正教要理問答/イイススハリストスに捧ぐる祈祷

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イイスス ハリストスに捧（ささ）ぐる祈祷

来（きた）れ我等の王（わう）神（かみ）に叩拝（こうはい）せん　来（きた）れハリストス我等の王（わう）神（かみ）に叩拝（こうはい）俯（ふ）伏（ふく）せん　来（きた）れハリストス我等の王と神の前に叩拝（こうはい）俯（ふ）伏（ふく）せん

問　是（これ）は誰に捧（ささ）ぐる祈祷なりや

答　主イイスス ハリストスに捧（ささ）ぐる祈祷なり

問　此祈祷は如何なる意（こころ）なるや

答　是（これ）は我等の霊（たましひ）と躰（からだ）と及び総（すべ）て祈祷する者の心を我等の主イイスス ハリストスに向（むか）はしむる祈祷なり

人を愛（あい）する主宰（しゅさい）や　我覚（さ）め起（お）きて爾（なんぢ）に趨（はし）り附（つ）き爾（なんぢ）の仁慈（いつくしみ）に因（より）て今爾（なんぢ）が命（めい）ぜしことを行（おこな）はんとす　爾（なんぢ）に祈る何（いづれ）の時（とき）何（いづれ）の事（こと）にも我を扶（たす）けよ　我を凡そ斯（こ）の世（よ）の悪（あく）事（じ）と悪（あく）魔（ま）の謀（はかりごと）より脱（のが）し我を救ひて爾（なんぢ）が永遠（えいえん）の国に入れ給へ　盖（けだし）爾（なんぢ）は我を造（つく）り我に萬善（ばんぜん）を備（そな）へ與（あた）ふるの主（しゅ）にして我（わ）が頼（たのみ）は盡（ことごと）く爾（なんぢ）にあればなり　我光（くわう）栄（えい）を爾（なんぢ）に帰（き）す今も何時（いつ）も世々にアミン

問　此祈祷を以て我等は如何なることを神に願ひ求むるや

答　我等が睡眠（ねむり）より覚（さ）め起（お）きて各々（おのおの）神に定められたる業（わざ）を為（な）さんとするに当（あた）りて神の扶（たすけ）を願ひ求め又神は我等を護（まも）りて我等を諸（もろもろ）の凶事（わざはひ）より遁（のが）さしむることを願ひ求むるなり而（しかし）て終（おは）りは讃（さん）美（び）の詞（ことば）を以て結（むす）ばる

主や爾（なんぢ）は多（おほく）の慈（いつくしみ）と廣（ひろ）き惠（めぐみ）を以て我爾（なんぢ）の僕（ぼく）婢（ひ）に過ぎ去りし夜の時を悪敵（あくてき）に悩（なや）まされずして度（わた）らせ給へり　主宰（しゅさい）萬物（ばんもつ）の造者（ざうしゃ）や　爾（なんぢ）自（みづか）ら我に眞（まこと）の光に照（てら）されたる心にて爾（なんぢ）の旨（むね）を行（おこな）はしめ給へ　今も何時（いつ）も世々にアミン

問　此祈祷を以て我等は如何なることを神に願ひ求むるや

答　我等は此祈祷に於（おい）て神が我等を護（まも）りて安（やす）らかに夜を過（すご）させ給ひしことを感謝（かんしゃ）し又我等が潔（いさぎよ）き心を以て常に神（かみ）の旨（むね）を行（おこな）ひ得ることの扶（たすけ）を願ひ求むるなり