電車唱歌/大阪市街電車唱歌

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• 表記は歴史的仮名遣とし、漢字制限はJIS X 0208に文字が収録されていれば元の漢字をそのまま使った。
• 註: この文書ではルビが使用されています。ここでは「単語（ルビ）」の形で再現しています。一部の古いブラウザでは、ルビが正しく見えない場合があります。

• 南北線開通前の歌詞

1. 春咲（はるさ）く花（はな）の梅田（うめだ）より　乗（の）り出（だ）す電車心地（でんしゃここち）よく　曾根崎新地打（そねざきしんちう）ち過（す）ぎて　行（ゆ）くや堂島（どうじま） 中（なか）の島（しま）
2. ここには公園名（こうえんな）も高（たか）く　土佐堀（とさぼり） 江戸堀打（えどぼりう）ち渡（わた）り　京町橋（きょうまちばし）の東（ひがし）には　夜店繁華（よみせはんか）の御霊（ごりょう）あり
3. 靱（うつぼ）の東（ひがし）に北御堂（きたみどう）　阿波座（あわざ）の東（ひがし）に南御堂（みなみみどう）　何（いず）れも参詣数多（さんけいかずおお）き　一向宗（いっこうしゅう）の掛所（かけしょ）なり
4. 新町過（しんまちす）ぎて四橋（よつばし）の　風景一目（ふうけいひとめ）に見（み）え渡（わた）る　線路（せんろ）もここは交叉点（こうさてん）　水（みず）は十字（じゅうじ）に流（なが）れたり
5. それより東（ひがし）に佐野屋橋（さのやばし）　心斎橋（しんさいばし）を眺（なが）めつつ　末吉橋（すえよしばし）まで行（ゆ）く道（みち）の　落成見（らくせいみ）るも遠（とお）からじ
6. 長掘過（ながほりす）ぐれば北堀江（きたほりえ）　下車（げしゃ）して人（ひと）の詣（もう）づるは　其名（そのな）も高（たか）き阿弥陀池（あみだいけ）　天台宗（てんだいしゅう）の御寺（みてら）なり
7. 見物四時（けんぶつしじ）に賑（にぎ）わうは　道頓堀（どうとんぼり）の五芝居（いつしばい）　乗客日夜絶（じょうきゃくにちやた）えざるは　出（い）で入（い）る汽車（きしゃ）の湊町（みなとまち）
8. 大阪相撲（おおさかずもう）の大場所（おおばしょ）も　難波市場（なんばいちば）も程近（ほどちか）く　新川橋（しんかわばし）のほとりには　黄檗著名（おうばくちょめい）の鉄眼寺（てつげんじ）
9. 大阪附近（おおさかふきん）に聞（きこ）えたる　住吉浜寺和歌（すみよしはまでらわか）の浦（うら）　見（み）に行（ゆ）く人（ひと）の乗（の）り下（お）るる　処（ところ）は難波（なんば）の停留場（ていりゅうじょう）
10. 今宮戎（いまみやえびす）に参詣（さんけい）の　老若群集（ろうにゃくぐんじゅ）す恵美須町（えびすまち）　はや終点（しゅうてん）と呼（よ）ばわれて　下車（げしゃ）して名所（めいしょ）を見回（みまわ）らん
11. 安井（やすい） 清水（きよみず） 一心寺（いっしんじ）　歴史（れきし）を語（かた）る茶臼山（ちゃうすやま）　四天王寺（してんのうじ）の空遠（そらとお）く　仰（あお）げば五重（ごじゅう）の塔高（とうたか）し
12. 又電車（またでんしゃ）にて立（た）ち帰（かえ）る　西長掘（にしながほり）の変圧所（へんあつしょ）　ここは特殊（とくしゅ）の軌条（きじょう）にて　ダイヤモンドの名（な）もしるし
13. 宇和島（うわじま） 富田屋（とんだや） 問屋橋（とんやばし）　白髪（しらが） 鰹座打（かつおざう）ち過（す）ぎて　玉造橋（たまつくりばし）の南（みなみ）には　土佐（とさ）の稲荷（いなり）の社（やしろ）あり
14. 御代（みよ）の栄（さかえ）の色深（いろふか）き　松島（まつしま） 千代崎（ちよざき） 身禊橋（みそぎばし）　天満天神御旅所（てんまてんじんおたびしょ）は　あれよと誰（たれ）も伏（ふ）し拝（おが）む
15. 築港行（ちっこうゆき）もにぎわしく　ゆけば九条（くじょう）の発電所（はつでんしょ）　行（ゆ）く手（て）に響（ひび）く体操（たいそう）の　声（こえ）は市岡中学校（いちおかちゅうがっこう）
16. 磯路（いそじ）まぢかく来（きた）れども　波（なみ）は音（おと）せぬ夕凪（ゆうなぎ）や　さす朝潮（あさしお）の心地（ここち）よく　浮（う）かぶ千舟（ちぶね）の帆（ほ）は白（しろ）し
17. 三条過（さんじょうす）ぎて行（ゆ）く程（ほど）に　大阪湾（おおさかわん）の海見（うみみ）えて　はや築港（ちっこう）の桟橋（さんばし）に　とまる電車（でんしゃ）の速（すみ）やかさ
18. 天保二年（てんぽうにねん）の春（はる）の頃（ころ）　全市（ぜんし）の川（かわ）の土砂（つちすな）を　積（つ）みて築（つ）きたる天保山（てんぽうざん）　灯明台（とうみょうだい）の名（な）も高（たか）し
19. 今（いま）は明治（めいじ）の聖代（せいだい）に　海上一里埋（かいじょういちりう）め立（た）てて　港作（みなとつく）りし大工事（だいこうじ）　茅渟（ちぬ）の浦風身（うらかぜみ）に清（きよ）し
20. 今日半日（きょうはんにち）の暇（ひま）を得（え）て　広（ひろ）き市内（しない）を縦横（たてよこ）に　廻（めぐ）るは御代（みよ）の御恵（おめぐみ）ぞ　唯（ただ）それ電車（でんしゃ）の御徳（おんとく）ぞ

• 南北線開通後の歌詞

1. 春咲（はるさ）く花（はな）の梅田（うめだ）より　乗（の）り出（だ）す電車心地（でんしゃここち）よく　曾根崎新地打（そねざきしんちう）ち過（す）ぎて　行（ゆ）くや堂島（どうじま） 中（なか）の島（しま）
2. 東（ひがし）に望（のぞ）む大江橋（おおえばし）　そこまで電車（でんしゃ）の道開（みちひら）け　島（しま）の出先（でさき）は公園地（こうえんち）　名高（なたか）きところは豊国社（ほうこくしゃ）
3. また二丁目（にちょうめ）に立（た）ち帰（かえ）り　土佐堀（とさぼり） 江戸堀打（えどぼりう）ち渡（わた）り　京町橋（きょうまちばし）の東（ひがし）には　夜店繁華（よみせはんか）の御霊（ごりょう）あり
4. 靱（うつぼ）の東（ひがし）に北御堂（きたみどう）　阿波座（あわざ）の東（ひがし）に南御堂（みなみみどう）　何（いず）れも参詣数多（さんけいかずおお）き　一向宗（いっこうしゅう）の掛所（かけしょ）なり
5. 新町過（しんまちす）ぎて四橋（よつばし）の　風景一目（ふうけいひとめ）に見（み）え渡（わた）る　線路（せんろ）もここは交叉点（こうさてん）　水（みず）は十字（じゅうじ）に流（なが）れたり
6. それより東（ひがし）に佐野屋橋（さのやばし）　心斎（しんさい） 三休（さんきゅう） 長掘（ながほり）の　橋々過（はしばしす）ぎて板屋橋（いたやばし）　末吉橋（すえよしばし）こそ終点（しゅうてん）よ
7. 長掘過（ながほりす）ぐれば北堀江（きたほりえ）　下車（げしゃ）して人（ひと）の詣（もう）づるは　其名（そのな）も尊（とうと）き阿弥陀池（あみだいけ）　天台宗（てんだいしゅう）の御寺（みてら）なり
8. 見物四時（けんぶつしじ）に賑（にぎ）わうは　道頓堀（どうとんぼり）の五芝居（いつしばい）　乗客日夜絶（じょうきゃくにちやた）えざるは　出（い）で入（い）る汽車（きしゃ）の湊町（みなとまち）
9. 大阪相撲（おおさかずもう）の大場所（おおばしょ）も　難波市場（なんばいちば）も程近（ほどちか）く　新川橋（しんかわばし）のほとりには　黄檗著名（おうばくちょめい）の鉄眼寺（てつげんじ）
10. 大阪附近（おおさかふきん）に聞（きこ）えたる　住吉浜寺和歌（すみよしはまでらわか）の浦（うら）　見（み）に行（ゆ）く人（ひと）の乗（の）り下（お）るる　処（ところ）は難波（なんば）の停留場（ていりゅうじょう）
11. 今宮戎（いまみやえびす）に参詣（さんけい）の　老若群集（ろうにゃくぐんじゅ）す恵美須町（えびすまち）　はや終点（しゅうてん）と呼（よ）ばわれて　下車（げしゃ）して名所（めいしょ）を見回（みまわ）らん
12. 安井（やすい） 清水（きよみず） 一心寺（いっしんじ）　歴史（れきし）を語（かた）る茶臼山（ちゃうすやま）　四天王寺（してんのうじ）の空遠（そらとお）く　仰（あお）げば五重（ごじゅう）の塔高（とうたか）し
13. 又電車（またでんしゃ）にて立（た）ち帰（かえ）る　西長掘（にしながほり）の変圧所（へんあつしょ）　ここは特殊（とくしゅ）の軌条（きじょう）にて　ダイヤモンドの名（な）もしるし
14. 宇和島（うわじま） 富田屋（とんだや） 問屋橋（とんやばし）　白髪（しらが） 鰹座打（かつおざう）ち過（す）ぎて　玉造橋（たまつくりばし）の南（みなみ）には　土佐（とさ）の稲荷（いなり）の社（やしろ）あり
15. 御代（みよ）の栄（さかえ）の色深（いろふか）き　松島（まつしま） 千代崎（ちよざき） 身禊橋（みそぎばし）　天満天神御旅所（てんまてんじんおたびしょ）は　あれよと誰（たれ）も伏（ふ）し拝（おが）む
16. 築港行（ちっこうゆき）もにぎわしく　ゆけば九条（くじょう）の発電所（はつでんしょ）　行（ゆ）く手（て）に響（ひび）く体操（たいそう）の　声（こえ）は市岡中学校（いちおかちゅうがっこう）
17. 磯路（いそじ）まぢかく来（きた）れども　波（なみ）は音（おと）せぬ夕凪（ゆうなぎ）や　さす朝潮（あさしお）の心地（ここち）よく　浮（う）かぶ千舟（ちぶね）の帆（ほ）は白（しろ）し
18. 三条過（さんじょうす）ぎて行（ゆ）く程（ほど）に　大阪湾（おおさかわん）の海見（うみみ）えて　はや築港（ちっこう）の桟橋（さんばし）に　とまる電車（でんしゃ）の速（すみ）やかさ
19. 天保二年（てんぽうにねん）の春（はる）の頃（ころ）　全市（ぜんし）の川（かわ）の土砂（つちすな）を　積（つ）みて築（つ）きたる天保山（てんぽうざん）　灯明台（とうみょうだい）の名（な）も高（たか）し
20. 今（いま）は明治（めいじ）の聖代（せいだい）に　海上一里埋（かいじょういちりう）め立（た）てて　港作（みなとつく）りし大工事（だいこうじ）　茅渟（ちぬ）の浦風身（うらかぜみ）に清（きよ）し
21. 今日半日（きょうはんにち）の暇（ひま）を得（え）て　広（ひろ）き市内（しない）を縦横（たてよこ）に　廻（めぐ）るは御代（みよ）の御恵（おめぐみ）ぞ　唯（ただ）それ電車（でんしゃ）の御徳（おんとく）ぞ