検索結果

ざわめく枯椰子（ヤシ）の葉のそよぎも哀しい。（ロタ島の椰子樹は最近虫害のためにほとんど皆枯れてしまった。）目に沁みるばかり鮮やかな海の青を近くに見、濤（なみ）の音の古い嘆きを聞いている中に、私は、ひょいと能の「隅田川」を思い浮かべた。母なる狂女に呼ばれて幼い死児の亡霊が塚の横からチョコチョコ白い姿…

明黄白花二段 紵絲 織金胸背白澤紅一匹 織金胸背麒麟青一匹 暗花骨朶雲紅一匹 暗花霊芝骨朶八宝青一匹 素紅一匹 素緑一匹 紗 織金胸背麒麟紅一匹 織金胸背麒麟青一匹 暗花骨朶雲紅一匹 暗花骨朶雲緑一匹 暗花骨朶雲藍一匹 素青一匹 素緑一匹 羅 織金胸背麒麟紅一匹 織金胸背麒麟緑一匹 素紅一匹 素青一匹 素藍一匹…

白銀の鞭、金の馬具 輪車軋らす光道の 十方かけて煌々と 投ぐる金の矢銀の矢に 赫々として輝（て）りかへす 朝の光に、千萬（せんまん）の 甍（いらか）高濤（たかなみ）、金躍り 銀きらめくや流るゝや 日本晴（につぽんばれ）の天（てん）の靑 涵たし盡くさむ勢に 大地大都は一犬の 夢も許さず堂々と 遂に醒めたり、戞然と…

← 本編2 本編4 → 校正増注元親征録 本編3 編者：何秋濤、李文田、沈曽植、那珂通世、 故那珂博士功績紀念会(三宅米吉、白鳥庫吉、中村久四郎、箭内亙、松井等、斎藤斐章) 大正四年 1915年 姉妹プロジェクト：Wikipediaの記事 『校正増注元親征録』(こうせいぞうちゅうげんしんせいろく)…

中快談撼山嶽。飯盛痛飮竭江河。穗也長也如處女。淸癯將不勝輕羅。宮崎平生多沈思。與也片山是同科。隈川學操法國語。孜々唯惜日如梭。丹波何曾無豪氣。每遭風濤卽消磨。底事老萩情未盡。滑喉唱出子夜歌。獨有森生閑無事。鼾息若雷誰敢呵。他年歐洲遊已遍。歸來面目果如何。 三十日。過福建。望臺灣。有詩。靑史千秋名姓…

おもひわづらふこゝろだに 春のすがたをとめくれば たもとににほふ梅の花 あゝよしさらば琴（こと）の音（ね）に うたひあかさん春の夜を 　　　二　あけぼの 紅（くれなゐ）細くたなびけたる 雲とならばやあけぼのの 　　　　　　　雲とならばや やみを出（い）でては光ある 空とならばやあけぼのの 　　　　　　　空とならばや…

彼も、今は自国の衰亡を目前に、静かに諦観（ていかん）して、ハアバアト・スペンサーでも読み耽（ふけ）っているのであろう。 半夜、眠れぬままに、はるかの濤声（とうせい）に耳をすましていると、真蒼（まっさお）な潮流と爽（さわ）やかな貿易風との間で自分の見て来たさまざまの人間の姿どもが、次から次へと限りなく浮かんで来る。…

← 本編3 本編5 → 校正増注元親征録 本編4 編者：何秋濤、李文田、沈曽植、那珂通世、 故那珂博士功績紀念会(三宅米吉、白鳥庫吉、中村久四郎、箭内亙、松井等、斎藤斐章) 大正四年 1915年 姉妹プロジェクト：Wikipediaの記事 『校正増注元親征録』(こうせいぞうちゅうげんしんせいろく)…

← 本編8 跋 → 校正増注元親征録 本編9 編者：何秋濤、李文田、沈曽植、那珂通世、 故那珂博士功績紀念会(三宅米吉、白鳥庫吉、中村久四郎、箭内亙、松井等、斎藤斐章) 大正四年 1915年 姉妹プロジェクト：Wikipediaの記事 『校正増注元親征録』(こうせいぞうちゅうげんしんせいろく)は、…

文章（ぶんしやう）は鳳凰（ほうわう）の毛（け）を分（わか）ち得（え）たり、 言語巧偸鸚鵡舌。文章分得鳳凰毛。 贈薛濤　元稹 きんちやうあかつきにひらくうんぼのでん、 はくしゆあきはうつすすゐしやうばん 錦帳（きんちやう）暁（あかつき）に開（ひら）く雲母（うんぼ）の殿（でん）、…

棲（す）みにし洞（ほら）の上（あげ）路（ろ）山（やま）｡ 右（みぎ）に右上（みあ）げて親不（おやしら）知（ず）､ 幾（いく）百仭（じん）の絕壁（ぜっぺき）に､ 碎（くだ）くる濤（なみ）を窺（うかゞ）ひて､ 辛（から）くも隱（かく）るゝ岩窟（いはむろ）の､ 次󠄁（つぎ）より次󠄁（つぎ）へ走（はし）り行（ゆ）く､…

わがみひとつもわすられて おもひわづらふこゝろだに 春のすがたをとめくれば たもとににほふ梅の花 あゝよしさらば琴の音に うたひあかさむ春の夜を 　二　あけぼの 紅（くれなゐ）細くたなびける 雲とならばやあけぼのの 　　　　　　　雲とならばや やみを出でては光ある 空とならばやあけぼのの 　　　　　　　空とならばや…

ラアンス、もつとも天文地理の學に精しく、また舟を操る事を、兼善くす、六大舶に、衣食器械等の物、こと〴〵く載せて、大洋にうかび、萬國を周流す、其舶の風濤のために敗れしあれば、其人物を、各舶にわかちのせて、敗れしものをば、焚棄つ、かゝりしほどに、六年を經し後に、餘す所の舶、たゞ三隻、本國に歸りぬ、此時…

いひ、其の河口の島なるを以て、露人は之をサガリン島と命じたることは、近藤の説く所なり、庫葉、即ち庫頁の義に至りては今稍や髣、号すべき者を得たり。何秋濤云く唐書に記す、流鬼は南、莫曳部に隣すと、明には苦兀と称し、今庫葉と称す、皆莫曳の音転、吉里迷は元史に又帖烈滅に作る、故に此島今又額里野と名く又野所…

）から思ってなどいはしませんの。それも序（つい）でに仰有って下さいまし」 口のはたに戯談（じょうだん）らしく微笑を見せながら、そう言っている中に、大濤（おおなみ）がどすんどすんと横隔膜（おうかくまく）につきあたるような心地がして、鼻血でも出そうに鼻の孔（あな）が塞がった。門を出る時も唇はなお口惜（…

（たいたい）世界の精華を嚼（か）んで、徹骨徹髄（てっこつてつずい）の清きを知る。霞（かすみ）を餐（さん）し、露を嚥（の）み、紫（し）を品（ひん）し、紅（こう）を評（ひょう）して、死に至って悔いぬ。彼らの楽は物に着（ちゃく）するのではない。同化してその物になるのである。その物になり済ました時に、我を…

紅繪 一枚 同上 紙本版畫荻野伊三郞圖二代鳥井淸信筆細判󠄄漆繪 一枚 同上 紙本版畫三俠客圖二代鳥居淸倍筆大判󠄄紅摺繪 一枚 同上 紙本版畫大谷廣治圖鳥居淸重筆細判󠄄紅繪 一枚 同上 紙本版畫遊󠄃女三幅つい圖奧村政信筆竪大判󠄄墨摺 一枚 同上 紙本版畫見立松󠄃風圖鳥居淸滿筆大細判󠄄紅摺繪三枚連󠄃續…

屋の二階の欄（てすり）に身を倚（よ）せて、目につく風俗なぞを話し合いながら、しばらくそこに旅らしい時を送った。髪を結綿（ゆいわた）というものにして、紅（あか）い鹿（か）の子（こ）の帯なぞをしめた若いさかりの娘の洗練された風俗も、こうした都会でなければ見られないものだ。国の方で素枯（すが）れた葱（ね…

紅繪 一枚 同上 紙本版畫荻野伊三郞圖二代鳥井淸信筆細判󠄄漆繪 一枚 同上 紙本版畫三俠客圖二代鳥居淸倍筆大判󠄄紅摺繪 一枚 同上 紙本版畫大谷廣治圖鳥居淸重筆細判󠄄紅繪 一枚 同上 紙本版畫遊󠄃女三幅つい圖奧村政信筆竪大判󠄄墨摺 一枚 同上 紙本版畫見立松󠄃風圖鳥居淸滿筆大細判󠄄紅摺繪三枚連󠄃續…

紅繪 一枚 同上 紙本版畫荻野伊三郞圖二代鳥井淸信筆細判󠄄漆繪 一枚 同上 紙本版畫三俠客圖二代鳥居淸倍筆大判󠄄紅摺繪 一枚 同上 紙本版畫大谷廣治圖鳥居淸重筆細判󠄄紅繪 一枚 同上 紙本版畫遊󠄃女三幅つい圖奧村政信筆竪大判󠄄墨摺 一枚 同上 紙本版畫見立松󠄃風圖鳥居淸滿筆大細判󠄄紅摺繪三枚連󠄃續…