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  • 『夕凪橋の狸』(ゆうなぎばしのたぬき) 作者:梶井基次郎 底本:2008年11月10日筑摩書房発行『ちくま日本文学028 梶井基次郎』 私という恥(はじ)多い者にもこのような憶(おも)い出がある。十幾年(いくねん)という昔(むかし)の話である。 それはまだ自分が中学の三年か四年の頃(ころ)だったよう…
    26キロバイト (5,343 語) - 2021年8月31日 (火) 22:16
  • うなぎ さす朝潮(あさしお)の心地(ここち)よく 浮(う)かぶ千舟(ちぶね)の帆(ほ)は白(しろ)し 三条過(さんじょうす)ぎて行(ゆ)く程(ほど)に 大阪湾(おおさかわん)の海見(うみみ)えて は築港(ちっこう)の桟橋(さんばし)に とまる電車(でんしゃ)の速(すみ)かさ…
    12キロバイト (2,330 語) - 2023年9月5日 (火) 15:08
  • 暗くなつてゆく部屋の中で、彼母等はおろおろ心配した。 兄が十錢銀貨を落して來たことがあつた。母は兄に捜して來いと吩付(咐)けた。雪の積つた日で、兄が門を出ると門の前の雪の上にその銀貨が載つてゐた。 姉が麻糸つなぎやレースの内職を見付けて來て、それを遣〔ママ〕つてゐる。針…
    7キロバイト (1,613 語) - 2021年8月31日 (火) 22:13
  • 「石麻呂に吾物申す夏やせによしといふものぞむなぎとり召せ」(卷十六) と云ふ歌がある。うなぎを燒いて鹽水で味をつけただけでも立派な御馳走である。ひそかに思ふに木花開耶姬も、うなぎを食べて健康美を保つてゐたのではあるまいか――。…
    11キロバイト (2,469 語) - 2019年2月26日 (火) 14:46
  • 續きになつてゐる。あまり道幅もない兩側の土塀の上から、ゑんじゆの枝、楊(なぎ)の木、ねむの枝などが、ずつと延び出してゐる。いはば、胡同は一本の管になつて、どこからどこまでも、つながつてゐる感じである。  一見、何の曲もないやうなこの胡同ではあるが、ここに住んでゐる子どもたちにとつては、かけがへ…
    10キロバイト (1,901 語) - 2016年7月22日 (金) 09:21
  • なまりの片言交(かたことまじ)り、白(しら)うさぎなる言の葉に。面白がられしそうな事を、直江浦(なおえうら)の海士(あま)の子が、七つか八つ目鰻(うなぎ)まで、うむ編(あみ)その綱手(つなで)とは、恋の心も米山(こめま)の、とほき浮気(うはき)で黄蓮(わうれん)も、なに糸魚川(いといがは)糸魚…
    2キロバイト (366 語) - 2020年1月7日 (火) 17:25
  • 陣中に薨(こう)じ、續いて杖柱とも頼みたまふ孝明天皇が崩御ましました。宮には、この兩三年、御涙の乾くひまもない御身であらせられた。  慶喜叛逆(はんぎやく)の報がいち早く江戸に達した時、宮はさすがに御憤りをお感じになつたが、慶喜の言上するところを一々お聞きになるに及んで、事情止むを得なかつたかれの心…
    6キロバイト (1,300 語) - 2015年8月7日 (金) 23:33
  • 鎌倉(かまくら)よりは電車(でんし)にて 七(しち)里(り)が濱(はま)の海(うみ)づたい 岩(いは)屋()名(な)高(だか)き江(え)の島(しま)に 行(ゆ)くも旅(たび)路(ぢ)の興(きよう)ならん 又(また)立(た)ち歸(かへ)る藤澤(ふじさは)の 町(まち)には遊(ゆ)行(ぎやう)の寺(てら)ふるし…
    17キロバイト (3,144 語) - 2022年9月19日 (月) 13:15
  • おこりし土地(とち)の岡崎(をかざき)を 矢()矧(はぎ)の橋(はし)に殘(のこ)れるは 藤󠄇吉郞(とうきちらう)のものがたり 大高(おほたか)おりて桶(をけ)狹間(はざま) ゆきて昔(むかし)のあととはん 熱(あつ)田(た)の宮(みや)に伏(ふ)しをがむ その草薙(くさなぎ)の神(かん)つるぎ つゞく名古屋(なごや)は中京(ちゆうきやう)と…
    39キロバイト (7,421 語) - 2023年9月5日 (火) 14:55
  • 夏(なつ)も冬(ふゆ)と思(おも)ふらん 駿州一(すんしういち)の大(だい)都(と)會(くわい) 靜岡(しづをか)いでゝ阿部(あべ)川(かは)を わたればこゝぞ宇津(うつ)の谷()の 山(ま)きりぬきし洞(ほら)の道(みち) 鞘(さや)より拔(ぬ)けておのづから 草(くさ)なぎはらひし御(み)劍(つるぎ)の…
    19キロバイト (3,658 語) - 2024年9月12日 (木) 03:55
  • なぎ)の枝(えだ)にさく姿(すがた)と、聞(き)くばかりも床(ゆか)しきを心(こヽろ)にくき獨(ひと)りずみの噂(うはさ)、たつ名(な)みやび男(を)の心(こヽろ)を動(うご)かして、山(ま)の井(ゐ)のみづに浮岩(あくが)るヽ戀(こひ)もありけり、花櫻(はなざくら)香山家(か
    102キロバイト (16,879 語) - 2023年10月17日 (火) 13:46
  • ぎやうぶ)少輔。此三人三手(て)に分(わけ)て。奥州(おうしう)五十四郡(ぐん)の。検地(けんち)をあらためさせ。秀吉公(ひでよしこう)は黒川(くろかは)まで着御(ちやくぎよ)。是より引(ひつ)返し帰洛(きらく)し給ふ。然ば小田原(をだはら)落城(らくじやう)一陣(ぢん)破(
    161バイト (13,821 語) - 2023年11月20日 (月) 01:56
  • ま) いづる朝(あさ)日(ひ)の曇(くも)りなく 春(かす)日(が)の森(もり)の木(こ)の間(ま)には おきふす鹿(しか)も面白(おもしろ) 麓(ふもと)に立(た)てる興福(こうぶく)寺(じ) 五(ご)重(ぢう)の塔(たふ)のかげうつす 池(いけ)は猿澤(さるさは)きぬかけの 柳(なぎ)は風(かぜ)になびくなり…
    21キロバイト (3,980 語) - 2023年9月5日 (火) 14:47
  • くちばしの 黄いろい まつ黒い 鳥であつたつけ ねちねち うすら白い どぶのうへに 籠(かご)のなかで ぎやうつ! とないてゐたつけ、 なにかしら ほそいほそいものが ピンと すすり哭(な)いてゐるような そんな 真昼で あつたつけ なぜに 色があるのだらうか むかし、混沌は さぶし かつた 虚無は 飢えてきたのだ…
    29キロバイト (4,760 語) - 2023年10月22日 (日) 08:18
  • うな覚えがあるかえ」と、半七はまた訊(き)いた。 むかしは知らないが、今は決してそんな事はないとお浪は確かに云い切った。お父(とっ)さんが正直で、情けぶかい人であることは近所の人たちがみんな能(よ)く知っている。月の四日にはきっと両国の橋番の小屋へ行って、放生鰻(はなしうなぎ
    50キロバイト (10,195 語) - 2019年2月27日 (水) 14:48
  • 夕、月の輪貫きて 夜天(てん)の宿を支へつゝ 世の盛衰をひゝかに 千歲(ちとせ)の曆(こよみ)飜へし 神さびたてる常盤木の 古るきにほひに佇みて さらにすかせば眼にくらき 九百九町(くひやくくちやう)の靜まりに 柳なぎの家を守(も)り 冷たう光る大路の灯(ひ) 小路はくらし、病人(まうど)の 夜の恐怖(おそれ)に血も冷えし…
    41キロバイト (2,863 語) - 2019年11月3日 (日) 07:47
  • 片貝(かたかひ)、布施(ふせ)川早(がわは)越(こ)えて、 佐野(さの)の常(つね)世(よ)が櫻(さくら)江(え)の、 庄(さと)を今(いま)呼(よ)ぶ三(みつ)日(か)市(いち)。 三本柿(ぼんがき)德法(とくはふ)寺(じ)、 黑(くろ)部(べ)に架(かゝ)る愛本(あいもと)の、 橋(はし)釣鐘(つりがね)、黑薙(くろなぎ
    50キロバイト (9,059 語) - 2023年9月5日 (火) 14:50
  • いつ)か宙を踏んで、牢舎を後に飄々(へうへう)と「あんちおき」の都の夜空へ、火花を飛(とば)いて舞ひあがつた。まことその時は学匠の姿も、折から沈まうず月を背負うて、さながら怪しげな大蝙蝠(おほかはほり)が、黒雲の翼を一文字に飛行(ひぎやう)する如く見えたと申す。…
    44キロバイト (9,185 語) - 2019年9月29日 (日) 04:48
  • 。孝子の志浅からず。童子の名をば小角といふ。五色のうさぎにしたがつて葛城山(かつらぎやま)のいたゞきに登(のぼ)り、藤衣(ふぢごろも)に身を隠し、松のみどりに命をつなぎて、孔雀明王(くじやくみやうわう)の法をしゆぎやうする事三十余年、りうじゆ𦬇(ぼさつ)にあひて五字三密(みつ)の法水(ほふすゐ)…
    438バイト (15,356 語) - 2024年2月1日 (木) 14:11
  • て酒をのみしに、古無殿(こむそう)の一人尺八(しやくはち)を吹(ふ)いて門に立ちたり。我此者をよび入れ、あら有難の修行(しゆぎやう)、御身ゆゑある人と見えたり。世におち人におはすらんと酒をもてなし、此一兵衛も若き比は尺八を吹きたり。古無殿(こむどの)の尺八一手(ひとて)望みなりといへば、此者曲(…
    438バイト (14,434 語) - 2024年2月1日 (木) 14:11
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