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- 昭和6年 1931年 道はじめじめと陰惨な泥濘地帯につづけり。 沓ろか明るい燈火がみえ、一歩踏み込むと 深海の昆布のように足にまつわりつく雑草(しこぐさ)が 茂り ときとして氷霰(あられ)まじりの雷鳴が咆哮する。 太陽(ひ)も透さぬ頭上の森林からは 恐ろしや吸血のヒルが若き旅人の頸(うなじ)を覗い…531バイト (466 語) - 2023年9月4日 (月) 21:48
- 愛(かわい)き妻には死別れ、更に独子(ひとりご)と離るゝは忍び難しとて辞しぬ。言葉少き彼は此頃より、癒(いよ〳〵)言葉少くなりつ、笑ふことも稀に、櫓こぐにも酒の勢ならでは歌はず、醍醐(だいご)の入江を夕月の光砕きつゝ朗らかに歌ふ声さへ哀(あはれ)をこめたり、こは聞くものの心にや、あらず、妻失ひし事は…41キロバイト (9,016 語) - 2023年1月24日 (火) 19:25
- た)直(なほ)させながら、太吉(たきち)、太吉(たきち)と小僧(こぞう)の脊(せ)を人(ひと)さし指(ゆび)の先(さき)に突(つ)いて、お舟(ふね)こぐ眞似(まね)に精(せい)の出(で)て店(みせ)の品(しな)をばちよろまかされぬやうにしてお呉(く)れ、私(わたし)の歸(かへ)りが遲(おそ)いやうな…18キロバイト (3,058 語) - 2021年12月24日 (金) 08:26
- こぐま)と書(かき)たり。蒐角(とかく)が弟子(でし)。数(す)百人あり此札(ふだ)を見て。にくきやつめが。札(さつ)の立様(やう)かな。天下にかくれなき。莵角(とかく)江戸におはするを知(しつ)てたてけるか。しらで立たるか。先(まづ)札を打わつてすて。小熊(こぐ…206バイト (13,023 語) - 2023年11月20日 (月) 00:36
- 花橘(はなたちばな) まちわびて君をつらしとおもふなり はら立花に夜を明しつつ 鳴子(なるこ) 秋風ハふけどもあかぬしのび路にくるをしらする鳴子からから 横雲(よこぐも) 横雲のたな引くころによバひ星またるゝ閨に蟹の横這 三巴(みつどもえ) 悋気から輪廻のめぐる三ッともゑ われを祭らん宇治の橋姫 花菱(はなびし)…6キロバイト (1,280 語) - 2018年4月17日 (火) 15:13
- [仮名]しだのうらを あさこぐふねは よしなしに こぐらめかもよ よしこさるらめ [左注]右一首駿河國歌 [校異]奈 -> 余 [元] [事項]東歌 譬喩歌 静岡県 地名 後朝 恋愛 [訓異]しだのうらを,[寛]したのうらを, あさこぐふねは,[寛]あさこくふねは, よしなしに[寛], こぐらめかもよ,[寛]こくらめかもよ…161キロバイト (35,527 語) - 2023年9月5日 (火) 15:42
- うつし大鼓や笛の音も、弾(ひ)いて唄ふや獅子の曲。向(むか)ひ小山のしちく竹、枝節(えだふし)揃えて、切りを細(こまか)に十七が、室(むろ)の小口(こぐち)に昼寝(ひるね)して、花の盛(さかり)を夢に見て候(そろ)。夢の占象(うらかた)越後の獅子は、牡丹は持たねど富貴(ふうき)は、己(おの)が姿に咲かせ舞ひ納む、姿に咲せて舞ひ納む。…2キロバイト (366 語) - 2020年1月7日 (火) 17:25
- 舟は暫時(しばら)く大船(たいせん)小舟六七艘(そう)の間を縫うて進んでいたが間もなく広々とした沖合に出た。月は益益(ますます)冴(さ)えて秋の夜かと思われるばかり、女は漕手(こぐて)を止(とど)めて僕の傍(そば)に坐った。そして月を仰ぎ又四辺(あたり)を見廻わしながら、 「坊様、あなたはお何歳(いくつ)?」と訊ねた。 「十二」…20キロバイト (4,017 語) - 2021年8月31日 (火) 22:19
- 龍()ケ崎()にと來(き)て見(み)れば 女化原()の物凄()く 荒川沖(あらかはおき)に吹(ふ)きすさむ 風身()にしみてはださふし 土浦(つちうら)かけてこぐ船(ふね)の 影(かげ)もしづかに高濱(たかはま)を 出(い)でゝ都(みやこ)に通(かよ)ふなる 滊(き)船(せん)のけふりのどかなり 筑(つく)波(ば)の山(やま)はその北(きた)に…16キロバイト (2,935 語) - 2023年9月5日 (火) 14:49
- なか)に在(あり)イエスは獨(ひと)り陸(をか)に居(をれ)り 48 風(かぜ)逆(さから)ふに因(より)て弟子(でし)等(たち)の舟(ふね)を棹(こぐ)に勞(つかれ)たるを見(み)て曉(あかつき)の四時(よじ)ごろイエス海(うみ)の上(うへ)を履(あゆみ)きたり彼等(かれら)を過(すぎ)んとせしに…17キロバイト (2,757 語) - 2023年9月2日 (土) 15:16
- 47 日(ひ)くれて舟(ふね)は海(うみ)のなかにあり 耶穌ひとりおかにありし 48 風(かぜ)逆(さか)らふゆゑにでしが舟(ふね)をこぐにつかれたるをみて 曉(あけ)七(なゝ)つ時(どき)ごろ耶穌海上(かいし[じ]やう)をあゆみきたりて かれらを過(すぎ)んとするに 49…13キロバイト (2,316 語) - 2015年6月14日 (日) 08:31
- [訓読]さ夜更けて堀江漕ぐなる松浦舟楫の音高し水脈早みかも [仮名]さよふけて ほりえこぐなる まつらぶね かぢのおとたかし みをはやみかも [左注]なし [校異]船 [類][古][温] 舟 [事項]雑歌 大阪 羈旅 地名 叙景 [訓異]さよふけて[寛], ほりえこぐなる,[寛]ほりえこくなる, まつらぶね,[寛]まつらふね…222キロバイト (46,394 語) - 2023年9月5日 (火) 15:40
- (うたが)はしくなつて、朝夕旦暮(あけくれ/\)あれ又(また)あんな嘘(うそ)と思(おも)ふやうになり、何(なん)だか其處(そこ)が可笑(をか)しくこぐらかりまして、何(ど)うしても上手(じやうず)に思(おも)ひとく事(こと)が出來(でき)ませんかつた、今(いま)おもふて見(み)ると成(な)るほど隱…42キロバイト (6,806 語) - 2019年9月29日 (日) 04:49
- 息(やすむ)) ヱレウシカ(宿泊(とまる)) ヌカラ(見(みる)) ヌー(聞(きく)) ケム〳〵(舐(なめる)) フラ(香(にほふ)) ラリウ(漕(こぐ)) ウヱン(惡(わるい)) シッ(大便(だいべん)) オソマ(仝上) オクイマ(小便(しようべん)) ニドバケ(身体(からだ)) ・ナヌ(顏(かほ…708バイト (3,138 語) - 2023年8月17日 (木) 18:00
- [訓読]我れのみや夜船は漕ぐと思へれば沖辺の方に楫の音すなり [仮名]われのみや よふねはこぐと おもへれば おきへのかたに かぢのおとすなり [左注]なし [校異]なし [事項]遣新羅使 天平8年 年紀 広島 倉橋島 出発 羈旅 船出 叙景 [訓異]われのみや[寛], よふねはこぐと,[寛]よふねはこくと, おもへれば,[寛]おもへれは…172キロバイト (36,930 語) - 2023年9月27日 (水) 02:47
- 段通(だんつう)刄(は)物(もの)の名産(めいさん)に 心(こゝろ)のこして又(また)も來(こ)ん 沖(おき)に鯛(たひ)つる花(はな)の春(はる) 磯(いそ)に舟(ふね)こぐ月(つき)の秋(あき) 蘇(そ)鐵(てつ)に名(な)ある古寺(ふるてら)の 話(はなし)きゝつゝ大(やま)和(と)川(がは) 渡(わた)ればあれに住吉(すみよし)の…21キロバイト (3,980 語) - 2023年9月5日 (火) 14:47
- こす又こさゞるを見知る事、同大将の其中に是有を見知る事、但し是は敵によりてなり 城取の事 ちいさくまろく △すみ馬だしの事 付りよこぐるわの事 すみかけの城内せはし まる馬だしの事 まる馬たしに三間のかき 口伝大極意なり 辻入馬だしの事 着到矢倉の事 馬たまりの事 門扉ひじがねの事 門ぢふくの事…297バイト (2,439 語) - 2024年2月2日 (金) 18:13
- しらかみの いそのうらみを あへてこぐなり [左注]なし [校異]なし [事項]雑歌 持統天皇 文武天皇 行幸 羈旅 紀州 和歌山 地名 大宝1年10月 年紀 [訓異]ゆらのさき[寛], しほひにけらし[寛], しらかみの[寛], いそのうらみを[寛], あへてこぐなり,[寛]あへてこきとよむ, [歌番号]09/1672…153キロバイト (32,796 語) - 2023年9月5日 (火) 15:41
- 山の端に入る日のかげは入りはてて心ぼそくぞながめやられし 念佛(ねぶつ)する僧の、曉にぬかづく音のたふとく聞ゆれば、戸を押しあけたれば、ほの〴〵明けゆく山際は、こぐらき梢どもきりわたりて、花紅葉のさかりよりも、何となく茂りわたれる、空のけしき曇らはしくをかしきに、杜鵑さへ〔一本「杜鵑の聲」〕、いと近き梢にあまたゝび啼いたり。…93キロバイト (19,962 語) - 2023年7月5日 (水) 08:46
- [仮名]あきかぜに なびくかはびの にこぐさの にこよかにしも おもほゆるかも [左注](右大伴宿祢家持獨仰天海作之) [校異]なし [事項]天平勝宝6年7月7日 年紀 作者:大伴家持 七夕 独詠 植物 [訓異]あきかぜに,[寛]あきかせに, なびくかはびの,[寛]なひくかはへの, にこぐさの,[寛]にこくさの,…214キロバイト (47,875 語) - 2023年9月5日 (火) 15:44