聖金口イオアン教訓下/第19講話

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第19講話

<<すべて神（かみ）の栄（さかえ）を顕（あらは）すやうに行（おこな）ふべし>>

家（いえ）を建築（けんちく）する者（もの）は壁（かべ）を造（つく）らんと欲（ほつ）して縄線（すみなわ）を角（すみ）より角（すみ）に引（ひ）き、かくの如（ごと）くして屋（おく）宇（う）を成（な）すときは、其（そ）の平面（へいめん）に少（すこ）しも高低（たかひく）あらざるべし、此（かく）の如（ごと）く実（じつ）に我（われ）等（ら）も縄線（すみなわ）にかへて左（さ）の言（ことば）を用（もち）いん、『或（あるい）は食（くら）ふか、或（あるい）は他（た）の何事（なにごと）を行（おこな）ふか、すべて神（かみ）の栄（さかえ）を顕（あらは）すやうに行（おこな）ふべし』〔コリンフ前十の三十一〕我（われ）等（ら）は或（あるい）は祈（き）祷（とう）せんか、或（あるい）は禁食（きんしょく）せんか、罪（つみ）せんか或（あるい）は免（ゆる）さんか、賞賛（しょうさん）せんか或（あるい）は非（ひ）責（せき）せんか、出（い）でんか或（あるい）は入（い）らんか、売（う）らんか或（あるい）は買（か）はんか、黙（もく）せんか或（あるい）は語（かた）らんか、或（あるい）は他（た）の何事（なにごと）を行（おこな）はんか、すべて神（かみ）の栄（さかえ）をあらはすやうに行（おこな）はん、然（しか）れども神（かみ）の栄（さかえ）を顕（あら）はすに助（たす）けざらんものは、行（おこな）ふことも言（い）ふことも必（かなら）ず為（な）すべからず、我（われ）等（ら）は此（こ）の格言（かくげん）を以（もつ）て大（おほい）なる鐵（てつ）に代（か）へ、武器（ぶき）又（また）は盾（たて）に代（か）へ、無（む）数（すう）の宝（たから）に代（か）へて、何（なん）の処（ところ）にありとも、これを心（こころ）に銘（きざ）みて、自（みづか）らこれを佩（お）びん、我（われ）等（ら）且（かつ）為（な）し且（かつ）言（い）はんも、すべて神（かみ）の栄（さかえ）をあらはさんやうに謀（はか）り、此（この）世（よ）を逝（さ）りし後（のち）も、これによりて栄（さかえ）をうけんが為（ため）なり。