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と叫んで、家へかけ込んだ五兵衛は、大きなたいまつを持つてとび出して來た。そこには、取り入れるばかりになつてゐるたくさんの稻束が積んである。 「もつたいないが、これで村中の命が救へるのだ。」 と、五兵衛は、いきなりその稻むらの一つに火を移した。風にあふられて、火の手がぱつとあがつた。一つまた一つ、五兵衛はむちゆうで…

びと）を去（さら）せ四圍（ほとり）の郷村（むらざと）へゆきて宿（やど）をとり食（しよく）を覓（もとむ）る事（こと）を爲（させ）たまへ 13 イエス曰（いひ）けるは爾曹（なんぢら）これに食（しよく）を予（あた）へよ答（こたへ）けるは我儕（われら）ただ五（いつつ）のパンと…

當時（そのころ）あつまれる人々（ひとびと）甚（はなは）だ多（おほか）りしが何（なに）の食物（しよくもつ）も有（あら）ざりければイエス其（その）弟子（でし）を召（よび）て曰（いひ）けるは 2 我（われ）この多（おほく）の人々（ひとびと）を憫（あはれ）む既（すで）に三日（みつか）われと…

われにのませよといふ 8 その門徒（でし）は食物（しよくもつ）をかひにむらへゆきたればなり 9 よつてサマリアのをんないひけるは 汝（なんぢ）はユウダヤ人（びと）にてなんぞわがサマリアのをんなにのむことをもとむるや それユウダヤ人（びと）とサマリアの人（ひと）はまじはりをせざればなり 10 耶穌こたへていひけるは…

『半七捕物帳』（はんしちとりものちょう） 第二巻/むらさき鯉 作者：岡本綺堂 底本：1999年10月10日春陽堂書店発行『半七捕物帳第二巻』 「むかし者のお話はとかく前置きが長いので、今の若い方たちには小焦（こじ）れったいかも知れませんが、話す方の身になると、やはり詳しく説明してかからないと…

かれら人（ひと）を避（さけ）舟（ふね）にて寂寞（さびしき）ところに往（ゆけ）り 33 其（その）往（ゆく）を見（み）て衆人（ひとびと）おほくイエスをしり諸邑（むらむら）より歩行（かち）にて趨（はし）り彼等（かれら）の往（ゆか）んとする所（ところ）へ先（さきだ）ち往（ゆき）てイエスに集（あつま）れり 34…

と曰（いひ）ければ遂（つひ）に去（さり）てイエスの己（おのれ）に行（なし）たまひし大（おほい）なる事（こと）を遍邑（むらぢゆう）に傳（つたへ）たり 40 イエス返（かへり）たるとき衆人（ひとびと）みな佇望（まちゐ）て之（これ）を喜（よろこ）び接（むか）ふ 41-42 ヤイロと…

明治元訳新約聖書 (明治37年) > 約翰傳福音書(明治元訳) 1 茲（ここ）に病者（やめるもの）ありラザロと云（いひ）てベタニヤの人（ひと）なりベタニヤはマリアと其（その）姉（あね）マルタの住（すめ）る村（むら）なり 2 マリアは曩（さき）に主（しゆ）に香膏（にほひあぶら）をぬり己（おのれ）の頭（かみ）の髮…

八（はち）年（ねん）サタンに縛（しば）られたる其（その）結（むすび）を安息日（あんそくにち）に解（とく）べからざらん乎（や） 17 イエス如此（かく）曰（いひ）ければ敵對（てきたい）しし者（もの）みな慚（はぢ）ぬ又（また）衆人（ひとびと）みな其（その）行（なし）し慈惠（かたじけなき）ことを喜（よろこ）べり…

紙（かみ）すく業（わざ）ぞ知（し）られたる 岩村（いはむら）城（じやう）址（し）程近（ほどちか）き 大（おほ）井（ゐ）の里（さと）の硯（すゞり）水（みづ） 汲（く）むべき暇（ひま）もあらなくに 釜（かま）戸（ど） 瑞浪（みずなみ） 土岐津（ときつ）驛（えき） 多治見（たじみ）に下（げ）車（しや）の旅人（たびびと）は…

車十ばかりぞ、袖口、物の色あひなども、漏り出でて見えたる、田舎びず、よしありて、斎宮の御下りなにぞやうの折の物見車思し出でらる。殿も、かく世に栄え出でたまふめづらしさに、数もなき御前ども、皆目とどめたり。 九月晦日なれば、紅葉の色々こきまぜ、霜枯れの草むらむらをかしう見えわたるに、関屋より、さと…

とて來（きた）りければイエスその婦（をんな）に向（むかひ）て我（われ）に飮（のま）せよと曰（いふ） 8 蓋（そは）弟子（でし）たち食物（しよくもつ）を買（かは）んために邑（むら）へ往（ゆき）て在（をら）ざりし故（ゆゑ）なり 9 サマリアの婦（をんな）いひけるは爾（なんぢ）はユダヤ人（びと…

イエスその意（こころ）を知（しり）て彼等（かれら）に曰（いひ）けるは凡（すべ）て相（あひ）爭（あらそ）ふ國（くに）は亡（ほろ）び凡（すべ）て相（あひ）爭（あらそ）ふ邑（むら）や家（いへ）は立（たつ）べからず 26 サタン若（もし）サタンを逐（おひ）出（いだ）さば自（みづか）ら相（あひ）爭（あらそ）…

）る又（また）夢（ゆめ）に告（つげ）を蒙（かうむ）りてガリラヤの内（うち）に避（さけ） 23 ナザレと云（いへ）る邑（むら）に至（いた）りて居（をれ）り彼（かれ）はナザレ人（びと）と稱（よば）れんと預言者（よげんしや）(※2)に託（より）て云（いは）れたる言（ことば）に應（かなは）せん爲（ため）なり…

やすらかに　ねむれとぞおもふ　君のため　いのちささげし　ますらをのとも 靖國の舞(やすくにのまい)(大伴家持作詞) 海ゆかば　水漬く屍　山ゆかば　草むす屍　大君の　辺にこそ死なめ　顧りみはせじ 八乙女の舞(やおとめのまい)(明治天皇御製) 八束穂の　たりほのはつほの　新嘗に　ささげまつると　刈りはじむらん…

かくて彼等（かれら）、葬（とむらひ）の半（なかば）にあり、また死（し）にたるものの墓（はか）にて、なげきをりし時（とき）、またも、愚（おろか）なる計略（はかりごと）をなし、自（みづか）ら願（ねが）ひて追（お）ひ出（いだ）しし落人（おちうど）を追（お）へり。 4 彼等（かれら）のうくべき滅（ほろび…

22 彼等（かれら）ヘブル人（びと）なるか我（われ）も然（しか）り彼等（かれら）イスラエルの人（ひと）なるか我（われ）も然（しか）り彼等（かれら）アブラハムの裔（すゑ）なる乎（か）われも然（しか）り 23 彼等（かれら）キリストの役者（つかへびと）なるか我（われ）は之（これ）に愈（まさ）…

イエス遍（あまね）く郷邑（むらざと）を廻（めぐり）其（その）(※5)會堂（くわいだう）にて教（をしへ）をなし天國（てんこく）の福音（ふくいん）を宣（のべ）傳（つた）へ民（たみ）の中（うち）なる諸（すべて）の病（やまひ）すべての疾（わづらひ）を愈（いや）せり 36 牧者（かふもの）なき羊（ひつじ）の如（ごと）く衆人（ひとびと…

むらがる）鳥（とり）のきたりて播（まく）ところのよき種（たね）を啄（ついばむ）が如（ごと）きなり　この世（よ）の事（こと）はたとへ小（せう）事（じ）なりとも心（こころ）を害（そこな）ふことの大（おほい）なる群（むらがる）鳥（とり）の微（び）なりと…

）けるハ此（こ）ハ何人（たれ）なるぞ風（かぜ）と水（みづ）とに命（めい）ぜしかバ又順（またしたが）へり 26 斯（かく）てガリラヤに對（むかへ）るガダラ人（びと）の地（ち）に着（つき）て 27 岸（きし）に登（あがり）し時（とき）ある一人邑（ひとりむら）より出（いで）てイ [千七百五十八]…