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と云ひ、又た一人は、說明して、 節義は例へて云はゞ、人の體に骨あるが如し。骨無ければ、首も正しく上に在ることを得ず。されば人は才能ありとても、學問ありとても、節義なければ、世に立つ事を得ず。節義あれば、不骨不調法にても、士たるだけの事缺かぬなり。 （眞木和泉） と曰へり。孟子…

人を治むる経国の要道に、御心ゆだねられし御事は、実に帝王の学と申し奉るべき事にこそ、〈卜斎記、駿府記、〉 ある時の仰に、われ儒生をして経籍を読ましめて聞くに、おほよそ天下の主たらむものは、四書の理に通ぜねばかなはぬ事なり、もし全部しる事かなはずば、よくよく孟子…

文字ばかりではありません。我々の息吹（いぶ）きは潮風（しおかぜ）のように、老儒（ろうじゅ）の道さえも和（やわら）げました。この国の土人に尋ねて御覧なさい。彼等は皆孟子（もうし）の著書は、我々の怒に触（ふ）れ易いために、それを積んだ船があれば、必ず覆（くつがえ）ると信じています。科戸（しなと）の神は…

キ様無リケレハ弓矢太刀刀ヲ取捨テ降参ヲソ致シケル爰ニ叛逆ノ張本共ヲ一々ニ誅戮シ同十一日彼津ヲ出船シ同十三日ハ歸朝ラソシ給ケルサレハ孟子曰愛人不親反其仁治人不治反其知禮人不荅反其敬行有不得者皆反求諸己其身正而天下歸之ト云ヘリ吾朝ノ尚徳モ仁智敬ノ心ヲ發シテ萬事反求諸己給程ナラヘ鬼界島モ不招ニ朝貢致ンニ…

て、これに染まらぬ子供もなし、秋は九月仁和賀（にわか）の頃の大路を見給へ、さりとは宜くも學びし露八（ろはち）が物眞似、榮喜（えいき）が處（しよ）作、孟子の母やおどろかん上達の速やかさ、うまいと褒められて今宵も一廻りと生意氣は七つ八つよりつのりて、やがては肩に置手ぬぐひ、鼻歌のそゝり節、十五の少年がま…

破シテ曰是何ノ珍シキコトソ。諸家何レノ所ニカ此義ヲ論セザル。有物先天地無形本寂寥能爲萬像主逐四時不凋トモ云。孟子曰天何ヲカ言哉四時行焉百物生焉トモアリ。神道ニハ天神七代。地神五代ト神代ヲ分ツ。就中天神七代ノ始メ。國常立尊。國狹槌尊。豊斟渟尊。三柱ノ神在マシテ。…

首相官邸HP内資料のまま。正しい表記は「琴欧洲」。 首相官邸HP内資料のまま。本来は「などの」とすべきところと思われるが、小泉首相は「の」と演説した。 『孟子』「滕文公章句下 一」の一節。原文は「志士不忘在溝壑」。 第164回国会における小泉内閣総理大臣施政方針演説（首相官邸HP内資料） 第164回国会施政方針演説（政府インターネットテレビ）…

人不レ贖レ人矣。取二其金一。則無レ損二於行一。子路拯二溺者一。其人牂レ之以レ牛。子路受レ之。孔子日。魯人必拯二溺者一矣。讓不レ取レ金。不レ伐不レ欲也。而贖レ人之路遂室。孟子稱公劉好レ貸。大王好レ色。與二百姓一同之。使丙有二積倉一而無乙怨曠甲孟子之學。全得二諸孔子一。此郥己達達レ人。己立立レ人…

行（にげゆく）といふ。早雲（さううん）聞て不便（ふびん）の次第哉。孟子（まうし）に大人は其赤子（せきし）の心をうしなはざる者也と云々。故（ゆへ）に君子（くんし）は万事に通（つう）じてしらざる所なく。よくせざる所なし。情（なさけ）は人の為（ため）ならず。かれらを打捨（すて）。われさきへ行ならば。此病…

人をはじめ五百人の所化、きどく凡慮（ぼんりよ）におよばぬ即妙（そくめう）なる返答、世にこえたるきてん坊主哉と感じ、一同にどつとわらひて退散する。誠に仏道に叶へる人は、毒蛇（どくじや）の口をのがれ矢石も身にたゝず、災難をのがるるといへる事実義（じつぎ）なり。孟子…

諸国の御法度（ごはつと）右の如くなれば、今はぬす人（びと）絶えはで天下おだやかに、諸人正直（しやうぢき）けんぱふを心に嗜み、仁義を本とし仏法（ぶつぽふ）を信敬（しんきやう）し目出度世上（せじやう）也。孟子（まうし）に尭舜（げうしゆん）の仁はあまねく人を愛せず、賢を親する事をすみやかにすと云々。尭舜…

やおもふ、我親を打にぞ天雷も罰をあつべけれ、親に打ちころされんと云は孝也。親年寄るに随ひて、万ひがめりといさめをいへば、却て杖にてうたれたり。然れば孟子は不孝に三つの品を上られたり。親のひがごとに随ひていさめず、不義におとしいる、是大不孝といへり。夫君親の忠孝と云は、あらそふべき時はあらそひ、したが…

孟子に智者は知事あらずと云事なしと云々。さればむかしを伝へ聞きしに、人間寒につめられ悉死す。又恙と云虫人を食ふ故に、諸人土穴をほり隠居（かくれゐ）たり。是によて人を訪ひて無事なる事をばつゝがなきといふ。此二字の沙汰（さた）戦国策（せんごくさく）に見えたり。又一説に㺊の字とする時は、人…

へのぼつて此旨御奉行所へ申上られたり。各々沙汰し給ひけるは、智恵有といへどもいきほひに乗るにはしかず、識（しき）有りといへども、時を待つにはしかずと孟子に見えたり。今（いま）浄土増上寺（じやうどぞうじやうじ）の御威光は一天四海にあまねくおほひ、十宗において此徳をあふぐ。其上将軍御信敬あさからず、下万…

。是はいかなる子細（しさい）ぞといへば。びんごの守いはく。軍陣（ぐんぢん）にて討死（うちじに）するに。忠（ちう）と不忠（ふちう）との二死（し）あり。孟子（もうし）に。君臣（くんしん）に義（ぎ）ありと云々。それ義士（ぎし）は。かくべき所をば有無（うむ）にかけ。事のさうなるに至て。死するも義（ぎ）也。公…

  老人少年の時、洛中（らくちう）に四書の素読（そどく）教る人無之、公家の中、山科殿知れりとて三部を習（なら）ひ、孟子に至て、本を人に借（か）し置たりとて終に教（をし）へず。実は知（しら）ざる也。   右の時分、外家の道伯と云人（いふひと）論語（ろんご）を講談す。惺窩（せいくわ）も惺窩の伯父宣…

て万事一決しかたく、上かろきにより下の心和せすして、諸卒義の心さしをおこす事なく、寄合勢のことくなるによつて、落城せしと聞え侍る、孟子の天の時は地の利にしかし、地の利は人の和にしかしといへる心思ひ合すへし、又問、三州長篠城に奥平九八郎信昌籠城せしを、武田勝頼三万余騎を卒し、稲麻竹葦のことく取囲て攻け…

に似たり。長柄の駕籠に乗り行く事寺僧の役に出るに似たり。さこそ思ひ侍る。其匙を以て、人をまゝ往生せしむる者なり。「入船の順風は出船の逆風」と、松平越中守様も仰せられし。孟子曰ふ、矢人は唯人を傷けん事を思ひ、函人は唯人を傷けざるを思ふ。夫れ馬の性は晴風を喜び、豕の性は雨湿を望む。物の矛盾かくの如し。奢…

てい）。ゆゝしくぞ見へける。其所在家（ざいけ）。千余（よ）宇（う）有て。鶏鳴（けいめい）狗吠（くうべい）あひ聞へて。四境（きやう）にたつすといへる。孟子（まうじ）の言葉（ことば）をおもひ出せり。先年（せねん）三崎の城（しろ）は。北条美濃守（みのゝかみ）氏親（ちか）。居城（ゐじやう）とす。当浦（たうゝ…

人には向ふさすといふとなければ、その心がけも自ら薄くなるなり、信玄が世にありし程は、味方にとりて剛敵なれば彼をむかふさす標的として、常に武道をみがきしゆゑ、家卒までも甲州の戦には、いつも粉骨を尽せしなり、むかふさすといふことは、誰も忘れまじき事ぞと、常々仰せありしなり、孟子…