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ゅう）すべく、ただ名（な）のみによりて此途（このみち）に就（つ）くなかれ、乃（すなは）ち之（これ）を推究（すいきゅう）すべく、深思（しんし）すべく奮闘（ふんとう）すべし、此生涯（このしょうがい）の如何（いか）に深（ふか）くして且（かつ）高（たか）きに達（たっ）せんことを諸聖者（しょせいしゃ…

じゅう）なる戸外（こがい）の生活（せいかつ）を経（た）て来（き）た面影（おもかげ）を語（かた）っている。髯武者（ひげむしゃ）の頤（あご）が奇妙（きみょう）なる形（かたち）に突出（つきで）ているが、これは概（おおむ）ね我（わ）が目的（もくてき）に執着（しゅう…

ょう）にして、其（その）貝中（かいちゅう）に慰藉（いしゃ）の果（み）を結（むす）ばざるなり。 鼻（び）孔（こう）を舐（ねぶ）る犬（いぬ）は、己（おのれ）の血（ち）を飲（の）めども、其（その）血（ち）の甘（あま）きにより、其（その）害（がい）を感（かん）ぜず。虚誇（き…

きを加（くわ）ふるときは、〈苦行者（くぎょうしゃ）及（およ）び致命者（ちめいしゃ）らが忍耐（にんたい）を以（もっ）て受（う）くる殉教（じゅんきょう）の栄冠（えいかん）も天然（てんねん）の刺激（しげき）によりて生（しょう…

ち）を以（もっ）て自己（じこ）に注意（ちゅうい）するならば、意思（いし）はその温柔（おんじゅう）とその謙遜（けんそん）とに日々（ひび）如何（いか）なる変化（へんか）を受（う）くると、或（あ）る原因（げんいん）の避（さ）けられざるあるや、俄（にわか）に平安（へいあん）なる状態（じょう…

ゅうかん）を己（おのれ）の心中（しんちゅう）内部（ないぶ）に得（え）たる人（ひと）は大（だい）なり。一方（いっぽう）には此（こ）の生涯（しょうがい）の悉（ことごと）くの行為（こうい）を置（お）き、又（また）一方（いっぽう）には沈黙（ちんもく）を置（お）く時（とき）は、秤量（ひょうりょう…

しょうがい）の尺度（しゃくど）を得（え）ん。けだしすべて行（おこな）ふ所（ところ）のものに智（ち）が自然（しぜん）にあらはるゝ行為（こうい）の具体化（ぐたいか）したる印象（いんしょう）は是（これ）ぞ即（すなはち）道徳（どうとく）なる。善（ぜん）なる目的（もくてき…

しゃ）を得（え）てその前（まえ）に奔走（ほんそう）すること囚（しゅう）奴（ど）の如（ごと）くなるべきによる。最初（さいしょ）慾（よく）に敵（てき）する者（もの）は速（すみやか）に彼（かれ）を主宰（しゅさい）せん。 侮（あなどり）を禦（ふせ）ぐ方法（ほうほう）を手（て）に有（も）ち…

いしゃ）の為（ため）に重要（じゅうよう）にして最（もっと）も欠（か）く可（べか）らざるなり。もし苦行（くぎょう）者（しゃ）は身体（しんたい）に属（ぞく）する事（こと）と暫（ざん）時（じ）に過（す）ぎ去（さ）るものとを慮（おもんばか）るが為（ため）に分心（ぶんしん）擾乱（じょう…

ち）の自由（じゆう）と尊（そん）貴（き）とを失（うしな）ふなかれ、何（なん）となれば汝（なんじ）の階段（かいだん）は慈（じ）恵者（けいしゃ）の階段（かいだん）より高（たか）ければなり、汝（なんじ）に願（ねが）ふ如何（いかに）しても従属（じゅう…

禁食（きんしょく）して儆醒（けいせい）を務（つと）め、主（しゅ）の為（ため）に労（ろう）する者（もの）の晩餐（ばんさん）より生命（せいめい）の療（りょう）法（ほう）を借（か）りて己（おのれ）の霊魂（れいこん）を死（し）者（しゃ）の如（ごと）くなれるより喚（かん）起（き）すべし。けだし至（し）愛者（あいしゃ…

どろ）かず、驕（おご）らずして、そのすべての楽（たのしみ）と真（まこと）の喜（よろこ）びとは主宰（しゅさい）の意（い）に適（てき）するものなるによる。謙遜（けんそん）には温柔（おんじゅう）と自己（じこ）に集中（しゅうちゅう）するとを伴（ともな）ふ。即（すなはち）感覚（かんかく）の浄潔（じょう…

シリヤの聖イサアク全書 第二十八説教 << 知識（ちしき）の第三（だいさん）階級（かいきゅう）、即（すなはち）完全（かんぜん）の階級（かいきゅう）。 >> 聴（き）くべし、人（ひと）はいよいよ練修（れんしゅう）し、神（しん）に属（ぞく）するものを受（う）けて、その生涯（しょうがい…

て蔽（おほ）はれ、奴（ど）僕（ぼく）に軽蔑（けいべつ）せられ、己（おのれ）の敵（てき）のみならず、己（おの）が妻（つま）と友（とも）とに辱（はづか）しめられ、貧窮（ひんきゅう）に陥（おち）いり、饑（き）渇（かつ）に迫（せま）り、療（いや）されざる疾病（やまひ）に罹（かか）りて耐（た）え難（がた）き…

いしゃ）と心中（しんちゅう）に於（おけ）るの談話（だんわ）とにして、此（この）働（はたらき）は霊魂（れいこん）の概念（がいねん）に於（おい）て行（おこな）はるるなり。且（かつ）此働（このはたらき）は霊的（れいてき）生涯（しょうがい）の全（まった）く奇異（きい）なる方法（ほうほう）にして…

て守（まも）らるる禁食（きんしょく）に適（てき）す。 もし誰（たれ）か禁食（きんしょく）し始（はじ）むるならば、最早（もはや）是時（このとき）より智（ち）を以（もっ）て神（かみ）とともに交（まじ）はるを願望（がんぼう）せん。けだし禁食（きんしょく）する体（たい）は全夜（ぜんや）を床上（しょうじょう…

き）るように飛びちがった。蟻（あり）、蜂、油虫、夜は名の知れぬ虫がしきりにズイズイと鳴き、蛙の声はわくようにした。 　あけび、ぐみ、さぎごけ、きんぽうげ、じゅうにひとえ、たけにぐさ、きじむしろ、なんてんはぎなどを野からとって来て花壇に移した。やがて山吹が散ると、芍薬（しゃくやく）、牡丹（ぼたん）、つつじなどが咲き始めた。…

ょうけん）だか、赤シャツのうちへ朝夕出入（でいり）して、どこへでも随行（ずいこう）して行（ゆ）く。まるで同輩（どうはい）じゃない。主従（しゅうじゅう）みたようだ。赤シャツの行く所なら、野だは必ず行くに極（きま）っているんだから、今さら驚（おど）ろき…

　山路（やまみち）を登りながら、こう考えた。 　智（ち）に働けば角（かど）が立つ。情（じょう）に棹（さお）させば流される。意地を通（とお）せば窮屈（きゅうくつ）だ。とかくに人の世は住みにくい。 　住みにくさが高（こう）じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟（さと）った時、詩が生れて、画（え）が出来る。…

しゃうにん）、此（この）市中（まちぢゅう）の者（もの）で、誰（た）れ一人（ひとり）、彼（か）の人（ひと）の庇（かげ）を蒙（かうむ）らぬものはないわい。 ヂュリ　乳母（うば）や、一しょに部屋（へや）へ來（き）て、明日（あす）被（き）ねばならぬ最（いっ）ち…