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もえらばず。善人（ぜんにん）惡人（あくにん）をもわかたず。至（し）心（しん）に彌陀（みだ）を念（ねん）ずるにむまれずといふ事（こと）なし。たとへばおもき石（いし）をふねにのせつればしづむ事（こと）なく、萬（まん）里（り）のうみをわたるがごとし。罪業（ざいごふ）のおも…

も表（おもて）も平手（ひらて）に揉（も）んで、美（うつ）くしい眦（まなじり）に良人（をつと）が立（た）つ腹（はら）をも柔（やはら）げれば、可愛（かあい）らしい口元（くちもと）からお客樣（きやくさま）への世辭（せじ）も出（で）る、年（とし）もねつから行（ゆ）きなさらぬにお怜悧（り…

あしひきの山した風もさむけきにこよひも又やわかひとりねん あしひきの－やましたかせも－さむけきに－こよひもまたや－わかひとりねむ 00778 [詞書]題しらす 人まろ 葦引の山鳥の尾のしたりをのなかなかし夜をひとりかもねむ あしひきの－やまとりのをの－したりをの－なかなかしよを－ひとりかもねむ 00779…

ねんは十二つきにて、ひかづ三百六十にちなり。十ねんは三千六百にち、五十ねんは一萬八千にちなり。おまへたちもいまから三百六十ねると、またひとつとしをとり、おしやうぐわつになりて、おもしろきこともあらん。されどもだん〳〵おほくねて、一萬八千ばかりもね…

經つくゑ 作者：樋口一葉 1892年 書誌情報 哀（あは）れ手向（てむけ）の花（はな）一枝（し）に千年（ねん）のちぎり萬年（まんねん）の情（じやう）をつくして、誰（た）れに操（みさを）の身（み）はひとり住（ずみ）、あたら美形（びけい）を月花（つきはな）にそむけて、世（よ）は何時（いつ）ぞとも知（し）…

第（だい）四十課（くわ）　第（だい）三と第（だい）四との律令（おきて） －161－ ▲少（すくな）くとも年（ねん）に一度（ど）は必（かなら）ず告白（こくはく）すべし。 とは、毎年（まいねん）一度（ど）なりもと云（い）ふ事（こと）で、尚度々（なおたびゝゞ） は教会（けうくわい）の望（のぞ）む所（ところ）である。告（こく）…

もせす。かたがたみつゝこゝをたちなん事もあはれにかなしきに。おなじ月の十五日雨かきくらし降に。さかひを出て下野（總イ）の國のいかたといふ所にとまりぬ。家（いほイ）などもうきぬる計に雨ふりなどすれば。おそろしくていもねられず。野中にをり…

り新田（につた）より一時（いちじ）借（か）り入（い）れし二千許（にせんばかり）の金（かね）ことしは既（すで）に期限（きげん）ながら一兩年（いちりやうねん）引（ひき）つゞきての不景氣（ふけいき）に流石（さすが）の老舖（しにせ）も手元（てもと）豐（ゆた）かならず殊（こと）に織元（おりも…

ねん）五月中（ちう）勘（かん）三郎（らう）は東京（たうきやう）へ出（い）で益田（ますだ）英吉（えいきち）氏（し）の周旋（しうせん）にてクヰンスランドの移民（いみん）事業（じげふ）に従事（じうじ）し同地（どうち）に渡航（とかう）して三年（ねん）ばかりも居（を）り…

も）りて自（じ）省（せい）すべき事（こと）、彼（かれ）等（ら）と親（したし）むにより怠慢（たいまん）と衰弱（すいじゃく）が人（ひと）に主（しゅ）となりて種々（しゅじゅ）なる不（ふ）潔（けつ）の慾（よく）に充（み）たさるゝ事（こと）、放蕩（ほうとう）なる思（し）念（ねん…

）れども信仰（しんこう）は知識（ちしき）よりも上（うえ）なり、もし非（ひ）難（なん）せらるるも知識（ちしき）そのものは非（ひ）難（なん）せらるべきにあらず。願（ねがは）くは之（これ）あらざらんことを。さりながら知識（ちしき）が天然（てんねん）に悖（もと）りて進行（しんこう）する種々（しゅじゅ）の方…

あきふけぬなけやしもよのきり〳〵すやゝかけさむしよもきふの月 あきふけぬ－なけやしもよの－きりきりす－ややかけさむし－よもきふのつき 00518 [詞書]百首哥たてまつりし時 摂政太政大臣 きり〳〵すなくやしもよのさむしろに衣かたしきひとりかもねん きりきりす－なくやしもよの－さむしろに－ころもかたしき－ひとりかもねむ…

ふきむすふ風はむかしの秋なからありしにもにぬ袖のつゆかな ふきむすふ－かせはむかしの－あきなから－ありしにもにぬ－そてのつゆかな 00313 [詞書]延喜御時月次屏風に 紀貫之 おほそらをわれもなかめてひこほしのつまゝつよさへひとりかもねん おほそらを－われもなかめて－ひこほしの－つままつよさへ－ひとりかもねむ 00314…

ねん）至極（しごく）に御座（ござ）りまする」ハラ〳〵と淚（なみだ）をこぼしました 三「夫（それ）は〳〵近頃（ちかごろ）御氣（おき）の毒（どく）千萬（せんばん）、何（な）にとかして御思（おゝも）ひ出（だ）しになる御工夫（ごくふう）は御座（こざ）りますまいか…

、ゆめゆめ、うたがふこゝろあるべからざるものなり。あなかしこ〳〵。 《意訳》 一念（ねん）に弥陀（みだ）を恃（たの）みにする行（ぎやう）者（しや）には、このうへもない廣（くわう）大（だい）な功（く）徳（どく）利（り）益（やく）を與（あた）へてくださるこゝろを、親鸞（しんらん）聖（しやう）人（にん）は『和（わ）讃（さん）』に、…

た）る迄（まで）は、有形（ゆうけい）なるものに対（たい）する概念（がいねん）よりも自（じ）由（ゆう）を得（え）ざるべくして、暗（くら）まされたる思（し）念（ねん）より潔（きよ）めらるゝ者（もの）とはならざるべし。思（し）念（ねん）の暗黒（あんこく）と惑乱（わくらん）の有（あ）る処（ところ）は、慾（…

いまよりはあはしとすれやしろたへのわか衣手のかはく時なき いまよりは－あはしとすれや－しろたへの－わかころもての－かわくときなき 01429 たまくしけあけまくおしきあたら夜を衣てかれてひとりかもねん たまくしけ－あけまくをしき－あたらよを－ころもてかれて－ひとりかもねむ 01430 あふことをおほつかなくてすくすかな草葉のつゆのをきかはるまて…

り聞（き）きたしと待（まち）けるが、其日（そのひ）の夕方（ゆふがた）彼（か）の人形（にんぎやう）を持（も）ちて例日（いつ）よりも嬉（うれ）しげに、お前（まへ）の歌（うた）ゆゑ首尾（しゆび）よく我（わ）が勝（かち）に成（な）り、此樣（このやう）な人形（にんぎやう）を取（と）りしと誇（ほこ）り…

も、 また酒（さけ）を嗜（たしな）み酒功（しゆこう）の讚（さん）を作（つく）り、以（もつ）てこれに継（つ）ぐ、 晋建威将軍劉伯倫嗜酒。作酒徳頌伝於世。 唐太子賓客白楽天亦嗜酒。作酒功讚以継之。 酒功賛序　白居易 かぜにのぞめるせうしうのき、 さけにたいするちやうねんのひと、 ゑへるかほはさうえふのごとし、…

【一】念佛（ねんぶつ）行者（ぎやうじや）のぞんじ候（さふらふ）べきやうは、後世（ごせ）ををそれ往（わう）生（じやう）をねがひて念佛（ねんぶつ）すれば、をはるときかならず來迎（らいかう）せさせ給（たまふ）よしをぞんじて、念佛（ねんぶつ）申（まをす）より外（ほか）のことは候…