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の教科書や文書などの国語の表記法を統一し、その基準を示すために編纂した四編の冊子のうちの一編です。 この案は、発表以来半世紀を経ていますが、現在でも公用文、学校教育その他で参考にされています。 なお、漢字の字体は、便宜上、現行のものに改めました。 　本省で編修または作成する各種の教科書・文書などの…

・踊り字は「々」のみ使用。その他は展開した。ただし底本で、「々」が行頭に来たために元の字に展開されている部分は、「々」に改めた。 ・カタカナ固有名詞の冒頭は底本ではゴシック体になっているが、これは再現していない。その結果固有名詞が連続していてくっついてしまう場合、意味を考慮して「、」「・」で区切る。…

のみのり。（つくる。） 佗 わぶ。侘（た）をも用（もち）ひる。（ほか。他（た）に同（おな）じ。） 折 をり。場合（ばあひ）、機會（きくわい）。へぎを折（を）り曲（ま）げて作（つく）つた匣（はこ）。（をる。） 忰 せがれ。倅（さい）の字（じ）の誤（あやまり）。（憔悴（せうすゐ）と熟（じゆく）する字（じ）で、やつる、おとろふ。）…

の事は大将の心に任せ何なりとも用ひらるべし色の事も定まらず好に任すべし袖験も笠注も諸軍勢一様にすべし 【具足ノ守】具足の守の事一ばんに左の袖にまん字を書くなり まん字は此字なり摩利支天の字なり二番に胸板にはばん字をかくなりばん字は此字なり大日の字なり三番に右の袖にきりく字を書くなりきりく字は此字…

の事は大將の心に任せ何なりとも用ひらるべし色の事も定まらず好に任すべし袖驗も笠注も諸︀軍勢一樣にすべし 【具足ノ守】具足の守の事一ばんに左の袖にまん字を書くなり まん字は此字なり摩利支天の字なり二番に胸板にはばん字をかくなりばん字は此字なり大日の字なり三番に右の袖にきりく字を書くなりきりく字は此字…

ひ）なるを建（たて）　すべて我（わ）が作物（つくりもの）と貨（たから）を其（その）所（ところ）に藏（おさむ）べし　斯（かく）て霊魂（たましひ）に對（むか）ひ霊魂（たましひ）よ多（た）年（ねん）を過（すぐる）ほどの許多（おほく）の貨物（たから）を有（もち）たれば安心（あんしん）して食飲（くひの…

の心底、慥於如斯者、諸侍義理を思はん。其上、無道の働にて利を得たる者、天罰終に遁れ難し。 一、侍中より地下人、百姓等に至迄、何も不便に可被存候。惣別、人に捨りたる者はこれなく候。器量、骨格、弁舌、才覚人にすくれて、然も又、道に達し、あつはれ能侍と見る処、思ひの…

ひげ）の明色（ブロンド）なる少年士官は、おなじ大隊の本部につけられたる中尉（ちゅうい）にて、男爵（だんしゃく）フォン・メエルハイムといふ人なり。「かしこなるは我が識（し）れるデウベンの城のぬしビュロオ伯（はく）が一族なり。本部のこよひの宿はかの…

ひ得なかつたのである。僕はこの養父母に対する「孝行に似たもの」も後悔してゐる。しかしこれも僕にとつてはどうすることも出来なかつたのである。）今僕が自殺するのは一生に一度の我儘かも知れない。僕もあらゆる青年のやうにいろいろの夢を見たことがあつた。けれども今になつて見ると、畢竟気違ひの…

　ある日貨車から積み卸される貨物の中に、生木綿の包装に青く印刷された故郷の町の精麦会社の名を見た。無造作に投げ出される袋が崩れるやうに、投げ出された儘の形で甃（いしだたみ）の上に横たはると、ゴジ〔ママ〕ックの字劃が袋の脹らみに随つて軟らかにうねつてゐるのも物憂く眼に沁みて、いつか、その工場の四角な赤煉瓦の…

のさまの再び現にあらはるゝなるべし。 　おいたはしき事とは太吉も言ひぬ、お倉も言へり、心なきお三どんの末まで孃さまに罪ありとはいささかも言はざりき、黄八丈の袖の長き書生羽織めして、品のよき高髷にお根がけは櫻色を重ねたる白の丈長、平打の銀簪（ぎんかん）一つ淡泊（あつさり）と遊して學校がよひの…

四条大納言隆季、或人に問云、行幸の幸の字、是を用ふる何の故ぞ。其人え答へざりけり。そばにて梅小路中納言長方、それは本文なり。天子行処必有㆑幸といへり。故に幸の字を用ふるなり。御幸には、たゞ行の字を用ふる。小野宮の水心抄なんどいふ古き日記には、皆御行と書きたるなり。但し世の末ざまには、上皇の御ゆき、皆勧賞あり。されば幸の字…

の字体を使用した。 くの字点は＼／、ぐの字点は＼"／を代用した。 ※1:本来は疋編ではなく足編となっている。 局※:本来は「戸+句」となっている。 〓※:本来は「艸冠+廾」となっている。 ［～］は補改部分。 世に宇治拾遺物語といふ物あり。 此大納言は隆国といふ人なり。 西宮殿の孫俊賢大納言の第二の男なり。…

ひ、之に土《ど》を胙《むく》いて之に氏《し》を命ず。諸侯は字《あざ》を以て、諡を爲《つく》り、因りて以て族と爲《な》す。官《くわん》、世功《せいこう》あれば、則ち官族《くわんぞく》あり。邑《いふ》も亦《ま》た之《かく》の如し』と。公、命ずるに字を以てし展氏《てんし》と爲す、…

→ 「いき」の構造 一 作者：九鬼周造 このページでは異体字セレクタを使用しています。本来の字体で閲覧するにはIPAmj明朝や花園明朝Aなど対応フォントが必要です。 　「いき」といふ現象は如何なる構造󠄃をもつてゐるか。先づ我々は如何なる方法によつて「いき」の構造󠄃を闡明し、「いき」の…

「いき」の構造 六 作者：九鬼周造 このページでは異体字セレクタを使用しています。本来の字体で閲覧するにはIPAmj明朝や花園明朝Aなど対応フォントが必要です。 　「いき」の存在を理解しその構󠄃造󠄄を闡明するに當つて、方法論的考察として豫め意味體驗の具體的把握を期した。しかし、すべての思索の…

← 一 三 → 「いき」の構造 二 作者：九鬼周造 このページでは異体字セレクタを使用しています。本来の字体で閲覧するにはIPAmj明朝や花園明朝Aなど対応フォントが必要です。 　意識現象の形に於て意味として開示される「いき」の會得の第一の任務として、我々は先づ「いき」の…

← 三 五 → 「いき」の構造 四 作者：九鬼周造 このページでは異体字セレクタを使用しています。本来の字体で閲覧するにはIPAmj明朝や花園明朝Aなど対応フォントが必要です。 　今迄は意識󠄂現象としての「いき」を考察して來た。今度は客觀的表現の形を取つた「いき」を、理解さるべき存在樣態と見て行か…

← 二 四 → 「いき」の構造 三 作者：九鬼周造 このページでは異体字セレクタを使用しています。本来の字体で閲覧するにはIPAmj明朝や花園明朝Aなど対応フォントが必要です。 　前節において、我々は「いき」の包含する徵表を內包的に辨別して、「いき」の意味を判明ならしめたつもりである。我々はここに、…

「いき」の構造 五 作者：九鬼周造 このページでは異体字セレクタを使用しています。本来の字体で閲覧するにはIPAmj明朝や花園明朝Aなど対応フォントが必要です。 　「いき」の藝術󠄃形式の考察に移らなければならぬ。「いき」の表現と藝術󠄃との關係は、客觀的藝術󠄃と主觀的藝術󠄃とによつて表現の…