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春興（しゆんきよう） はなのもとにかへることをわするるはびけいによるなり、 たるのまへにゑひをすすむるはこれはるのかぜ、 花（はな）の下（もと）に帰（かへ）ることを忘（わす）るるは美景（びけい）に因（よ）るなり、 樽（たる）の前（まへ）に酔（ゑ）ひを勧（すす）むるはこれ春（はる）の風（かぜ）。 花下忘帰因美景。樽前勧酔是春風。…

1892年 　　　　（上） 　隔（へだ）ては中垣（なかがき）の建仁寺（けんにんじ）にゆづりて汲（くみ）かはす庭井（にはゐ）の水（みづ）の交（まじ）はりの底（そこ）きよく深（ふか）く軒端（のきば）に咲（さ）く梅一木（うめひとき）に両家（りやうけ）の春（はる）を見（み）せて薫（かほ）りも分（わか）ち合…

は天（てん）を知（し）るなり、百世（せい）以（もつ）て聖人（せいじん）を俟（ま）つて惑（まど）はざるは人（ひと）を知（し）るなり。〉 是故君子動而世爲天下道，行而世爲天下法，言而世爲天下則。遠之則有望，近之則不厭。 〈是（こ）の故（ゆゑ）に君子（くんし）は…

はると謂（い）ふ。故（ゆゑ）に君子（くんし）は必（かなら）ず其（そ）の獨（ひと） りを愼（つゝし）むなり。曾子（そうし）曰（いは）く、十目（もく）の視（み）る所（ところ）、十手（しゆ）の指（ゆび）さす所（ところ）、其（そ）れ嚴（げん）なるかな。富（とみ）は屋（をく）を潤（うるほ）し、徳（とく）は身（み）を潤（うるほ）…

はママ］〉をもつはらとす。取分（とりわけ）正月の礼義。他（た）にことなり。元正（ぐわんしやう）のあかつきより。やかた義高（よしたか）の御前（まへ）へ。諸侍（しよさふらひ）出仕（しゆつし）の時。其人のくらゐによつて。礼の次第色々かはる。主君（しゆくん）のかは…

）、又（また）焉（いづく）んぞ貪（むさぼ）らん。君子（くんし）は衆寡（しうくわ）と無（な）く、小大（せうだい）と無（な）く、敢（あへ）て慢（まん）する無（な）し、斯（こゝ）に亦（また）泰（たい）にして驕（おご）らざるにあらずや。君子（くんし）は其（その）衣冠（いくわん）を正（たゞ）し、其（その）瞻…

る君子（くんし）の心。古今（ここん）かはるべからず。氏康諸侍（しよさふらひ）の科（とが）をなだめられたるは。是はかりごと也。氏康は【 NDLJP:494】大功（たいこう）をおもひ。関八州をおさめん智略（ちりやく）有により。はたして。関東諸侍（しよさふらひ）こと〳〵く。旗下（は…

12 かくて此の港は冬籠するに適せず、多くの人々は、彼處より船出すべく志を定め、いひけるは、もし能ふべくんば、クレテの港を南西と北西とに視るピニケに著き、〔そこにて〕冬籠せまほしと勸めたり。 13 かくて南風除ろに吹きければ、彼等は志を得たりと思ひ、〔錨を〕揚げ、クレテの岸に沿ひて進めり。…

る。其（そ）の因（よ）る所（ところ）の者（もの）は本（もと）なり。父子（ふし）の道（みち）は天性（てんせい）なり、君臣（くんしん）の義（ぎ）なり。父母（ふぼ）之（これ）を生（う）む、續（つづ）くこと、焉（これ）より大（だい）なるは…

はう）ぜざるは、南方（なんぱう）の强なり。君子（くんし）之（こ）れに居（を）る。金革（きんかく）を衽（しとね）として、死（し）して厭（いと）はざるは、北方の强なり。强者（きやうしや）之（こ）れに居（を）る。故（ゆゑ）に君子は…

るは、天下（てんか）の人（ひと）の兄（あに）たるものを敬（うやま）ふ所以（ゆゑん）なり、敎（をし）ふるに臣（しん）を以（もつ）てするは、天下（てんか）の人（ひと）の君（きみ）たるものを敬（うやま）ふ所以（ゆゑん）なり、詩（し）に云（い）はく、愷悌（がいてい）の君子（くんし）は…

はい）せん、其身（そのみ）を潔（いさぎよ）くせんと欲（ほつ）して、大倫（たいりん）を亂（みだ）る、君子（くんし）の仕（つか）ふるや、其（そ）の義（ぎ）を行（おこな）ふなり、道（みち）の行（おこな）はれざるは、已（すで）に之（これ）を知（し）れり。〉 十八之八 逸民：伯夷、叔齊、虞仲、夷逸、朱張、柳下…

た）つ。從者（じゆうしや）病（や）み、能（よ）く興（た）つ莫（な）し。子路（しろ）慍（うら）み見（み）て曰（いは）く、君子（くんし）も亦（また）窮（きう）する有（あ）るか。子曰く、君子（くんし）固（もと）より窮（きう）す、小人（せうじん）窮（きう）すれば斯（こゝ）に濫（らん）す。〉 十五之二…

はらかに若（し）かも御主君（ごしゆくん）が、手（て）を下（さ）げるぞ六三（ろくさ）邸（やしき）を立退（たちの）いて呉（く）れ、我（わ）れも飽（あく）まで可愛（かあゆ）き其方（そち）に、遣（つか）はさるべくは遣（つか）はしたけれど、七萬石（ひちまんごく）の先祖（せんぞ）が勳功（くん…

魯（ろ）の先君（せんくん）も之を行（おこな）ふ莫（な）し。吾（わ）が先君（せんくん）も亦之を行ふ莫（な）きなり。子の身（み）に至（いた）りて之に反（はん）するは不可（ふか）なり。且（か）つ志（し）に曰く、喪祭（そうさい）は先祖（せんぞ）に從ふと。曰く、吾之を受くる所有りと。然友（ぜんいう）に謂（い）…

はい）せん、其身（そのみ）を潔（いさぎよ）くせんと欲（ほつ）して、大倫（たいりん）を亂（みだ）る、君子（くんし）の仕（つか）ふるや、其（そ）の義（ぎ）を行（おこな）ふなり、道（みち）の行（おこな）はれざるは、已（すで）に之（これ）を知（し）れり。〉 十八之八 逸民：伯夷、叔齊、虞仲、夷逸、朱張、柳下…

くんしん）の義（ぎ）、之（これ）を如何（いかん）ぞ之（これ）を廢（はい）せむ。其（そ）の身（み）を潔（いさぎよ）うせむと欲（ほつ）して大倫（たいりん）を亂（みだ）る。君子（くんし）の仕（つか）ふるや、其（そ）の義（ぎ）を行（おこな）ふなり。道（みち）の行（おこな）はれざるは、已（すで）に之（これ）を知（し）れり。〉…

はこれを與（あた）へて余りあらしめ有る無きものは其の有る所をも奪はるゝなり』〔馬太十三の十三〕、使徒は又いふ『すべての事は神を愛する者に咸々（ことごと）く働きて益をなさしむ』〔ローマ八の廿八〕。況（ま）して諸（もろもろ）の徳行は我等に其の進歩を助くるあらざらんや。 百六十八、　舟は水なくん…

くん）あり、然（しか）れどももし誰（たれ）か沈黙（ちんもく）と親（した）しむならば、此（これ）らの教訓（きょうくん）を守（まも）るの行為（こうい）はその者（もの）の為（ため）に贅物（ぜいぶつ）となるべく、是（これ）より先（さき）の行為（こうい）も贅視（ぜいし）せらるべくして、彼（かれ）は…

「叔父さんは随分石地蔵（いしじぞう）ね」 「また小供の癖に生意気を云う。どうもこの頃の女学生は口が悪るくっていかん。ちと女大学でも読むがいい」 「叔父さんは保険が嫌（きらい）でしょう。女学生と保険とどっちが嫌なの？」 「保険は嫌ではない。あれは必要なものだ。未来の考のあるものは、誰でも這入（はい）る。女学生は無用の長物だ」…