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納戸（なんど）にぬめつて、なにねばる。 鳩（はと）ぽつぽ、ほろほろ、ハ、ヒ、フ、ヘ、ホ。 日向（ひなた）のお部屋（へや）にや笛（ふえ）を吹（ふ）く。 蝸牛（まゐまゐ）、螺旋卷（ねぢまき）、マ、ミ、ム、メ、モ。 梅（うめ）の實（み）落（お）ちても見（み）もしまい。 燒栗（やきぐり）、ゆで栗（ぐり）。ヤ、イ、ユ、エ、ヨ。…

（たいき）のごと靈（れい）はうすれゆき、 4 時（とき）とともに我（われ）らの名（な）は忘（わす）られ行（ゆ）く。また、我（われ）らの業（わざ）を憶（おぼ）ゆるものなからん。我（われ）らの生命（いのち）は浮雲（うきぐも）のごとくすぎゆき、陽（ひ）の光（ひかり）に追（お）ひしかれ、その熱（ねつ）にう…

19 野驢馬（のろば）は荒野（あらの）にて獅子（しし）の餌食（ゑじき）となる如（ごと）く、貧（まづ）しき人（ひと）は富（と）める人（ひと）の牧草（まきぐさ）とならん。 20 謙遜（へりくだり）は高（たか）ぶる人（ひと）に忌（い）まるる如（ごと）く、貧（まづ）しき人（ひと）は富（と）める人（ひと）に忌（い）まる。…

なは）ち健（すこやか）なれ、希臘語（ギリシャご）では、喜（よろこ）べとの意味（いみ）ある通常（つうぜう）の挨拶語（あいさつご）を以（もっ）て譯（訳）（やく）されて居（ゐ）る。 偖（さ）て慶（めでた）しの祈禱（いのり）は、挨拶（あいさつ）と祈願（きぐ…

益（むえき）なり、暑（しよ）を山上に避（さ）けながら眼下（がんか）に群住（ぐんぢう）する憐（あは）れなる数万の異教徒（ゐけうと）の為（た）めに祈願（きぐわん）を込（こ）めるも無益（むえき）なり、教会（けうくわい）復興（ふくこう）の方策（はうさく）とは教導師（けうだうし）先（ま）づ躬（みづ）から身（み…

一四　彼等（かれら）皆（みな）心（こゝろ）を一（いつ）にして、婦等（をんなたち）とイイススの母（はゝ）マリヤと、彼（かれ）の兄弟（きやうだい）と偕（とも）に、祈禱（きたう）祈願（きぐわん）を務（つと）めたり。 一五　彼（か）の日（ひ）に於（おい）て、ペトルは、門徒（もんと）（…

きぐらゐ）尙なる人にありては、常に劣情を包み、かくして外面（おもて）にあらはさざればさながらその人、煩腦をば全く脱せしごとくなれども、彼れまた有情の人たるからにはなどて情慾のなからざるべき」 このやうな人情を主眼とする小說はまた、次のやうな文學的方法によつて描かれるべきものであつた。…

うじゆん）なる精神（せいしん）とをもて御旨（みむね）を行（おこな）ふこころを與（あた）へ、 4 その律法（おきて）と誡命（いましめ）とに汝（なんぢ）らの心（こゝろ）を開（ひら）きて平和（へいわ）をなし、 5 汝等（なんぢら）の祈願（きぐわん）を聽（き）きいれ、汝等（なんぢら）と和（やはら）ぎて、災…

なされたる日記なり　 【全集ニハ信玄衆生の事ト標目アリ】 夫（それ）れ信玄公稚（おさな）き時の御名を勝千代（かつちよ）殿と申す子細は御父（ちゝ）信虎公二十八歳の時駿河くしま【武田三代軍紀ニハ久嶋ヲ福島トス】といふ武士今川殿をかろしめ結句甲州を取て巳が国に仕らんとて遠駿の人数を引きぐ…

まる。圓形（ゑんけい）。全形（ぜんけい）。城（しろ）の郭內（くわくない）の稱（しよう）。本丸（ほんまる）・二の丸（まる）の類（るゐ）。人物（じんぶつ）・船舶（せんぱく）・器具（きぐ）等（とう）の名（な）に添（そ）へて用（もち）ひる字（じ）。牛若丸（うしわかまる）・八幡丸（はちまんまる）・雲切丸（くもきりまる）の類（るゐ）。（たま。） 勻〔ママ〕…

彼等（かれら）敵軍（てきぐん）の大軍（たいぐん）と、その數（かず）夥（おびただ）しきとを見（み）て、いたく恐（おそ）れたり。而（しか）して多（おほ）くのもの軍隊（ぐんたい）より脱（ぬ）け出（い）で、殘（のこ）れるもの八（はっ）百（ぴゃく）人（にん）に足（た）らざる程（ほど）となれり。 7…

處を不レ知候。只今致方無二御座一、目黒の不動へ參詣致、命に替て祈願（きぐわん）をこらし、晝夜祈（いのり）入事に御座候。熟（つら／＼）思慮（しりよ）仕候處、いづれなり奸女をたをし候外無レ望時と伺居申候。御存の通り、身命（しんめい）なき下拙（わたくし）に御座候へば、死する事は塵埃（ぢんあい）の如く、明…

かゞや）ふ社頭（しやとう）に霜（しも）の凍（こほ）りついた土（つち）に兩手（りやうて）をつかへ、斑紋󠄁（はんもん）の快癒（くわいゆ）を泣（な）いて祈願（きぐわん）したのであつた。が高等（かうとう）小學校󠄁（せうがくかう）を卒業（そつげふ）した時（とき）、私（わたし）は癩（らい）を宣吿（せんこく）されたのである。…

な）じかるべく、敵軍（てきぐん）が囲繞（いぎょ）せる時（とき）武装（ぶそう）を剝（は）がれたる戦士（せんし）と同（おな）じかるべく、綱具（こうぐ）を有（ゆう）せざる船（ふね）と同（おな）じかるべく、渾々（こんこん）として流（な…

とのひて、あたらしううつくしげなり。つれづれとうちしめりたまへるほど、いみじき御嘆きぐさなるに、かの人の御けしき、はた、同じやうになだらかなれば、「心弱く進み寄らむも、人笑はれに、人のねむごろなりしきざみに、なびきなましかば」など、人知れず思し嘆きて、一方に罪をもおほせたまはず。…

）に恩（おん）を報（むく）ゆる事（こと）を學（まな）ぶべし、是（これ）神（かみ）の御前（みまへ）に嘉納（かなふ）せらるればなり。 5眞（しん）に寡婦（やもめ）にして倚邊（よるべ）なき者（もの）は神（かみ）に倚賴（よりたの）み、晝夜（ちうや）祈願（きぐわん）祈祷（きたう）に從事（じゆうじ）すべし、…

み、人（ひと）に憚（はゞか）らず、イエズスの足下（あしもと）に平伏（ひれふ）し、涙（なみだ）を流（なが）し、罪（つみ）の便（たより）になったり罪（つみ）を犯（をか）す爲（ため）に用（もち）ゐた器具（きぐ）を打毀（うちこは）して、罪（つみ）の機会（きくゎい）をも斷然棄（だんぜんす）てる決心（けっしん）…

なけれど、なほめづらしかりける昔の例を改めで、院司どもなどなり、さまことにいつくしうなり添ひたまへば、内裏に参りたまふべきこと、難かるべきをぞ、かつは思しける。 かくても、なほ飽かず帝は思して、世の中を憚りて、位をえ譲りきこえぬことをなむ、朝夕の御嘆きぐさなりける。…

一葉（ひとは）は花は露ありて 風の来て弾（ひ）く琴の音に 青き葡萄（ぶどう）は紫の 自然の酒とかはりけり 秋は来ぬ 　　秋は来ぬ おくれさきだつ秋草（あきぐさ）も みな夕霜（ゆふじも）のおきどころ 笑ひの酒を悲みの 盃（さかづき）にこそつぐべけれ 秋は来ぬ 　　秋は来ぬ くさきも紅葉（もみぢ）するものを…

きぐ）を製（せい）してこれに動物（どうぶつ）を画（えが）かんと欲（ほつ）する者（もの）は、先（ま）づ蠟製（ろうせい）の写影（しゃえい）を作（つく）り、其（その）模（も）型（けい）により器（うつわ）を鋳造（ちゅうぞう）し、それによりて製造品（せいぞうひん）は終（つひ）に形（かたち）を為（な…