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- イソップ童話集/とびとたかとはと はとの村では、いつもいつも、らんぼうもののとびがおしよせて来ては、大ぜいのはとをくいころしていくので、一たいどうしたらこれをふせぐことができるのだろうかと、みんなあつまって、そうだんしました。 いろいろそうだんのあげく、だれかとびよりもつよいものをたのんで、はとの村を…1キロバイト (277 語) - 2023年5月13日 (土) 04:14
- をもらってしまって、たいてい自分が嚥(の)まないのはわかっているのに、そのあとをいったいどうするつもりなんだと、吉田は母親のしたことが取り返しのつかないいやなことに思われるのだったが、傍にきいていた吉田の末の弟も 「お母さん、もう今度からそんなこと言うのん嫌(いや)でっせ」 と言ったの…54キロバイト (10,955 語) - 2021年12月13日 (月) 14:22
- 『犬を賣る露店斷片』(いぬをうるろてんだんぺん 作者:梶井基次郎 1924年 底本:昭和四十一年四月二十日筑摩書房発行『梶井基次郎全集 第一卷』 ……一體あれはみな赤犬の仔だらうか、寄せ集めの仔ではないのだらうか、そんなことも思ふ。私はそんなに思つて見ては、自分の變な心持ちを充〔た〕そ〔ママ〕うとした。…19キロバイト (4,194 語) - 2021年8月31日 (火) 22:31
- 日本女性美史 第九話 (女性の佛法讃仰の節)た。その權勢をたのんで遂にこの極惡無道のことを考へ出したのである。 孝謙天皇は皇位繼承の重大事であることを思し召され、詔して法均尼に、宇佐八幡宮の神吿を受けさせようとせられた。法均尼がいかに天皇の御信任深かりしやを察するに足る。しかも、かよはい尼の遠路を氣づかはせられ改めて弟淸麻呂にこの大任を…10キロバイト (2,193 語) - 2019年2月26日 (火) 14:43
- たが、それでも何やかやで三十両ばかりの金がいるので、豊吉は抱え主にたのんで先ず半金の十五両を入れて、女を自分の方へ引き取ることにした。のこる半金の十五両は去年の大晦日までに渡す約束であったが、とてもその工面(くめん)は付かないので、彼は同類の甚右衛門にたのんだが、甚右衛門は素直に承知しなかった。…34キロバイト (6,923 語) - 2019年2月27日 (水) 14:44
- 柳原堤の女 → 『半七捕物帳』(はんしちとりものちょう) 第四巻/仮面 作者:岡本綺堂 底本:1999年10月10日春陽堂書店発行『半七捕物帳第四巻』 ある冬の日、わたしが老人を赤坂の家(うち)をたずねると、老人は日あたりのいい庭にむかって新聞をよんでいた。その新聞には書画を種に大詐偽の…24キロバイト (4,888 語) - 2019年2月27日 (水) 14:49
- をしつゝ一種踊る樣な恰好を身體につけながら。 私はその瞬間そんな恰好をせずにゐられないその兒の氣持の樣に、ぐんと胸へ來た。 「敗けて逃ぐるのんか。何や、泣てやがる。」とそのシヤツの兒がその背後から叫んだ。 そしてそこに立つて見てゐた、その小學生の連れらしい、それもやはり學校歸りらしく鞄を下げた…11キロバイト (2,469 語) - 2021年8月31日 (火) 22:34
- を受(うく)るゆへに人(ひと)にもまた我(われ)より恩(めぐみ)を施(ほどこ)すべし されば萬(よろず)毎事(ことごと)に法(おきて)を執(とり)て人(ひと)をただすべからず 世(よ)の人(ひと)は己(おの)れ罪(つみ)あるに返(かへつ)て他(た)人(にん)をきびしく審判(さいばん)し人(ひと)を…25キロバイト (4,416 語) - 2022年5月21日 (土) 16:39
- やはりそのようなことが起ったのだ。 冬か初冬だったと思う。寒い時候だった。二人の弟が昼飯時から姿を消したまま、夕方になっても帰って来ないのである。弟達の声がきこえない家は妙(みょう)に淋(さび)しかった。どこにいても必ず帰って来るべき、お八(や)つの時になっても帰って来ない。私と母は二人きりでひっそりとお茶をのんでいた…26キロバイト (5,343 語) - 2021年8月31日 (火) 22:16
- 『半七捕物帳』(はんしちとりものちょう) 第五巻/唐人飴 作者:岡本綺堂 底本:2000年7月10日春陽堂書店発行『半七捕物帳第五巻』 今日でも全く跡を絶ったと云うのではないが、東京市中に飴売(あめう)りのすがたを見ることが少なくなった。明治時代までは鉦(かね)をたたいて売りに来る飴売りがすこぶる多く、そこらの…74キロバイト (14,859 語) - 2019年2月27日 (水) 14:45
- ← 山祝いの夜 雷獣と蛇 → 『半七捕物帳』(はんしちとりものちょう) 第二巻/冬の金魚 作者:岡本綺堂 底本:1999年10月10日春陽堂書店発行『半七捕物帳第二巻』 五月のはじめに赤坂をたずねると、半七老人は格子のまえに立って、稗蒔売(ひえまきうり)の荷をひやかしていた。私の顔を…55キロバイト (11,261 語) - 2022年1月2日 (日) 00:26
- をたたく音がきこえた。今度は叩き方がやや強かったので、お国も次八も同時に眼を醒ました。 「おかみさん。おかみさん」と、外では呼んだ。 「だれ……。藤(とう)さんですかえ」と、お国は訊いた。 「庄さんはどうしました」 「もうさっき出ましたよ」 「はてね」 「逢いませんかえ」 「さっき出たの…40キロバイト (8,088 語) - 2019年2月27日 (水) 14:48
- 雪後 (カテゴリ 日本の近代文学)の親や親族の意志が阻(はば)んでゐたものだつた。然し結局、彼はそんな人びとから我儘(わがまま)だ剛情だと云はれる以外のやり方で、物事を振舞ふすべを知らなかつたのだ。 彼等は東京の郊外につつましい生活をはじめた。櫟林(くぬぎばやし)や麦畠や街道や菜園や、地形の変化に富ん…18キロバイト (3,911 語) - 2021年9月8日 (水) 08:04
- 亀吉にたのんで、半七は三河町の家へ帰った。その夜の五ツ(午後八時)過ぎになって、亀吉は寒そうな顔を三河町へ持って来た。なにぶんにも自分ひとりでは手が廻らないので、彼はほかの子分どもにも加勢をたのんで、江戸じゅうの香具師や因果者師をそれからそれへと詮議したが、この頃に鬼っ児を取り扱った者もなかった…51キロバイト (10,402 語) - 2021年12月13日 (月) 14:26
- た金も残らず港崎町へ運んでしまった。横浜に来ている同国人のあいだにも義理のわるい負債が嵩(かさ)んだ。それでも日本のムスメを忘れることが出来ないので、彼は悶々の胸をかかえて苦しみ悩んでいるうちに、悪魔が彼の魂に巣くった。 彼がまず発議(はつぎ)したのか、あるいは勝蔵が思い付いたのか、そのの…51キロバイト (10,203 語) - 2019年2月27日 (水) 14:41
- た。それがどうも人間らしいので、紋七も不思議に思って、五段目の勘平のような身ぶりで暗がりを探ってみると、彼の手に触れたのは確かに人間であった。しかもぬるぬるとした生あたたかい血のようなものを摑(つか)んだので、彼は思わずきゃっと声をあげた。 紋七が発見したのは男二人の死体であった…49キロバイト (10,344 語) - 2019年2月27日 (水) 14:39
- 交尾 (梶井基次郎) (カテゴリ 日本の近代文学)た。もうそれも来なくなった。そして隣りの物干しの隅には煤(すす)で黒くなった数匹のセキセイが生き残っているのである。昼間は誰もそれに注意を払おうともしない。ただ夜中になって変てこな物音をたてる生物になってしまったのである。 この時私は不意に驚ろいた。先ほどから露路を…19キロバイト (3,854 語) - 2021年12月13日 (月) 13:47
- たが、それから二、三日過ぎてわあしは赤坂の家(うち)をたずねた。半七老人の劇評を聞こうと思ったからである。そのときの狂言は「天一坊(てんいちぼう}」の通しで、初代左団次(さだんじ)の大岡越前守(おおおかえちぜんのかみ)、権十郎(ごんじゅうろう)の山内伊賀之助(やまうちいがのすけ)、小団次(こだんじ)の天一坊という役割であった。…52キロバイト (10,544 語) - 2019年2月27日 (水) 14:40
- 後奈良天皇は、久しく御即位の礼をお挙げになることも出来ないような、おそれ多い御有様であった。この時、義興の子の義隆(よしたか)は、その御費用をさし上げて、忠義をつくした。けれども、義隆は富強をたのんで、しだいにおごりにふけり、軍備を怠ったので、しまいには、その家臣である陶晴賢(すえはるかた)に害された。 厳島の戦…52キロバイト (16,129 語) - 2023年9月17日 (日) 12:48
- → 『半七捕物帳』(はんしちとりものちょう) 第一巻/化け銀杏 作者:岡本綺堂 底本:1999年10月10日春陽堂書店発行『半七捕物帳第一巻』 その頃、わたしはかなり忙がしい仕事を持っていたので、どうかすると三月(みつき)も四月も半七老人のところへ御無沙汰することがあった…52キロバイト (10,489 語) - 2021年12月13日 (月) 14:27