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死刑宣告/踏切り番の薔薇の花

提供:Wikisource


踏切り番の薔薇の花
萩原恭次郎


踏切り番の薔薇の花が
役所通ひの洋服の胸のボタン
KISSされた

鋭いナイフピストルが飛び出して
自転車が走つて来て投り出された
帽子を踏みこはしながら
夏の賞与があたり一めん飛んだ
人間が一度に二匹死んで
一匹は檻に入れられた

——汽車は一秒をまちがはずに走つて行く
▲客は新聞でそれを読んでゐる
▲隣りの薔薇を眺めつゝ
——汽車は一秒をまちがはずに走つて行く



この著作物は、1938年に著作者が亡くなって(団体著作物にあっては公表又は創作されて)いるため、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(回復期日を参照)の時点で著作権の保護期間が著作者(共同著作物にあっては、最終に死亡した著作者)の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)50年以下である国や地域でパブリックドメインの状態にあります。


この著作物は、アメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。