正教要理問答/聖三者讃美の祈祷

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聖三者讃美の祈祷

光（くわう）栄（えい）は父と子と聖神に帰（き）す今も何時（いつ）も世々（よよ）にアミン

問　此祈祷は誰に捧（ささ）ぐる祈祷なりや

答　是（これ）は聖三者（せいさんしゃ）を讃（さん）美（び）するの祈祷なり

聖三者に捧ぐる祈祷

至（し）聖三者（せいさんしゃ）や我等を憐（あはれ）めよ主や我等の罪を潔（いさぎよ）くせよ主宰（しゅさい）や我等の愆（あやまち）を赦（ゆる）せ聖なる者や臨（のぞみ）て我等の病を癒（いや）し給（たま）へ悉（ことごと）く爾（なんぢ）の名に依（よ）る

問　是（これ）は誰に捧（ささ）ぐる祈祷なりや

答　聖三者（せいさんしゃ）に捧（ささ）ぐる祈祷なり

問　我等は此祈祷に於（おい）て如何なることを聖三者（せいさんしゃ）に願ひ求むるや

答　我等は先（ま）づ最初（さいしょ）に聖三者の三（さん）位（い）総体（そうたい）に祈祷を捧（ささ）げ後（のち）聖三者の別々（べつべつ）の位（くらい）に祈祷を捧（ささ）ぐるなり而（しかし）て其願ひ求むる所は各々（おのおの）異（こと）なると雖（いへども）必竟（つまり）皆罪の赦さるることを願ひ求めるの語（ことば）なり

問　然らば如何なる語（ことば）が聖三者総体（そうたい）を指し又如何なる語（ことば）が聖三者を別々（べつべつ）に指すや

答　『至聖三者』とは即ち聖三者の三位総体（そうたい）を指し『主』とは聖三者の第一位（い）なる神父（かみちち）を指し『主宰』とは聖三者の第二位（い）なる神（かみ）子（こ）を指し『聖なる者』とは聖三者の第三位（い）なる聖神（せいしん）を指すなり而（しかし）て『盡（ことごと）く爾（なんぢ）の名に依（よ）る』と云ふの語（ことば）は再び聖三者の三位総体（そうたい）に係（かか）り以（もつ）て神は三（さん）位（い）なれども独一（ひとつ）なることを示すなり