』にけんばつなるすくひぼうあるをかくせざらんをほつすともずして、八方はつぽうより、かれつどきたること、あたか真実しんじつなる難所なんじょつどきたごとくならんためなり。これため教会きょうかいつのてきむかつてたかめらるべく、おほくのもの修道士しゅうどうし徳行とくこう競争きょうそうせんがためすすんでつべくして、修道士しゅうどうしその生涯しょうがいため衆人しゅうじん尊敬そんけいせられん、なんとなれば修道士しゅうどうし生涯しょうがいハリストス教会きょうかいめいなればなり。

ゆゑに修道士しゅうどうしはすべての関係かんけいおい秀美しゅうびなる行状ぎょうじょうゆうせんことをようす、すなはちゆるものをかろんずると、厳格げんかくなるよくと、肉体にくたいにはまったこころもちひざると、たか禁食きんしょくと、沈黙ちんもくまもると、官能かんのう斎整せいせいと、るをいましむると、このぞくする何事なにごとためにもすべてのあらそひつと、げんかんなると、うらみつると、思慮しりょおいては誠実せいじつにして、さいれい活動かつどう運用うんようおいてはいつはりなくして正直せいちょくならんことをようするなり。かれためかなららんをようするは、現世げんせいむなしくしてざんることと、真実しんじつにして霊的れいてきなる生命いのちちかきことこれなり。人々ひとびとらるゝものあるいなんせらるゝものとならざるべく、何人なんびとにもまじはあるいこれちぎりむすぶをもつおのれしばらざるべし。居所きょしょ幽静ゆうせいなるをゆうすべし、つね人々ひとびとけ、よわらざる忍耐にんたいもつとう読経どくきょうとをつとむべし。めいこのまざるべく、贈答ぞうとうためこころうばはれざるべし、この生命いのちつながれざるべく、誘惑ゆうわくゆうにして忍耐にんたいすべし、欲望よくぼうせい穿鑿せんさくおくとよりゆうなるべし、つね真実しんじつなる一方いつぽういたして、これ熟思じゅくしすべし、かなしみてしわおほはれたるおもてゆうし、ひるよるだんなみだながすべし、しかしてのすべてのほかこと自己じこ貞潔ていけつまもり、はらよろこばすことと大小だいしょう欠点けってんとよりまぬかれて清潔せいけつなるものとならんこと肝要かんようなり。簡短かんたんこれへば修道士しゅうどうし徳行とくこうためまった死者ししゃごとくなるとかみ接近せっきんするとをしょうするにあるなり。

ゆゑにわれなんときにもこれ徳行とくこういたしてこれんこと肝要かんようなり。しかれどももしたれこれ詳細しょうさい解明かいめいして、概括的がいかつてき簡短かんたんにあらはさゞるはなんようありやとふあらば、こたへはん、緊要きんようことなり、自己じこ生命せいめい注意ちゅういするものこれ徳行とくこうるものをその霊中れいちゅうさがして計算けいさんせるものゝうちいづれおいてかとぼしきを発見はっけんするあらば、これによりかれ徳行とくこうおけ自己じこ欠点けってん認識にんしきせんがためにして、この記上きじょうするものはかれためこれそうするのえきとならんためなり。しかるに此処ここ解明かいめいしたるものをすべておのれにときいましるさざる徳行とくこうをもかれらしむるをん。さらばかれせいなる人々ひとびとためかみさかえするの原者げんしゃとなるべくして、この生命いのちぜんなほこのところおい霊魂れいこんため安息あんそく位置いちそなへん、われかみさかえ世々よよせん。「アミン」。