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れど、迫まりては徳（とく）不（ふ）徳（とく）取捨の猶予なく、天を恨み地を恨み、世（せ）範（はん）これより乱れて国家の末いと危ふし。これを救ふこと仁（じん）にありと、我れ先づ資産を擲（なげう）つて、一着手を救生（きうせい）の急なるに起し、一方（かたへ）は富国利民の策を講じ、一方（かたへ）は貴（き）顕…

梅（むめ）付紅梅 はくへんのらくばいはたにのみづにうかび、 くわうせうのしんりうはしろのかきよりいでたり、 白片（はくへん）の落梅（らくばい）は澗（たに）の水（みづ）に浮（うか）び、 黄梢（くわうせう）の新柳（しんりう）は城（しろ）の墻（かき）より出（い）でたり、 白片落梅浮澗水。黄梢新柳出城墻。 春至香山寺　白居易…

防（よばう）せんとするにも兵力の必要（ひつえう）あり然るを况んや一國政治の改革（かいかく）に於てをや周公孔子（しうこうかうし）の末流（まつりう）にして腐敗（ふはい）の極（きよく）に沈（しづ）みたる朝鮮人（てうせんじん）が何（なに）として文明流の忠告（ちうこく）に耳（みゝ）を傾（かたむ）く可きや上流…

ひそ）かに眉（まゆ）を顰（ひそ）むる一等船客（とうせんかく）の中には恰（あたか）も鳩山（はとやま）法學（はふがく）博士（はかせ）も夫人（ふぢん）同伴（どうはん）にてエール大學（だいがく）の學位（がくゐ）を受（う）くる爲（ため）に乘合（のりあは）せたり又（また）事（こと）を好（この）む船客（せんかく…

たり、用（もち）ゐること能（あた）はずと。孔子（こうし）行（さ）りぬ。〉 十八之四 齊人歸女樂，季桓子受之，三日不朝。孔子行。 〈齊人（せいひと）女樂（じよがく）を歸（おく）れり。季桓子（きくわんし）之（これ）を受（う）け、三日（じつ）朝（てう）せず。孔子（こうし）行（さ）りぬ。〉…

金（へんきん）の急を兔（まぬ）かれたれども周旋人（しうせんにん）の爲めに五萬圓の禮金（れいきん）を取られたるが如し割（わり）に合（あ）はざる談にして今日に至りては寧（むし）ろ遼東半島（れうとうはんたう）を日本に與（あた）へたるの得策（とくさく）たりしを認めしことならん近來支那人が外國人のいよ〳〵恐（…

はや郡（こほり）山（やま）に着（つき）にけり 大空凌（おほぞらしの）ぐ烟突（えんとつ）は 紡績（ばうせき）會（ぐわい）社（しや）と知（し）られたり 世（せ）界（かい）唯（ゆ）一（いつ）の藥（やく）師（し）像（ぞう） 唐招提（とうせうだい）寺（じ）西大（さいだい）寺（じ） 砧（きぬた）うつてふ秋篠（あきしの）も 只片時（たゞかたとき）の道（みち）ぞかし…

往󠄁昔立山龍󠄂神（そのかみたてやまりうじん）の､ 一夜（や）に建󠄁（た）てし堂塔（だうたふ）と､ 傳（つた）ふる眼目（さくくわ）の立川（りうせん）寺（じ）。 以前󠄁來（もとき）し道󠄁（みち）に立歸（たちかへ）り､ 早月（はやつき）過󠄁（す）ぎて左（ひだり）には､ 海（うみ）につらなる漁（ゐさり）火（び）と､…

せたはして、そのかたきをのはす、けうとはすそはらにちんをとりて、いろ〳〵のはたをたてならべて、らんじやうひまなくして、ひしめきあふ、すゑなかはせむかふを、とうけんだすけみつ申す、御かたはつゝき候らん、御まち候て、せう人をたてゝ御かせん候へと申を、きうせ…

身（み）延詣（のぶまう）での歸（かえ）り道（みち） 富士（ふじ）川（かは）急流（きふりう）十八（じふはち）里（り） 舟（ふね）にて下（くだ）る人（ひと）もあり 岩淵（いはぶち）､蒲原（かんばら）あとに見（み）て 薩（さつ）田（た）峠（たうげ）のトンネルを ぬくれば興（おき）津（つ）の清見（せいけん）寺（じ） 海（うみ）にはうつる三保（みほ）の松（まつ）…

たりともあはれたちまさりてなどおもへるはあらじ　一時の情に一とおもはれぬるは此人のゝぞみたりぬる成かし　駿馬の骨といひける終りのさまを淺ましとつまはじきするは其人をしらねばぞかし　宮の御前すら撫子に涙をそゝぎ給ひけるほど少納言のかくありけるは道理也　おなじうは御堂どのが前にて猶今少しいはせ…

注釈：原文は漢字ひらがな交じり。句点はなし。 朝鮮（てうせん）國事（こくじ）の改革（かいかく）を必要（ひつえう）なりとして何（いづ）れの邊より着手（ちやくしゆ）せんかと云ふに我輩は外國人（ぐわいこくじん）のことなれば直接（ちよくせつ）に不便（ふべん）を感（かん）ずる彼の外交の改良（かいりやう）を促（う…

うす）くすれば薄うせざる所なし。其進（すゝ）むこと銳（するど）き者は其退（しりぞ）くこと速（すみや）かなり。〉 孟子曰：「君子之於物也，愛之而弗仁；於民也，仁之而弗親。親親而仁民，仁民而愛物。」 〈孟子曰く、君子（くんし）の物（もの）に於（お）けるや、之（これ）を愛（あい）して仁（じん）せ…

（よ）くして而して至（いた）る者（もの）ありと雖（いへど）も、受（う）けざるなり。受（う）けざる者（もの）は、是（こ）れ亦（また）就（つ）くを屑（いさぎよ）しとせざるのみ。柳下惠（りうかけい）は污君（をくん）を羞（は）ぢず、小官（せうくわん）を卑（いや）しとせず、進（すゝん）で賢（けん）を隱（かく…

置（お）かるる師（し）團（だん）は第十（だいじふ）ニ（に） 見（み）るべき寺（てら）は眞（しん）宗（しゆう）の 九州本山永照（きうしうほんざんえいせう）寺（じ） 豐州線（ほうしうせん）に乘（の）り替（か）へて ゆくや行橋（ゆくはし）､新田原（しんでんばる） 椎（しい）田（だ）､松（しよう）江（え）の濱（はま）づたい…

神（かう）戸（べ）の里（さと）を立（た）ちいづる 山陽線（さんやうせん）路（ろ）の汽（き）車（しや）の道（みち） 兵（ひやう）庫（ご）鷹取（たかとり）須磨（すま）の浦（うら） 名所舊蹟（めいしよきうせき）かずおほし 平（へい）家（け）の若（わか）武（む）者敦盛（しやあつもり）が 討（う）たれし跡（あと）もこゝと聞（き）く…

之（これ）を賓（ひん）とするなり。而（しかう）して丘（きう）や殷人（いんひと）なり。予（われ）疇昔（ちうせき）の夜（よ）、坐（ざ）して兩楹（りやうえい）の間（あひだ）に奠（てん）せらるゝと夢（ゆめ）みたり。夫（か）の明（めい） 王（わう）興（おこ）らず、而（しかう…

かくていられんとしておるなり。 くちおしういざりつとの給ふに。 この男ふしまろびなきて。 かくまでおぼしけることをあながちにし侍ける事とて。 そこにて刀をぬきて弓うちきり。 やなぐひみなおりくだきて。 もとどりきりてやがて聖にぐして法師になりて。 聖のおはしけるがかぎりひじりにつかはれて。 ひじりうせ給ければ。 又そこにぞおこなひてゐたりけるとなん。…

におもふ事を、みるものきくものにつけていひいだせるなり。はなになくうぐひす、みづにすむかはづのこゑをきけば、いきとしいけるものいづれかうたをよまざりける。ちからをもいれずしてあめつちをうごかし、めに見えぬおにかみをもあはれとおもはせ、をとこをむなのなかをもやはらげ、たけきものゝふのこゝろをもなぐさむるはうたなり。…

）の神（しん）より、神（かみ）自己（じこ）の光（ひかり）よりうけん。 十一、　それ身体（しんたい）は生活（せいかつ）を身体（しんたい）其物（そのもの）よりうけずして、身体（しんたい）の外（ほか）にあるものよりうく、即（すなはち）地（ち）よりうくべくして、身体（しんたい）の外（ほか）に存（そん）するも…