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  • き)の竹(たけ)の子(こ)きぬゝぎすてゝ、まき葉(は)にかゝる朝露の新らしきを見るもいと恥かしうこそ。         雨(あめ)の夜(よ)  庭の芭蕉(ばせを)のいと高やかに延びて、葉は垣根(かきね)の上やがて五尺(ごしやく)もこえつべし。今歳(ことし)はいかなれば、かくいつまでも丈(たけ)のひく…
    14キロバイト (2,605 語) - 2019年9月29日 (日) 04:45
  • 考えなどは、病人の贅沢(ぜいたく)にすぎなかった。私はこの春にも母とちょっとした衝突をしたことがあった。私の借家の庭には、柏(かしわ)やもみじや桜や芭蕉(ばしょう)や、そんな数本の立木がある。春から青葉の候にかけて、それらの立木の姿は美しく、私はそれらが見える所へまで病床を移して楽しんでいた。それを…
    22キロバイト (4,436 語) - 2021年8月31日 (火) 22:43
  • はすかひに簷(のき)の花合歓(ねむ)うつしつつ化粧鏡は昏(く)れのこりたり 昏れのこる化粧鏡の合歓の花そよぎに遠きちまたのどよみ 鍵盤にはしる指(をよび)は青みつつ芭蕉わか葉に夕明(あか)りひさしき 旋盤にけづられてゆく砲身はイルクツクあたりの湖(うみ)を匂はす     メンデルスゾーン作、ホ短調ヴアイオリン協奏曲を聴く…
    6キロバイト (5,597 語) - 2020年6月25日 (木) 13:13
  • 「ところが、これは大丈夫、正銘(しょうめい)まがいなしの折紙付きという代物(しろもの)です。宗匠、まあ御覧ください」 風呂敷をあけて勿体(もったい)らしく取り出したのは、芭蕉(ばしょう)の「枯枝に鳥のとまりけり秋の暮」の短冊であった。それが真物(ほんもの)でないことは其月にもひと目で判った。もう一つは其角の筆で「十五から…
    55キロバイト (11,261 語) - 2022年1月2日 (日) 00:26
  • 「すです。住職も納所も虚無僧も女も、みんな一緒に寄り集まって、ここで酒を飲み始めました」 「おめえはそれを何処で覗いていた」 「庭から廻って、あの大きい芭蕉の蔭で……。すると、だしぬけに袂(たもと)を摑んで引っ張る奴があるので、驚いて振返ると……」 「お鎌婆さんか」と、半七は笑った。…
    66キロバイト (13,394 語) - 2019年2月27日 (水) 14:49
  • はその辺に遊んでいる・痩せた・毛の抜けかかった・茶色の小犬を指す。一時間もかかれば出来るから、あれを石焼にして馳走しようというのだ。一匹まるのまま、芭蕉の葉か何かに包み、熱い石と砂の中に埋めて蒸焼にするのである。腸(はらわた)だけ抜いた犬が、そのまま、足を突張らせ歯をむき出して膳の上に上(のぼ)されるのだという。…
    40キロバイト (7,902 語) - 2021年8月31日 (火) 22:43
  • ったが、斯ういう軽い気分を持つ事が出来たほど、彼処の住居(すまい)は楽しかったのであろうと思う。彼処から奥州の方へ旅をして、帰って来て、『松島に於て芭蕉翁を読む』という文章を発表したが、その旅から帰る頃から、自分でも身体に異状の起って来た事を知ったと見えて、「何でも一つ身体を丈夫にしなくちゃならない…
    26キロバイト (5,569 語) - 2019年9月29日 (日) 05:01
  • 。しかれども彼の和歌をもってこれを俳句に比せんか。彼はほとんど作家と称せらるるだけの価値をも有せざるべし。彼が新言語を用うるに先だつ百四、五十年前に芭蕉一派の俳人は、彼が用いしよりも遥(はる)かに多き新言語を用いたり。彼の歌想は他の歌想に比して進歩したるところありとこそいうべけれ、これを俳句の進歩に…
    342バイト (9,220 語) - 2021年9月26日 (日) 03:49
  • 芭蕉(ばせを)の「奥の細道」もやはり又この例に洩れない。殊に冒頭の一節はあの全篇に漲(みなぎ)つた写生的興味を破つてゐる。第一「月日は百代の過客(くわかく)にして、ゆきかふ年も又旅人なり」と云ふ第一行を見ても、軽みを帯びた後半は前半の重みを受けとめてゐない。(散文にも野心のあつた芭蕉
    159キロバイト (31,170 語) - 2023年10月17日 (火) 13:45
  • 機の羽ばたき、高い窓を飾る涼しげなカーテン。  そこへ、美しいウエトレスに導かれて、二人の老人がはいって来る。  それは芭蕉翁(ばしょうおう)と歌麿(うたまろ)とである。  芭蕉は定食でいいという、歌麿はア・ラ・カルテを主張する。  前者は氷水、後者はクラレットを飲む。  前者は少なく、後者は多く食う。…
    237キロバイト (40,461 語) - 2023年10月22日 (日) 05:59
  • 立ラレバ首尾ヨク討死スヘキ者ハ滝川一人ナリ外ノヤツハラハ芭蕉葉ニテハイヲ払コトク成ヘシ先勢残ラス討レタリトモ遠方オレハ早速吊合戦モ成ヘカラストテ殊外御気色ナリ是ハ御子息達分別モナク深入シ玉ヒタルト思召ナリ初ハ御ヨロコビ申タル人々仰ノ旨ヲ承リモト感シ奉ル御供ニハ野尻マデ西尾小左衛門ハカリ参リ候ヘ其…
    44バイト (6,397 語) - 2024年4月19日 (金) 06:37
  • なって、前の時より見にくく、なったから、とうとう椽鼻(えんばな)へ出て腰(こし)をかけながら鄭寧(ていねい)に拝見した。すると初秋(はつあき)の風が芭蕉(ばしょう)の葉を動かして、素肌(すはだ)に吹(ふ)きつけた帰りに、読みかけた手紙を庭の方へなびかしたから、しまいぎわには四尺あまりの半切れがさらり…
    318キロバイト (59,334 語) - 2023年10月17日 (火) 13:42
  • つ)の上へ人為的の区劃(くかく)を立てる。中にはこの仕切りがつむじを通り過して後(うし)ろまで食(は)み出しているのがある。まるで贋造(がんぞう)の芭蕉葉(ばしょうは)のようだ。その次には脳天を平らに刈って左右は真直に切り落す。丸い頭へ四角な枠(わく)をはめているから、植木屋を入れた杉垣根の写生とし…
    1.06メガバイト (208,385 語) - 2022年11月4日 (金) 04:57
  • 始めた。松本も千代子も申し合せたように、硝子越(ガラスごし)の雨の色を眺めて、手焙(てあぶり)に手を翳(かざ)した。 「芭蕉(ばしょう)があるもんだから余計音がするのね」 「芭蕉はよく持つものだよ。この間から今日は枯れるか、今日は枯れるかと思って、毎日こうして見ているがなかなか枯れない。山茶花(さ…
    677キロバイト (132,287 語) - 2022年4月2日 (土) 11:15
  • 書誌情報 姉妹プロジェクト:Wikipediaの記事, データ項目   硝子戸(ガラスど)の中(うち)から外を見渡すと、霜除(しもよけ)をした芭蕉(ばしょう)だの、赤い(み)の結(な)った梅もどきの枝だの、無遠慮に直立した電信柱だのがすぐ眼に着くが、その他にこれと云って数え立てるほどのものはほとんど視線…
    181キロバイト (35,520 語) - 2021年5月13日 (木) 16:06
  • 屋の方へと街道の土を踏んで行った。そこには天保十四年のころに、あの金兵衛が亡父の供養にと言って、木曾路を通る旅人のために街道に近い位置を選んで建てた芭蕉(ばしょう)の句碑もある。とうとう、彼は信濃(しなの)と美濃の国境(くにざかい)にあたる一里塚(いちりづか)まで、そこにこんもりとした常磐木(ときわ…
    648キロバイト (123,779 語) - 2019年9月29日 (日) 05:04
  • いる小六の帰る姿を見送った宗助は、暗い玄関の敷居の上に立って、格子(こうし)の外に射す夕日をしばらく眺(なが)めていた。  その晩宗助は裏から大きな芭蕉(ばしょう)の葉を二枚剪(き)って来て、それを座敷の縁に敷いて、その上に御米と並んで涼(すず)みながら、小六の事を話した。…
    486キロバイト (96,246 語) - 2023年10月17日 (火) 13:52
  • や御休処(おやすみどころ)とした古い看板のかかった茶屋の軒下を出たりはいったりして、そこに彼を出迎えていてくれたのだ。伏見屋金兵衛の記念として残った芭蕉(ばしょう)の句塚(くづか)までが、その木曾路の西の入り口に、旅人の目につく路傍の位置に彼を迎えるように見えている。…
    731キロバイト (142,362 語) - 2019年9月29日 (日) 05:05
  • 士歩行せし故、路険に労して背汗濈濈(しふ/\)たり。乃(すなはち)撫院衣(きぬ)一(ひとつ)ぬぎたり。忽ち岩頭に芭蕉の句碑あり。一つ脱で背中に負ぬ衣更(ころもかへ)といふ句なり。古人の境を詠ずる百歳の後合する所あり。四軒茶屋あり。(此まで廿四丁也。)蕨粉(わらび)餅を売る、妙なり。又上ること一里…
    1.54メガバイト (342,889 語) - 2024年3月25日 (月) 01:52
  •         十二  貧乏を十七字に標榜(ひょうぼう)して、馬の糞、馬の尿(いばり)を得意気に咏(えい)ずる発句(ほっく)と云うがある。芭蕉(ばしょう)が古池に蛙(かわず)を飛び込ますと、蕪村(ぶそん)が傘(からかさ)を担(かつ)いで紅葉(もみじ)を見に行く。明治になっては子規(しき)と…
    711キロバイト (133,899 語) - 2023年10月17日 (火) 13:49
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