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春日閑居　都在中 古今 春がすみたつを見すててゆくかりは はななきさとにすみやならへる 伊勢 虫（むし） せつせつたりあんさうのもと、 えう〳〵たるしんさうのうち、 あきのそらのしふのこゝろ、 あめのよのいうじんのみ、 切々（せつせつ）たり暗窓（あんさう）の下（もと）、 喓々（えう〳〵）たる深草（しんさう）の裏（うち）、…

ある明方（あけがた）の風（かぜ）あらく枕（まくら）ひいやりとして眼覺（めさむ）れば縁側（えんがは）の雨戸（あまど）一枚（いちまい）はづれて並（なら）べし床（とこ）はもぬけの殼（から）なりアナヤとばかり蹴（け）かへして起（た）つ枕元（まくらもと）の行燈（あんどん）有明（ありあ…

「そうだ。いや、僕はね、崖の上からそんな興味で見る一つの窓があるんですよ。しかしほんとうに見たということは一度もないんです。でも実際よく瞞（だま）される、あれには。あっはっはは……僕が一体どんな状態でそれに耽（ふけ）っているか一度話して見ましょうか。僕はながい間じいっと眼を放さずにその窓を見ているのです。するとあん…

シリヤの聖エフレム教訓 第12講話 << 不怒（ふど） >> たやすく怒（いかり）を発（はつ）し、或（あるい）は激（げき）せざらん人（ひと）は福（さいわい）なり。彼（かれ）はつねに平安（へいあん）に居（お）らん。彼（かれ）は激（げき）し易（やす）く怒（いか）りやすきの気（き）を己（おのれ）より逐（…

あるい）は彼（かれ）の亡滅（ぼうめつ）を喜（よろこ）びし隣（となり）を意味（いみ）し、且（か）つ其（それ）等（ら）の人々（ひとびと）が温柔（おんじゅう）となりて神（かみ）の能力（のうりょく）を識（し）らん様（よう）平安（へいあん）に就（つ）きて祈（いの）り、或（ある…

がいっしょに下宿をしている時分から実に煮（に）え切らない——そりゃ御困りでございましたろう」と御客さんは鼻子夫人の方を向く。 「困るの、困らないのってあなた、私（わた）しゃこの年になるまで人のうちへ行って、あんな不取扱（ふとりあつかい）を受けた事はありゃしません」と鼻子は例によって鼻嵐を吹く。…

んりょく）とを加（くは）へずんば、其（その）任（にん）意（い）と自（じ）由（ゆう）なる望（のぞみ）とにしたがひ、其（その）願（ねがひ）に準（じゅん）じて祈（き）祷（とう）の恩寵（おんちょう）を或（あるひ）は一分（いちぶん）與（あた）へられ、心神（しんしん）の慰（い）安（あん…

あるが故也。人間（にんげん）は天理（てんり）といひて此理をもたぬ人はあらねども、それを分明（ぶんみやう）せざりによつて、万（よろづ）にまよへり。其上心おろかなる人学ばずんば道を知りがたし。先哲（せんてつ）も一期（ご）の大事（だいじ）は住所（すみか）といへり…

存（ぞう）することも亦（また）能（あた）はざりしならん。豫（よ）言者（げんしゃ）の之（これ）を云（い）ふは全力（ぜんりょく）を以（もつ）て彼（かれ）等（ら）を復（ふたた）び神（かみ）の佑助（ゆうじょ）に向（むか）はしめ、彼（かれ）等（ら）が平安（へいあん）なるによりて一層（いつそう）不（ふ）注意（…

り、燈火（ともしび）と成（な）り、力（ちから）にも成（な）るものなれば、聖靈（せいれい）の惠（めぐみ）が斯（か）く爲（な）す事（こと）を示（しめ）す、聖（せい）パウロの言（ことば）に「我等（われら）はキリストの香（かんば）しき薰（かほり）である」とあるが如（ごと）し。 俺手礼（あん…

れて波（なみ）に没（ぼつ）するによるにあらずや、即（すなはち）此（こ）の深潭（しんたん）を渡（わた）り、波（なみ）のまにまにゆきゆきて、平安（へいあん）の港（みなと）に達（たつ）する者（もの）のあるなきが為（ため）にあらずや。これによる大（おほい）なる信仰（しんこう）と、大量（たいりょう）と、奮闘…

ある。 私はこの記事を新聞で読んだとき、そぞろに爽快（そうかい）な戦慄（せんりつ）を禁じることが出来なかった。 闇！そのなかでわれわれは何を見ることも出来ない。より深い暗黒が、いつも絶えない波動で刻々と周囲に迫って来る。こんななかでは思考することさえ出来ない。何がある…

して、漸（ようや）く怠慢（たいまん）なるときは、罪（つみ）は再（ふたた）び来（きた）り、霊魂（たましひ）を衣（き）て、人（ひと）を窘逐（きんちく）するを始（はじ）めん。霊魂（たましひ）は以（い）前（ぜん）の安息（あんそく）を思（おもひ）出（いだ）し、憂愁（ゆうしゅう）して、しきりに苦（くる）しむを始（はじ）めん。…

んり）の枝（ゑだ）に憤（いきどほ）りつ、此處（こヽ）閑窓（かんさう）のうち机上（きじやう）の香爐（かうろ）に絶（た）えぬ烟（けふ）りの主（ぬし）はと問（と）へば、答（こた）へはぽろり襦袢（じゆばん）の袖（そで）に露（つゆ）を置（お）きて、言（い）はぬ素性（すぜう）の聞（き）きたきは無理（むり…

あん・ばちすたさえ、一度などは浦上（うらかみ）の宗徒（しゅうと）みげる弥兵衛（やへえ）の水車小屋に、姿を現したと伝えられている。と同時に悪魔もまた宗徒の精進（しょうじん）を妨（さまた）げるため、あるいは見慣れぬ黒人（こくじん）となり、あるいは舶来（はくらい）の草花（くさばな）となり、ある…

あんらく）・涅槃（ねはん）〔を得（う）〕。 204 無病（むびやう）は最上（さいじやう）の利（り）、知足（ちそく）は最上（さいじやう）の財（ざい）なり、信賴（しんらい）は最上（さいじやう）の親族（しんぞく）にして、涅槃（ねはん）は最勝（さいしよう）の安樂（あんらく）なり。 205…

ょう）の為（ため）にいざなひ去（さ）られ、無（む）益（えき）の煩慮（はんりょ）に縛（しば）られて、使徒（しと）のいふ如（ごと）くなる天（てん）の平安（へいあん）を心（こころ）に得（え）ざるなり、いへらく『神（かみ）の平安（へいあん）は汝（なんぢ）等（ら）の心（こころ）の中（うち）に宰（つかさ）たるべ…

あんぜん）を得（え）んことを望（のぞ）めども見（み）ずして、その心（こころ）は畏懼（いく）と戦慄（せんりつ）のために安静（あんせい）を有（ゆう）せざらん時（とき）は、人（ひと）の心（こころ）のこの畏懼（いく）は人（ひと）のために他（た）のある協力（きょうり…

め石、主人のめしつかわれやうによつて、一ぶんの才かくふんべつなき物はあるまじ、松倉長門守も、りはつもかたのごとく、さすがにゆうちやうなりし人なるに、あくぎやくものをもつぱらに國のしをき、內外のさいばんほめたる者︀なかりければ、あんのごとく、ながよの守を引たをしける、  …

あるか。 答　神（かみ）の睿（えい）智（ち）の跡（あと）を慕（した）ひ、全力（ぜんりょく）を以（もっ）て進行（しんこう）すると、此（こ）の進向（しんこう）に於（おい）て生命（せいめい）の終（おわり）に至（いた）る迄（まで）全霊（ぜんれい）を以（もっ）て急（いそ）ぐと、もし必要（ひつよう）ある…