鉄道唱歌/山陽・九州篇

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山陽.九州

  1. なつなほさむぬのびきたきのひゞきをあとにして かうさとちいづる さんやうせんしやみち
  2. ひやうたかとりすまうら めいしよきうせきかずおほし へいわかしやあつもりたれしあともこゝと
  3. そのさいまでたづさへし あをふえすまでらいまものこりてはうもつなかにあるこそあはれなれ
  4. らうはうぐわんよしつねてきぢんめがけておとしたる ひよどりごえやいちのたに みなこのめいしようちぞかし
  5. まひまつより まぢかくゆるあはしま よるいはとうだいごとかげあかし
  6. あかうらふうけいうたによみたるひとまろやしろはこれかしまがくれ こぎゆくふねもおもしろや
  7. かこがはおりてたびびとちよるかげたかさごまつのあらしにつたへくる かねだかきをのへでら
  8. あみだてらおとひめしろにひゞく こゝよりせんりかへて ゆけばいくにじかん
  9. なはえきからにしみなみ いちはなれてあかあり じふしちつかへたる あさたくしろのあと
  10. はりすぐればやきものぜんをかやまに これもめいぶつきびだん やまくはのりかへよ
  11. みとかなざはをかやまてんつのこうゑん こうらくゑんてゆかん くにはなしのみやげには
  12. れいけんいまにいちじるく さぬくにちんある ことひらぐうまゐるには たましまかうよりせんあり
  13. たゝみおもてのびんには ふくやままちにぎはしき しろいしがきむしのこす こけにむかしのしのばれて
  14. ぶしともうら こゝよりゆけばみちさん せんすゐじままへにして けぶりにぎはふあまさと
  15. じやうさいこくせんくわう てらたかきを の みちみなとまどしたしやねむりもさめにけり
  16. いとざきはらかいいち すぎていまつくひろしましろのかたちもそのまゝに いまだんをおかれたり
  17. につしんせんさうはじまりて かたじけなくもおほきみはたすゝめたまひたる だいほんえいのありしとち
  18. きたにはにぎこうゑん にしにはじなしんみなと うちうみなみしづかなり くれぐんかうちかくして
  19. こひまつばらいついち いつしかぎていつくしま とりまへにながめやる みやじまえきにつきにけり
  20. てきならしてきやくせんればじふふん はやくもこゝぞいちしま ひめのましますみやどころ
  21. うみにいでたるくわいらういたうかべてさすしほに うつるとうかげほしほたるいさり
  22. もうもとなりこのしましろをかまへてきみあだ すえはるかたちうせしは のこすしんかゞみなり
  23. いはくにがはみなかみに かゝれるはしそろばんたまをならべしごとくにて きんたいけうづけたり
  24. かぜいとよるやなゐづみなとにひゞくさんぶつかんじやうやなじま からきうきしほあぢ
  25. ぶねいりぶねたえまなき しやうげふはんくわみたじりさんやうせんのをはりにて くわんばすしやのみち
  26. すこしくあとにちかへり とくやまかうふなして じふゆけばぜんなる もじみなとにつきにけり
  27. むかひきしくわんにて かいじやうわづかじつちやう せとうちうみのどくびを しめてあつむるふねかず
  28. あしたかげゆふけむり にしきたさしてゆくふねは 鳥もばぬとおとにきく げんかいなだやわたるらん
  29. しほはやともせとばるゝこのうみげんぺいりやうせんじやう だんうらとはこれぞかし
  30. かいにそのいとたかくわんでうやくむすびたる しゆんぱんろうあととひて むかししのぶもおもしろや
  31. もじよりおこるきうしうてつだうせんをはる/″\と ゆけばだいさとすぎて こゝぞくらひとはよぶ
  32. これよりしやりかへて ひがしはまひゆかば じやうゆきはしうのしまを すぎてなかいたるべし
  33. なかぶんはんくわ らいさんやうふでにより だかくなりしやばけいるにはみちとほからず
  34. しらくもかゝるひこさんみぎにながめてなほゆけば しやうさにてまりたり はたみやまうでこん
  35. れきみてたれわけきよまろしんちよくひまつりたるうさみや あふがぬ人はにあらじ
  36. くらに又もちもどり ゆけばをりみぎひだり わかまつせんなほがたみちはこヽにてあひたり
  37. はしまどよりのぞうみのけしきのおもしろさ いそかひほるをとめあり おきかくるぶねあり
  38. おとにきゝたるはこざきまつかあらぬかひとむらの みどりかすみてえたるは はたかみみやならん
  39. あまはしだてみほうら このはこざきりそへて さんまつばらとよばれたる そのちよはるのいろ
  40. おりものさんられたる はかくろしろのあと かはをへだてゝふくをかまちもまぢかくつゞきたり
  41. まだいちにちとおもひたる たびはやふついち りててこんにきゝし さいみやとびうめ
  42. とせのむかしざいを おかれしあとはこのところ みやまつれるくわんこうせきかたらんいざきた
  43. だいみよそのはじめ しくもひとにそねまれて になきつみをおはせられ つひにせんさだまりぬ
  44. てんけどもてんはず さけべどももきかず なみだみてへんなる こゝにつきをおくりけり
  45. しづめどもわすれぬは うみよりふかきみおん かたみのぎよあさごとに さゝげてしぼるたもとかな
  46. あはれたうこゝろを おもひまつればいかならん まへいけこひぶ をとめよこらたびびと
  47. いちさかえしとふろうの あとをたづねてれば くさ葉をわたるはるかぜに なびくすみれいつ
  48. かねきくとくわんこうつくられてくわんのん ほとけるやちよまでも つきぬうらみがたりは
  49. さいわかれてとすえき ながさきゆきのわかれみち くるめありきうじやう すゐてんぐうもほどちかし
  50. かのせいなんせんさうに そのひびきしはらざか にゆくひときのはより おりてみちきけさとびと
  51. ねむもなくくまもとまちきたりわがしやきうしういちだいくわい じんこうまんせんあり
  52. くまもとじやうせいなんえきるゐ ほそかはうぢのかたみとて いまはおかるゝろくだん
  53. まちめいしよすゐぜん こうゑんきよくいけひろし みやもみぢにしきやま てらほつほんめう
  54. ほまれのはなもさきにほふ はなをかやませうこんしや くもかすみゆふぞらに みゆるはあそとほけむり
  55. わたるしらかはみどりがは かはじりゆけばうどさと くにしらぬゆるはこゝのうみ
  56. せんわかるゝすみかう ふねえまなし まつばせすぎてやつしろくもこゝろのたのしさよ
  57. みなみくまかはみづ よりもはやくながれたり にしあまくさなだうみ くもかとみゆるやまもなし
  58. ふたゝびかへるとすえき せんにしりかへて ゆけばもなくさがまち しろにはのこるたまのあと
  59. つかれてあびるたけ みやげにするはありやき めぐるしやりんはやより みぎにわかるゝさせほみち
  60. ちんぜいいちぐんこうと そのしられておほむらわんをしめたるさせほには わがちんじゆをおかれたり
  61. みなみかぜをハエとはえざきすぎてかはだなの つぎはそのまつばらまつふくかぜものどかにて
  62. みぎにながむるたひうら たひつるふねもうかびたり いさはやさとならぬ たびこゝろやいさむらん
  63. きやうのたよりきゝつとて おちつくひとおほくさはるながのたのしみも みちのにこそつきにけれ
  64. ちよやちよすゑかけて さかみよながさきみなとにぎはふもゝぶね げんとうのうつくしさ
  65. しやよりおりてたびびとの まづにゆくはすはやま てらまちすぎてきよりうればむかしぞしのばるゝ
  66. わがかいかうみちびきし らんぶねのつどひたる みなとはこゝぞながさきながくわするなくにたみ
  67. まへうなばらはてもなく くにまでもつゞくらん あとはてつだうひとすぢに またゝくひまよあをもり
  68. あしたははなあらしやま ゆふべはつきつくがた かしこもたのしこゝもよし いざてめぐれしやとも

この著作物は、1937年に著作者が亡くなって(団体著作物にあっては公表又は創作されて)いるため、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(回復期日を参照)の時点で著作権の保護期間が著作者(共同著作物にあっては、最終に死亡した著作者)の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)50年以下である国や地域でパブリックドメインの状態にあります。


この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。