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  • ← 滝夜叉譚 敵杯 → 『雪之丞変化』(ゆきのじょうへんげ) 闇太郎懺悔 作者:三上於菟吉 底本:昭和35年8月5日新潮社発行『雪之丞変化(上)』 冷え冷えと、胸の底に沁み入るような、晩秋の夜風が、しゅうしゅうと吹き抜いている、夜更けの町を、吉原冠り、みじん柄の素袷、素足に麻裏を突っかけた若い男、弥蔵をこしらえて、意気な声で、…
    66キロバイト (12,894 語) - 2019年2月26日 (火) 14:52
  • 人へ施行施行金分配の不当美吉屋五郎兵衛と大塩平八郎美吉屋大塩父子を囲まふ平八郎父子自尽大塩を逃がせし批評大塩一件の原因の一説下層の民大塩を崇敬す西田青太夫大塩美吉屋に忍べる事露顕の理由城代の行動に付て批難す大塩召捕の状況大塩の隠家の模様大塩平八郎最後大坂城代の不法と其批評御定番遠藤但馬守城代の行動を…
    6キロバイト (3,021 語) - 2024年4月21日 (日) 14:02
  • る――たしかいん、横山を手にかけて来たものにちげえねえのさ」 雪之丞の頰は、紙よりもざめた。彼には頓(とみ)には返事も出来ぬ。 何という、怖ろしい輪廻(りんね)だろう――彼が自分みずから手を下さぬのに、若し闇太郎の言葉が真実とすれば、二人の仇敵(かたき)は、すでに他人の刃でいのちを落してしまったのだ。…
    106キロバイト (20,113 語) - 2019年2月27日 (水) 15:14
  • 道場壇上の正面、天照皇大神宮、八幡大菩薩(まんだいぼさつ)――二柱の御名をしるした、掛軸の前には、燭火(しょくか)が輝き、々とした榊が供えられていた。 その壇上に、ピタリと端坐した一松斎、道場の板の間に、つい一松斎の足下にひれ伏した雪之丞――粗朴剛健(そぼくごうけん)で…
    96キロバイト (18,832 語) - 2019年2月26日 (火) 14:51
  • と、叫ぶと、タッと、両の股あたりを、平手で叩くと、それこそ、鉄砲玉のように、闇太郎は、泰仁寺の、寺域めがけて駆け出した。 闇太郎は、明るい光の下で見たら、このとき紙のようにもざめていたであろう!夜の銃声――物ずきに射つものがあるはずではない――たしかに、きっぱり、物のいのち…
    50キロバイト (9,683 語) - 2019年2月27日 (水) 15:15
  • と、啓太郎は頤で頷いてます〳〵激しく泣き続けて居た。 とう〳〵其の晩、一と晩中かゝつて、啓太郎を宥め賺(すか)して吟味した末に、貝島は其の札の由来を委しく調べ上げる事が出来た。其処には彼が予測した通りの、沼倉と云ふ少年の勢力発展の結果が、驚くべき事件となつて伏在して居たのであつた。――― 啓太郎
    412バイト (15,077 語) - 2021年7月15日 (木) 20:02
  • 軒目の南側で、所謂(いはゆる)四軒屋敷の中に、東組与力大塩格之助(おほしほかくのすけ)の役宅(やくたく)がある。主人は今年二十七歳で、同じ組与力西田青太夫(あをたいふ)の弟に生れたのを、養父平八郎が貰(もら)つて置いて、七年前にお暇(いとま)になる時、番代(ばんだい)に立たせたのである。併(しか)し…
    188キロバイト (35,969 語) - 2020年6月18日 (木) 15:53
  • 暗刃 『雪之丞変化』(ゆきのじょうへんげ) 翳る微笑 作者:三上於菟吉 底本:昭和35年8月5日新潮社発行『雪之丞変化(下)』 浪路の、亡きがらが、闇太郎の手で、思いもよらず屋敷へはこび込まれた、その翌日、三斎も、当主の駿河守も、さすがに驚き呆れてどのような形式で、喪(も)を発したらいいかと、その方法…
    29キロバイト (5,595 語) - 2019年9月12日 (木) 12:45
  • らせて置くほかはねえかなあ、当分の間でも―― 闇太郎は、妙に陰気な気持ちになったが、 ――なあに、大の虫、小の虫だ――お初、気の毒だが、おらあ、敵になるぜ。 どう、魂胆したか、闇太郎、その夜はそのまま、浅草田圃の仕事場へもどって行くのだった。 闇太郎は、浮かなかった。翌日一日、隠れ家で、細工場の机…
    98キロバイト (18,387 語) - 2019年3月1日 (金) 06:30
  •  こう云われて見ると、田口が自分に気を許していない眼遣(めづかい)やら言葉つきやらがありありと敬太郎(けいたろう)の胸に、疑(うたがい)もない記憶として読まれた。けれども田口ほどの老巧のものに、何で学校を出たばかりの臭(あおくさ)い自分が、それほど苦になるのか、敬太郎は全く合点(がてん)が行かなかった。彼は見た通りのままの自分で…
    677キロバイト (132,287 語) - 2022年4月2日 (土) 11:15
  • 太郎びいきの婆やは、何かにつけて「太郎さん、太郎さん」で、それが次郎をいらいらさせた。  この次郎がいつになく顔色を変えて、私のところへやって来たことがある。 「わがままだ、わがままだって、どこが、わがままだ。」  見ると次郎は顔色も
    120キロバイト (23,060 語) - 2019年9月29日 (日) 05:09
  • お前の足もとへも届くんぢやない いくら大きくつても海は海 お前は何てつても口がきける いくらくつても、いくら強くつても 海はやつぱり海だもの お前の方が勝つだらうよ 勝つだらうよ 太郎太郎 犬吠の太郎、馬鹿の太郎 海に負けずに、ブリキの鑵を しつかりたたいた ステテレカンカンと それやれステテレカンカンと――…
    107キロバイト (22,262 語) - 2023年1月8日 (日) 15:09
  • い茄子(なす)色の影の中で私は昼寝をしていたのである。頭上の枝葉はぎっしりと密生(こ)んでいて、葉洩日もほとんど落ちて来ない。 起上って沖を見た時、鯖(さば)色の水を切って走る朱の三角帆の鮮やかさが、私の目をハッキリと醒(さ)めさせた。その帆掛独木船(カヌー)は、今ちょうど外海から堡礁(リーフ)…
    11キロバイト (2,262 語) - 2023年7月29日 (土) 05:18
  • 師匠すじの、先輩たちは、絶えず、狽(あわ)てふためくな、しずかに、しっかりと進んでゆけと、忠告するのだが、闇太郎だけは、そうはいわなかった。おあまり大事に取っているうちには、どんな邪魔がはいらぬものでもないと、いってくれた。彼には、この言葉に、真理があるように思われてならない。…
    60キロバイト (11,612 語) - 2019年2月26日 (火) 14:50
  • ◎兄(あに)さんは龍馬とは親子程年が違つて居ました。一番(ばん)上(うへ)が兄さん(権平)で次がお乙女さん其次が高松太郎の母(ママ)、其次が又女で龍馬は末子です。龍馬が常に云つていました、おれは若い時親に死別れてからはお乙女(とめ)姉(あね)さんの世話になつて成長(ふ…
    9キロバイト (1,568 語) - 2018年12月16日 (日) 01:07
  • ← 新しき敵 闇太郎懺悔 → 『雪之丞変化』(ゆきのじょうへんげ) 滝夜叉譚 作者:三上於菟吉 底本:昭和35年8月5日新潮社発行『雪之丞変化(上)』 猿若町三座の中でも、結城(ゆうき)孫三郎あやつりの常小屋の真向うの中村座は、江戸随一、撰(え)りすぐりの名優を座付にして、不断の大入りを誇っていたの…
    82キロバイト (15,924 語) - 2019年2月26日 (火) 14:51
  • 人へ施行施行金分配の不当美吉屋五郎兵衛と大塩平八郎美吉屋大塩父子を囲まふ平八郎父子自尽大塩を逃がせし批評大塩一件の原因の一説下層の民大塩を崇敬す西田青太夫大塩美吉屋に忍べる事露顕の理由城代の行動に付て批難す大塩召捕の状況大塩の隠家の模様大塩平八郎最後大坂城代の不法と其批評御定番遠藤但馬守城代の行動を…
    7キロバイト (11,491 語) - 2024年3月25日 (月) 15:28
  • 白く光る谷底に、遠く流れて行くは千曲川の水。丑松は少年の時代から感化を享(う)けた自然のこと、土地の案内にも委(くは)しいところからして、一々指差して語り聞かせる。蓮太郎は其話に耳を傾けて、熱心に眺め入つた。対岸に見える八重原の高原、そこに人家の煙の立ち登る光景(さま)は、殊に蓮太郎
    731キロバイト (142,452 語) - 2019年9月29日 (日) 05:22
  • しを、この家に置くのを、迷惑とお言いなら、いかにも、尤もゆえ、早速、ここを立ち去りましょう――」 浪路は、美しい顔を、ざめさせて、唇を、血の出るほど、嚙みしめるのであった。 甚太郎を、ますます弱り切って、 「めッそうな!われわれ親子が、あなたさまを、おかくまい申すのを、迷惑の何のと、何でそのような…
    88キロバイト (16,550 語) - 2019年3月1日 (金) 06:32
  • 菊之丞は、大方、松浦屋の旦那が、草葉の陰から、力添えをして下さるからだ、――と、時々、雪太郎だけには囁いたが、その後めきめき芸が上って、雪太郎は十二、三になる頃には、だんだん世上に名を聞え、いつか、大阪の名だたる小屋を、常小屋とするまでの、名優となることが出来たのだった。 雪太郎は十二の年雪之丞という名を貰って、初舞台。子役として芸…
    36キロバイト (6,997 語) - 2024年1月12日 (金) 09:39
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