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庵（べつあん）に籠居（ろうきょ）して出（い）でざりき。けだし聖者（せいしゃ）は兄弟（けいてい）の病（びょう）中（ちゅう）己（おのれ）の憐（れん）情（じょう）を制（せい）し、来（きた）りて面会（めんかい）せざりしかば、病（びょう）者（しゃ）は生命（せいめい）の終（おは）りに臨（のぞ）み…

身（み）を任（まか）せてし玄（げん）賓（ぴ）庵（あん） 世（よ）に名（な）も高（たか）き長谷（はせ）寺（でら）は 三輪（みわ）を去（さ）ること一（いち）里（り）半（はん） ふるき堂塔（どうたふ）かず多（おほ）く 先（ま）づありがたき長廊（ながろう）廻（か） こゝは春（はる）こそ愛（め）でたけれ…

紫野澤庵和尙鎌倉之記 改定史籍集覽第十七冊 作者：沢庵宗彭 編者：近藤瓶城 姉妹プロジェクト：Wikipediaの記事, データ項目 『沢庵和尚鎌倉巡礼記』（たくあんおしょうかまくらじゅんれいき）は、江戸時代前期の臨済宗僧・沢庵宗彭が寛永10年（1633年）に鎌倉五山に巡拝するため鎌倉を訪れたとき…

み）ゆるものと見（み）えざるもの〈見（み）ゆるものとはすべて物体（ぶったい）に属（ぞく）するものを言（い）ひ、見（み）えざるものとは思想（しそう）に属（ぞく）するものをいふ〉とそのものの為（ため）に慮（おもんばか）るとを棄（すつ）ることなり。 他日（たじつ）再…

(1)屋舍（をくしや）の工人（かうじん）を求（もと）めて、之（これ）を看（み）出（いだ）さず、多生輪廻界（たしやうりんねかい）を奔馳（ほんち）して、轉（うた）た苦（く）の生死（しやうじ）を經（へ）たり。 屋工（をくかう）、汝（なんぢ）今（いま）看出（まみいだ）さる、再（ふたた）び家（いへ）を構ふることあらじ、汝（なんぢ…

　　　　　自畫自賛 　　　　いかめしき音や霰の檜笠 　　　　　再芭蕉庵を營みて 　　　　霰きくや此身はもとの古柏 初氷 　　　　芹燒や裾輪の田井の初氷 　　　　　深川冬夜の感 氷 　　　　櫓聲波を打つて腸氷る夜や泪 　　　　　九歲の春秋を都に住み詫びて居を深川のほとりに移す長安は古來名利の地空手にして金…

である。— ウィキペディア日本語版「百人一首」より。 この作品はクリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植ライセンスのもとに利用を許諾されています。 あなたは以下の条件に従う場合に限り、自由に 共有 – 本作品を複製、頒布、展示、実演できます。 再構成 – 二次的著作物を作成できます。…

　風やめば魚のゆくみゆ、 　風ふけば魚のゆく消ゆ、 　　月清きいさゝ小川は、 　　　　花より出でゝ 　　　　　　森にかくるも。 （跛翁の物語） 白帆飛ぶ川瀨の岸に 　　　　　一もとの老松たてり 行迷ふこずゑの雲は 　　　　　幾代々の風に咽べり 其松の落葉隱れに 　　　　　誰が住める破庵なるぞ 雨の日の晝寢の宿と…

勝（か）ちたるものは再（ふたた）び之（これ）を勝（か）つこと能（あた）はず、其（そ）の勝利（しようり）には此（こ）の世（よ）の何人（なんびと）も之（これ）に入（い）ること能（あた）はず、(1)斯（か）く行履（ぎやうり）限（かぎ）りなく、跡（あと）なき佛（ほとけ）を如何（いか）なる道（みち）によりてか導（みちび）かんとする。…

、以来は是非身延を、東の叡山になさるべきと、御内存定候つる、出家に悪くあたらぬ物とは、次年酉の四月十二日に思あたりて候なり【全集ニハ希庵和尚ノ事ヲ附記シテ関山派希庵如尚美濃国より甲府へ御呼候へ共承引なしとて秋山伯耆に仰付られ同年十一月　六日殺し候其透波には伊奈乃松沢源五郎小田切与助林甚助三人也此者…

で調達しなければならぬ。 駿介が最初に相談に行つたのは森口であつた、金のこととなると、今の駿介としては、先づ森口の助力を仰ぐのほかはない。 森口は非常に乘氣になり、喜んで、その場ですぐに、少いが、と云つて三十圓出してくれた。 「豫算は組んでみたのかい？」 「いろいろ立ててみ…

庵の第三子円庵を養つて子としたが早世した。明治十一年九月方庵は六十一歳にして歿し、其家は絶えた。芸庵の弟妹は修石、柵（しがらみ）、修庵、方庵の順序で、柵は清川愷の妻である。是が方庵の清川邸に住んだ所以である。 　塩田氏は方庵と楊庵とを混同した。楊庵は芸庵の末子、小字（せうじ）八六、後の称忠平で…

答　人（ひと）が庵中（あんちゅう）に在（あり）て死（し）者（しゃ）の如（ごと）くなるを得るときは、業務（ぎょうむ）と沈（ちん）思（し）とのことを問（と）はんや。勉焉（べんえん）として心（こころ）の安定（あんてい）なる人（ひと）の独（ひと）り自（みづか）ら居（お）るあるや、如何（いか）に己（おのれ）を導（み…

迺天文十五年七月廿日、戦㆓死於川越㆒。時年廿二。法名了念正栄。蓋所㆑載㆓上州海龍寺及越後国雲洞庵過去帳㆒也。信玄・氏康攻㆓松山城㆒者、永禄五年也。朝定戦死十五年之以後也。僅亦朝定仮㆓魯陽之術㆒、速㆓白骨㆒再化来也歟。且検㆓ニ上杉系連㆒、扇谷五郎之外無㆘ 号㆓朝定㆒之者㆖。蓋此時守㆓松山㆒将者、上杉憲…

に協力（きょうりょく）して之（これ）を導（みちび）くは何物（なにもの）なるを知（し）らんこと肝要（かんよう）なり、修道士（しゅうどうし）の庵（いおり）の貧（まづ）しく欠乏（けつぼう）なる状態（じょうたい）にあらんことと、修道士（しゅうどうし）の為（ため）に庵（いおり）は空虚（くうきょ）にして、安息（…

め出御（しゆつぎよ）なる所へ、木村罷出（まかりい）でて、君は斯程（かほど）まで、言甲斐（いひがひ）なき御所存（ごしよぞん）にておはしける事こそ口惜（くちを）しけれ。唯今（たゞいま）伏見（ふしみ）へ御参り候とも、御対面（ごたいめん）は思ひも寄らず、再（ふたゝ）び都へは返し給ふべからず。道にて雑兵（ざ…

← 巻十九 太閤記 作者：小瀬甫庵 編者：近藤瓶城 明治33年 1900年 『太閤記』（たいこうき）は、小瀬甫庵が著した太閤豊臣秀吉の伝記である。 底本: 近藤瓶城 編『史籍集覧』第6冊,近藤出版部,大正8. Webブラウザ上でキーワード検索しやすくするために、「龍」を除く旧字を新字に変換し、いくつかの異体字を常用漢字に変換している。…

み）ゆるのが最早（もはや）善（よ）うは見（み）えまいぞや。 ロミオ　それを見（み）たうは無（な）けれど、自分（こち）のゝ美麗（りっぱ）さを見（み）ようために、一しょに往（ゆ）かう。 二人共（ふたりとも）入（はひ）る。 カピューレット夫人（ふじん）を先（さき）に、乳母（うば）從（つ）いて出（で）る。…

み）直静（なおちか）の家来堀川舟庵（ほりかわしゅうあん）、それから多紀楽真院（らくしんいん）門人森養竹（もりようちく）である。磐安は即ち柏軒で、舟庵は『経籍訪古志』の跋（ばつ）に見えている堀川済（せい）である。舟庵の主（しゅ）黒田直静は上総国久留利（くるり）の城主で、上屋敷は下谷広小路（したやひろこうじ）にあった。…

美は、東洋的ではあつても、必ずしもそれが支那的であるとはいひきれないやうな氣もして來た。私はこの石の國に來て、何となくそれらの關係を讀み得るやうに思つた。その人の愛した自然を拔きにして、製作のみを單純にいつて見ることの危いのをも感じた。 　吉田の大喜庵は、萬福寺から半道ばかりも離れて、高津（たかつ…