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んたい）をとき、下（げ）三品（さんぼん）は煩惱（ぼんなう）賊害（ぞくがい）のすがたを說（とく）なり。その實（じつ）は行（ぎやう）福（ふく）の者（もの）は上（じやう）三品（さんぼん）ととき、戒福（かいふく）の者（もの）をば中三品（ちうさんぼん…

ぼんぎやう）を行（おこな）ひ、一切（さい）生類（しやうるゐ）に對（たい）して(2)害意（がいい）を抱（いだ）かずば、彼（かれ）は婆羅門（ばらもん）、彼（かれ）は沙門（しやもん）、彼（かれ）は比丘（びく）なり。 143 慚恥（ざんち）によりて制（せい）せられて、〔他（た…

おもむき）御（お）尋（たづね）に付（つき）て御（ご）返（へん）事（じ） 他（た）力（りき）稱名（しようみやう）は不思議（ふしぎ）の一（いち）行（ぎやう）なり。彌陀（みだ）超（てう）世（せ）の本（ほん）願（ぐわん）は凡（ぼん）夫（ぶ）出（しゆつ）離（り）の直道（ぢきだう）なり。諸佛（しよぶつ）源（げ…

　小岩井農場の北に、黒い松の森が四つあります。いちばん南が狼森（オイノもり）で、その次が笊森（ざるもり）、次は黒坂森、北のはずれは盗森（ぬすともり）です。 　この森がいつごろどうしてできたのか、どうしてこんな奇体（きたい）な名前がついたのか、それをいちばんはじめから、すっかり知っているものは、おれ…

らんも、本（ほん）願（ぐわん）とはきこえたれば、たゞ本（ほん）願（ぐわん）にあふ機（き）の遲（ち）速（そく）不（ふ）同（どう）なれば、『上（かみ）は一（いち）形（ぎやう）を盡（つく）し下（しも）は一念（いちねん）に至（いた…

）惡（あく）世（せ）の劫濁（こふぢよく）、見濁（けんぢよく）、煩惱濁（ぼんなうぢよく）、衆生濁（しゆじやうぢよく）、命濁（みやうぢよく）の中（なか）に於（おい）て阿（あ）耨（のく）多（た）羅（ら）三藐（さんみやく）三菩提（さんぼだい）を得（え）て、諸（もろもろ）の衆生（しゆじやう）の爲（ため）に是…

男子（なんし）の女子（によし）に對（たい）する煩惱（ぼんなう）、些（すこし）にても斷（た）たれざる所（ところ）あらば、彼（かれ）の心（こころ）は尙（な）ほ囚（とら）はる、乳（にう）を貪（むさぼ）る犢（こうし）の母牛（ぼぎう）に於（お）けるが如（ごと）くに。 285 自己（じこ）の愛念（あいねん）を斷（た…

ちょー）　壁（へき）には八（や）つの門高（もんたか）し 京（けい）城（じょー）隈（くま）なく一覽（いちらん）し　重（かさ）ねて乘（の）り込（こ）む京（けい）義（ぎ）線（せん）　驛（えき）驛（えき）過（す）ぎて大同（だいどー）江（こー）　渡（わた）ればかなたは平（へい）壤（じょー）府（ふ）…

丼 どんぶり。（井中（せいちぃゆう）に物（もの）の落（お）つる聲（こゑ）。） 瓦 グラム。（かはら。） 企 くはだつ。事（こと）を爲（な）し始（はじ）む。（踵（くびす）を擧（あ）げて立（た）つ。つまだつ。） 安 やすし。物價（ぶつか）の廉（れん）なること。（安泰（あんたい）。） 存…

ぶ）にも汝（なんじ）の足（そく）下（か）にも横溢（おういつ）す、立（た）つ所（ところ）の地位（ちい）より下（くだ）るなかれ。神（かみ）が惠（めぐ）み給（たま）ふときは免（まぬか）るるを得（え）ん。目（め）と瞼（まぶた）の相近（あいちか）きが如（ごと）く、試（し）惑（わく）も人々（ひとびと）に近（ちか…

いちじ）づゝの仕事（しごと）を延（の）ばして此子（このこ）が爲（ため）の收入（しうにふ）を多（おほ）くせんと仰（おほ）せられしなりき、火氣（くわき）の滿（みち）たる室（しつ）にて頸（くび）やいたからん、振（ふり）あぐる槌（つち）に手首（てくび）や痛（いた）からん。…

さいはうをもつてのぞみとなす、 くぼんれんだいのあひだには、 げぼんといへどもたりぬべし 十方仏土（じつぱうぶつど）の中（なか）には、 西方（さいはう）を以（もつ）て望（のぞみ）となす、 九品蓮台（くぼんれんだい）の間（あひだ）には、 下品（げぼん）といへども足（た）りぬべし 十方仏土之中。以西方為望。九品蓮台之間。雖下品応足。…

沼（ぬま）津（づ）の近（ちか）くの海（うみ）邊（べ）には 波（なみ）靜浦（しづうら）の汐（しほ）あみ塲（ば） 千本松原散（せんぼんまつばらさん）步（ぽ）して 江（え）の浦（うら）づたい月（つき）も見（み）ん 浮島（うきしま）が原（はら）田子（たご）の浦（うら） 見（み）れども盡（つ）きぬ風景（ふうけい）に 心（こゝろ）浮（う）かれて駿（する）河（が）路（ぢ）も…

（ざいにん）なをむまる、いかにいはんや善人（ぜんにん）をや。行（ぎやう）は一念（いちねん）十念（じふねん）むなしからずと信（しん）じて無（む）間（けん）に修（しゆ）すべし。一念（いちねん）なをむまる、いかにいはんや多（た）念（ねん）をや。阿彌陀（あみだ）佛（ぶつ）は不（ふ）取（しゆ）正（しやう）覺（…

ち）しはお高（たか）がみどりの振分髮（ふりわけがみ）をお煙草盆（たばこぼん）にゆひ初（そ）むる頃（ころ）なりしとか、さりとては長（なが）かりし年月（としつき）、ことしは芳之助（よしのすけ）もはや廿歳（はたち）今（いま）一兩年（いちりやうねん）經（へ）たる上（うへ）は公（おほやけ）に夫（つま）とよび妻…

ぞ茂十（もじゅう）、誰（だれ）にも洩（も）らしてはならんぞ、もう一度（いちど）逢（あ）って相談（そうだん）しようから。」 と言（い）って別（わか）れたが、越（こ）えて二日目（ふつかめ）の真夜中（まよなか）に、今度（こんど）は須谷（すだに）大尉（たいい）を連（つ）れ、角燈（かくとう）をつけて私（わたく…

なく、おろがんと申て、日ぽんの​樂​​がく​​などのやうにふきならしてあそびたはぶれ給ふ所なり、​釋迦​​志やか​​とやらん​阿彌陀​​あみだ​​とやらんが、何とて佛になすべきや、志やかはこれ​天竺​​てんぢく​​の上ぼん大わうが子なり、おやに​勘當​​かんだう​​せられて、だんどくせんにかゞみゐ…

ほん）願（ぐわん）の不思議（ふしぎ）をうたがはせ給（たま）ふべからず。これを他（た）力（りき）の往（わう）生（じやう）とは申（まをす）也（なり）。自（じ）力（りき）にて生（しやう）死（じ）をいでんとするには、煩惱（ぼんなう）惡業（あくごふ）を斷（だん）じつくして淨（じやう）土（ど）にもまいり菩（ぼ…

　桃太郎は悠然（ゆうぜん）と頷（うなず）いた。 「日本一（にっぽんいち）〈［＃ルビの「にっぽんいち」は底本では「にっぼんいち」］〉の桃太郎は犬猿雉の三匹の忠義者を召し抱（かか）えた故、鬼が島へ征伐に来たのだ。」 「ではそのお三（さん）かたをお召し抱えなすったのはどういう訣（わけ）でございますか？」 「それはもとより鬼が島を征伐したい…

庄（さと）を今（いま）呼（よ）ぶ三（みつ）日（か）市（いち）。 三本柿（ぼんがき）や德法（とくはふ）寺（じ）､ 黑（くろ）部（べ）に架（かゝ）る愛本（あいもと）の､ 橋（はし）や釣鐘（つりがね）､黑薙（くろなぎ）の､溫泉（ゆ）にも遊󠄁（あそ）びて樂（たのし）まむ。 謙󠄁信（けんしん）手（て）植（うゑ）の巨松（おほまつ）や､…