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わ）び、そしてもう二度と默（だま）って遠い所へゆくようなことをしないと誓（ちか）わされた。 三郎が頭を下げている傍（そば）では、四郎がまだ時々思い出したように大声をああげては泣きじゃくっていた。 三郎はまた、母に誨えられて、私に心配させ捜させたのを詫びに来た。彼もそろそろ耐（た）え切れずに泣きはじめた。…

楽曲を冬にかけて演奏して行ったことがあった。そのなかには独逸（ドイツ）の古典的な曲目もあったが、これまで噂（うわさ）ばかりで稀（まれ）にしか聴けなかった多くの仏蘭西系統の作品が齎（もた）らされていた。私が聴いたのは何週間にもわたる六回の連続音楽会であったが、それはホテルのホールが会場だったので聴衆も…

（たん）は黄緑色からにぶい血の色を出すようになり、時にそれは驚くほど鮮（あざ）やかな紅に冴（さ）えた。尭が間借り二階の四畳半で床を離れる時分には、主婦の朝の洗濯（せんたく）はとうに済んでいて、漆喰は乾（かわ）いてしまっている。その上に落ちた痰は水をかけても離れない。尭は金魚の仔（こ）でもつまむよう…

略字や略語であることを示すために打つ。 (1) 年，月，日や，名称を省略した場合には，その数や文字の右下方に打つことを原則とする。 (2) 略字や月と日の数字が合わさって，名詞化され，或いはその後に自立的な単語が来るときは，その語節の間に打つ。 [参考] 科学技術部門で生ずる略語の間には，点を打たない。 3) 題目や章，節のような段階を区分する場合に打つ。…

さ。風呂敷（ふろしき）へ包んでサドルの後ろへ結（ゆわ）えつけて戻（もど）って来たら、擦（こす）れとりましてな、これだけほどになっとった」 兄はその手つきをして見せた。姉の熱のグラフにしても、二時間おきほどの正確なものを造ろうとする兄だけもあって、その話には兄らしい味が出ていて峻も笑わされた。…

さゝけうつくしみ給ふも。ことはりにめてたし。あるときはわりなきわさしかけ奉り給へるを。御ひもひきときて。御木ちやうのうしろにてあふらせ給ふ。あはれこの宮の御しとにぬるゝは。嬉しきわさかな。このぬれたるあふるこそ。おもふやうなるこゝちすれと。よろこはせ給ふ。中つかさ（具平）の宮わ…

わされて、晋侯に一応の御挨拶がありたい、という口上である。かなり居猛高（いたけだか）なこの文言に、荘公はまたしても己の過去の惨（みじ）めさを思い出し、少からず自尊心を害した。国内にまだ紛争（ごたごた）が絶えぬゆえ、今しばらく猶予さ…

ㅡ」の後に「- 이어」が合わさって縮約されるときは，縮約したとおりに表記する。 (原語) (縮約語) 싸이어 쌔여 싸여 보이어 뵈어 보여 쏘이어 쐬어 쏘여 누이어 뉘어 누여 뜨이어 띄어 쓰이어 씌어 쓰여 트이어 틔어 트여 第三十九項　語尾「-지」の後に「않-」が合わさ…

一、ア・チエスカ著（ちょ）「少年聖書（しょうねんせいしょ）」　 　　　　　　　　　 定価金七十錢 　　　　　　　　（大正十年、新潟、生命ノ木社刊） 一、浦川和三郎（うらかはわさぶらう）著（ちょ）「旧（舊）約（きうやく）のはなし」　 定価金五十錢 　　　　　　　　（昭和二年、長崎天主堂刊）…

ㅡ」の後に「- 이어」が合わさって縮約されるときは，縮約したとおりに表記する。 (原語) (縮約語) 싸이어 쌔여 싸여 보이어 뵈어 보여 쏘이어 쐬어 쏘여 누이어 뉘어 누여 뜨이어 띄어 쓰이어 씌어 쓰여 트이어 틔어 트여 第三十九項　語尾「-지」の後に「않-」が合わさ…

22それで彼らは彼に言った，「あなたはだれか。わたしたちを遣わした人たちに答えられるように，わたしたちに答えて欲しい。あなたは自分について何と言うのか」。 23彼は言った，「わたしは，預言者イザヤが言ったように，『主の道をまっすぐにせよ』と荒野で叫ぶ者の声だ」。 24遣わされていた者たちはファリサイ人の出であった。…

ゆめとのみ－おもひなりにし－よのなかを－なにいまさらに－おとろかすらむ 01207 [詞書]題しらす 源公忠朝臣 人も見ぬ所に昔きみとわかせぬわさわさをせしそこひしき ひともみぬ－ところにむかし－きみとわか－せぬわさわさを－せしそこひしき 01208 [詞書]左大将済時かあひしりて侍りける女、つくしにまかりくたりたりけるに、実方…

　　虚（うつ）ろな悲しい瞳をうるませて 　軒下のささやかな雨滴の穴に ぬけた歯を埋める 風は土塊（つちくれ）をはこび 人々は繁くゆききするので 貧しい穴は幾度もこわされ また幾度も 雨滴は穴をうがったが―― まっしろの歯が生え変わる 　夢を追いつつ 　　幼き頃埋めた歯のゆくえ 　追いつつ たらん！ 　たらん！ 　　たらん！…

さもあらす。一日おはしましたりしかと。みかとに車のありしを御覽して。御せうそこもなきにこそあめれ。人おはしましかよふやうにそきこしめしたりけれなといひていぬ。かくなんいふときゝて。いと〳〵おしく。なにやかやとわさと聞えさせ。わさとたのみきこえさ…

ひだから舟が三隻のぼる 先なる舟には何つみこめた 　　　ひだのわさごをつみこめた 中なる舟には何つみこめた 　　　糸綿錦をつみこめた 後なる舟には何つみこめた 　　　こがねのわさごをつみこめた 風吹き来たよ　風吹き来たよ わかさえ走る　風来たよ 　　　わかさえ走る　風来たよ…

わさ）をはじめた。 「吉原が焼けたそうですね。あなたにお係り合いはありませんか」 「ご冗談でしょう。しかし、六、七年前に焼けて、今度また焼けて、吉原も気の毒ですね」と、わたくしは云った。 「まったく気の毒です」と、老人は顔をしかめた。「どうも吉原の廓（くるわ…

てゐるもののあるのを感じる。それは定かなものではなかつた。かすかな気配ではあつたが、然し不思議にも秋風に吹かれてさわさわ揺れてゐる草自身の感覚といふやうなものを感じるのであつた。酔はされたやうな気持で、そのあとはいつも心が清（すが）すがしいものに変つてゐた。…

마소，미닫이，바느질，버드나무，보조개，소나무，차돌，화살 第18項 合成語において語根のパッチム音[ㄹ]が後に来る語根と合わさって閉鎖音となるものは，「ㄷ」と表記する。 例: 나흗날，며칟날，섣달，숟가락，이튿날 第19項 接頭辞と語根が合わさるときは，各々その形態を明らかにして表記する。 例:…

さかやでんべえ）が手代と下男の三人づれで、鈴ケ森を通りかかった。本来ならば川崎（かわさき）あたりで泊って、あしたの朝のうちに江戸入りというのであるが、江戸を前に見て宿を取るには及ぶまい。急いで行けば四ツ（午後十時）過ぎには江戸へはいられると、一行三人は夜道を厭（いと）わ…

さし止められてしまった。かれらに代って、大入道や九尾の狐の正体を見とどけに出かけてゆく勇士も現われなかった。 問題の白い浴衣も寒空にむかっては姿をあらわさないとみえて、その方の噂󠄀はだんだんに消えて行ったが、喜平らによって新しく生み出さ…