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はかくしてぞあらはれぬ　少納言は心づからと身をもてなすよりはかくあるべき物ぞかくあれとも教ゆる人はあらざりき　式部はをさなきより父爲時がをしへ兄もありしかば人のいもうとゝしてかず／＼におさゆる所も有たりけん　いはゞ富家に生れたる娘のすなほにそだちてそのほど／＼の人妻に成たるものとやいは…

第（だい）六十課（くわ）　告白（こくはく） －260－ ▲告白（こくはく）は赦（ゆるし）を受（う）ける爲（ため）に己（おの）が罪（つみ）を司祭（しさい）に云顯（いひあらは）す事（こと）であります。 は告解（こくかい）とも白狀（はくぜう）とも云（い）はれる。 [下段] とあれば告白（こくはく）は…

ゐる人物を面白く見るばかりではなく、〔その身［は］高みにありながら自分を低い風景のなかへ想像する。〕自分が今彼處にをればどんなに見えるだらうといふことを考へ、また彼處からは此處がどんなに見えてゐるだらうといふことを考へる。また低いところにゐるにんげんはちようど〔ママ〕その逆のことを考へるのである。…

あら）へ、 一八　爾（なんぢ）の齋（ものいみ）の人（ひと）に顕（あらは）れずして、隠（ひそか）なる處（ところ）に在（いま）す爾（なんぢ）の父（ちち）に顕（あらは）れん為（ため）なり、然（しか）らば隠（ひそか）なるを鑒（かんが）みる爾（なんぢ）の父（ちち）は顕（あらは）に爾（なんぢ）に報（むく）いん。…

あらは）せり。或者（あるもの）は事（こと）の順序（じゅんじょ）と本質（ほんしつ）を熟（じゅく）知（ち）せず、又（また）之（これ）を知（し）れる者（もの）に学（まな）ぶことを望（のぞ）まずして、之（これ）を以（もつ）て譬喩（ひゆ）なりとし、凡（すべ）ての聖詠（せいえい）はダウィドの作（さく）にあら…

あらざるべし、此（かく）の如（ごと）く実（じつ）に我（われ）等（ら）も縄線（すみなわ）にかへて左（さ）の言（ことば）を用（もち）いん、『或（あるい）は食（くら）ふか、或（あるい）は他（た）の何事（なにごと）を行（おこな）ふか、すべて神（かみ）の栄（さかえ）を顕（あらは…

あらは）るゝ時（とき）に在（あ）り。 8　彼（かれ）は火燄（くわえん）を以（もつ）て、神（かみ）を識（し）らざる者（もの）、及（およ）び我等（われら）の主（しゅ）イイススハリストスの福音（ふくいん）に服（したが）はざる者（もの）に、報（むくい）を與（あた）ふ、 9　彼等（かれら）は…

はないであらう。この生々しさは何によるか。それは「目玉が地べたへひつつく」といふ空間を無視した表現法のためである。これによつて彼は知覺、若しくは感覺の速度を表現し得たのである。私はここに後來「馬」等々に達した端緖の一つがあると思ふ。それは空想と云はんよりは實感であり、實感であるよりは實感をあらは…

は門（もん）徒（と）の言（ことば）により或（あるい）は主（しゅ）自（みづ）からのお顕（あらは）れに由（よ）って主（しゅ）の御（ご）復活（ふくかつ）を信（しん）じたので御座（ござ）います、そして其様（そのやう）なる御（おん）顕（あらは）れは…

寐てゐて聽く蜩の聲。それは三田文學に出てあつた葛目氏の短篇亡母と蜩を讀んでゐた私に感懷は深かつた。そして枕邊をヒタヒタとゴム足袋で石段を下りる人の足音が響いてくるのだ。――私はまた一時間か二時間の睡に入る。 曉を一番早く知らせる蜩は、夕方にも一番早く鳴く。晝顏は雜草のなかに凋みはじめ、打水された板塀からは…

はめづらしくそへなどしたるなり。ともに得ずなりなば、古の人多く本に歌枕をおきて末に思ふ心をあらはす。さるをなむ中比よりはさしもあらねど、はじめに思ふことを言ひあらはしたるはなほわろきことになむする。 貫之、躬恒は中比の上手なり。今の人の好むはこれがさまなるべし。 風吹けば沖つ白浪立田山よはにや君がひとりこゆらむ…

は汝等軍人の大元帥なるそされは朕󠄂は汝等を股肱と賴み汝等は朕󠄂を頭首と仰きてそ其親は特に深かるへき朕󠄂か國家を保護して上天の惠に應し祖󠄁宗の恩に報いまゐらする事を得るも得さるも汝等軍人か其職を盡すと盡さゝるとに由るそかし我國の稜威振はさることあらは…

はん。 5なんぢら祈（いの）るとき、僞善者（ぎぜんしや）の如（ごと）くあらざれ。彼（かれ）らは人（ひと）に顯（あらは）さんとて、會堂（くわいどう）や大路（おほぢ）の角（かど）に立（た）ちて祈（いの）ることを好（この）む。誠（まこと）に汝（なんぢ）らに告（つ）ぐ、かれらは既（すで）にその報（むくい）を得（え）たり。…

ほ）く寛宥（かんゆう）をうけん。さりながら差（ちがひ）は数量（すうりょう）の上（うえ）にあるにあらざるなり、要（よう）するに彼（かれ）はたゞよく僕（ぼく）のあらはすことを得（う）るだけの憐（あはれみ）をあらはすのみなれども、恩賞（おんしょう）は主宰（しゅさい）の與（あた）ふるを能（よ）くする所（と…

はにや。聞えたらん事のいと哀に覺えてなむ。さりとてかくのみえ參りくましきを。誠にきく事有て。せいする事なとあらは。そらゆく月にもあらん。もしの給やうなるつれ〳〵ならは。かしこにもおはしなんや。人はあれとひなかるへきにもあらす。もとよりかゝる筋につきたよりなき身なれは…

は救正（すくひただす）こと最（もっと）も難（かた）し　そは悪（あく）の跡（あと）彰（あら）はざれば己（おのれ）もその悪（あく）を覚（おぼ）へず人（ひと）もまた責（せ）むべきなければなり　故（ゆえ）に偽（ぎ）善（ぜん）の幣（へい）は顕（あらは…

は、唯（たゞ）、深（ふか）くして廣（ひろ）きこと海（うみ）のやうな彌陀（みだ）の本（ほん）願（ぐわん）の旨趣（おもむき）を說（と）かんがためであらせられます。五濁（ぢよく）の惡（あし）さまなる時（とき）において惱（なや）めるもろ〳〵の人々（ひと〴〵）は…

漢字の旧字は新字に置き換えています。 1 主（しゅ）に感謝（かんしゃ）するは善（よ）きかな 至高（いとたか）き者（もの）よ、御名（みな）を讃（ほ）め称（たた）ふるは甚善（いとよき）かな 2 朝（あした）に主（しゅ）の愛（あい）を顕（あらは）し よな〳〵主（しゅ）の眞（まこと）を顕（あらは）すは　いと善（よき）かな…

らは霜やけで泣いてばかりゐた。口では叱りながらも、心はやはり痛々しく思はれてならなかつた。―― 寒さに對する彼女の腹立たしさはみな彼女のあきらめてゐることなのではあるが主人の放蕩や、彼の放蕩の齎したこの不幸な移轉に對する不滿がこの酷しい寒さの苦痛を通して祕かにあらはれて來てゐるものかも知れなかつた。…

なけきあまりつひに色にそいてぬへきいはぬを人のしらはこそあらめ なけきあまり－つひにいろにそ－いてぬへき－いはぬをひとの－しらはこそあらめ 00626 [詞書]題しらす よみ人しらす あふことを松にて年のへぬるかな身は住の江におひぬものゆゑ あふことを－まつにてとしの－へぬるかな－みはすみのえに－おひぬものゆゑ…