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- あやしうつむりのなやましうて、夢のやうなるきのふ今日、うき世(よ)はしげるわか葉(ば)のかげに、初(はつ)ほとゝぎすなきわたる頃(ころ)を、こぞの秋袷(あきあはせ)ふるめかしう取出(とりいで)ぬる、さりとは心もなしや。垣(かき)の竹(たけ)の子(こ)きぬゝぎすてゝ、まき葉(は)にかゝる朝露の新らしきを見るもいと恥かしうこそ。…14キロバイト (2,605 語) - 2019年9月29日 (日) 04:45
- 名を成した詩人である。「靑空」も考へて見れば随分いい人達を持つてゐた。 この稿は劇研究會の記録としても「靑空」の記憶としてもその十分の一も完全ではない。記載すべき人の名も事柄もその煩に堪へないので書くことを止した。そのうへ會員同人の人達が共有した追憶を私一人で私したやうな氣がしてならない。それだけのお斷りを云つて置く。…12キロバイト (2,581 語) - 2021年8月31日 (火) 22:07
- 作者:樋口一葉 書誌情報 ある人のもとにて紫式部と清少納言のよしあしいかになどいふ事の侍りし 人は式部/\とたゞほめにほめぬ しかあらんそれさる事ながら清はらのおもとは世にあはれの人也 名家の末なれば世のおぼえもかろからざりしやしらず 万に女ははかなき物なればはか/″\しき後見などもな…14キロバイト (3,411 語) - 2019年9月29日 (日) 04:49
- 酒折(さかをり)の宮、山梨の岡、鹽山、裂石(さけいし)、さし手の名も都人(こゝびと)の耳に聞きなれぬは、小佛(こぼとけ)さゝ子(ご)の難處を越して猿橋のながれに眩(めくる)めき、鶴瀬(つるせ)、駒飼(こまかひ)見るほどの里もなきに、勝沼の町とても東京(こゝ)にての場末ぞかし、甲府は流石に大厦(た…29キロバイト (6,777 語) - 2023年10月17日 (火) 13:37
- 十六夜日記 むかし、かべのなかよりもとめ出でたりけむふみの名をば、今の世の人の子は、夢ばかりも身のうへの事とは知らざりけりな。みづくきの岡のくづ葉、かへすがへすも、かきおくあとたしかなれども、かひなきものは親のいさめなり。又賢王の人をすて給はぬまつりごとにももれ、忠臣の世を思ふなさけにもすてらるゝものは、か…728バイト (8,783 語) - 2023年8月17日 (木) 13:56
- き)えうせん覺束(おぼつか)なさ、ゆるし給(たま)へ我(わ)れはいかばかり憎(にく)きものに思召(おぼしめ)されて物知(ものし)らぬ女子(をなご)とさげすみ給(たま)ふも厭(いと)はじ、我(わ)れは斯(かゝ)る果敢(はか)なき運(うん)を持(も)ちて此世(このよ)に生(うま)れたるな…25キロバイト (4,375 語) - 2019年9月29日 (日) 05:29
- も又廣大なりと云へり。爰(こゝ)を以て量りなき御善◦量りなき御憲法◦量りなき甘味◦量りなき御大切の備り給ふ尊體なれば◦我等よりも量りなく敬(うやま)ひ隨(したが)ひ奉るべき事本意也。喩(たと)へば人も高く尊き程◦其敬ひも深きごとく◦御上ましまさぬ尊き でうす へ◦限りなき御敬ひ◦限りなき…22キロバイト (4,763 語) - 2024年9月20日 (金) 06:16
- きつつ食ふ。 風はいとよく吹けども、日のどかに曇りなき空の、西日になるほど、蝉の声などもいと苦しげに聞こゆれば、 「水の上無徳なる今日の暑かはしさかな。無礼の罪は許されなむや」 とて、寄り臥したまへり。 「いとかかるころは、遊びなどもすさまじく、さすがに、暮らしがたきこそ苦しけれ。宮仕へする若き人…31キロバイト (6,734 語) - 2022年12月1日 (木) 08:10
- 人なり。うづもれぬ名を、ながき世に殘さむことあらまほしかるべけれ。位たかくやんごとなきをしも、すぐれたる人とやはいふべき。愚に拙き人も、家に生れ、時にあへば、たかき位にのぼり驕をきはむるもあり。いみじかりし賢人聖人、みづからいやしき位にをり、時にあはずしてやみぬる又おほし。ひとへに高き…457バイト (41,862 語) - 2020年7月26日 (日) 02:55
- むかしかべのなかよりもとめいでたりけんふみの名は([をばイ])。《孔安國孝經序云魯共王使㆔人壞㆓夫子講堂㆒。於㆓壁中石函㆒得㆓古文孝經二十二章㆒。》今の世の人の子は夢ばかりも身のうへのこととはしらざりけりな。みづぐきのをかのくずはかへす〴〵もかきをくあとたしかなれども。《萬葉十二 水莖之崗乃田葛葉緖吹變面知兒等之不見頃鴨》かひなき…489バイト (9,806 語) - 2020年7月26日 (日) 02:52
- 「わが宿は花もてはやす人もなし 何にか春のたづね来つらむ」 宮、うち涙ぐみたまひて、 「香をとめて来つるかひなくおほかたの 花のたよりと言ひやなすべき」 紅梅の下に歩み出でたまへる御さまの、いとなつかしきにぞ、これより他に見はやすべき人なくや、と見たまへる。花はほのかに開けさしつつ、をかしきほどの匂ひなり。御遊びもなく、例に変りたること多かり。…30キロバイト (6,380 語) - 2022年12月1日 (木) 08:10
- 位浅く、何となき身のほど、うちとけ、心のままなる振る舞ひなどものせらるな。心おのづからおごりぬれば、思ひしづむべきくさはひなき時、女のことにてなむ、かしこき人、昔も乱るる例ありける。 さるまじきことに心をつけて、人の名をも立て、みづからも恨みを負ふなむ、つひのほだしとなりける。とりあやまりつつ見む人…26キロバイト (5,683 語) - 2022年12月1日 (木) 08:11
- いざ沖遠く沖遠く、 逆卷く浪の潮路こそ 寄邊なき身の寄邊なれ。 (第二節) 待つ甲斐もなき亡き人の なほ世にいます事もやと、 惜まぬ命惜みつゝ 五日を夢の舟の上。 何淺猿しのそら賴み、 迷ひにけりな迷ふ身を さそふまに〳〵うき草の 流れ行衞や矢島潟。 夢驚きてまぼろしの…75キロバイト (14,227 語) - 2023年1月19日 (木) 15:02
- [詞書]題しらす もとかた 人はいさ我はなきなのをしけれは昔も今もしらすとをいはむ ひとはいさ-われはなきなの-をしけれは-むかしもいまも-しらすとをいはむ 00631 [詞書]題しらす よみ人しらす こりすまに又もなきなはたちぬへし人にくからぬ世にしすまへは こりすまに-またもなきなは-たちぬへし-ひとにくからぬ-よにしすまへは…17キロバイト (3,401 語) - 2019年3月25日 (月) 23:22
- また、かく院にも聞こし召し、のたまはするに、人の御名も、わがためも、好色がましういとほしきに、いとどやむごとなく、心苦しき筋には思ひきこえたまへど、まだ表はれては、わざともてなしきこえたまはず。 女も、似げなき御年のほどを恥づかしう思して、心とけたまはぬけしきな…67キロバイト (14,498 語) - 2022年12月1日 (木) 08:14
- も、見る目に何(なん)の変りなく、口ほどもなき駄(だ)物(もの)師(し)と嘲(あざ)けられて、我が名いよ〳〵地に落ちたり。季(き)錬(れん)月鍛(げつたん)の筆、経営惨憺の意匠、心にあつて物に描(ゑが)かず、我れ男子の身の精神一到、猶(なほ)こと成(な)らぬ腑甲斐(ふがひ)なさ。世人明(めい)なき…942バイト (16,772 語) - 2020年8月20日 (木) 14:11
- 人。すくなく侍る也。まづ弓箭とりといふは。わが身のことは申にをよばす。子孫の名をおもひて振舞べき也。かぎりある命をおしみて。永代うき名をとるべからず。さればとて。二なき命をちりはいのごとくにおもひて。死まじき時身をうしなふは。かへつていひがひなき名…840バイト (3,935 語) - 2018年1月19日 (金) 16:36
- 2696 荒熊の住むちふ山のしはせ山責めて問ふとも汝が名は告らじ 2697 妹が名も吾(あ)が名も立てば惜しみこそ富士の高嶺の燃えつつわたれ 或ル本ノ歌ニ曰ク、 君が名も我が名も立てば惜しみこそ富士の高嶺の燃えつつも居れ 2698 行きて見て来れば恋ひしき朝香潟山越しに置きてい寝かてぬかも 2699 安太人…65キロバイト (12,165 語) - 2019年4月2日 (火) 14:39
- き人の家の飾りとはなさむ。なき人の御ほい違はむが哀なること」とのたまひてさるわざはせさせ給はず。はかなきことにてもとぶらひ聞ゆる人はなき御身なり。唯御せうとのぜんじの君ばかりぞ稀にも京に出で給ふ時はさし覗き給へど、それも世になきふるめき人にて同じき法師といふ中にもたづき…325バイト (281,775 語) - 2022年12月1日 (木) 08:14
- も、賑ひうすきなと語るに付ても思ふ人ハ、世によき名をこそ殘さまほしき事なれ、早雲かゝる事をし置て、寺社皆はて我家さらハ、千代萬代も榮へば、其家に善人生れ合て、惡しき道をよきにあらためなハ、先祖の名も重てあかりなん、家はやく果ぬれハ、あしき名のあしき儘にて、世に殘れるハ、殘多き…824バイト (9,334 語) - 2022年11月22日 (火) 00:14