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  • があるんじゃありますまいか。ともかくもちっと洗いあげてみましょう」 「節季(せっき)師走(しわす))気の毒だな。あんまりいい御歳暮でも無さそうだが、(しゃけ)の頭でも拾う気でやってくれ」 「かしこまりました」 半七は受け合って八丁堀を出たが、どこから手をつけていいのかちょっと見当が決まらなかった…
    51キロバイト (10,402 語) - 2021年12月13日 (月) 14:26
  • これも今はむかし。 越後国よりを馬におほせて廿駄ばかり粟田口より京へをひ入けり。 それにあはたぐちの鍛冶が居たるほどに。 いたゞきはげたる大童子のまみしぐれて物物むづかしうをもらかにもみえぬがこのの馬の中に走入にけり。 道はせばくて馬なにかとひしめきけるあひだ。 この大童子走そひてを二つひきぬきてふところへ引入てんけり。…
    49キロバイト (10,902 語) - 2020年12月30日 (水) 13:38
  • か)ったまま無言で立っておった。いささか手持無沙汰の体(てい)である。すると突然黒のうちの神(かみ)さんが大きな声を張り揚げて「おや棚へ上げて置いた(しゃけ)がない。大変だ。またあの黒の畜生(ちきしょう)が取ったんだよ。ほんとに憎らしい猫だっちゃありゃあしない。今に帰って来たら、どうするか見てい…
    1.06メガバイト (208,385 語) - 2022年11月4日 (金) 04:57
  • い割りに碌な物はない、餅、伏菟(ふと)、蒸鮑(むしあはび)、干鳥(ほしどり)、宇治の氷魚(ひを)、近江(あふみ)の鮒(ふな)、鯛の楚割(すはやり)、の内子(こごもり)、焼蛸(やきだこ)、大海老(おほえび)、大柑子(おほかうじ)、小柑子、橘、串柿などの類(たぐひ)である。唯、その中に、例の芋粥があ…
    50キロバイト (9,890 語) - 2023年10月17日 (火) 13:48
  • は表の庭口の方へ行つて見た。八手の葉は傘でもひろげたやうに大きく成つた。開けひろげてある庭の入口を通して、直ぐ向ふに肴屋の店頭(みせさき)が見える。(さけ)などが吊るしてある乾いた町へは急に夏らしい雨が来た。  板囲ひをした家々は見る間に濡れて行つた。往来へ向いた窓も戸も、廂(ひさし)も、乾燥し…
    63キロバイト (12,472 語) - 2019年9月29日 (日) 04:57
  • 「たった一度しかないんだから祝わないでもいいくらいだ」 「僕とまるで反対だね。――姉さん、このフライは何だい。え? (さけ)か。ここん所(とこ)へ君、このオレンジの露をかけて見たまえ」と青年は人指指(ひとさしゆび)と親指の間からちゅうと黄色い汁をの衣(ころも)の上へ落す。庭の面(おもて)にはらはらと降る時雨(しぐれ)のごとく、すぐ油の中へ吸い込まれてしまった。…
    323キロバイト (60,728 語) - 2023年10月17日 (火) 13:52
  • 、私には一口の挨拶(あいさつ)もできなかった。 彼は貧生であった。大観音(おおがんのん)の傍(そば)に間借をして自炊(じすい)していた頃には、よく干(からざけ)を焼いて佗(わ)びしい食卓に私を着かせた。ある時は餅菓子(もちがし)の代りに煮豆を買って来て、竹の皮のまま双方から突っつき合った。…
    181キロバイト (35,520 語) - 2021年5月13日 (木) 16:06
  •  曾能子刀自は当時の献立を記憶してゐる。例之(たとへ)ば午、吸物摘入、小蕪菁(こかぶ)、椎茸、平昆布、大口魚(たら)、鱠(なます)、千六本貝の柱、猪口はり/\、焼物生粕漬、夕、吸物牡蠣海苔、口取蒲鉾卵橘飩(きんとん)青海苔を塗(まぶ)したる牛蒡鯛の小串、刺身比目魚(ひらめ)黒鰻(まぐろ)、大平(おほひら)鯛麪(た…
    1.54メガバイト (342,889 語) - 2024年3月25日 (月) 01:52
  • 余にて、上杉勢の跡を付けて、大事に及ぶ。杉原常陸介親憲・溝口左馬助、種子島八百挺にて、段々に打立ち、防除にする。其武者扱、中々見事なり。最上方には、延越前守・東根常陸介・里見越後守・草刈備前守等、雲霞の如く追ひ来る。直江山城守兼続返し合せ、下知するに付、川田玄蕃允・宇佐美弥五左衛門・韮塚理右衛門…
    577バイト (13,576 語) - 2023年11月26日 (日) 19:05
  • 暮れももう近寄って来た。西風が毎日のように関東平野の小さな町に吹きあれた。乾物屋(かんぶつや)の店には数の子が山のように積まれ、肴屋(さかなや)にはが板台(はんだい)の上にいくつとなく並べられた。旧暦(きゅうれき)で正月をするのがこの近在の習慣なので、町はいつもに変わらずしんとして、赤い腰巻をし…
    509キロバイト (98,550 語) - 2023年11月4日 (土) 14:56
  • まざまな冒険譚(ぼうけんだん)の主人公であった。まだ海豹島(かいひょうとう)へ行って膃肭臍(おっとせい)は打っていないようであるが、北海道のどこかで(さけ)を漁(と)って儲(もう)けた事はたしかであるらしい。それから四国辺のある山から安質莫尼(アンチモニー)が出ると触れて歩いて、けっして出なかっ…
    677キロバイト (132,287 語) - 2022年4月2日 (土) 11:15
  • にて、餓死にも可㆑及候処、領主役場に於て、総家中へ格外の省略仰付られ、右余米を以て領内百姓共へ御救被㆓成下㆒、其上精力衰へざる様にとの御趣意を以て、塩引・鰹節等迄、村々家々人別にて下し置かれ、在町の分は日日米穀御手当又は拝借等仰付けられ、諸国より米穀莫大に御買ひ入れ、御撫育被㆓成下㆒候に付、孤独…
    85バイト (14,785 語) - 2024年3月24日 (日) 11:52
  • 余は、小山崎に陣を張り、長谷の城を攻めんとす。此城には、最【 NDLJP:213】上方志村伊豆守守れり。小勢なるにより、義光より加勢として、酒延〈或延ともあり〉越前守・氏江九兵衛・富南相模守・東根常陸介に、精兵八千添へて籠められたり。長谷堂の城は、山形の城より二里、上の山の城より二里、上の山の城…
    3キロバイト (116,548 語) - 2024年2月3日 (土) 18:43