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最初たしか紅屋の二階であつたと思ふが會つたときは、それが淺見兄弟の共通したフイジイオグノミイ（フイジオナミイ）である、ちよつと西洋人臭い感じがした。そしてボオドレエルのあるポートレイトにどこか似てゐるやうに思つた。少し吃音癖のある控へ目な話し振りは淺見君の奧床しい人柄を…

清原元輔 あさまたききりふのをかにたつきしは千世の日つきの始なりけり あさまたき－きりふのをかに－たつきしは－ちよのひつきの－はしめなりけり 00267 [詞書]藤氏のうふやにまかりて よしのふ ふたはよりたのもしきかなかすか山こたかき松のたねそとおもへは…

玄界洋（げんかいなだ）やわたるらん 滿（み）ち引（ひ）く汐（しほ）も早鞆（はやとも）の 瀬戸（せと）と呼（よ）ばるゝ此海（このうみ）は 源平（げんぺい）兩（りやう）氏（し）の古（こ）戰（せん）塲（じやう） 壇（だん）の浦（うら）とはこれぞかし 世（せ）界（かい）にその名（な）いと高（たか）き 馬（ば）關（くわん）條約結（でうやくむす）びたる…

NAKIWARAI を讀む 作者：石川啄木 1910年 書誌情報 書誌情報の詳細は議論ページをご覧ください。 　この集を一讀して先づ私の感じたのは、著者土岐哀果氏が蓋し今日無數の歌人中で最も歌人らしくない歌人であらうといふ事であつた。其の作には歌らしい歌が少い――歌らしい歌、乃ち技巧の歌、作爲の歌、裝飾を施し…

← 衞靈公第十五 陽貨第十七 → 論語 (漢文叢書) 季氏第十六 季氏（きし）第十六 十六之一 季氏將伐顓臾。冉有季路見於孔子曰：「季氏將有事於顓臾。」孔子曰：「求！無乃爾是過與？夫顓臾，昔者先王以爲東蒙主，且在邦域之中矣，是社稷之臣也。何以伐爲？」冉有曰：「夫子欲之，吾二臣者，皆不欲也。」孔子曰：…

【經】　三年、春、王の二月己巳《きし》、日之を食《しよく》せること有り。三月庚戌《かうじゆつ》、天王《てんわう》崩《ほう》ず。夏四月辛卯《しんばう》、君氏《くんし》卒《しゆつ》す。秋、武氏の子、來りて賻《ふ》を求む。八月庚辰《かうしん》、宋公《そうこう》和<《くわ》卒す。冬十有二月、齊侯《せいこう》・鄭伯《ていはく》、…

す、之（これ）を敬（けい）して斯（こゝ）に其（そ）の道（みち）を盡（つく）すのみ。重（ちよう）は主（しゆ）の道（みち）なり。殷（いん）は主（しゆ）あれば重（ちよう）を綴（つゞ）る。周（しう）は主（しゆ）あれば重（ちよう）を徹（てつ）す。 NDLJP:1047122/224…

   　下巻 → 初等科國史 上 文部省 昭和18年 1943年2月17日 初等科國史　上 文部省 神（しん）　勅（ちよく） 豐葦原（とよあしはら）の千五百秋（ちいほあき）の瑞穗（みづほ）の國（くに）は、是（こ）れ吾（あ）が子孫（うみのこ）の王（きみ）たるべき地（くに）なり。宜（よろ）しく爾（いまし…

宇佐（うさ）には祭（まつ）る八幡宮（はちまんぐう） 神（しん）勅（ちよく）受（う）けて淸麿（きよまろ）が 天（てん）位（ゐ）を無（む）窮（きゆう）に支（ささ）えたる 御稜威（みいつ）は輝（かゞや）く千代八千代（ちよやちよ） 名（な）に聞（き）こえたる溫泉（おんせん）塲（ば）…

朝鮮（てうせん）國事（こくじ）の改革（かいかく）を必要（ひつえう）なりとして何（いづ）れの邊より着手（ちやくしゆ）せんかと云ふに我輩は外國人（ぐわいこくじん）のことなれば直接（ちよくせつ）に不便（ふべん）を感（かん）ずる彼の外交の改良（かいりやう）を促（うなが）さゞるを得ず外交の衝（しよう）に當（あた）る者を外務督辨（ぐわいむ…

← 季氏第十六 微子第十八 → 論語 (漢文叢書) 陽貨第十七 卷之九 陽貨（やうくわ）第十七 十七之一 陽貨欲見孔子，孔子不見，歸孔子豚。孔子時其亡也，而往拜之，遇諸塗。謂孔子曰：「來，予與爾言。」曰：「懷其寶而迷其邦，可謂仁乎？」曰：「不可。」「好從事而亟失時，可謂知乎？」曰：「不可。」「日月…

をせし事（こと）少（すく）なからず二十六年（ねん）五月中（ちう）勘（かん）三郎（らう）は東京（たうきやう）へ出（い）で益田（ますだ）英吉（えいきち）氏（し）の周旋（しうせん）にてクヰンスランドの移民（いみん）事業（じげふ）に従事（じうじ）し同地（どうち）に渡航（とかう）して三年（ねん）ばかりも居（…

座（ござ）る、武士（ぶし）は相身互（あひみたが）ひ身（み）、甚（はなは）だ御無禮（ごぶれい）では御座（ござ）るが、手前（てまへ）の尻（しり）を一寸（ちよつと）御（お）つめり下（くだ）さらんか 三「何（な）んと仰（あふ）せらるゝ、貴公（きこう）御幼少（ごえうせう）の節（をり）物忘（ものわす）れを致（い…

　冬、齊の仲年《ちうねん》・來聘するは、夫人を致《いた》すなり。 　芮伯《ぜいはく》萬《まん》の母芮姜《ぜいきやう》、芮伯の・寵人《ちよじん》多《おほ》きを惡《にく》む。故に之を逐《お》ふ。出《い》でて魏《ぎ》に居《を》る。（→桓公四年） [ヘルプ]…

← 衞靈公第十五 陽貨第十七 → 論語 (國譯漢文大成) 季氏第十六 季氏（きし）第（だい）十六 十六之一 季氏將伐顓臾。冉有季路見於孔子曰：「季氏將有事於顓臾。」孔子曰：「求！無乃爾是過與？夫顓臾，昔者先王以爲東蒙主，且在邦域之中矣，是社稷之臣也。何以伐爲？」冉有曰：「夫子欲之，吾二臣者，皆不欲也…

↑前年　莊公四年（紀元前690年）　翌年↓ ＜ 巻の三　莊公 ＜ 春秋左氏傳 【經】　四年、春王の二月、夫人《ふじん》姜氏《きやうし》、齊侯《せいこう》を祝丘《しゆくきう》に享《きやう》す。三月、紀《き》の伯姫《はくき》卒《しゆつ》す。夏、齊侯・陳侯《ちんこう》・鄭伯《ていはく》、垂《すゐ》に遇《…

にし、又（また）槪（おほむ）ね繪畫（くわいぐわ）をも挿入（さふにふ）することにした。 本書（ほんしよ）「日用（にちよう）文字（もんじ）便覧（べんらん）」は高井（たかゐ）運古（うんきち）氏（し）の執筆（しつぴつ）されたものである。 同訓異字便覽 類字便覽 國語假名遣便覽 字音假名遣便覽 送假名便覽 國字便覽…

↑前年　桓公十八年（紀元前694年）　翌年↓ ＜ 巻の二　桓公 ＜ 春秋左氏傳 【經】　十有《いう》八年、春王の正月、公、齊侯《せいこう》に濼《らく》に會《くわい》す。公、夫人《ふじん》姜氏《きやうし》と遂《つひ》に齊に如《ゆ》く。夏四月丙子《へいし》、公、齊に薨《こう》ず。丁酉《ていいう》、公の喪《も》、齊より至《いた》る。秋七月。冬…

は全くの写生である。本名は高野氏（たかのし）。余が西園寺（さいをんじ）侯（こ）の家に寄食せる時、侯は総理大臣代理であつて三四人の護衛巡査が居た。其一人が高野氏で何時しか余と別懇になり、余は氏の経歴及び人物を知るに従ひ頗（すこぶ）る興味を持つて来た。そこで氏が頻（しき）りに勧誘するに任せ、或日氏の寓居を訪うた。其時の事が此一編である。…

　向うベッドの肺結核患者のところへ家から父母が見舞ひに来た。 　朝のうち、光岡君来る。そこへ日東君来り、三人で快談。日東氏は四五日前市川の式場隆三郎氏の所へ行つて来たばかりであると。学生の狂人が一番多いとのこと。ちよつと考へさせられる。『文學界』より稿料来る。武拾武円也。 　隣りの空ベッドへ、夜、女が入室した。 　十月十七日。…