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財産税法/1951年11月26日施行/日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律第2条第1項による読替え

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朕󠄄は、帝國議會の協贊を經た財產稅法を裁可し、ここにこれを公󠄃布せしめる。

御名 御璽

昭和二十一年十一月十一日

內閣總理大臣 𠮷田  茂

大藏大臣 石橋 湛山

法律第五十二號

財產稅法目次󠄄

財產稅法

第一章 總則

第一條 左に揭げる者(その一般承繼人を含む。)は、この法律により、財產稅を納󠄃める義務がある。

一 昭和二十一年三月三日午前󠄃零時(以下調査時期といふ。)において、この法律の施行地に住󠄃所󠄃を有し又󠄂は一年以上居所󠄃を有してゐた個人

二 前󠄃號の規定に該當しない個人で、調査時期においてこの法律の施行地に財產を有してゐたもの

前󠄃項に揭げる者の外、戶籍法の適󠄃用を受ける個人で、調査時期後二年以內に、この法律の施行地に住󠄃所󠄃を有し又󠄂は一年以上居所󠄃を有することとなつたもの(その一般承繼人を含む。)は、この法律により、財產稅を納󠄃める義務がある。

第二條 財產稅は、命令で定める外國人には、これを課さない。

第三條 民法第九百五十一條に規定する法人(以下相續財團といふ。)で、調査時期において現に存したものについては、これを個人とみなして、この法律を適󠄃用する。

前󠄃項の規定の適󠄃用に關し必要󠄃な事項は、命令でこれを定める。

第四條 調査時期において、この法律の施行地に住󠄃所󠄃を有し又󠄂は一年以上居所󠄃を有してゐた個人で、戶籍法の適󠄃用を受けるものについては、調査時期において有してゐた財產の全󠄃部に對し、財產稅を課する。

前󠄃項の規定に該當しない個人で、調査時期においてこの法律の施行地に財產を有してゐたものについては、調査時期においてこの法律の施行地に有してゐた財產に對し、財產稅を課する。

第一項の規定に該當しない個人で、戶籍法の適󠄃用を受けるものが、調査時期後二年以內に、この法律の施行地に住󠄃所󠄃を有し又󠄂は一年以上居所󠄃を有することとなつた場合においては、前󠄃項の規定にかかはらず、調査時期において有してゐた財產の全󠄃部に對し、財產稅を課する。

調査時期後この法律施行前󠄃に相續の開始があつた場合においては、被相續人が調査時期において有してゐた財產に對しては、相續人又󠄂は相續財團に、財產稅を課する。

前󠄃項の場合において、被相續人が調査時期において有してゐた財產に對する財產稅は、被相續人が第一項又󠄂は第三項の規定に該當する者であつたときは、調査時期において有してゐた財產の全󠄃部に對し、被相續人が第二項の規定に該當する者(第三項の規定に該當する者を除く。)であつたときは、調査時期においてこの法律の施行地に有してゐた財產に對し、これを課する。

第四項の規定により相續財團に財產稅を課する場合において必要󠄃な事項は、命令でこれを定める。

第五條 左の各號に揭げる財產の所󠄃在は、當該各號に規定する場所󠄃による。

一 動產若しくは不動產又󠄂は不動產の上に存する權利については、その動產又󠄂は不動產の所󠄃在 但し、船󠄄舶については、船󠄄籍の所󠄃在

二 鑛業權又󠄂に砂鑛權については、鑛區の所󠄃在

三 漁業權若しくは入漁權又󠄂は漁業權を目的とする權利については、漁場に最も近󠄃い沿󠄄岸の屬する市町村又󠄂はこれに相當する行政區劃

四 金融機關に對する預金、貯金、積金又󠄂は寄託金で命令で定めるものについては、その預金、貯金、積金又󠄂は寄託金をなした營業所󠄃又󠄂は事業所󠄃の所󠄃在

五 合同運󠄃用信託に關する權利については、その信託をなした營業所󠄃の所󠄃在

六 前󠄃各號の外、この法律の施行地に營業所󠄃又󠄂は事業所󠄃を有する個人の、その營業所󠄃又󠄂は事業所󠄃の營業上又󠄂は事業上の權利については、その營業所󠄃又󠄂は事業所󠄃の所󠄃在

前󠄃項に揭げる財產以外の財產の所󠄃在は、權利者の住󠄃所󠄃の所󠄃在による。

第六條 調査時期において現に存した信託については、その時における受益者が、信託財產を有してゐたものとみなして、この法律を適󠄃用する。但し、合同運󠄃用信託については、その時における受益者が、信託に關する權利を有してゐたものとみなす。

前󠄃項の場合において、調査時期までに、元本若しくは收益の受益者がその元本若しくは收益を全󠄃然受けてゐなかつたとき、又󠄂は受益者が特定してゐなかつたとき若しくはまだ存在してゐなかつたときは、委託者又󠄂はその相續人を受益者とみなす。

前󠄃二項の場合において、受益者が二人以上あつたときは、これらの受益者が、各自その受くべき利益の價額の占める割󠄅合に應じて、信託財產又󠄂は信託に關する權利を有してゐたものとみなす。

第七條 調査時期において現に存した郵便󠄃年金契󠄅約で、その時までにまだ年金支󠄂拂事由が發生してゐなかつたもの又󠄂は調査時期において現に存した生命保險契󠄅約で、その時までにまだ保險事故が發生してゐなかつたものについては、契󠄅約者が、その契󠄅約じ關する權利の全󠄃部を有してゐたものとみなして、この法律を適󠄃用する。但し、契󠄅約者が他人のために契󠄅約をなし、且つ、その他人が現實に掛金又󠄂は保險料の全󠄃部を負擔してゐた場合その他命令で定める場合については、命令で特別の定をなすことができる。

第八條 昭和二十年十一月十五日以後調査時期前󠄃に、贈與の契󠄅約とその履行とがあつた場合又󠄂は財產を留保する家督相續があつた場合においては、その贈與財產(その贈與財產に係る債務及び公󠄃租公󠄃課を含む。以下同じ。)又󠄂は相續財產(その相續に係る債務及び公󠄃租公󠄃課を含む。以下同じ。)は、命令の定めるとこるにより、調査時期において贈與者又󠄂は被相續人が、これを有してゐたものとみなして、この法律を適󠄃用する。

前󠄃項の規定は、同項に規定する贈與が國又󠄂は命令で定める公󠄃共團體に對する贈與、贈與財產の價額三千圓以下の贈與その他命令で定める贈與であつた場合及び同項に規定する相續が相續財產の價額一萬圓以下の相續であつた場合においては、これを適󠄃用しない。

第一項の期間內に著しく低い價額の對價で財產の讓渡の契󠄅約とその履行とがあつた場合においては、その對價の價額と契󠄅約の時における讓渡財產の時價との差額に相當する金額について、贈與があつたものとみなして、前󠄃二項の規定を適󠄃用する。

第九條 前󠄃條第一項の期間內に他人をして信託の利益を受くべき權利を有せしめ、且つ、同項の期間內にその受益者をして元本若しくは收益の全󠄃部又󠄂は一部を受けしめたときは、信託の委託者を贈與者、受益者を受贈者とみなし、その信託の利益の價額に相當する金額の贈與があつたものとみなして、前󠄃條第一項及び同條第二項の規定を適󠄃用する。

前󠄃條第一項の期間內に契󠄅約期間の滿了する生命保險契󠄅約について、同項の期間內に契󠄅約者が保險金受取人を變更󠄃したとき(調査時期前󠄃にその契󠄅約の解除があつたときを除く。)は、生命保險契󠄅約の契󠄅約者を贈與者、變更󠄃後の保險金受取人を受贈者とみなし、その保險金額に相當する金額の贈與があつたものとみなして、前󠄃條第一項及び同條第二項の規定を適󠄃用する。

前󠄃條第一項の期間內に他人を年金受配人とし、且つ、同項の期間內に年金支󠄂拂事由が發生する郵便󠄃年金契󠄅約をなしたとき(調査時期前󠄃にその契󠄅約の解除があつたときを除く。)は、郵便󠄃年金契󠄅約者を贈與者、年金受取人を受贈者とみなし、その郵便󠄃年金契󠄅約に關する權利の價額に相當する金額の贈與があつたものとみなして、前󠄃條第一項及び同條第二項の規定を適󠄃用する。

前󠄃三項の規定は、前󠄃三項に規定する行爲が無償で行はれた場合又󠄂は著しく低い價額の對價で行はれた場合を除く外、これを適󠄃用しない。

第十條 左に揭げる財產については、財產稅を課さない。

一 生活に通常必要󠄃な家具󠄄、什器、衣服󠄃その他の動產で、命令で定めるもの

二 墓所󠄃及び靈廟

三 簡易生命保險契󠄅約に關する權利

四 厚生年金保險法及び船󠄄員保險法に規定する年金又󠄂は一時金に關する權利竝びに共濟組合の支󠄂給する年金又󠄂は一時金に關する權利

五 戰爭又󠄂は災害󠄆に起󠄃因して死亡󠄃し又󠄂は傷痍を受け若しくは疾病に罹り、これに因り支󠄂給を受ける增加恩給その他これに準ずる年金で、命令で定めるものに關する權利

六 その他命令で定めるもの

第十一條 この法律において合同運󠄃用信託とは、信託會社(信託業務を兼󠄄營する銀行を含む。以下同じ。)が引き受けた金錢信託で、共同しない多數の委託者の信託財產を合同して運󠄃用するものをいふ。

この法律において同居家族とは、戶主及びこれと同居する家族又󠄂は戶主と別居して同居する二人以上の家族をいふ。

前󠄃項の場合において同居の事實の有無は、調査時期の現況による。但し、特別の事情󠄃がある場合については、命令で特別の定をなすことができる。

第二章 課稅價格、免󠄃稅點及び稅率󠄃

第十二條 第四條第一項又󠄂は同條第三項の規定に該當する者については、調査時期において有してゐた財產(第十條に揭げる財產を除く。以下同じ。)の價額から、調査時期において現に存した債務(公󠄃租公󠄃課を含む。以下同じ。)の金額を控󠄃除した金額を、課稅價格とする。

前󠄃項の場合において、同居家族のうちに、債務の金額が財產の價額を超過󠄃する者があるときは、その超過󠄃額を、命令の定めるところにより、他の一人又󠄂は數人の同居家族の財產の價額から控󠄃除して、その同居家族についての課稅價格を算定する。

第十三條 第四條第二項の規定に該當する者(同條第三項の規定に該當する者を除く。以下制限納󠄃稅義務者といふ。)については、調査時期においてこの法律の施行地に有してゐた財產の價額から、左の債務で調査時期において現に存したものの金額を控󠄃除した金額を、課稅價格とする。

一 その財產に係る公󠄃租公󠄃課

二 その財產を目的とする留置權、特別の先取特權、質權又󠄂は抵當權で擔保される債務

三 前󠄃二號の外、その財產を取得、維持又󠄂は管理するために生じた債務

四 その財產に關する贈與の義務

五 前󠄃四號の外、その者が、調査時期において、この法律の施行地に營業所󠄃又󠄂は事業所󠄃を有してゐた場合においては、その營業所󠄃又󠄂は事業所󠄃の營業上又󠄂は事業上の債務

制限納󠄃稅義務者で、調査時期において、この法律の施行地に住󠄃所󠄃を有し又󠄂は一年以上居所󠄃を有してゐたものについては、前󠄃項の規定にかかはらず、調査時期においてこの法律の施行地に有してゐた財產の價額から、前󠄃項に揭げる債務の金額及び左の債務で調査時期において現に存したものの金額の合計額を控󠄃除した金額を、課稅價格とする。

一 前󠄃項第一號に揭げるもの以外の公󠄃租公󠄃課で、この法律の施行地で納󠄃付すべきもの

二 調査時期において、この法律の施行地に住󠄃所󠄃を有し又󠄂は一年以上居所󠄃を有してゐた個人に對する債務

三 調査時期において、この法律の施行地に營業所󠄃又󠄂は事業所󠄃を有してゐた法人に對する債務で、これらの營業所󠄃又󠄂は事業所󠄃との間に生じたもの

前󠄃條第二項の規定は、前󠄃項の場合について、これを準用する。

第十四條 前󠄃二條の規定により、その金額を控󠄃除すべき債務は、確實と認󠄃められるものに限る。

第十五條 左に揭げる金額は、課稅價格の算定上、これを調査時期における財產の價額とみなす。

一 戰時補償特別措置法第四十一條第四十二條又󠄂は第五十三條の規定により求償をなし得べき金額

二 調査時期前󠄃に納󠄃付した相續稅につき、戰時補償特別措置法第五十七條又󠄂は第五十八條の規定により免󠄃除がなされる場合におけるその免󠄃除稅額

第十六條 左に揭げる金額は、課稅價格の算定上、これを調査時期における債務の金額とみなす。

一 不動產所󠄃得、乙種の配當利子所󠄃得、甲種若しくは乙種の事業所󠄃得、乙種の勤勞所󠄃得、山林の所󠄃得、乙種の退󠄃職所󠄃得又󠄂は淸算取引所󠄃得に對する昭和二十一年分󠄃の分󠄃類所󠄃得稅額、同年分󠄃の綜合所󠄃得稅額及び同年分󠄃の臨時利得稅額

二 戰時補償特別稅額(戰時補償特別措置法第六十條の規定の適󠄃用を受ける場合については、命令で定める稅額を除く。)

三 戰時補償持別措置法第四十一條第四十二條又󠄂は第五十三條の規定により求償に應じて履行をなすべき債務の金額

調査時期において相續稅納󠄃付の義務があつた場合において、戰時補償特別措置法第五十七條又󠄂は第五十八條の規定により相續稅を免󠄃除されるときは、調査時期における財產の價額から控󠄃除さるべき相續稅額は、課稅價格の算定上、その免󠄃除後の稅額による。

第十七條 昭和二十年十一月十五日以後に贈與の契󠄅約がなされて、調査時期までにその履行がなかつた場合においては、贈與の義務の金額及び受贈の權利の價額は、課稅價格の算定上、命令の定めるところにより、調査時期における贈與者又󠄂は受贈者の債務の金額又󠄂は財產の價額には、これを算入しない。

第八條第二項の規定は、前󠄃項の場合について、これを準用する。

昭和二十年十一月十五日以後に著しく低い價額の對價で財產の讓渡の契󠄅約がなされて、調査時期までにその履行がなかつた場合においては、その對價の價額と契󠄅約の時における讓渡財產の時價との差額に相當する金額について、贈與の契󠄅約がなされたものとみなして、前󠄃二項の規定を適󠄃用する。

第十八條 戰爭又󠄂は災害󠄆に起󠄃因して死亡󠄃し又󠄂は傷痍を受け若しくは疾病に罹り、これに因り、調査時期前󠄃五年以內に、一時金たる恩給、扶助金、救恤金その他の給付で命令で定めるものの支󠄂給を受けることとなつた場合においては、命令の定めるところにより、その給付金額に相當する金額を、調査時期前󠄃にその給付を受けた者又󠄂は調査時期において現にその給付を受ける權利を有してゐた者について、課稅價格から控󠄃除する。但し、その控󠄃除金額は、一萬圓を超えるこどができない。

第十九條 戰災者又󠄂は引揚者については、一人につき五千圓を、課稅價格から控󠄃除する。

第十二條第二項の規定は、前󠄃項の場合について、これを準用する。

第一項の戰災者及び引揚者の範圍は、命令でこれを定める。

第二十條 前󠄃二條の規定は、制限納󠄃稅義務者(調査時期において、この法律の施行地に住󠄃所󠄃を有し又󠄂は一年以上居所󠄃を有してゐた者を除く。)には、これを適󠄃用しない。

第二十一條 第十八條乃至前󠄃條の控󠄃除に關する規定は、第三十七條第一項又󠄂は第三十八條第一項に規定する申吿書の提出期限までに、控󠄃除に關する明細書を添󠄃附した第三十七條第一項又󠄂は第三十八條第一項の規定による申吿書の提出がない場合には、これを適󠄃用しない。

第三十八條第一項第二號に揭げる事由に因り、第三十九條第一項の規定による申吿書の修正をなすべき者につき、同項に規定する申吿書の修正期限までに、控󠄃除に關する明細書を添󠄃附した同項の規定による申吿書の修正がない場合もまた同じ。

前󠄃項の規定は、政府において已むを得ない事情󠄃があると認󠄃めるときは、これを適󠄃用しない。

第二十二條 課稅價格(第十八條乃至前󠄃條の規定による控󠄃除をなす場合においては、控󠄃除後の價額をいふ。以下特別の定をなす場合を除く外同じ。)が十萬圓以下である場合においては、財產稅を課さない。

同居家族については、課稅價格を合算し、その總額について、前󠄃項の規定を適󠄃用する。但し、第二十條に規定する制限納󠄃稅義務者については、この限りでない。

第二十三條 財產稅は、課稅價格を左の各級に區分󠄃し、遞次󠄄に各稅率󠄃を適󠄃用して、これを賦課する。

十萬圓を超える金額

百分󠄃の二十五

十一萬圓を超える金額

百分󠄃の三十

十二萬圓を超える金額

百分󠄃の三十五

十三萬圓を超える金額

百分󠄃の四十

十五萬圓を超える金額

百分󠄃の四十五

十七萬圓を超える金額

百分󠄃の五十

二十萬圓を超える金額

百分󠄃の五十五

三十萬圓を超える金額

百分󠄃の六十

五十萬圓を超える金額

百分󠄃の六十五

百萬圓を超える金額

百分󠄃の七十

百五十萬圓を超える金額

百分󠄃の七十五

三百萬圓を超える金額

百分󠄃の八十

五百萬圓を超える全󠄃額

百分󠄃の八十五

千五百萬圓を超える金額

百分󠄃の九十

前󠄃項の場合において、同居家族については、課稅價格を合算し、その總額に對し前󠄃項の規定を適󠄃用して算出した金額を、各その課稅價格に按分󠄃して、各その稅額を定める。

第二十條の規定は、前󠄃項の場合について、これを準用する。

第二十四條 第四條第四項の規定に該當する場合においては、命令の定めるところにより、被相續人が調査時期において有してゐた財產及び相續人が調査時期において有してゐた財產は、各これを區分󠄃し、その各について、第五條乃至前󠄃條の規定を適󠄃用して、その財產に對する財產稅の額を算出し、その額の合計額を以て、相續人の納󠄃付すべき財產稅額とする。

第二十五條 この法律の施行地にある土地又󠄂は家屋の價額は、その賃貸價格(旧地租法第八條又󠄂は旧家屋税法第六條に規定する賃貸價格をいふ。以下同じ。)に一定の倍數を乘じて算出した金額(命令で定める場合においては、命令で定める金額を加算した金額)による。

借地法に規定する借地權(以下借地權といふ。)の價額は、その目的となつてゐる土地の賃貸價格に一定の倍數を乘じて算出した金額による。

所󠄃有權以外の權利の目的となつてゐる土地又󠄂は家屋の價額は、その價額から當該權利の價額を控󠄃除した金額による。

第二十六條 前󠄃條第一項の一定の倍數は、命令で定める區域ごとに、その區域內において標準となるべき土地又󠄂は家屋について、取引價額を參酌して、政府において算定する價額の、その調査時期における賃貸價格に對する倍數に比準して、これを定める。

前󠄃條第二項の一定の倍數は、命令で定める區域ごとに、その區域內において標準となるべき借地權について、取引價額を參酌して、政府において算定する價額の、その借地權の目的となつてゐる土地の、その調査時期における賃貸價格に對する倍數に比準して、これを定める。

前󠄃二項の倍數は、命令の定めるところにより、政府において、これを定める。

第一項及び第二項の倍數を定めたときは、政府は、命令の定めるところにより、これを公󠄃吿し、又󠄂はこれを記載した書類を縱覽に供する。

第二十七條 左に揭げる土地若しくはこれを目的とする借地權又󠄂は家屋の價額については、第二十五條第一項又󠄂は同條第二項の規定によらず、命令の定める價額による。

一 無租地、減租年期地及び免󠄃利年期地

二 鑛泉地、池沼、牧場及び雜種地

三 地租法第百二條の規定の適󠄃用を受ける土地

四 賃貸價格が設定されてゐない家屋

五 前󠄃各號の外、通常の土地又󠄂は家屋とその狀況が著しく異る土地又󠄂は家屋

第二十八條 地上權(借地權たるものを除く。)及び永小作權の價額は、その目的となつてゐる土地の價額に命令で定める割󠄅合を乘じて算出した金額による。

第二十九條 命令で定める金融機關に對する預金、貯金及び債金その他これに準ずるものの價額は、調査時期における預金額、貯金額、債金の掛金額等による。

第三十條 公󠄃債(外貨債及び借入金を除く。)の價額は、その發行價格による。但し、利率󠄃四分󠄃以上の國債及び國債以外の公󠄃債で利率󠄃四分󠄃五厘以上のものの價額は、その發行價格、利率󠄃、償還󠄃期限等を參酌して定めたものによる。

社債その他これに準ずる財產の價額は、命令の定めるところにより、その發行價格、當該法人の資󠄄產及び收益の狀況等を參酌して定めたものによる。

株式その他の出資󠄄の價額は、命令の定めるところにより、その取引價額、當該法人の資󠄄產及び收益の狀況、類似の他の法人の株式その他の出資󠄄の取引價額等を參酌して定めたものによる。

第一項但書及び前󠄃二項の價額は、命令の定めるところにより、政府において、これを定める。

第二十六條第四項の規定は、前󠄃項の場合について、これを準用する。

第三十一條 調査時期において現に存した左に揭げる定期金の給付の契󠄅約で、その時までに定期金の給付事由が發生してゐたものに關する權利の價額は、左に揭げる金額による。

一 有期定期金については、殘存期間に受くべき給付金額に、その殘存期間に應じ、命令で定める割󠄅合を乘じて算出した金額 但し、一年間に受くべき金額の二十倍を超えることができない。

二 無期定期金については、一年間に受くべき金額の二十倍に相當する金額

三 終󠄃身定期金については、一年間に受くべき金額に、目的とされた人の年齡に應じ、命令で定める倍數を乘じて算出した金額 但し、一年間に受くべき金額の二十倍を超えることができない。

前󠄃項に規定する定期金の給付を受ける權利を有してゐた者が、調査時期後この法律施行前󠄃に死亡󠄃し、その給付が終󠄃了した場合においては、當該定期金の權利の價額は、前󠄃項の規定にかかはらず、その權利者が調査時期後給付を受けた又󠄂は受くべき金額(權利者の遺󠄃族が權利者の死亡󠄃に因り給付を受けるときは、その給付を受ける權利の價額を加算した金額)による。

前󠄃二項に定めるものの外、定期金に關する權利の價額の算定に關し必要󠄃な事項は、命令でこれを定める。

第三十二條 調査時期において現に存した郵便󠄃年金契󠄅約で、その時までにまだ年金支󠄂拂事由が發生してゐなかつたもの及び調査時期において現に存した生命保險契󠄅約で、その時までにまだ保險事故が發生してゐなかつたものに關する權利の價額は、調査時期までに拂ひ込まれた掛金又󠄂は保險料の合計額に、命令で定める割󠄅合を乘じて算出した金額による。

第三十三條 調査時期において物價統制令による統制額の定のあつた財產の價額は、その統制額を基準として命令で定める金額による。

調査時期後この法律施行前󠄃に、物價統制令により統制額をあらたに定め又󠄂は改訂した財產の價額は、その統制額を基準として命令で定める金額による。但し、その統制額をあらたに定め又󠄂は改訂する前󠄃に讓渡した財產については、この限りでない。

第三十四條 調査時期においてこの法律の施行地外にあつた財產その他命令で定める財產の價額及び命令で定める債務の金額については、諸般の狀況を勘案し、その算定をなすことができることとなつた際に、命令でその算定方法を定める。

第三十五條 第二十五條乃至前󠄃條に定めるものを除く外、調査時期における財產の價額は、その時における時價により、調査時期における財產の價額から控󠄃除すべき債務の金額に、その時の現況による。

第三十六條 調査時期における財產のうち家庭用動產以外の財產の價額から、第十二條又󠄂は第十三條の規定により、債務の金額を控󠄃除した金額(以下一般財產の價額といふ。)が五十萬圓(同居家族については一般財產の價額の合計額が五十萬圓)以下の者については、その家庭用動產の價額は、前󠄃三條の規定にかかはらず、一般財產の價額に命令で定める割󠄅合を乘じて算出した金額によることができる。

家庭用動產の前󠄃三條の規定による價額が、前󠄃項の規定により算出した金額を一萬圓以上超過󠄃する場合においては、家庭用動產の價額は、前󠄃項の規定にかかはらず、前󠄃三條の規定による價額によらなければならない。

前󠄃二項の家庭用動產の範圍は、命令でこれを定める。

第四章 申吿

第三十七條 第一條に規定する者(第二條に規定する者を除く。)は、課稅價格(第十八條乃至第二十一條の規定による控󠄃除前󠄃の課稅價格をいふ。)が十萬圓を超える場合(同居家族については、その合計額が十萬問を超える場合を含む。)においては、命令で定める日(以下第三十七條の申吿期限といふ。)までに、命令の定めるところにより、課稅價格(第十八條乃至第二十一條の規定による控󠄃除後の課稅價格をいふ。)その他必要󠄃な事項を記載した申吿書を政府に提出しなければならない。

前󠄃項の規定による申吿書には、命令の定めるところにより、第十八條乃至第二十一條の規定による控󠄃除に關する明細書を添󠄃附しなければならない。

第三十四條に規定する財產の價額及び債務の金額については、同條の規定に基く命令の定めるところにより、その算定をなすことができることとなるまでは、これを除外して、第一項に規定する課稅價格を算定しなければならない。

第三十八條 前󠄃條第一項に規定する申吿書を提出しなかつた者について、第三十七條の申吿期限後、左に揭げる事由に因り、課稅價格(第十八條乃至第二十一條の規定による控󠄃除前󠄃の課稅價格をいふ。)が十萬圓を超えることとなつた場合(同居家族については、その合計額が十萬圓を超えることとなつた場合を含む。)においては、第一條に規定する者(第二條に規定する者を除く。)は、命令で定める日(以下第三十八條の申吿期限といふ。)までに、命令の定めるところにより、前󠄃條第一項に規定する申吿書を政府に提出しなければならない。

一 前󠄃條第三項の規定により、課稅價格の算定の際除外された財產の價額及び債務の金額について、第三十四條の規定に基く命令の定めるところにより、その算定をなすことができることとなつたこと

二 その者が第四條第三項の規定に該當することとなつたこと

前󠄃條第二項の規定は、前󠄃項の場合について、これを準用する。

第三十九條 第三十七條第一項又󠄂は前󠄃條第一項の規定による申吿書を提出した者について、第三十七條の申吿期限後又󠄂は第三十八條の申吿期限後、前󠄃條第一項に揭げる事由に因り課稅價格が增加することとなつた場合においては、その者は、命令で定める日(以下第三十九條第一項の修正期限といふ。)までに、命令の定めるところにより、政府に申し出て、その申吿書を修正しなければならない。

第三十七條第二項の規定は、前󠄃條第一項第二號に揭げる事由に因り、前󠄃項の規定により申吿書を修正する場合について、これを準用する。

第一項に規定する場合を除く外、第三十七條第一項若しくは前󠄃條第一項の規定による申吿書を提出した者又󠄂は第一項の規定により申吿書を修正した者が、第三十七條の申吿期限後若しくは第三十八條の申吿期限後又󠄂は第三十九條第一項の修正期限後、その申吿又󠄂は修正に係る課稅價格について脫漏があることを發見したときは、直ちに政府に申し出て、その申吿書を修正しなければならない。

第一項及び第二項の規定は、第四十六條の規定による課稅價格の更󠄃正又󠄂は決定があつた者について、前󠄃條第一項に揭げる事由に因り課稅價格が增加することとなつた場合における課稅價格の修正について、これを準用する。

第三項の規定は、第四十六條の規定による課稅價格の更󠄃正又󠄂は決定があつた者が、更󠄃正又󠄂は決定に係る課稅價格について脫漏があることを發見した場合における課稅價格の修正について、これを準用する。

第五章 納󠄃付

第四十條 左の各號に揭げる財產稅は、當該各號に定める期眼內に納󠄃付しなければならない。

一 第三十七條第一項の規定による申吿書に記載された課稅價格に對する財產稅については、第三十七條の申吿期限後一箇月

二 第三十七條の申吿期限後又󠄂は第三十八條の申吿期限後課稅價格の申吿書の提出があつた場合において、その申吿書に記載された課稅價格に對する財產稅については、その申吿書提出後一箇月

三 第三十八條の規定による申吿書に記載された課稅價格に對する財產稅については、第三十八條の申吿期限後一箇月

四 前󠄃條第一項の規定による申吿書の修正又󠄂は同條第四項の規定による課稅價格の修正があつた場合において、その修正に因り增加する稅額に相當する財產稅については、第三十九條第一項の修正期限後一箇月

五 前󠄃條第三項の規定による申吿書の修正又󠄂は同條第五項の規定によろ課稅價格の修正があつた場合において、その修正に因り增加する稅額に相當する財產稅については、その申吿書の修正後又󠄂はその課稅價格の修正後一箇月

納󠄃稅義務者が、前󠄃項各號に揭げる財產稅を、當該各號に定める期限內に完納󠄃しなかつたときは、政府は、國稅徵收法第九條の規定により、これを督促する。

第四十一條 第四條第四項の規定に該當する場合において、その相續が戶主の死亡󠄃以外の原因に因る家督相續であるときは、被相續人は、命令の定めるところにより、同項の規定により相續人の納󠄃付すべき財產稅について、連󠄃帶納󠄃付の責に任ずる。

第四條第四項の規定に該當する場合においては、國籍喪失に因る相續人又󠄂は限定承認󠄃をなした相續人は、相續に因つて得た財產の限度において、財產稅納󠄃付の責に任ずる。

第四十二條 第六條第一項の規定の適󠄃用があつた場合においては、委託者は、命令の定めるところにより、受益者が納󠄃付すべき財產稅額のうち、その課稅價格中當該信託財產又󠄂は當該信託に關する權利の價額が占める割󠄅合に應じて按分󠄃した金額に相當する財產稅について、連󠄃帶納󠄃付の責に任ずる。

第四十三條 第八條第一項の場合において、受贈者又󠄂に相續人に、命令の定めるところにより、贈與者又󠄂は被相續人の納󠄃付すべき財產稅額のうち、その課稅價格中同項に規定する贈與財產又󠄂は相續財產の價額が占める割󠄅合に應じて按分󠄃した金額に相當する財產稅について、連󠄃帶納󠄃付の責に任ずる。

第八條第一項の場合において、贈與者又󠄂に被相續人が財產稅を納󠄃付したときは、贈與者又󠄂は被相續人は、命令の定めるところにより、その納󠄃付した財產稅額のうち、その課稅價格中同項に規定する贈與財產又󠄂は相續財產の價額が占める割󠄅合に應じて按分󠄃した金額を、受贈者又󠄂は相續人に對して請󠄃求することができる。

昭和二十年十一月十五日以後調査時期前󠄃に贈與の契󠄅約がなされて、調査時期後その履行があつた場合において、贈與者が財產稅を納󠄃付したときは、贈與者は、命令の定めるところにより、その納󠄃付した財產稅額のうち、その課稅價格中贈與財產の價額が占める割󠄅合に應じて按分󠄃した金額を、受贈者に對して請󠄃求することができる。

第四十四條 調査時期後贈與、遺󠄃贈又󠄂は寄附行爲に因る財產の移轉があつたときは、受贈者、受遺󠄃者又󠄂は寄附行爲に因り設立された財團法人は、命令の定めるところにより、その受けた利益の限度において、贈與者、遺󠄃贈者の相續人若しくは相續財團又󠄂は寄附行爲者が納󠄃付すべき財產稅について、連󠄃帶納󠄃付の責に任ずる。

第八條第三項の規定は、前󠄃項の場合について、これを準用する。この場合において、同項中「第一項の期間內に」とあるのは、「調査時期後」、「前󠄃二項」とあるのは、「前󠄃項」と讀み替へるものとする。

第四十五條 納󠄃稅義務者は、財產稅を納󠄃付するため必要󠄃があるときは、命令の定めるところにより、命令で定める預金、貯金その他の債權の全󠄃部又󠄂は一部について、期限前󠄃の拂戾を請󠄃求し、又󠄂はこれらに關する契󠄅約を解除し、若しくは變更󠄃することができる。

前󠄃項の規定は、財產稅につき連󠄃帶納󠄃付の責に任ずる者(國稅徵收法第四條ノ三第一項但書の規定により財產稅を徵收される者を含む。以下同じ。)について、これを準用する。

前󠄃二項の場合において、その契󠄅約の相手方が、納󠄃稅義務者又󠄂は財產稅につき連󠄃帶納󠄃付の責に任ずる者に給付すべき金額その他必要󠄃な事項は、命令でこれを定める。

第六章 課稅價格の更󠄃正及び決定

第四十六條 第三十七條第一項若しくは第三十八條第一項の規定による申吿書が提出された場合又󠄂は第三十九條第一項若しくは同條第三項の規定による申吿書の修正があつた場合において、申吿又󠄂は修正に係る課稅價格が、政府において調査した課稅價格と異るときは、政府は、その調査により、その課稅價格を更󠄃正する。第三十九條第四項又󠄂は同條第五項の規定による課稅價格の修正があつた場合において、修正に係る課稅價格が、政府において調査した課稅價格と異るときもまた同じ。

前󠄃項の規定は、第四十八條第一項の規定により、課稅價格の更󠄃正の請󠄃求があつた場合について、これを準用する。

政府は、納󠄃稅義務があると認󠄃められる者が第三十七條第一項又󠄂は第三十八條第一項の規定による申吿書を提出しなかつた場合においては、政府の調査により、その課稅價格を決定する。

政府は、前三項の規定による課稅價格の更󠄃正又󠄂は決定後、その更󠄃正し又󠄂は決定した課稅價格について脫漏があることを發見したときは、政府の調査により、その課稅價格を更󠄃正することができる。

前四項の規定による課稅價格の更󠄃正又󠄂は決定は、この法律施行後五年間(第三十八條第一項第一号又󠄂は第三十九條第一項の規定により提出すべき申吿書に係る課税価格の更󠄃正又󠄂は決定については、第三十四條に規定する財産の価額又󠄂は債務の金額を算定することができることとなつた日後三年間)に限り、これを行ふことができる。

第四十七條 第三十七條第三項の規定により、課稅價格の算定の際除外された財產の價額及び債務の金額については、第三十四條の規定に基く命令の定めるところにより、その算定をなすことができることとなるまでは、政府は、これを除外して、前󠄃條の規定による課稅價格の更󠄃正又󠄂は決定をしなければならない。

第四十八條 第三十七條第一項若しくは第三十八條第一項の規定による申吿書を提出した者、第三十九條第一項若しくは同條第三項の規定により申吿書を修正した者又󠄂に同條第四項若しくは同條第五項の規定により課稅價格を修正した者が、その課稅價格が過󠄃大であつたことを發見したときは、第三十七條の申吿期限後若しくは第三十八條の申吿期限後、第三十九條第一項の修正期限後若しくは同條第三項の規定による申吿書の修正後又󠄂は同條第四項若しくは同條第五項の規定による課稅價格の修正後一箇月間を限り、政府に對し、その課稅價格の更󠄃正を請󠄃求することができる。

前󠄃項の請󠄃求があつた場合においても、政府は、稅金の徵收を猶󠄅豫しない。

第四十九條 政府は、第四十六條の規定により、課稅價格を更󠄃正し又󠄂は決定したときに、これを納󠄃稅義務者に通知する。

政府は、前󠄃條第一項の請󠄃求があつた場合において、その請󠄃求を理由なしと認󠄃めるときは、その請󠄃求をなした者に、その旨を通知する。

この法律の施行地に住󠄃所󠄃及び居所󠄃を有しない個人が、第七十三條に規定する納󠄃稅管理への申吿をしてゐないときは、前󠄃二項の通知に代へて公󠄃吿をすることができる。この場合において、公󠄃吿の初日から七日を經過󠄃したときに、その通知があつたものとみなす。

第五十條 政府は、第四十六條の規定により課稅價格を更󠄃正し又󠄂は決定した場合においては、前󠄃條第一項の通知をなした日から一箇月後を納󠄃期限として、その追󠄃徵稅額(その不足稅額又󠄂にその決定による稅額をいふ。以下同じ。)を徵收する。但し、納󠄃税義務者が、第七十三條に規定する納󠄃税管理人の申吿をなさないで、この法律の施行地に住󠄃所及び居所を有しないこととなる場合においては、直ちに追󠄃徵稅額を徵收する。

第七章 審査、訴願及び行政訴訟󠄃

第五十一條乃至第五十四條 削除

第八章 物納󠄃及び延納󠄃

第五十五條 調査時期における財產のうちに、金融機關經理應急󠄃措置法により、金融機關の舊勘定に屬することとなつた預金、貯金その他の債權で命令で定めるもの(以下舊勘定預金等といふ。)に相當すると認󠄃められる財產(以下舊勘定財產といふ。)があるときは、納󠄃稅義務者は、その納󠄃付すべき財產稅額と、課稅價格から舊勘定財產の價額を控󠄃除した金額により計算した財產稅の額との差額に相當する稅額について、舊勘定預金等による納󠄃付を申請󠄃することができる。

財產稅につき連󠄃帶納󠄃付の責に任ずる者が、當該財產稅に關する舊勘定財產に相當する舊勘定預金等を有するときは、その者は、命令の定めるところにより、舊勘定預金等による納󠄃付を申請󠄃することができる。

前󠄃二項の舊勘定財產の範圍その他前󠄃二項の規定の適󠄃用について必要󠄃な事項は、命令でこれを定める。

第五十六條 前󠄃條に規定する場合を除く外、納󠄃稅義務者は、その納󠄃付すべき財產稅額のうち、金錢で納󠄃付することを困難とする金額について、物納󠄃(舊勘定預金等による納󠄃付を除く。以下同じ。)を申請󠄃することができる。

前󠄃項の規定は、財產稅につき連󠄃帶納󠄃付のとに任ずる者について、これを準用する。

前󠄃二項の場合において、物納󠄃に充てることができる財產の種類その他物納󠄃に關し必要󠄃な事項は、命令でこれを定める。

第五十七條 前󠄃條第一項の場合において、財產稅の物納󠄃を困難とする特別の事由があるときに、納󠄃稅義務者は、物納󠄃を困難とする金額を限度として、擔保を提供し、その延納󠄃を申請󠄃することができる。

前󠄃項の場合において、延納󠄃の期限は、これを第四十條第一項各號に揭げる期限後又󠄂は第五十條に規定する納󠄃期限後一年以內とし、已むを得ないと認󠄃められる場合においては、二年以內とすることができる。

前󠄃項に定めるものを除く外、擔保の種額その他延納󠄃に關し必要󠄃な事項は、命令でこれを定める。

第五十八條 政府は、前󠄃三條の規定により、財產稅の舊勘定預金等による納󠄃付、物納󠄃又󠄂は延納󠄃の申請󠄃があつた場合において、必要󠄃があると認󠄃めるときは、稅金の納󠄃付を猶󠄅豫することができる。

第五十九條 第五十五條第一項若しくは同條第二項又󠄂は第五十六條第一項若しくは同條第二項の規定の適󠄃用を受けて納󠄃付した財產稅につき過󠄃誤󠄄納󠄃があつた場合の還󠄃付に關し必要󠄃ば事項は、命令でこれを定める。

第九章 雜則

第六十條 納󠄃稅義務者が、災書に因り著しく資󠄄力を喪失して、納󠄃稅困難と認󠄃められるときは。政府は、命令の定めろところにより、財產稅を輕減し又󠄂は免󠄃除することができる。

政府は、前󠄃項の場合において、同項の規定による輕減又󠄂は免󠄃除に關する處分󠄃が確定するまで、稅金の徵收を猶󠄅豫することができる。

第六十一條 納󠄃稅義務者の舊勘定財產に相當する舊勘定預金等について、金融機關再建󠄄整備法による舊勘定の最終󠄃處理の結果、その債權の全󠄃部又󠄂は一部が消󠄃滅した場合における財產稅の課稅に關し必要󠄃な措置は、政令の定めるところによる。

第六十二條 第三十七條第一項又󠄂は第三十八條第一項の規定による申吿書を提出した納󠄃稅義務者で、その申吿書に記載された課稅價格が五十萬圓を超えるものについては、政府は、第三十七條の申吿期限後又󠄂は第三十八條の申吿期限後四箇月以內に、申吿書の記載に從ひ、氏名、課稅價格、稅額竝びにその財產及び債務に關する事項を公󠄃吿する。

前󠄃項の規定による公󠄃吿に關し必要󠄃な事項は、命令でこれを定める。

第六十三條 削除

第六十四條 納󠄃稅義務があると認󠄃められる者が申吿書を提出しなかつた事實又󠄂は課稅價格に脫漏があると認󠄃められる事實を、政府に報吿した者がある場合において、政府がその報吿に因つて課稅價格を決定し又󠄂は更󠄃正したときは、政府は、命令の定めるところにより、その報吿者に對し、課稅價格の決定又󠄂は更󠄃正に因り徵收することができた稅額の百分󠄃の二す五以下に相當する金額を、報償金として交󠄄付することができる。但し、報償金の金額は十萬圓を超えることができない。

前󠄃項の規定は、その報吿をなした者が官吏󠄄又󠄂は待遇󠄄官吏󠄄であるときは、これを適󠄃用しない。その報吿が管理若しくは待遇󠄄官吏󠄄の知得した事實、公󠄃務員(官吏󠄄及び待遇󠄄官吏󠄄を除く。)の職務上知得した事實、又󠄂は不法の行爲に因り知得した事實に基くものである場合もまた同じ。

第六十五條 納󠄃稅義務者は、第四十條第一項第二號又󠄂は同項第五號に揭げる財產稅については、同項當該各號に揭げる期限內に、命令の定めるところにより、命令で定める期間に應じ、當該稅額に年百分󠄃の十の割󠄅合を乘じて算出した金額に相當する稅額を加算して納󠄃付しなければならない。

第四十條第二項の規定は、前󠄃項の場合について、これを準用する。

第一項の規定は、政府が、第五十條の規定による追󠄃徵稅額又󠄂は第五十七條第一項の規定による延納󠄃稅額に相當する財產稅を徵收する場合について、これを準用する。

第六十六條 第四十條第一項第二號若しくは同項第五號に揭げる財產稅の納󠄃付があつた場合又󠄂は第五十條の規定による追󠄃徵稅額に相當する財產稅を徵收することとなつた場合においては、第三十七條の申吿期限內若しくは第三十八條の申吿期限內に申吿書の提出がなかつたこと、第三十九條第一項の修正期限內に申吿書の修正若しくは課稅價格の修正がなかつたこと又󠄂は納󠄃稅義務者の申吿若しくは修正した課稅價格が政府の調査した課稅價格と異ることについて已むを得ない事由があると認󠄃められる場合を除く外、政府は、命令の定めるところにより、命令で定める期間に應じ、當該稅額に一箇月を經過󠄃するごとに百分󠄃の五の割󠄅合を乘じて算出した金額に相當する稅額の財產稅を追󠄃徵する。但し、この金額は、當該稅額に百分󠄃の五十を乘じて算出した金額を超えることができない。

前󠄃項の規定により追󠄃徵する稅額については、第五十七條第一項の規定は、これを適󠄃用しない。

第六十七條 政府は、前󠄃條第一項の規定により追󠄃徵する稅額を決定したときは、これを納󠄃稅義務者に通知する。

第四十九條第三項の規定は、前󠄃項の場合について、これを準用する。

第六十八條 株式會社以外の法人で出資󠄄證券󠄃を發行しないものは、命令の定めるところにより、調査時期における出資󠄄について、出資󠄄者別の調書を政府に提出しなければならない。

年金たる恩給又󠄂はこれに準ずる給付の支󠄂拂をなす者は、命令の定めるところにより、調査時期におけるその給付の債務について、受給者別の調書を政府に提出しなければならない。

信託會社は、命令の定めるところにより、調査時期における金錢信託及び有價證券󠄃信託以外の信託について、受益者別の調書を政府に提出しなければならない。

保險會社は、命令の定めるところにより、昭和二十年三月三日から調査時期までの間に契󠄅約をなした動產を目的とする損害󠄆保險契󠄅約について、契󠄅約者別の調書を政府に提出しなければならない。

前󠄃三項に規定するものを除く外、法人は、命令の定めるところにより、調査時期における命令で定める債務について、債權者別の調書を政府に提出しなければならない。

第六十九條 法人稅又󠄂は特別法人稅を課せられる法人は、命令の定めるところにより、命令で定める日における資󠄄產及び負債に關する明細書その他株式その他の出資󠄄の價額の算定上必要󠄃な事項を記載した書類を、政府に提出しなければならない。。

第七十條 收稅官吏󠄄は、財產稅に關する調査又󠄂は財產稅の徵收について必要󠄃があるときは、左に揭げる者に質問し又󠄂はその財產若しくはその財產に關する帳簿󠄃書類その他の物件を檢査することができる。

一 納󠄃稅義務者又󠄂は納󠄃稅義務があると認󠄃められる者

二 第六十八條の調書又󠄂は前󠄃條の明細書若しくは書類を提出しなければならない者

三 納󠄃稅義務者又󠄂は納󠄃稅義務があると認󠄃められる者に對し、債權若しくは債務を有してゐたと認󠄃められる者又󠄂は債權若しくは債務を有すると認󠄃められる者

四 納󠄃稅義務者又󠄂は納󠄃稅義務があると認󠄃められる者が、出資󠄄者であつたと認󠄃められる法人又󠄂は出資󠄄者であると認󠄃められる法人

五 納󠄃稅義務者又󠄂は納󠄃稅義務があると認󠄃められる者に對し、財產を讓渡したと認󠄃められる者又󠄂は財產を讓渡する義務があると認󠄃められる者

六 納󠄃稅義務者又󠄂は納󠄃稅義務があると認󠄃められる者から、財產を取得したと認󠄃められる者又󠄂は財產を取得する權利があると認󠄃められる者

七 納󠄃稅義務者又󠄂は納󠄃稅義務があると認󠄃められる者の財產を、保管したと認󠄃められる者又󠄂は保管すると認󠄃められる者

八 納󠄃稅義務者又󠄂は納󠄃稅義務があると認󠄃められる者が、その營業又󠄂は事業に關し加入してゐたと認󠄃められる團體又󠄂は加入してゐると認󠄃められる團體

第七十一條 收稅官吏󠄄は、財產稅に關する調査又󠄂は財產稅の徵收について必要󠄃があるときに、公󠄃證人の作成󠄃した證書の原本及びその附屬書類竝びに法令により公󠄃證人の調製した帳簿󠄃を閱覽し、又󠄂はその內容について公󠄃證人に質問することができる。

第七十二條 財產稅は、納󠄃稅義務者の住󠄃所󠄃地、この法律の施行地に住󠄃所󠄃のないときは居所󠄃地をその納󠄃稅地とする。但し、納󠄃稅義務者は、政府に申吿して、居所󠄃地を納󠄃稅地とすることができる。

この法律の施行地に住󠄃所󠄃及び居所󠄃のない納󠄃稅義務者は、命令の定めるところにより、納󠄃稅地を定めて政府に申吿しなければならない。その申吿のないときは、政府が、その納󠄃稅地を指定する。

第七十三條 納󠄃稅義務者が、納󠄃稅地に現住󠄃しないときは、この法律による申吿書の提出その他財產稅に關する一切の事項を處理させるため、納󠄃稅地に居住󠄃する者のうちから納󠄃稅管理人を定め、政府に申吿しなければならない。納󠄃稅義務者が、この法律の施行地に住󠄃所󠄃及び居所󠄃を有しないこととなるときもまた同じ。

第七十四條 同族會社の昭和二十年十一月十五日以後の行爲又󠄂は計算で、その株主若しくは社員又󠄂はこれと親族、使用人等特殊の關係がある者について、課稅價格を減少せしめると認󠄃められるものがあつた場合においては、政府は、課稅價格の更󠄃正又󠄂は決定に際し、その行爲又󠄂は計算にかかはらず、その認󠄃めるところにより、課稅價格を算定することができる。

前󠄃項の同族會社とは、旧法人税法(昭和十五年法律第二十五号)第十七條第三項に規定する法人をいふ。

第七十五條 都道󠄃府縣、市町村その他の公󠄃共團體は、財產稅の附加稅を課することができない。

第十章 罰則

第七十六條 詐僞その他不正の行爲により財產稅を逋脫した者は、これを三年以下の懲役又󠄂はその逋脫した稅金の三倍以下に相當する罰金又󠄂は科料に處する。

前󠄃項の罰金は、千圓を下ることができない。

第一項の罪を犯した者には、情󠄃狀に因り、懲役及び罰金を倂科することができる。

第一項の場合においては、政府は、直ちにその課稅價格を決定し、その稅金を徵收する。

第七十七條 左の各號の一に該當する者は、一年以下の懲役又󠄂は一萬圓以下の罰金に處する。

一 正當の事由なくして、第六十八條の調書、又󠄂は第六十九條の明細書若しくは書類を提出せず、又󠄂はその調書、又󠄂は明細書若しくは書類に虛僞の記載をなして、これを提出した者

二 第七十條の規定による財產又󠄂はその財產に關する帳簿󠄃書類その他の物件の檢査を拒み、妨げ、又󠄂は忌避󠄃した者

三 前󠄃號の帳簿󠄃書類で虛僞の記載をなしたものを呈󠄄示した者

四 第七十條の規定による收稅官吏󠄄の質問に對し答辯をなさない者

五 前󠄃號の質問に對し虛僞の答辯をなした者

第七十八條 財產稅に關する調査、評󠄃價若しくは審査の事務に從事してゐる者又󠄂はこれに從事してゐた者が、その調査、評󠄃價又󠄂は審査に關して知得した祕密を漏泄し、又󠄂は竊用したときは、これを二年以下の懲役又󠄂は二萬圓以下の罰金に處する。

第七十九條 法人の代表者又󠄂は法人若しくは人の代理人、使用人その他の從業者が、その法人又󠄂は人の業務又󠄂は財產に關して、第七十六條又󠄂は第七十七條第一號若しくは同條第三號乃至第五號の違󠄄反行爲をなしたときは、その行爲者を罰する外、その法人又󠄂は人に對し、各本條の罰金刑を科する。

第八十條 他人の財產稅について、政府に對し、第六十四條に揭げる事實に關する虛僞の報吿をなした者は、これを三年以下の懲役又󠄂は一萬圓以下の罰金に處する。

第八十一條 第七十六條第一項の罪を犯した者には、刑法第三十八條第三項但書第三十九條第二項第四十條第四十一條第四十八條第二項第六十三條及び第六十六條の規定は、これを適󠄃用しない。但し、懲役刑に處するときは、この限りでない。

第十一章 補則

第八十二條 皇室の財產に對する財產稅に關し必要󠄃な事項は、この法律の定めるところに準じ、皇室令を以て、これを定める。

附則

この法律施行の期日は、政令でこれを定める。

この法律は、本州、北海道󠄃、四國、九州及びその附屬島嶼(政令で定める地域を除く。)にこれを施行する。

調査時期後この法律施行前󠄃に開始した相續については、財產稅額は、命令の定めるところにより、相續稅法第三條又󠄂は第三條ノニに揭げる公󠄃課とみなす。

金融緊急󠄃措置令の一部を次󠄄のやうに改正する。

第三條第一項に次󠄄の但書を加へる。

但シ財產稅法第五十五條ノ規定ニ依リ同條第一項ニ規定スル舊勘定預金等ヲ以テ財產稅ヲ納󠄃付スル場合其ノ他命令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ

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  1. 法律命令及官公󠄁文󠄁書
  2. 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
  3. 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁

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