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か）の一千（いつせん）の銀（ぎん）を取（とり）て十（じつ）千（せん）の銀（ぎん）ある者（もの）に予（あたへ）よ　それ有（もて）る者（もの）は予（あたへ）られて尚（なほ）あまりあり無有（もたざる）者（もの）はその有（もて）る物（もの）をも奪（とら）るる也（なり）　無（む）益（やく）なる僕（しも…

、この家にて生れし女子のもろともに歸らねばいかゞはかなしき。船人も皆子〈いイ有〉だかりてのゝしる。かゝるうちに猶かなしきに堪へずして密に心知れる人といへりけるうた、 　「うまれしもかへらぬものを我がやどに小松のあるを見るがかなしさ」 とぞいへる。猶あかずやあらむ、またかくなむ、…

かに身一からくしてのがれたれども。資財をとり出るに及ばず。七珍萬寶さながら灰燼となりにき。其費いくそばくぞ。此たび公卿の家十六燒たり。まして其外は。かず（[ぞイ]）へ記すに及ばず。すべて都の中三分が一に及べりとぞ。男女死ぬる者數千人。馬牛の類邊際をしらず。人のいとなみ。みな愚なる中に。さしも…

かなくあだなるさまかくのごとし。いはむや所により、身のほどにしたがひて、心をなやますこと、あげてかぞふべからず。もしおのづから身かずならずして、權門のかたはらに居るものは深く悅ぶことあれども、大にたのしぶにあたはず。なげきある時も…

廿二日に。いづみの國までと。たひらかに願たつ。ふぢ原のときざね。ふなぢなれどむまのはなむけす。かみなかしも（[かみしなかもイ]）ながら。ゑひすぎ（[あきイ]）ていとあやしく。しほうみのほとりにてあざれあへり。 廿三日。やきのやすのりといふ人あり。この國（人イ）にかならずしもいひつかふものにも…

か）の三子（さんし）に吿（つ）げよ、孔子（こうし）曰く、吾（われ）大夫（たいふ）の後（しりへ）に從（したが）ふを以（もつ）て、敢（あへ）て吿（つ）げずんばあらず。君（きみ）曰（いは）く、夫（か）の三子者（さんししや）に吿（つ）げよと。三子（さんし）に之（ゆ）きて吿（つ）ぐ。可（き）かず…

かくる事は◦實もなき事也。位◦譽れを望み歎き◦身をたかぶる事も又◦實もなき事也。骨肉の欲するに任せ◦以後甚だ迷惑すべき事を望むは◦實もなき事也。行儀の正しからん事をば歎かずして◦長命を望むは◦實もなき事也。現在の事をのみ專（もっぱら）として◦未來を覺悟せざること實もなき事也。さしも…

か）の三子（し）に吿（つ）げよと。孔子（こうし）曰（いは）く、吾（わ）が大夫（たいふ）の後（しりへ）に從（したが）へるを以（もつ）て、敢（あへ）て吿（つ）げずんばあらざるなり。君（きみ）曰（いは）く、夫（か）の三子（し）に吿（つ）げよとは。三子（し）に之（ゆ）いて吿（つ）ぐ、可（き）かず…

かず。主（しゆ）の勅令（みことのり）は確（かた）く、主（しゆ）の誡命（いましめ）は畏（かしこ）し。 23 主（しゆ）の御顔（みかほ）は淵（ふち）を乾（かわ）かし、主（しゆ）の御怒（みいかり）は山（やま）を熔（と）かし、主（しゆ）の眞理（まこと）は證（あかし）をなす。 24 主（しゆ）よ、僕（しも…

も）ふ人はいや遠長に 3051　あしひきの山菅の根のねもころに吾（あれ）はそ恋ふる君が姿を 　　　　　或ル本ノ歌ニ曰ク、吾（あ）が思（も）ふ人を見むよしもがも。 3052　かきつはた佐紀沢（さきさは）に生ふる菅の根の絶ゆとや君が見えぬこの頃 3053　あしひきの山菅の根のねもころに止まずし思（も）はば妹に逢はむかも…

しもべ）によりて彼等（かれら）に誡命（いましめ）を與（あた）へたり。されど彼等（かれら）聽（き）くことを欲（ほつ）せずしてわが計畫（はかりごと）を無視（ないがしろ）にせり。 2 彼等（かれら）を生（う）みし母（はゝ）彼（か…

も願ひ求めざるべからず 問　何故に神を『父』と名づくるや 答　我等が神に於（お）けるの関係（かかわり）は僕（しもべ）が主人（しゅじん）に於（お）ける関係（かかわり）の如く唯（ただ）恐怖（おそれ）戦慄（をのの）きて仕（つか）ふるに非（あら）ずして子供が其（その）懐（なつ）か…

かざらしむるもの是れ實に精神修養の第一義なり。而も絕對的に之を塞ぐこと能はず。故に動くべき時に動かし靜かなるべき時に靜かならしむ。即ち可㆓以動靜㆒と言ふ所以なり。凡そ道家の理想は內親反聽に在り。外を見ずして內を視、外を聞かずして內を聽くと云ふが如し。…

かず、詞（ことば）を飾りて以て吿げた。復た諸婦子を指してその誰なる乎を問ふたので、吿ぐるに實を以てした。紅衣の人曰く、明日王爺〈統帥の皇族〉命を下して刀を封ぜん、〈殺掠を禁ずるの意〉汝等生くることを得むと。隨人に命じて衣裳幾件及び金一錠を交付せしめ、且つ問ふて曰く、汝等幾日食はざりし乎（か…

も候らん。若きより本寺を出て。所々に迷ひありき候し後は。日來習置候し法味の義理の心に浮だにも。更に不㆓庶幾㆒處也。まして世間の事においては。ひとたびも思量するにをよばずして。年久しくまかりなり候ひき。されば貴賤に付て人の方人せんと云心を廢すといふとも。沙門の法に有間敷事に候。其上か…

亦舜を饗して迭（たがひ）に賓主（さんしゆ）となる。是れ天子にして、匹夫を友とするなり。下（しも）を用（も）つて上（かみ）を敬（けい）する之（これ）を貴（き）を貴（たふと）ぶと謂（い）ふ。上を用（も）つて下（しも）を敬（けい）する、之を賢（けん）を尊ぶと謂ふ。貴（き）を貴（たふと）ぶと賢（けん）を尊ぶと其義（そのぎ）一なり。〉…

あらゆる者（もの）より睿智（えいち）なり。その始（はじ）めもその形象（かたち）もその有様（ありさま）も我（われ）等（ら）は名状（めいじょう）することあたはず。神（かみ）の書（しょ）にいふ『汝（なんぢ）等（ら）いまだその声（こえ）を聞（き）かず、未（いま）だその容（かたち）を見（み）ず』〔イオアン五の…

1664　夕されば小椋（をくら）の山に臥す鹿の今宵は鳴かずい寝にけらしも 崗本の宮に天の下しろしめしし天皇の、紀伊国（きのくに）に幸（いでま）せる時の歌二首（ふたつ） 1665　妹がため吾（あ）が玉拾（ひり）ふ沖辺なる玉寄せ持ち来（こ）沖つ白波 1666　朝霧に濡れにし衣干さずして独りや君が山道（やまぢ）越ゆらむ…

故（ゆゑ）に君子（くんし）は動（うご）かずして敬（けい）し、言（い）はずして信（しん）ず。詩（し）に曰（いは）く、假（か）を奏（そう）して言（い）ふこと無（な）しと。時（とき）に爭（あらそ）ふ有（あ）ること 靡（な）ければなり。是（こ）の故（ゆゑ）に君子（くんし）は賞（しやう）せずして民（たみ）勸（すゝ）み、怒（いか）らずし…

かみ）に屬（つけ）る信仰（しんかう） 2 萬殊（さまざま）の洗（あらひ）の禮（れい）また手（て）を按（おく）こと死（しに）し人（ひと）の復生（よみがへり）かぎりなき審判（さばき）これらの教（をしへ）の基（もとゐ）は再（ふたた）び置（おく）ことをせずして完全（まつたき）に進（すす）むべし…