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  • ていない。結構な拵(こしらえ)の両刀を挿()した姿がなかなか立派である。どう見ても田舎者らしくはない。  爺いさんが隠居所に這入ってから二三日立つと、そこへ婆(ば)あさんが一人来て同居した。それも真白な髪を小さい丸髷(まるまげ)に結(い)っていて、爺いさんに負けぬように品格が好い。それまでは久右衛…
    20キロバイト (4,184 語) - 2022年4月5日 (火) 21:49
  • みかへる跡(あと)に消(き)えて行(ゆ)く 上(うへ)野(の)の森(もり)の朝月(あづき)夜(よ) 田(た)端(ばた)は露(つゆ)もまださむし 見(み)あぐる岸(きし)は諏訪(すは)の臺(だい) それにつゞきて秋(あき)の夜(よ)は 道(だう)灌(くわん)山(やま)の虫(むし)のねを こゝまで風(かぜ)や送(おく)るらん…
    20キロバイト (3,877 語) - 2023年9月5日 (火) 14:47
  • 古今 みる人もなくてちりぬるおくやまの もみぢはよるのにしきなりけり 同 雁(かり) 付帰雁 ばんりひとみなみにさる、さんしゆんがんきたにとぶ、 しらずいづれのさいげつか、なんぢとおなじくかへることをえん、 万里(ばんり)人(ひと)南(みなみ)に去()る、三春(さんしゆん)雁(がん)北(きた)に飛(と)ぶ、…
    324キロバイト (63,686 語) - 2019年11月19日 (火) 14:37
  • 別れ霜 作者:樋口一葉 1892年 書誌情報  莊子(うし)が蝶(てふ)の夢(ゆめ)といふ世(よ)に義理(ぎり)や誠(まこと)は邪魔(じやま)くし覺()め際(ぎは)まではと引(ひき)しむる利慾(りよく)の心(こゝろ)の秤(はかり)には黄金(こがね)といふ字(じ)に重(おも)りつきて増(ま)す…
    162キロバイト (27,574 語) - 2019年9月29日 (日) 04:58
  • するか、ねりし経営惨憺の苦は、汚(を)濁(じよく)を我が身に染みこませしか、冷笑(あざわらひ)し辰雄、潮(あざ)けりし辰雄、声は彼(か)れよ罪は汝(なんぢ)よ。交りを断(た)つて悪声を出ださぬ、我れ君子の道は知らねど、受けし恵みの泰山蒼海(たいざんさ
    942バイト (16,772 語) - 2020年8月20日 (木) 14:11
  • さんの西郷隆盛(さいごうたかもり)」と云って、友人間には有名な話の一つだそうである。して見ればこの話もある社会には存外もう知られている事かも知れない。  本間さんはこの話をした時に、「真偽の判断は聞く人の自由です」と云った。本間さんさ
    36キロバイト (6,768 語) - 2019年9月29日 (日) 05:28
  • 書誌情報の詳細は議論ページをご覧ください。  横浜(よこはま)。  日華洋行(にっかようこう)の主人陳彩(ちんさい)は、机に背広の両肘(りょうひじ)を凭(もた)せて、火の消えた葉巻(はまき)を啣(くわ)えたまま、今日も堆(うずたか)い商用書類に、繁忙な眼を曝(さら)していた。  更紗(さら
    37キロバイト (6,956 語) - 2019年9月29日 (日) 05:10
  • ひひらぎ。(きり。) 儚 はかなし。(くらし。) 擋 とても。(おほひかくす。) 澪 みを。みよ。(川(かは)の名〔ママ〕。) 積 つもる。つもり。心算(しんさん)。豫算(よさん)。(つつむ。つもる。累(かさ)ぬ。聚(あつ)む。) 𤹠 しやく。(瘠(や)す。) 膳 ぜん。(そなふ。くらふ。) 錆 さび。(くはし。)…
    234バイト (3,144 語) - 2024年1月23日 (火) 05:23
  •    父󠄁(ちゝ)の棄(す)てし刀(かたな)つめたく冴()え返󠄁(かへ)る燈(ともしび)小暗(をぐら)き疊(たゝみ)の上(うへ)に  次男(じなん)の兄(あに)が發病(はつびやう)したのは、私(わたし)がまだ幼少(ようせう)の頃(ころ)であつたらしい。私(わたし)が七八歲(さい)…
    542バイト (6,200 語) - 2020年3月7日 (土) 13:23
  • をとこ)ぐらゐ何(なん)でもなきこと、但(たゞ)し身(み)の素性(すじやう)を知(し)られじと計(ばか)り、誠(まこと)に只今(たヾいま)の山出(やまだ)しにて、土(つち)をなめても是(こ)れを立身(りつしん)の手始(てはじ)めにしたき願(わが)〈[#ルビの「わが」はママ]〉ひと、我(わ)れながら…
    102キロバイト (16,879 語) - 2023年10月17日 (火) 13:46
  • 「いや、もう毎晩のこと、決してお構いくださるな」と、澹山は書きかけていた日記の筆を措(お)いて見かえった。 「お父(とつ)さんはどうなさった。今日は一日お目にかからなかったが……」 「父は午(ひる)から出ましてまだ戻りません。今夜は遅くなるでございましょう」…
    55キロバイト (11,236 語) - 2020年7月20日 (月) 12:23
  • えが、多分の金を寄進させるという噂だ。男だけならば色仕掛けという狂言かとも思うが、そのなかには女もいる。いい年をした爺さんも婆さんもある。それがどうも腑(ふ)に落ちねえ。いや、まだ怪しからねえのは、そいつが京都の公家(くげ)の娘だと云っているそうだ。冷泉為清卿(れいぜいためきよきょう)の息女で左衛…
    52キロバイト (10,544 語) - 2019年2月27日 (水) 14:40
  • 他の版の作品については、竹取物語をご覧ください。 竹取物語 編者:和田萬吉 竹取物語(たけとりものがたり)  むかし、いつの頃(ころ)でありましたか、竹取(たけと)りの翁(おきな)といふ人(ひと)がありました。ほんとうの名(な)は讃岐(ぬき)の造麻呂(みやつこまろ)といふのでしたが、每日(まいにち)のように野山(のやま
    404バイト (7,221 語) - 2020年10月24日 (土) 14:41
  • てがくしゅけいこおおせつけらる)」という沙汰書(たしょ)を受けた。さて楽手の修行をしているうちに、十二月二十九日に山田源吾(やまだげんご)の養子になった。源吾は天保中津軽信順(のぶゆき)がいまだ致仕せざる時、側用人を勤めていたが、旨(むね)に忤(か)って永(なが)の暇(いとま)になった。しかし…
    642キロバイト (126,753 語) - 2022年3月23日 (水) 18:11
  • 「その若いおかみさんというのはどこの人で、どんな願(がん)を掛けているのかしら」と、半七も同情するように訊いた。 「それがまったくお気の毒なのでございます」と、女房は土瓶(どびん)の湯をしながら相手の顔を覗いていた。「その女の人は木場の材木問屋の通い番頭のおかみさんだそうで、まだ
    57キロバイト (11,488 語) - 2021年8月31日 (火) 23:10
  • と言(い)って父(とう)さんが茶(ちゃ)の間(ま)に掛(か)かっている柱時計(はしらどけい)を見(み)に来(き)た頃(ころ)は、その時計(とけい)の針(はり)が十時(じ)を指()していた。 「お昼(ひる)には兄(にい)さん達(たち)も帰(かえ)って来(く)るな。」と父(とう)さん
    35キロバイト (6,104 語) - 2022年4月24日 (日) 06:55
  • 注意をひく上に、そこには大窪詩仏(おおくぼしぶつ)や梁川星巌(やながわせいがん)のような詩人が済んでいた。鍬形恵斎(くわがたけいさい)や山田芳洲(やまだほうしゅう)のような画家も住んでいた。撃剣家では俗にお玉ケ池の先生という千葉周作(ちばしゅうさく)の道場もあった。それらの人達の名によって、お玉ケ…
    55キロバイト (11,261 語) - 2022年1月2日 (日) 00:26
  •  保吉 達雄はただ妙子の家(うち)へピアノを弾きたに行ったのですよ。云わばピアノを愛しただけなのですよ。何しろ貧しい達雄にはピアノを買う金などはないはずですからね。  主筆 ですがね、堀川さん。  保吉 しかし活動写真館のピアノでも弾いていられた頃はまだしも達雄には幸福だったのです。達雄はこの間の震…
    17キロバイト (3,058 語) - 2019年9月29日 (日) 05:12
  • 「さあ、わたしもよく知りませんが、金(きん)さんのところへでも行っているのじゃありませんか」 「金さんの家(うち)はどこでしたね」 「金さんの家は……。なんでも鮫洲(めず)を出はずれて右の方へはいった畑のなかに、古い家が二軒ある。一軒は空店(あきや)で、その隣りが金さんの家だそうですよ」 「いや、ありがとう。おかみさんをお大事に……」…
    59キロバイト (11,846 語) - 2019年2月27日 (水) 14:45
  • 「おや、鳥影が……。だれか来るかしら」 「だれか来るといえば、芝居の方から誰も来なかったかしら」 「いいえ、きょうはまだ誰も……」と、お浜は丁寧に炭をつみながら答えた。「定(だ)さんの話に、おまえさんは今度は役不足だと云うじゃありませんか」 「役不足と云うわけじゃあない」と、紋作は膝の前の煙管(きせる)を…
    49キロバイト (10,344 語) - 2019年2月27日 (水) 14:39
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