検索結果

かへつてほとけのたねをたつといへり、ここをもつて、​智者︀​​ちしや​​のつくるつみはおほきなれ共​地獄​​ぢごく​​にをちず、​愚者︀​​ぐしや​​のつみはすくなけれどもぢごくにおつるといふ事、​聖​​せい​​人のごなり、又きりしたんのものどもが​無欲​​むよく​​にして、だんなをへつ…

何事にかあらん。おぼつかなしとのたまへば。庄右衛門畏（かしこま）り さればとよ和尚様。かさねがまたきたり今朝よりせめ 候が。もはや命はつゞくまし。急き御出有べしと。所まだら にいゝちらす。和尚聞もあへたまわず。さては其方はさきへ 行（ゆ）け。我も追付（おつつけ）行べしと。しやうぞく召かへ出給ふが何（なに）とも…

たん。田畠（でんぱた）布帛（ふはく）等（など）を計（はか）る名（な）。（そむく。） 立 リツトル。（たつ。） 平 ひらに。（たひらか。） 半 はん。奇數（きすう）。（なかば。） 仕 つかまつる。（つかふ。） 叭 あくび。（こゑ。） 叶 かなふ。成（な）る、能（よ）くす。（協（けふ）に同（おな）じ。） 丼 どんぶり…

かれ）は神（しん）の懐（ふところ）より生命（せいめい）ある食（しょく）を啜（すす）り、その馨香（けいこう）を嗅（か）ぎて、自（みづ）から楽（たのし）まん。しかれども世（よ）に属（ぞく）する物（もの）と、世（よ）と、その安息（あんそく）とに繋（つ…

「うむ、そういたしてくれ、かたじけない――お願い申すよ、何せこの荒くれた世帯、たまには自家（うち）の中にも、花が咲いてくれなければ――」 門弟が運んで来た、酒肴――といっても、どんぶりに、つくだ煮をほうり込んだのに銚子―― ――まあ、今夜は、何て貧乏らしいお膳ばかり見なけれ…

かゝらぬはまことに稀（まれ）なり、覺束（おぼつか）なしや才子（さいし）佳人（かじん）かがなべて待（ま）つ歡（よろこ）びの日（ひ）のいつか來（く）べき、あし分船（わけぶね）のさはり多（おほ）き世（よ）なればこそ親（おや）にゆるされ世（よ）にゆるされ彼（かれ…

ぶりやく）の侍。ふねにて渡海（とかい）し伊豆の国を切て取よし老人（らうじん）物語（がたり）せり。此説（せつ）おぼつかなしさればわれ江戸に有て。近辺（きんぺん）の町人の噂（うはさ）をけふ聞あくる日は事をとへば虚言（きよごん）のみおほし况（いはんや）江戸中の事をや其上年月（ねんげつ）を過し堺（さか…

つし、言葉に花を咲かせ、理に玉をつらね、ふるなの弁をふるふ事以てたとふるにたらす。故に老僧達しんいをおこし、夫智者は其功をたてん事を願ひ、威名を四方にたつせんとする処に、あの清林一人此寺に有故、我等が廿年三十年の修行もむなしく埋（うづも）れ、見仏聞法（けんぶづもんほふ）の人に無智にお…

かちおほくの敵（てき）を討取（うちとり）たり。氏康（うぢやす）武勇（ぶゆう）よはき故（ゆへ）。輝虎（てるとら）も信玄も。小田原へをし込（こみ）ぬ。氏康耻辱（ちじよく）を末代（まつだい）に残（のこ）すといふ。爰にいにしへ。北条家につかへし。老士（らうし）下座（げざ）のかたすみに。そらねぶり…

「然し気の毒だな、無利息、十個年賦（じつかねんぷ）は」 「ええ？　常談ぢやありません」 　さすがに彼の一本参りしを、蒲田は誇りかに嘲笑（せせらわらひ）しつ。 風「常談は措いて、いづれ四五日内（うち）に篤（とく）と話を付けるから、今日のところは、久しぶりで会つた僕等の顔を立てて、何も言はずに帰つてくれ給へな」 「さう云ふ無理を有仰（おつ…

カピューレット長者（ちゃうじゃ）を先（さき）に、同（おな）じく夫人（ふじん）、乳母（うば）、并（なら）びに下人（げにん）甲（かふ）、乙（おつ）、從（つ）いて出る。 カピ長　こゝに書（か）いてあるだけの客人（きゃくじん）を招待（せうだい）せい。…… 甲（かふ）の下人（げにん）入（はひ）る。乙（おつ）の下人（げにん）に向（むか）ひ…

ます〳〵公事（くじ）〈おほやけごと〉を十分（ぶん）におつとめなさい。 また諸（もろ〳〵）の神（かみ）・諸（もろ〳〵）の仏（ぶつ）・菩（ぼ）薩（さつ）等（たう）をおろそかにしてはなりませぬ。この諸神（しよじん）諸（しよ）菩（ぼ）薩（さつ）等（たう）はみな南無阿弥陀（なもあみだ）仏…

れば、かれらがかぶき舞馬鹿のまねにて打おくならば、誠にかぶきの上手也。己がわざに及びがたき本の能のまねをすれどもさらに似ず、かへつておのが家職まで下手と人に笑はれ、それより皇帝の葛城大夫と異名をよばれ、不繁昌に成りぬ。是のみならず万の道、わが家の芸をかろく思ひ、人の芸まで知り顔する故、お…

ゅん）判任御用係となッた時は天へも昇る心地がされて、ホッと一息吐（つ）きは吐いたが、始て出勤した時は異（おつ）な感じがした。まず取調物を受取って我坐になおり、さて落着て居廻りを視回（みまわ）すと、仔細（しさい）らしく頸（くび）を傾（かたぶ）けて書物（かきもの）をするもの、蚤取眼（のみとりまなこ）に…

ひんがんにしよをかくればあきのはおつ、 ぼやうにちゝをきすればとしのはなむなし、 賓雁（ひんがん）に書（しよ）を繋（か）くれば秋（あき）の葉（は）落（お）つ、 牡羊（ぼやう）に乳（ちゝ）を期（き）すれば歳（とし）の華（はな）空（むな）し、 賓雁繋書秋葉落。牡羊期乳歳華空。 賦蘇武　紀在昌 たじつにはつひにしんのここうをのがる、…

つ）き当って薬師町（やくしまち）へ曲がる角の所で、行き詰（づま）ったぎり、押（お）し返したり、押し返されたりして揉（も）み合っている。前方から静かに静かにと声を涸（か）らして来た体操教師に何ですと聞くと、曲り角で中学校と師範（しはん）学校が衝突（しょうとつ）したんだと云う。…

かゝる。追（おつ）つ。まくつつ。首（くび）を取つとられつ。【 NDLJP:501】半時（じ）たゝかひしが。滝川すでに討負（うちまけ）はいぐんす。勝（かつ）に乗（のつ）て。いきほひ。追かけ切ふせ。つき臥。二千余人討取（うつとり）たり。上州衆は滝川にもか…

つ丑松の身に取つては、飲みたく無い迄も酒を誂（あつら）へる必要があつたので、ほんの申訳ばかりにお調子一本、饂飩はかけにして極（ごく）熱いところを、斯（か）う注文したのが軈て眼前（めのまへ）に並んだ。丑松はやたらに激昂して慄（ふる）へたり、丼（どんぶり）にある饂飩のにほひを嗅いだりして、黙つて他（ひと）の談話（はなし）を聞き乍ら食つた。…

れば善（よ）いと思う。吠えているうちは厭（いや）でも、厭な度合が分る。こう静かになっては、どんな厭な事が背後に起りつつあるのか、知らぬ間（ま）に醸（かも）されつつあるか見当（けんとう）がつかぬ。遠吠なら我慢する。どうか吠えてくれれ…

　と、言って、大島さんはなみなみとついだ自分の麦酒（びいる）を一呼吸（いき）に飲む。 「弱卒（じゃくそつ）は困りますな」 　こう言って校長は自分のになみなみと注（つ）いだ。泡が山をなして溢（こぼ）れかけるので、あわてて口をつけて吸った。娘がそこにブッカキを丼（どんぶり）に入れて持って来た。みんなが一つずつ手でつまんで麦酒（びいる）の…