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臺灣總督府地方官官制 (明治三十四年四月三十日勅令第八十七号)

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朕臺灣總督府地方官官制中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

御名御璽

明治三十四年四月三十日

內閣總理大臣侯伊藤博文
文學博士男爵末松謙澄

勅令第八十七號
臺灣總督府地方官官制中左ノ通改正ス
第一條中臺東廳ノ下「及」ヲ削リ澎湖廳ノ下ニ「及恆春廳」ヲ加フ
第二條中警部ノ次ニ「警部補」ヲ加フ
第三條中臺東廳ノ下「及」ヲ削リ澎湖廳ノ下ニ「及恆春廳」及警部ノ次ニ「警部補」ヲ加フ
第八條中警部ノ下ニ「警部補」ヲ加ヘ「六百七十二人」ヲ「九百七十四人」ニ改ム
第十九條第二項中臺東廳ノ下「及」ヲ削リ澎湖廳ノ下ニ「及恆春廳」ヲ加フ
第二十四條ニ左ノ一項ヲ加フ

警部補ハ警察課又ハ辨務署、辨務支署ニ分屬シ警部ノ職務ヲ補助ス

第二十九條中巡査ノ下ニ「及巡査補」ヲ加フ
第三十六條中「五百五十人」ヲ「五百四人」ニ改ム
第四十二條第一項中「各其ノ上席主記、警部又ハ技手」ヲ「上席判任官」ニ改ム
第四十三條中警部ノ下ニ「警部補」ヲ加フ

臺灣總督府地方官官制

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第一條

臺灣ニ臺北縣、臺中縣、臺南縣、宜蘭廳、臺東廳、澎湖廳及恆春廳ヲ置ク其ノ位置及管轄區域ハ臺灣總督之ヲ定ム

第二條

各縣ニ左ノ職員ヲ置ク
知事
書記官
警部長
稅務官
技師
技手
警部
警部補
通譯

第三條

各廳ニ左ノ職員ヲ置ク但シ臺東廳、澎湖廳及恆春廳ニハ書記官、警部長及技師ヲ置カス
廳長
書記官
警部長
技師
技手
警部
警部補
通譯

第四條

知事ハ一人勅任トス

第五條

廳長ハ一人奏任トス

第六條

書記官、警部長、稅務官、技師ハ各一人奏任トス

第七條

技師ハ前條定員ノ外縣、廳ノ須要ニ依リ俸給豫算定額內ニ於テ適宜之ヲ置クコトヲ得

第八條

屬、技手、警部、警部補及通譯ハ判任トス各縣各廳ヲ通シテ專任九百七十四人ヲ以テ定員トス其ノ各縣各廳ノ定員ハ臺灣總督之ヲ定メ其ノ各官ノ定員ハ臺灣總督ノ認可ヲ經テ知事、廳長之ヲ定ム

第九條

知事、廳長ハ臺灣總督ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ執行シ部內ノ行政事務ヲ管理ス

第十條

知事、廳長ハ部內ノ行政事務ニ付其ノ職權若ハ特別ノ委任ニ依リ管內一般又ハ其ノ一部ニ縣令、廳令ヲ發シ之ニ禁錮二十五日以下又ハ罰金二十五圓以內ノ罰則ヲ附スルコトヲ得

第十一條

知事ハ辨務署長ノ處分若ハ命令ノ成規ニ違ヒ公益ヲ害シ又ハ權限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ其ノ處分若ハ命令ヲ取消シ又ハ停止スルコトヲ得

第十二條

知事、廳長ハ管內ノ靜謐ヲ維持スルカ爲メ兵力ヲ要スルトキハ之ヲ臺灣總督ニ具狀スヘシ但シ其ノ非常急變ノ場合ニ際シテハ直ニ其ノ附近地ノ旅團長若ハ守備隊長ニ出兵ヲ要求スルコトヲ得

第十三條

知事、廳長ハ所部ノ官吏ヲ監督シ奏任官ノ功過ハ臺灣總督ニ具狀シ判任官以下ノ進退ハ之ヲ專行ス

第十四條

知事、廳長ハ所部ノ奏任官ノ懲戒ヲ臺灣總督ニ具狀シ判任官以下ハ之ヲ專行ス

第十五條

知事、廳長ハ廳中處務ノ細則ヲ設クルコトヲ得

第十六條

知事、廳長事故アルトキハ上席高等官其ノ事務ヲ代理ス
知事、廳長ハ縣、廳ノ官吏ヲシテ其ノ事務ノ一部ヲ臨時代理セシムルコトヲ得

第十七條

知事ハ臺灣總督ノ認可ヲ經テ其ノ職權ニ屬スル事務ノ一部ヲ辨務署長ニ委任スルコトヲ得

第十八條

各縣ニ知事官房、內務部、稅務部及警察部ヲ置キ各廳ニ總務課及警察課ヲ置ク其ノ事務ノ分掌ハ臺灣總督ノ認可ヲ經テ知事、廳長之ヲ改ム

第十九條第一項中「典獄ハ監獄署長」ヲ削リ第二項ヲ左ノ如ク改ム

宜蘭廳ニ在リテハ書記官ハ總務課長、警部長ハ警察課長ト爲リ臺東廳及澎湖廳ニ在リテハ廳長ハ總務課長警部ノ內一人警察課長ト爲リ廳長ノ命ヲ承ケ所部ノ事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ監督ス

第十九條

縣ニ在テハ書記官ハ內務部長、稅務官ハ稅務部長、警部長ハ警察部長ト爲リ知事ノ命ヲ承ケ所部ノ事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ監督ス
宜蘭廳ニ在リテハ書記官ハ總務課長、警部長ハ警察課長ト爲リ臺東廳、澎湖廳及恆春廳ニ在リテハ廳長ハ總務課長警部ノ內一人警察課長ト爲リ廳長ノ命ヲ承ケ

第二十條

各部長、課長事故アルトキハ知事、廳長ニ於テ縣、廳官吏ノ一人ヲシテ其ノ事務ヲ代理セシム

第二十一條

技師ハ上官ノ命ヲ承ケ技術ニ關スル事ヲ掌ス

第二十二條

屬ハ縣ニ在テハ知事官房、內務部又ハ稅務部ニ屬シ廳ニ在テハ總務課ニ屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス

第二十三條

技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ從事ス

第二十四條

警部ハ警察部、警察課又ハ辨務署、辨務支署ニ分屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ警察ニ關スル事務ヲ分掌シ部下ノ巡査ヲ指揮監督ス
警部補ハ警察課又ハ辨務署、辨務支署ニ分屬シ警部ノ職務ヲ補助ス

第二十五條

(削除)

第二十六條

(削除)

第二十七條

通譯ハ縣、廳ノ各部、課及其ノ他ノ官署ニ分屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ通譯ニ從事ス

第二十八條

(削除)

第二十九條

巡査及巡査補ニ關スル規程ハ別ニ之ヲ定ム

第三十條

縣、廳職員ノ外警察醫及監獄醫ヲ置キ判任官ノ待遇トス

第三十一條

縣、廳ニ參事ヲ置クコトヲ得
參事ハ各縣各廳五人以內トシ奏任官ノ待遇トス
參事ハ縣、廳管轄內ニ居住シ學識、名望アル者ニ就キ內務大臣ヲ經テ臺灣總督之ヲ奏薦宣行ス

第三十二條

參事ハ地方ノ行政事務ニ關シ知事、廳長ノ諮問ニ對シ意見ヲ述フルモノトス
參事ハ知事、廳長ノ命ヲ承ケ事務ニ從事スルコトアルヘシ

第三十三條

縣ノ管內須要ノ地ニ辨務署ヲ置ク其ノ位置名稱及管轄區域ハ臺灣總督之ヲ定ム
廳ノ管內ニハ辨務署ヲ置カス廳ニ於テ其ノ事務ヲ管理ス
前項事務ノ爲メ廳ノ管內ニ其ノ出張所ヲ置クコトヲ得出張所ノ名稱、位置及管轄區域ハ臺灣總督之ヲ定ム

第三十四條

各辨務署ニ警部ノ外左ノ職員ヲ置ク
署長
主記
技手

第三十五條

署長ハ各署一人奏任又ハ判任トス

第三十六條

主記、技手ハ判任トス各署ヲ通シテ專任五百四人ヲ以テ定員トス其ノ各縣下ノ定員ハ臺灣總督之ヲ定メ其ノ各官ノ定員竝ニ各辨務署ノ定員ハ知事之ヲ定ム

第三十七條

各辨務署ニ左ノ三課ヲ置キ事務ヲ分掌セシム
第一課 他課ノ主務ニ屬セサル一切ノ事務ヲ掌ル
第二課 警察ニ關スル事務ヲ掌ル
第三課 蕃人蕃地ニ關スル事務ヲ掌ル
知事ハ各辨務署ノ須要ニ應シ臺灣總督ノ認可ヲ經テ前項分課中ノ一課若ハ二課ヲ置カサルコトヲ得

第三十八條

知事ハ辨務署ノ或ル一部ノ事務ヲ掌理セシムル爲メ臺灣總督ノ認可ヲ經テ辨務署ノ下ニ辨務支署ヲ置クコトヲ得
辨務支署長ハ主記、警部又ハ技手ヲ以テ之ヲ充ツ

第三十九條

署長ハ知事、支署長ハ署長ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ執行シ部內ノ行政事務ヲ掌理ス

第四十條

署長ハ部下ノ官吏ヲ監督シ其ノ進退、功過ヲ知事ニ具狀ス

第四十一條

署長ハ部內ノ街、庄、社等ノ長ヲ監督シ其ノ進退及成績ヲ知事ニ具狀ス

第四十二條

署長、支署長事故アルトキハ上席判任官其ノ職務ヲ代理ス
署長、支署長ハ部下ノ官吏ヲシテ其ノ事務ノ一部ヲ臨時代理セシムルコトヲ得

第四十三條

主記、警部、警部補、技手ハ署長又ハ支署長ノ命ヲ承ケ各其ノ主務ニ從事ス

第四十四條

辨務署ニ參事ヲ置クコトヲ得
參事ハ各署五人以內トシ判任官ノ待遇トス
參事ハ辨務署管轄內ニ居住シ學識、名望アル者ニ就キ知事之ヲ命ス

第四十五條

參事ハ部內ノ行政事務ニ關シ署長ノ諮問ニ對シ意見ヲ述フルモノトス
參事ハ署長ノ指揮ヲ承ケ事務ニ從事スルコトアルヘシ

この著作物は、日本国の著作権法第10条1項ないし3項により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。(なお、この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により、発行当時においても、著作権の目的となっていませんでした。)


この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。