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- ちおとろかし。五たんの御すほう時はしめつ。我も我もとうちあけたる伴僧の聲々。遠くちかくきゝ渡されたるほと。おとろ〳〵しくたうとし。觀音院の僧正(餘慶)。ひんかしのたいより。廿人の伴僧をひきゐて御かち參り給ふ。あし音。渡殿のはしのと…450バイト (24,717 語) - 2020年7月26日 (日) 02:44
- とめてはなべてならぬさまにおかし。花のなかより身のこがねのたまとみえて。いみじうきはやかに見えたるなどは。春の朝ぼらけの櫻にもおとらすぞおぼゆる。ほとゝぎすのよすがとさへおもへば。なをさらにいふべきにもあらず。なしの花は。よにすさまじくあやしき物にて。はかなきふみうちつけなどもせず。あい…431バイト (30,673 語) - 2022年6月8日 (水) 09:37
- おとろへて。われをことく(しイ)もたのもしからむかげのやうに思ひたのみむかひゐたるに戀しくおぼつかなくのみおぼゆ。([以下一本三六九頁上段一五行ニツヾク])」(底本三七一頁下段八行)くちおし。いかによし([以下一本三七三頁下段一五行ヨリツヾク])なかりける心なりと思し見はてゝ。まめ〳〵しくすぐすと…445バイト (20,332 語) - 2020年7月26日 (日) 02:36
- かの人々のくちあみももろもちにて。このうみべにてになひいだせる歌。 をしと思ふ人やとまるとあし鴨の打むれて社我はきにけれ といひてありければ。いといたくめでゝ。ゆく人のよめりける。 掉させとそこひもしらぬわたつみのふかき心を君にみる哉 といふあいだに。か…426バイト (8,846 語) - 2020年7月26日 (日) 02:40
- かひ給しかは、日のしたのつはもの、在地近隣のものまても、をちおのゝき、こゑをたにもたつる事なかりき、いまさん〳〵にうちまいらすれとも、大事けもおほしめさすか、あさましさにたへすしてと申けれは、むかしのよを思いたすもよしなしとて、はちしめはなち…47バイト (17,806 語) - 2024年4月5日 (金) 22:54
- となく、うちすてゝもいぬべき心ちする。とみにいりずみおこすいとひさし。人の歌の返しとくすべきをえ詠み得ぬほどいと心もとなし。けさう人などはさしも急ぐまじけれど、おのづから又さるべきをりもあり。又まして女も男もたゞに言ひかはすほどは、時のみこそはと思ふほどに、あいなくひが事も出でくるぞかし。又心ちあ…460バイト (88,604 語) - 2022年6月8日 (水) 05:21
- おとめ)あり。今エキステルに伴はれて来(こ)し人と目を合はせて、互に驚きたる如(ごと)し。 来し人はこの群に珍らしき客なればにや。また少女の姿は、初めて逢(あ)ひし人を動かすに余(あまり)あらむ。前庇(まえびさし)広く飾なき帽(ぼう)を被(か)ぶりて、年は十七、八ばかりと…58キロバイト (11,537 語) - 2021年6月3日 (木) 23:37
- おとなしくおよすげ給へればめやすきほどなりけり。かの下くゆる心ちにもいとうれしきものから心は心として胸のみ苦しきさまなれば、忍びはつべき心ちし給はぬぞ、遂にいかになり給はむといとほしき程もなく后だちありしかば、おとゞ心ゆきておぼさるゝ事かぎりなし。西園寺の女御もさし續きて參り給ふをいかさまならむと…398バイト (103,351 語) - 2022年10月1日 (土) 00:56
- いかでか知らぬ人の御あたりにはまじらはむとおもむけて苦しげにおぼしたれど、あるべきさまを右近聞え知らせ、人々も、「おのづからさて人だち給ひなばおとゞの君も尋ね聞え給ひなむ。親子の御契は絕えて止まぬものなり。右近が數にも侍らずいかでか御覽じつけられむと…325バイト (281,775 語) - 2022年12月1日 (木) 08:14
- マーキュ ふん、あんな際(をり)には、足腰(あしこし)の曲(ま)げ方(かた)が異(ちが)ふといふのぢゃな? ロミオ といふのは、慇懃(ねんごろ)に挨拶(あいさつ)するためといふ意(こゝろ)か? マーキュ 其通(そのとほ)り、御深切(ごねんごろ)な解釋(かいしゃく)ぢゃ。…465キロバイト (66,202 語) - 2023年10月17日 (火) 13:35
- の東の對に帳をたてゝ壁しろをひき、我が御しつらひにいさゝかおとさせ給はず、しすゑきこえさせ、女房、侍、けいし、しも人までべちにあかちあてさせ給ひて姬宮などのおはしまさせし如くに限もなく思ひかしづき聞えさせ給ひしかば、御せうとの殿ばら我も我もとけさうじ奉り給ひけれど、后かしこく制し申させ給ひて、今の…520バイト (92,105 語) - 2023年8月18日 (金) 17:04
- ちおとなだちなど舞ひける。暮れゆけば御簾あげさせ給ひて物の興まさるにいとうつくしき御うまごの君達のかたちすがたにて舞のさまも世に見えぬ手を盡して、御師どもゝおのおの手のかぎりを敎へ聞えけるに、深きかどかどしさを加へて珍らかに舞ひ給ふを、いづれをもいとらうたしとおぼす。老ひ給へる上達部たちは皆淚おと…318バイト (320,784 語) - 2022年12月1日 (木) 08:14
- とめたまひき。むねすけのおほきおとゞの御子は、前中納言兵部卿と申すとかや。ふえもおやの殿ばかりはおはせずやあらん。ふき給ふとぞ申すめる。大宮の右のおとゞのきんだちあまたおはしき。宰相中将諸兼と申ししその御子に、少将おはしき。宰相のおとうとに、基俊の前左衛門佐と…473キロバイト (109,801 語) - 2023年8月17日 (木) 14:23
- あいなしと思ふ思ふ、わざもなく經て、とかくすれば、いと心あわたゞし。事はつる日、夜更けぬほどにものして、行幸に侍ひであがりぬべかりつれど、夜の更けぬべかりつれば、空胸やみてなむまかでぬる。いかに人いふらむ。明日はこれがきぬ着かへさせて出でむなどあれば、いさゝか昔の心ちしたり。「つとめて供にありか…468バイト (63,252 語) - 2020年7月26日 (日) 02:47
- るかひありて、位高くおのおのなり給へり。御能どもをつぎ給はぬぞくちをしく侍る。內のおとゞの御子も少將とてふたりおはすなり。 武藏野の草 六條の右のおとゞは、大方きんだちあまたおはしき。太政のおとゞにつぎ奉りては、大納言雅俊とておはしき。御母は美濃守良任ときこえしむすめの腹なり。京極に九體…398バイト (106,040 語) - 2022年10月18日 (火) 09:02
- かや。夢のうき世にたゞくるへ、とゞろとゞろとなるいかづちも、君と我との中をばさけじと、中にをしやうの舞ひあそぶ、すがたやさしき花のきよく、是や誠(まこと)の天人(てんにん)のえうがうあるや、天津風(あまつかげ)雲のかよひぢ吹きとぢよ乙女(おとめ)のすがたしばしとゞめんと…438バイト (15,562 語) - 2024年2月1日 (木) 14:10
- 美(うるわ)しき秋の日で身も軽く、少女(おとめ)は唱歌を歌いながら自分よりか四五歩先をさも愉快そうに跳(は)ねて行く。路(みち)は野原の薄(すすき)を分けてやや爪先上(つまさきあがり)の処まで来ると、ちらと自分の眼に映ったのは草の間から現われている紙包。自分は駈(か)け寄って拾いあげて見ると…91キロバイト (18,074 語) - 2021年8月31日 (火) 22:41
- わが世の坂にふりかへり いく山河(やまかは)をながむれば 水(みづ)靜(しづ)かなる江戸川の ながれの岸にうまれいで 岸の櫻の花影(はなかげ)に われは處女(をとめ)〈[#ルビの「をとめ」は底本では「おとめ」]〉となりにけり 都鳥(みやこどり)浮(う)く大川(おほかは)に 流れてそゝぐ川添(かはぞひ)の…145キロバイト (29,622 語) - 2019年9月29日 (日) 05:26
- か)れて御別(ごべつ)懇(こん)に願(ねが)ひまするで、はい 三「是(こ)れ留太夫(とめだいふ)、御挨拶(ごあいさつ)をせんか 留「何(な)んだイ、ゑへさつなんて、ヘイ宜(よ)ふ御座(ござ)り奉(たてま)つるヨ、御私事(おわたしこと)は御中村御留太夫樣(おなかむらおとめだいふさま)と…364バイト (7,101 語) - 2022年5月25日 (水) 22:37
- 夏(なつ)は涼(すず)みに秋(あき)は月(つき) 柳(やなぎ)の花(はな)の散(ち)る頃(ころ)は 鮎釣(あゆつ)る人(ひと)の影見(かげみ)えて 景色(けしき)ぞあかぬ四(よ)つの時(とき) 松前(まさき)の港賑(みなとにぎ)はひて 妻(つま)も乙女(おとめ)も朝毎(あさごと)に いたゞき出(い)づる御用櫃(ごようひ…8キロバイト (1,599 語) - 2023年9月5日 (火) 15:07