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  • 作者:樋口一葉 1892年     (上)  隔(へだ)ては中垣(なかがき)の建仁寺(けんにんじ)にゆづりて汲(くみ)かはす庭井(にはゐ)の水(みづ)の交(まじ)はりの底(そこ)きよく深(ふか)く軒端(のきば)に咲(さ)く梅一木(うめひとき)に両家(りやうけ)の春(はる)を見(み)せて薫(か…
    29キロバイト (5,017 語) - 2019年9月29日 (日) 05:32
  • ので、狂言作者の名人鶴屋南北(つるやなんぼく)がそれを清玄姫(せいげんさくらひめ)のことに仕組んで、吉田家の息女姫が千住(せんじゅ)の女郎になるという筋で大変当てたそうです。その劇場は木挽町(こびきちょう)の河原崎座(かわらざきざ)で『姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)』というのでした。い…
    52キロバイト (10,544 語) - 2019年2月27日 (水) 14:40
  • [詞書]摂政太政大臣家に五首哥よみ侍けるに 皇太后宮大夫俊成 またや見んかたのゝみのゝかり花の雪ちる春のあけほの またやみむ-かたののみのの-さくらかり-はなのゆきちる-はるのあけほの 00115 [詞書]花哥よみ侍けるに 祝部成仲 ちりちらすおほつかなきは春かすみたなひく山のなりけり ちりちらす-おほつかなきは-はるかすみ-たなひくやまの-さくらなりけり…
    21キロバイト (4,231 語) - 2023年9月3日 (日) 00:49
  • 「なにしろその頃の花魁(おいらん)ですからね。その碁盤もわたくしは見ましたが、すこぶる立派なものでした。木地は榧(かや)だそうですが、四方は黒の蠟色(ろういろ)で、それにと紅葉を金蒔絵にしてある。その蒔絵と木地へかけて小さい爪のあとが残っている。それが玉という猫の爪の痕(あと)だそうで……。爪のあとが無かったら猶(な…
    61キロバイト (12,383 語) - 2019年2月27日 (水) 14:39
  • ← 地歌 四季の雪 作者:不詳 地歌。作曲は、国山勾当。 そもそもの霑(うるほ)ひに、雨露霜雪(うろさうせつ)の四つを見せ。同じく雪月花(せつげつくわ)の、三つの徳を分つにも、雪こそ殊に勝(すぐ)れたれ。先づ春は梅(うめさくら)、咲くより散るまでも、雪を忘るる色は無し、夏は五月雨(さみだれ)の。…
    1キロバイト (226 語) - 2020年1月7日 (火) 17:30
  • 雨はあしたの日曜まで降りつづいて、わたしの小金井行きはとうとうお流れになった。その翌年の五月なかばに、半七老人の去年の話を思い出して、晴れた日曜日の朝から小金井へ出てゆくと、堤のはもう青葉になっていた。その帰り道に府中へまわると、町のはずれに鵜を売っている男を見た。かの友蔵もこんな男ではなかったろうかと思いながら、立寄ってそ…
    74キロバイト (15,018 語) - 2019年2月27日 (水) 14:38
  • 押え付けてやらなければならないと思いながら、怱々(そうそう)に朝飯を食ってしまうと、子分の弥助(やすけ)が裏口からはいって来た。弥助という名が『千本(せんぼんざくら)』の維盛(これもり)に縁があるので、彼は仲間から鮓屋(すしや)という綽名(あだな)を付けられていた。 「どうもご無沙汰(ぶさた)をして、申訳がありません」…
    70キロバイト (14,056 語) - 2019年2月27日 (水) 14:46
  •      右ノ三首、柿本朝臣人麿ノ歌集ニ出ヅ。 石川の大夫が任(つかさ)を遷されて京(みやこ)に上る時、播磨娘子が贈れる歌二首 1776 絶等寸(たゆらき)の山の峰(を)の上(へ)の花咲かむ春へは君し偲はむ 1777 君なくはなぞ身装はむ櫛笥(くしげ)なる黄楊(つげ)の小櫛(をくし)も取らむとも思(も)はず…
    39キロバイト (7,315 語) - 2019年4月2日 (火) 14:37
  • ここまで話して来た時に、了哲が顔の色をかえて駆け込んだ。 「俊乗さんが死にました」 「どうして死んだ」と、半七は膝(ひざ)を浮かせながら訊いた。「裏山のに首をくくって……」 縊(くび)られたお歌は生きて、さらに俊乗が縊れたのであった。 「お話はまずここらでお仕舞でしょう」と、半七老人はひと息ついた。…
    65キロバイト (13,134 語) - 2019年9月12日 (木) 12:31
  • 藤原範兼  君が代にあへるは誰も嬉しきを花は色にもいでにけるかな 源頼政  みやま木のその梢とも見えざりしは花にあらはれにけり 西行法師  宮柱したつ岩根にしき立ててつゆも曇らぬ日の御影(みかげ)かな 藤原俊成  君が代は千代ともささじの戸や出づる月日のかぎりなければ 藤原良経  昔たれかかる桜の花を植ゑて吉野を春の山となしけむ…
    14キロバイト (2,634 語) - 2021年1月8日 (金) 04:06
  • 底本:2000年7月10日春陽堂書店発行『半七捕物帳第六巻』 四月の日曜と祭日、二日つづきの休暇を利用して、わたしは友達と二人連れで川越(かわごえ)の喜多院(きたいん)のを見物して来た。それから一週間ほどの後に半七老人を訪問すると、老人は昔なつかしそうに云った。 「はあ、川越へお出(い)ででしたか。わたくしも江戸時代…
    71キロバイト (14,226 語) - 2019年2月27日 (水) 14:47
  • がたが思われて、一種の哀愁を誘い出さぬでもない。 その飴売りのまだ相当に繁昌している明治時代の三月の末、麹町(こうじまち)の山王山(さんのうさん)のがやがて咲き出しそうな、うららかに晴れた日の朝である。わたしは例のごとく半七老人をたずねようとして、赤坂(あかさか)の通りをぶらぶら歩いてゆくと、路…
    74キロバイト (14,859 語) - 2019年2月27日 (水) 14:45
  • あなづ)らむ。怨むる所此に有り。然黙止することを能はず。俗語に云く、藤を以て錦に続ぐと云へり。聊か談咲に擬するのみ。 3967 山峡(かひ)に咲けるをただ一目君に見せてば何をか思はむ 3968 鴬の来鳴く山吹うたがたも君が手触れず花散らめやも      沽洗(やよひ)の二日、掾大伴宿禰池主。…
    55キロバイト (10,481 語) - 2019年4月2日 (火) 14:39
  • 内藤新宿(ないとうしんじゅく)の追分(おいわけ)から角筈(つのはず)、淀橋を経て、堀ノ内の妙法寺(みょうほうじ)を横に見ながら、二人は和田へ差しかかると、路ばたの遅いもきのうの雷雨に残りなく散っていた。もう青葉だなどと話しながら、畑道のあいだを縫って大宮八幡の門前へ辿(たど)り着くまでに、二人は途中の百姓家で幾たびか道を訊いた。…
    81キロバイト (16,273 語) - 2019年2月27日 (水) 14:46
  • 三日(みかのひ)、守(かみ)大伴宿禰家持が館(たち)にて宴する歌三首(みつ) 4151 今日のためと思ひて標(しめ)しあしひきの峯上(をのへ)のかく咲きにけり 4152 奥山の八峰の椿つばらかに今日は暮らさね大夫(ますらを)の輩(とも) 4153 漢人(からひと)も船を浮かべて遊ぶちふ今日そ我が背子花縵(かづら)せな…
    54キロバイト (9,921 語) - 2019年4月2日 (火) 14:40
  • 辛荷(からに)の島を過ぐる時、山部宿禰赤人がよめる歌一首、また短歌 0942 あぢさはふ 妹が目離(か)れて 敷細(しきたへ)の 枕も巻かず    皮(かには)巻き 作れる舟に 真楫(かぢ)貫(ぬ)き 吾(あ)が榜ぎ来れば    淡路の 野島も過ぎ 印南嬬(いなみつま) 辛荷の島の…
    50キロバイト (9,347 語) - 2019年4月2日 (火) 14:38
  • 3786 春さらば挿頭(かざし)にせむと吾(あ)が思(も)ひし桜の花は散りにけるかも 3787 妹が名に懸かせる花咲かば常にや恋ひむいや年のはに 或ひとの曰く、昔三(みたり)の男(をとこ)有りて、同(とも)に一(ひとり)の女(をみな)を娉(つまど)ひき。娘子(をとめ)…
    42キロバイト (7,817 語) - 2019年4月2日 (火) 14:40
  • ゆふたすき-ちとせをかけて-あしひきの-やまあゐのいろは-かはらさりけり 00713 [詞書]祐子内親王家にてさくらを 土御門右大臣 君かよにあふへき春のおほけれはちるともあくまてそみん きみかよに-あふへきはるの-おほけれと-ちるともさくら-あくまてそみむ 00714 [詞書]七条のきさいの宮の五十賀屏風に 伊勢…
    15キロバイト (3,043 語) - 2023年9月3日 (日) 00:53
  • 2685 妹が門行き過ぎかねつ久かたの雨も降らぬかそを由にせむ 2686 夕占問ふ我が袖に置く白露を君に見せむと取れば消(け)につつ 2687 麻(さくらあさ)の苧原(をふ)の下草露しあれば明かしていませ母は知るとも 2688 待ちかねて内には入らじ白妙の我が衣手に露は置きぬとも…
    65キロバイト (12,165 語) - 2019年4月2日 (火) 14:39
  • 1439 時は今は春になりぬとみ雪降る遠山の辺(へ)に霞たなびく 河邊朝臣東人(かはへのあそみあづまひと)が歌一首 1440 春雨のしくしく降るに高圓(たかまと)の山のはいかにかあるらむ 大伴宿禰家持が鴬の歌一首 1441 打ち霧(き)らし雪は降りつつしかすがに吾宅(わぎへ)の苑に鴬鳴くも…
    49キロバイト (9,109 語) - 2019年4月2日 (火) 14:38
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