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  • と見えて先刻から口をきかなかったのである。突きだしたのが白馬(どぶろく)の杯。文公は又も頭を横にふった。 「一本つけよう。矢張(やっぱり)これでないと元気がつかない。代価(だい)は何時でも可いから飲(や)った方が可かろう」と亭主(ある)は文公が何とも返事せぬ中(うち)に白馬を一本つけた。すると角ばった顔の男が…
    22キロバイト (4,346 語) - 2021年8月31日 (火) 22:34
  •         三  寛文(かんぶん)十年の夏、甚太夫(じんだゆう)は喜三郎(きさぶろう)と共に、雲州松江の城下へはいった。始めて大橋(おおはし)の上に立って、宍道湖(しんこ)の天に群(むらが)っている雲の峰を眺めた時、二人の心には云い合せたように、悲壮な感激が催された。考え…
    37キロバイト (7,233 語) - 2019年9月29日 (日) 05:12
  • 条丸(ほうじょうまる)の沈んだのも、抛(な)げ銀(ぎん)の皆倒れたのも、――」 「いえ、そんな事ではございません。せめては倅(せがれ)の弥三郎(やさぶろう)でも、いてくれればと思うのでございますが、……」  わたしはこの話を聞いている内に、もう一度微笑が浮んで来ました。が、今度は北条屋(ほうじょうや…
    56キロバイト (10,211 語) - 2023年10月17日 (火) 13:42
  • た鳴り、学校のうしろの山の萱(かや)や栗(くり)の木はみんな変に青ろくなってゆれ、教室のなかのこどもはなんだかにやっとわらってすこしうごいたようでした。  すると嘉助がすぐ叫びました。 「ああわかった。あいつは風の又三郎(またさぶろう)だぞ。」  そうだっとみんなもおもったとき、にわかにうしろのほうで五郎が、…
    94キロバイト (17,626 語) - 2023年10月17日 (火) 13:53
  • 江戸町衆乗物にのる事 唐人と日本人問答の事 道見夢物語之事 当世男髭なき事 玄好法師能雨をしる事 西誉一入道心おこす事 諸士弓筆の道を学び給へる事 武家諸法度 ゆなぶろ繁昌の事 岡崎左兵衛音曲を好む事 巻之五 日本橋市をなす事 都人待乳山一見の事付宗斎事 東国に徳義おほき事 才兵衛諸芸を俄に学ぶ事 花折る咎に縄かゝる事…
    6キロバイト (1,736 語) - 2024年2月1日 (木) 14:09
  • 共和派に没収されたシャントレーヌ城が売りに出されていた。 - 「哀れな者たち!」とケルナンは叫んだ。 彼はドアを揺さぶろうとしたが、その巨大な力にもかかわらず、成功しなかった。シャントレーヌ伯爵は、先祖代々の荘園で一時も休むことができず、自分の家のドアも閉ざされたまま…
    17キロバイト (3,337 語) - 2021年11月3日 (水) 19:15
  • 予備役陸軍歩兵中佐従五位勲四等 相沢三郎 明治二十二年九月九日生 右の者に対する用兵器上官暴行殺人傷害被告事件に付、当軍法会議は検察官陸軍法務官島田(しまだ)朋三郎(ともさぶろう)干与審理 を遂げ、判決すること左の如し。 主文 被告人を死刑に処す。 押収に係る軍刀一振 (証第一号) は之を没収す。 理由…
    1キロバイト (4,501 語) - 2020年7月16日 (木) 17:39
  • まだ若年(じゃくねん)であるので、勿論、そんなことは家来まかせにして置いた。 あくる朝になると、その男は約束の通りに来た。 「わたくしは喜三郎(きさぶろう)と申します。なにぶん願います」 彼は市之助のまえにも挨拶した。そうして、型ばかりの荷物をかつがせて貰って、かれは市之助主従のあとに付いて出た。彼…
    34キロバイト (6,872 語) - 2021年12月29日 (水) 13:36
  • くも取鎮めているのである。子供たちは身分に応て羽二重の黒紋付の小袖を着て、御目見(おめみえ)以上の家の子は継(衤+上)(衤+下)(かみしも)、御目見以下の者は普通の麻(衤+上)(衤+下)を着けていた。 角右衛門の主人の伜(せがれ)杉野大三郎(だいざぶろう)もことし十三で吟味の願いを出した。大三郎…
    49キロバイト (9,828 語) - 2020年7月14日 (火) 14:25
  • 「ここの店には内風呂(うちぶろ)があるんですか」と、半七はまた訊いた。 「ございます。店の者は車湯へまいりますが、奥では内風呂にはいります」 「この頃に風呂の傷(いた)んだことはありませんかえ」 「よくご存じで……」と、四郎兵衛は相手の顔をみた。「風呂が古いもんですから、時どきに損まして困ります。昨年の暮にも一度損
    50キロバイト (10,175 語) - 2019年2月27日 (水) 14:50
  • 女の口にくわえていた小指に藍(あい)の色が浸みているのを証拠に、七兵衛は子分どもに云いつけて紺屋(こうや)の職人を探させた。向う両国の紺屋にいる長三郎(ちょうざぶろう)という今年十九の職人が、すぐに召捕られた。長三郎は列び茶屋のお秋に熱くなって、この夏頃から毎晩にように入り込んでいたが、自分より年下で、しかもき…
    48キロバイト (9,773 語) - 2019年2月27日 (水) 14:44
  • ょう、近所の川春(かわはる)という仕出し屋の手でどこへか持ち込むことが判りました。川春はなかなか大きい店で、旗本屋敷や大町人の得意場を持っている。前に云ったような人間の多い時代ですから、旗本の隠居や大町人の贅沢な奴らが川春の宇三郎(うさぶろ
    52キロバイト (10,544 語) - 2020年7月17日 (金) 13:20
  • わたしの予想通り、老人はなかなかの見巧者(みこうしゃ)であった。彼はこの狂言の書きおろしを知っていた。それは明治八年の春、はじめて守田座(もりたざ)で上演されたもので、彦三郎(ひこさぶろう)の越前守、左団次の伊賀之助、菊五郎(きくごろう)の天一坊、いずれも役者ぞろいの大出来であったなどと話した。…
    52キロバイト (10,544 語) - 2019年2月27日 (水) 14:40
  • とりまして、出代(でがわ)り時でもないもんですから、差当りその代りの女に困って居りますところへ、てまえ方へ質(しち)を置きにまいります徳三郎(とくさぶろう)という小間物屋さんが、時にこんな女があるから使ってくれないかと申しますので、ちょうど幸いと存じて雇い入れましたような訳でございますが、人柄も悪く…
    54キロバイト (10,952 語) - 2019年2月27日 (水) 14:39
  • 一足がるといふ者長く停止せらるべき事。 昔より天下の亂るゝことは侍れど。足がるといふことは舊記などにもしるさゞる名目也。平家のかぶろといふ事をこそめづらしきためしに申侍れ。此たびはじめて出來れる足がるは超過したる惡黨也。其故は洛中洛外の諸社。諸寺。五山十刹。公家。門跡の滅亡はかれ…
    591バイト (8,101 語) - 2018年1月19日 (金) 16:34
  • は何か重大な過失を犯した者のような濃い畏怖と絶望の色が宿っていた。そして危うく避ける幾人もの視線に突きあたると脅えたように腰を落し、周章てて帽子をかぶろうとしたが、帽子はその置いた所とは位置を変えていたので、なかなか見当らず、まごまごして、やっと探し出すと、今度は、女が持って来ておいた卓上のコップを…
    699バイト (6,755 語) - 2020年3月18日 (水) 13:56
  • 「今そこでお逢いなすった二人連れ、あれは久しい馴染(なじみ)なんですよ。年寄りの方は水原忠三郎(みずはらちゅうざぶろう)という人で、わかい方は息子ですが、なにしろ横浜と東京とかけ離れているもんですから、始終逢うというわけにも行かないんです。それでも向うじゃあ忘れず…
    52キロバイト (10,489 語) - 2021年12月13日 (月) 14:27
  • な浄土宗の寺で、猿若(さるわか)の中村勘三郎(なかむらかんざぶろう)代々の墓があるせいか、ここには市村羽左衛門(いちむらうざえもん)とか瀬川菊之丞(せがわきくのょう)とかいったような名優の墓が沢山ありました。その隣りの最教寺(さいきょう)は日蓮宗(にちれんしゅう)で、ここの宝物には蒙古(もうこ)…
    66キロバイト (13,394 語) - 2019年2月27日 (水) 14:49
  • 「おい、あの男はなんだ。おめえ知らねえか」と、半七は小声で源次に訊いた。 「あれは町内の経師職(きょうや)の伜で、弥三郎(やさぶろう)というんです」 「師匠の家へ出這入りすることはねえか」 「去年までは毎晩稽古に行っていたんですが、若い師匠が死んでからちっとも足踏…
    52キロバイト (10,620 語) - 2021年8月31日 (火) 23:09
  • がないから申ますが町内で少しは巾もあつた蒲團やの源七といふ人、久しい馴染でござんしたけれど今は見るかげもなく貧乏して八百屋の裏の小さな家にまい/\つぶろの樣になつて居まする、女房もあり子供もあり、私がやうな者に逢ひに來る歳ではなけれど、縁があるか未だに折ふし何の彼のといつて、今も下坐敷へ來たのでござ…
    64キロバイト (14,846 語) - 2023年10月17日 (火) 13:37
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