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  • イソップ童話集/ろうとかわら   あるとき、ろうとかわらとが、大げんかをしました。ろうはあのとおりすぐぼろぼろとこわれやすいのでかわらのために、さんざんなひどい目に、あわされてしまいました。ろうはくやしくてくやしくてたまりません。どうかして、一つあのかわらのようなかたいからだになって、かたきうちをしてやろうとおもいました。…
    1キロバイト (199 語) - 2023年5月13日 (土) 04:15
  • 『太郎と街』(たろうとまち) 作者:梶井基次郎 底本:1999年11月10日筑摩書房発行 『梶井基次郎全集 第一巻』 秋は洗ひたての敷布(シーツ)の樣に快かつた。太郎は第一の街で夏服を質に入れ、第二の街で牛肉を食つた。微醉して街の上へ出ると正午のドンが鳴つた。…
    6キロバイト (1,456 語) - 2021年8月31日 (火) 22:17
  • その名を聞いて、半七はすぐに思い当った。彼女はさつきのお力で、なにか三甚に係り合いのことで尋ねて来たのであろうと察したので、ひと通りの挨拶を済ませた後に、半七は訊いた。 「おかみさんも忙がしいだろうに、朝から何か急用でも出来(しゅったい)しましたかえ」 「早朝からお邪魔に出ましたのは、ほかでもございま…
    67キロバイト (13,580 語) - 2019年2月27日 (水) 14:39
  • ろう、私にはそれがまた腹立たしかった。私はまたこじれた考えを抱いた。ここで飯を食おうと云いはろう。父は私がもう飯をすませた事だと思っていただろうから私がすぐゆけるつもりでいたのだろう。それだから、飯を食おうとうと牴牾(もどか)しがって、飯は後にしてと云うだろう。そこで口答えをしてやろう
    26キロバイト (5,343 語) - 2021年8月31日 (火) 22:16
  • 木枕に押しつけていた耳が痛むので、彼は頭をあげて匍匐(はらば)いながら、枕もとの煙草入れを引きよせてまず一服すおうとするときに、部屋の外の廊下で微かにかちりかちりという音がきこえた。紋作は鼠であろうと思って、っはじめはそのまま聞き流していたが、やがて俄かに気がついた。せまい廊下には衣裳(いしょう)葛籠(つ…
    49キロバイト (10,344 語) - 2019年2月27日 (水) 14:39
  • ろうと思い、自分の心に企(たく)らんでいる空想に、そのたび戦慄を感じた。 「あれは俺の空想が立たせた人影だ。俺と同じ欲望で崖の上に立つようになった俺の二重人格だ。俺がこうして俺の二重人格を俺の好んで立つ場所に眺めているという空想はなんという暗い魅惑だろう。俺の欲望はとうと
    36キロバイト (7,227 語) - 2021年12月13日 (月) 13:44
  • うにつまらなそうに再び杖を鳴らしながら露路を立ち去ってしまった。物干しの上の私には気づかないで。 私は一度河鹿(かじか)をよく見てやろうと思っていた。 河鹿を見ようと思えばまず大胆に河鹿の啼いている瀬のきわまで進んでゆくことが必要である。これはそろそろ近寄って行っても河鹿の隠れてしまうのは同じだか…
    19キロバイト (3,854 語) - 2021年12月13日 (月) 13:47
  • んぷ)を捕えてあらゆる辱(はずか)しめを加えそのあげく極刑に処してやろうというのが、亡命時代の最も愉(たの)しい夢だったからである。過去の己に対して無関心だった諸重臣に向って彼は言った。どうだ。諸子もたまにはそういう経験が薬だろうと。この一言で直ちに国外に奔った大夫も二、三に止まらない。姉の伯姫と甥…
    27キロバイト (5,464 語) - 2021年8月31日 (火) 22:33
  • うとして、身をかがめながら暗い地面を探っている時、どこから現われたか、一つの黒い影がつかつかと走って来て、声もかけないで彼の屈(かが)んでいる左の脇腹を突こうとした。その足音に早くも気のついた七兵衛は、小膝をついて危く身をかわしたので、槍の穂先はがちりと土を縫った。その柄をつなんで起き直ろうと
    48キロバイト (9,773 語) - 2019年2月27日 (水) 14:44
  • でした。木地は榧(かや)だそうですが、四方は黒の蠟色(ろういろ)で、それに桜と紅葉を金蒔絵にしてある。その蒔絵と木地へかけて小さい爪のあとが残っている。それが玉という猫の爪の痕(あと)だそうで……。爪のあとが無かったら猶(なお)よかろうとうと、そうで無い。前にも申す通り、ここに一場の物語ありと云うわけです。…
    61キロバイト (12,383 語) - 2019年2月27日 (水) 14:39
  • 「誰がこんなところへ捨てて行ったんだろう」 それが第二の疑問であった。帯はまだ新しい綺麗なもので、この時代でも売れば相当の値になるものを、誰が惜しげもなく投げ込んで行ったものか、それに就いてはいろいろの想像説があらわれた。ある者は盗賊の仕業(しわざ)であろうと
    49キロバイト (9,969 語) - 2021年12月24日 (金) 08:42
  • くしは心から懺悔(ざんげ)をいたしました。そうして、盗んだ金銀を元のところへ戻しに参ろうと存じまして、しばらく祈念いたして居りますと、不思議にその面が取れました。やれ有難やと喜んで、ふたたび奉納小屋の方へ引っ返そうと致しますと、この頃は夜の明けるのが早くなったのと、開帳中は特に早起きをいたしますので…
    37キロバイト (7,612 語) - 2019年2月27日 (水) 14:38
  • 化物の取締りは自分たちの責任でないと云うのであろう。ただの一度も妖怪退治や妖怪探索に着手したことはないらしく、かれらの跋扈跳梁(ばっこちょうりょう)に任しておいた形がある。したがって、今度の柳原一件に対しても、町奉行所ではなんらの取締りの方法を取ろうとはしなかったので、その噂󠄀は日ましに拡(ひろ)がって行くばかりであった。…
    93キロバイト (18,524 語) - 2019年2月27日 (水) 14:50
  • い桟橋を降りて、二人は船の傍(そば)に立った。 「おれは素人(しろうと)で判らねえが、どうして水が漏ったのだろう。やっぱり底が傷んでいたのかな」と、半七は云った。 「さあ」と、金八は首をかしげた。「船が古くなって、底が傷んだのだろうと云うのですがね。なるほど、古くはなっているが、水が漏るほどの事は…
    73キロバイト (14,694 語) - 2019年2月27日 (水) 14:46
  • 「なあ、亀。おれは途中で考えながら来たのだが、ここの絵馬は無事だろうと思うぜ」 「そうでしょうか」 「おそらく無事だろうと思う。偽物をこしらえて掏換えたと云うが、それは丸多の亭主が騙(だま)されているので、実は自分が偽物を摑(つか)まされているのだろう」 「成程ね」 「そうなりゃあ論はねえ。丸多の亭主は誰に…
    81キロバイト (16,273 語) - 2019年2月27日 (水) 14:46
  • うので、十五、六にもなれば、実に見事な体格をしている者が多い。殊に性的な犯行をするほど早熟な少年ならば、きっと体軀もそれに伴って充分発達しているだろうと思ったのに、これはまた、痩せてひねこびた猿のような少年である。こんな身体の少年が、どうして(いまだに家柄の次には腕力が最もものいうはずの)島民の間…
    24キロバイト (4,838 語) - 2021年8月31日 (火) 22:10
  • う遅かった。おまんは衾(よぎ)や蒲団を掻きむしって苦しんで、とうとう息が絶えてしまった。医者は何かの中毒であろうと診断した。 東山堂では医者にどう頼んだか知らないが、ともかくも食あたりと云うことで、その明くる日に葬式(とむらい)を出そうとした。その報告を源次から受取って、半七も首をかしげた。彼は念の…
    48キロバイト (9,803 語) - 2019年2月27日 (水) 14:41
  • 「お願いでございます。先生の仇を取ってください」 「その仇を取ってやろうと思って、わざわざ江戸から出て来たのだ」と、半七は声をやわらげて諭すように云った。「おまえの先生はお角が殺したのだろう」 「お角です。きっとお角に相違ありません」 「おれもそうだろうと思っていた。こうなったら何もかも正直に云ってくれねえじゃ…
    65キロバイト (13,081 語) - 2019年2月27日 (水) 14:48
  • (はらわた)の煮え返る思いがするのだ。何事か嬌声(きょうせい)を弄(ろう)しながら南子が目の前を進んで行く。思わず嚇(かつ)となって、彼は拳を固め人々を押し分けて飛び出そうとする。背後(うしろ)から引き留める者がある。振り切ろうと眼を瞋(いか)らせて後を向く。子若(しじゃく)と子正(しせい)の二人…
    78キロバイト (15,875 語) - 2020年11月3日 (火) 00:45
  •  この溪間ではなにも俺をよろこばすものはない。鶯(うぐいす)や四十雀(しじゅうから)も、白い日光をさ青に煙らせている木の若芽も、ただそれだけでは、もうろうとした心象に過ぎない。俺には惨劇が必要なんだ。その平衡があって、はじめて俺の心象は明確になって来る。俺の心は悪鬼のように憂鬱に渇いている。俺の心に憂…
    6キロバイト (1,311 語) - 2023年11月1日 (水) 07:30
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