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第二「カフィズマ」


第九聖詠

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れいちょううたはしむ。ラベン死後しごダワィドえい

しゅよ、われこころつくしてなんぢげ、なんぢことごとくのせきつたへん。

じょうしゃよ、われなんぢためよろこいはい、なんぢうたはん。

てき退しりぞけらるるときつまづきてなんぢかんばせまへほろびん。

けだしなんぢさばきおこなひ、うつたへおさめたり、なる審判者しんぱんしゃよ、なんぢほうたまへり。

なんぢ諸民しょみんいきどほり、悪者あくしゃほろぼし、その永遠えいえんせり。

てきには武器ぶきことごとき、城邑まちなんぢこれこぼち、そのおくこれともほろびたり。

ただしゅ永遠えいえんそんす、かれ審判しんぱんためそのほうそなへたり、

かれこうもつかい審判しんぱんし、せいちょくもつ審判しんぱん諸民しょみんおこなはん。

一〇 しゅくるしめらるるものため避所かくれがとなり、うれひときおい避所かくれがとならん。

一一 なんぢものなんぢたのまん、しゅよ、なんぢたづぬるものてざればなり。

一二 シオンしゅうたへ、かれ行爲しわざ諸民しょみんうちつたへよ、

一三 けだしかれながつみひ、これおくしてくるしめらるるものさけびわすれず。

一四一五 しゅよ、われあはれめ、われもんよりのぼせて、なんぢことごとくのさんシオンむすめもんつたへしむるものよ、われにくものわれくはふるくるしみよ、われなんぢすくひためよろこばん。

一六 諸民しょみんそのりたるおとしあなおちいり、そのかくしたるあみ其足そのあしまとはれたり。

一七 しゅそのおこなひし審判しんぱんりてられ、悪者あくしゃおのれ所爲しわざにてとらへられたり。

一八 ねがはくは悪者あくしゃおよかみわするるたみごくおもむかん。

一九 けだしまづしきものながわすれらるるにあらず、とぼしきもののぞみながたるるにあらず。

二〇 しゅよ、きよ、ひとかちしむるなかれ、ねがはくは諸民しょみんなんぢかんばせまへ審判しんぱんせられん。

二一 しゅよ、かれをしておそれしめよ、諸民しょみんおのれひとたるをらんためなり。

二二 しゅよ、なんとほち、うれひときおのれかくす。

二三 悪者あくしゃほこりりにりてまづしきものしのぐ、ねがはくはかれみづかもうくるところはかりごとおちいらん。

二四 けだし悪者あくしゃそのたましひよくもつみづかほこり、むさぼものおのれむ。

二五 悪者あくしゃそのおごりりてしゅかろんじて、たださざらんとふ、そのことごとくのおもひうちかみなしとす。

二六 かれみちつねがいあり、なんぢさだめかれとほざかる、かれそのことごとくのてきかろんじる、

二七 そのこころふ、我動われうごかざらん、代代よよわざはひはざらんと、

二八 其口そのくちには詛呪のろひ欺詐あざむき詭計いつはりとをて、其舌そのしたもとには窘迫くるしめ残害そこなひあり。

二九 かれかきうしろ埋伏所まいふくしょし、つみなきものかくれたるところころし、もつまづしきものうかがふ、

三〇 かくれたるところねらふこと、ししいはやるがごとし、埋伏所まいふくしょねらひて、まづしきものとらへんとす、まづしきものとらへ、きておのれあみる。

三一 かれかがみてし、まづしきものそのつよつめつ。

三二 かれそのこころふ、かみわすれ、おのれおもてかくせり、ながざらんと。

三三 しゅかみよ、きて、なんぢげよ、くるしめらるるものながわするるなかれ。

三四 なん悪者あくしゃかみかろんじて、そのこころなんぢたださざらんとふ。

三五 なんぢこれる、けだしなんぢしのぎしへたげとをかんがみる、なんぢもつこれむくいんためなり。まづしきものなんぢる、みなしごたすくるものなんぢなり。

三六 もとむ、悪者あくしゃ罪者ざいしゃとのひぢくじきて、そのあくたづぬともるなきにいたらしめよ。

三七 しゅおうとなりて、世世よよおはりなからん、邦民ほうみんそのよりたれん。

三八 しゅよ、なんぢけんものねがひく、かれこころかためよ、なんぢみみひらきて、

三九 みなしごくるしめらるるものとのため審判しんぱんおこなたまへ、ひとまたじょうおい恐嚇おどしさざらんためなり。

第十聖詠

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れいちょううたはしむ。ダワィドえい

われしゅたのむ、なんぢなんたましひふ、とりごとびてなんぢやまいたれ。

けだしよ、悪人あくにんゆみり、そのつるつがへ、くらきりてこころなるものんとほつす。

もといやぶられたらば、じんなにをかさん。

しゅその聖殿せいでんり、しゅほうてんり、そのまづしきものそのまぶたひとしょこころみる。

しゅしゃこころみ、そのこころ悪人あくにん暴虐しへたげこのものとをにくむ。

かれ熱炭やけずみもえおうあめごと悪人あくにんそそがん、炎風やきかぜかれさかづきぶんなり。

けだししゅにしてあいし、そのかんばせじんる。

光榮讃詞

第十一聖詠

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れいちょう八弦はちげんがくもつうたはしむ。ダワィドえい

しゅよ、われすくたまへ、けだしじんえたり、ひとうちちゅうしんものなし。

ひとおのおのそのとなりいつはりひ、へつらくちにてふたごころよりふ。

しゅことごとくのけつらくちほこたかぶるしたち、

ひて、したにてたん、くちわれともにあり、たれわれしゅたらんとものたん。

しゅいはく、まづしきものくるしみとぼしきものなげきりて、われいまき、とらへられんとするものあやうからざるところかん。

しゅことばきよことばなり、いろりおいつちよりきよめられて、七次ななたびられたるぎんなり。

しゅよ、なんぢわれたもち、われまもりて、より永遠えいえんいたらん。

ひとうちしょうじんたかきれば、悪者あくしゃ四方よもめぐる。

第十二聖詠

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れいちょううたはしむ。ダワィドえい

しゅよ、われまつたわするることいづれときいたるか、なんぢおもてわれかくすこといづれときいたるか、

おのれたましひうちはかり、こころうちにちうれひいだくこと、いづれときいたるか、てきわれたかぶること、いづれときいたるか。

しゅかみよ、かへりみてわれたまへ、あきらかにして、われねむりねざらしめたまへ、

てきわれかれてりとはざらんためわれむるものわれうごときよろこばざらんためなり。

われなんぢあはれみたのみ、こころなんぢすくひよろこばん、われおんほどこしゅうたひ、じょうなるしゅあがうたはん。

第十三聖詠

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れいちょううたはしむ。ダワィドえい

無知むちなるものそのこころかみなしとへり。かれみづかやぶれ、にくむべきことおこなへり、ぜんものなし。

しゅてんよりひとしょのぞみ、あるひあきらかにして、かみもとむるものありやをんとほつす。

皆迷みなまよひ、ひとしくようれり、ぜんおこなものなし、いつまたなし。

およほうおこなひ、パンくらごとたみくらひ、およしゅばざるものさとらずや。

かれおそれなきところおそれん、けだしかみじんぞくにあり。

なんぢ貧者ひんじゃおもひに、しゅかれたのみなりと、ふをあざけりたり。

たれシオンよりすくひイズライリあたへん。しゅ其民そのたみとりこかへさんときイヤコフよろこイズライリたのしまん。

光榮讃詞

第十四聖詠

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ダワィドえい

しゅよ、たれなんぢ住所すまひるをる、たれなんぢ聖山せいざんるをる。

きずなきをおこなひ、し、そのこころ真実しんじつもの

其舌そのしたにてざんせず、そのしたしきものあくさず、そのとなりそしことばけず、

邪僻よこしまなるものかろんじ、しゅおそるるものとうとみ、ちかひはつすれば悪人あくにんおいてすといへどもへず、

ぎんしてらず、まひなひけてつみなきひとむることをせざるものなり。くのごとおこなものながうごかざらん。

第十五聖詠

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ダワィドうた

かみよ、われまもたまへ、われなんぢたのめばなり。

われしゅへり、なんぢしゅなり、われふくなんぢたまものあらざるなし。

じょう聖人せいじんなんぢ奇異きいなるものとは、われもつぱらこれしたふ。

はしりてかみむかものは、ねがはくはそのうれひますますおほからん、その灌奠そそぎまつりは、われこれそそがず、そのくちこれとなへざらん。

しゅぎょうさかづきとのぶんなり、なんぢわれくじる。

われ壟界あぜうるはしきめぐる、われぎょうよろこところなり。

われさとりひらきししゅげん、おいてもちゅうしんわれをしふ。

我恒われつねしゅまへたり、けだしかれみぎにあり、うごかざらんためなり。

これりてこころよろこび、したたのしめり、肉体にくたいのぞみやすんぜん、

一〇 けだしなんぢたましひごくのこさず、なんぢ聖者せいしゃつるをざらしめん。

一一 なんぢわれ生命せいめいみちしめさん、なんぢかんばせまへよろこびじゅうまんあり、なんぢみぎ世世よよ福楽ふくらくあり。

第十六聖詠

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ダワィドとう

しゅよ、われなほきき、われぶをれ、いつはりなきくちよりづるいのりたまへ。

ねがはくはわれたださばきなんぢかんばせよりで、なんぢそそがん。

なんぢすでこころためし、ちゅうのぞみ、われこころみてたるところなし、くちわれおもひはなれず。

ひと行爲しわざおいては、われなんぢくちことばしたがひて、迫害者はくがいしゃみちつつしめり。

あゆみなんぢみちかためよ、あしつまづかざらんためなり。

かみよ、われなんぢぶ、けだしなんぢわれかん、なんぢみみわれかたぶけて、ことばたまへ。

なんぢたのものなんぢみぎてきするものよりすくしゅよ、なんぢたへなるあはれみあらはたまへ。

われ眸子ひとみごとまもれ、なんぢつばさかげもつて、

われむる虔者けんしゃおもてわれめぐたましひてきよりわれおほたまへ。

一〇 かれおのれあぶらつつまれ、おのれくちにてたかぶりふ。

一一 いまあゆたびわれめぐり、ねらひて、たふさんとほつす。

一二 かれものむさぼししごとく、ひそかなるところうづくまじしごとし。

一三 しゅよ、きよ、かれさきだちてかれたふし、なんぢつるぎもつたましひ虔者けんしゃよりすくへ、

一四 しゅよ、なんぢもつひとすなはちひとよりすくたまへ。かれぎょう今生こんせいにあり、なんぢなんぢ宝蔵ほうぞうより其腹そのはらたし、かれきて、あまり其裔そのすゑのこさん。

一五 ただわれもつなんぢかんばせんとす、きてなんぢかたちもつみづからん。

光榮讃詞