死刑宣告/地震の日に
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地震の日に
萩原恭次郎
死に誘ふものは分らない
くぢけてしまつた道路の間に
首がころがつて笑つてゐる
裂かれた肉体がはなれて笑つてゐる
破裂した心臓が
ねぢれた儘 動かない
干からびた苦い血を嘗めて
友よ!
————生きて 生きて…………………
両手をひろげて
その首にかぢりついて
接吻する
血と砂とにむせて乾きついた儘
私は
固く
————哭く
その肉体に
————血をそゝぎ
————血で洗はふ!
砕けてしまつた市街の上に
彼と我との意思は
蒼ざめて発光する
ころがつてゐる首
焼け残つた白骨
残つた生存は
誰にこれからを捧げやうか
干からびた血と血を嘗めて
友よ!
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