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臺灣總督府地方官官制 (明治四十五年七月二日勅令第百四十四号)

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朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ臺灣總督府地方官官制中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

御名御璽

明治四十五年七月二日

內閣總理大臣侯爵西園寺公望

勅令第百四十四號
臺灣總督府地方官官制中左ノ通改正ス
第三條中「千五百二十八人」ヲ「千五百五十七人」ニ改ム
第十八條

廳ニ警察醫ヲ置キ奏任官又ハ判任官ノ待遇トス
警察醫ハ警察ニ關スル醫務ニ從事ス

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本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス

臺灣總督府地方官官制

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第一條

臺灣ニ左ノ廳ヲ置ク其ノ位置及管轄區域ハ臺灣總督之ヲ定ム
臺北廳
宜蘭廳
桃園廳
新竹廳
臺中廳
南投廳
嘉義廳
臺南廳
阿緱廳
臺東廳
花蓮港廳
澎湖廳

第二條

各廳ニ左ノ職員ヲ置ク
廳長奏任一人
判任
警部判任
技手判任
通譯判任
警部補判任
前項職員ノ外俸給豫算定額內ニ於テ各廳ヲ通シテ事務官十五人、警視十一人及技師十二人ヲ置クコトヲ得
事務官、警視及技師ハ奏任トス

第三條

(削除)
廳判任官ハ各廳ヲ通シテ專任千五百五十七人ヲ以テ定員トス各廳ノ定員ハ臺灣總督之ヲ定メ其ノ各官ノ定員ハ臺灣總督ノ認可ヲ經テ廳長之ヲ定ム

第四條

廳長ハ臺灣總督ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ執行シ部內ノ行政事務ヲ管理ス

第五條

廳長ハ部內ノ行政事務ニ付其ノ職權若ハ特別ノ委任ニ依リ管內一般又ハ其ノ一部ニ廳令ヲ發シ之ニ拘留又ハ科料ノ罰則ヲ附スルコトヲ得

第六條

廳長ハ管內ノ靜謐ヲ維持スル爲兵力ヲ要スルトキハ之ヲ臺灣總督ニ具狀スヘシ但シ非常急變ノ場合ニ際シテハ直ニ其ノ附近地ノ旅團長若ハ守備隊長ニ出兵ヲ要求スルコトヲ得

第七條

廳長ハ所部ノ官吏ヲ監督シ判任官ノ進退ヲ臺灣總督ニ具狀ス

第八條

廳長ハ廳中處務ノ細則ヲ設クルコトヲ得

第九條

廳長事故アルトキハ部下ノ事務官及警視又ハ屬及警部中ノ上席者其ノ職務ヲ代理ス
廳長ハ部下ノ官吏ヲシテ其ノ事務ノ一部ヲ臨時代理セシムルコトヲ得

第十條

廳中事務ノ分課ハ臺灣總督之ヲ定ム

第十一條

廳長ハ廳ノ事務ヲ分掌セシムル爲臺灣總督ノ認可ヲ經テ支廳ノ置クコトヲ得
支廳長ハ事務官、警視、屬、警部又ハ技手ヲ以テ之ニ充ツ

第十二條

支廳長事故アルトキハ上席官吏其ノ職務ヲ代理ス
事務官ハ廳長ノ命ヲ承ケ廳務ヲ掌ル
警視ハ廳長ノ命ヲ受ケ警察ニ關スル事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ指揮監督ス
技師ハ廳長ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル

第十三條

屬ハ課又ハ支廳ニ分屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス

第十四條

警部ハ課又ハ支廳ニ分屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ警察ニ關スル事務ニ從事シ部下ノ巡査補ヲ指揮監督ス
警部補ハ課又ハ支廳ニ分屬シ警部ノ職務ヲ補助ス

第十五條

技手ハ課又ハ支廳ニ分屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ從事ス

第十六條

通譯ハ課又ハ支廳ニ分屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ通譯ニ從事ス

第十七條

巡査及巡査補ニ關スル規程ハ別ニ之ヲ定ム

第十八條

廳ニ警察醫ヲ置キ奏任官又ハ判任官ノ待遇トス
警察醫ハ警察ニ關スル醫務ニ從事ス

第十九條

廳ニ參事ヲ置クコトヲ得
參事ハ各廳十人以內トシ判任官ノ待遇トス
參事ハ廳管轄內ニ居住シ學識名望アル者ニ就キ廳長之ヲ命ス

第二十條

參事ハ部內ノ行政事務ニ關シ廳長ノ諮問ニ對シ意見ヲ述フルモノトス
參事ハ廳長ノ命ヲ承ケ事務ニ從事スルコトアルヘシ

この著作物は、日本国の著作権法第10条1項ないし3項により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。(なお、この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により、発行当時においても、著作権の目的となっていませんでした。)


この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。