め)、木合里ムカリに國王コクワウの號ナを與アタへて左手ヒダリテの萬戶バンコを知シらしめたり。今イマ 納牙阿ナヤアは、中ナカの萬戶バンコを知シれ」と勅ミコトありき。
§221(09:29:06)白鳥庫吉訳『音訳蒙文元朝秘史』(東洋文庫,1943年)
者︀別ヂエベ 速別額台スベエタイの封戶
又マタ「者︀別ヂエベ、速別額台スベエタイ 二人フタリは、自ミヅカラ 得エたる置オきたる[民タミ]に千戶センコとなれ」と宣ノリタマへり。
§222(09:29:09)白鳥庫吉訳『音訳蒙文元朝秘史』(東洋文庫,1943年)
又マタ 迭該デガイなる羊飼︀ヒツジカイに、(卷三に、迭該は羊を牧する事を掌れること見えたり。)埋ウヅモれたる(明譯無ナキ㆓戶籍コセキ㆒的 百姓タミ)を聚アツめて千戶センコを知シらしめたり。
§223(09:30:02)白鳥庫吉訳『音訳蒙文元朝秘史』(東洋文庫,1943年)
古出古兒グチユグル 木勒合勒忽ムルカルクの封戶
又マタ 古出古兒グチユグル 木匠タクミは、(卷三に、古出古兒は家 車の修造を掌れること見えたり。卽 木匠なり。)民タミ 缺カけて、こゝよりそこより收ヲサめて、札荅㘓ヂヤダランより木勒合勒忽ムルカルク、親シタしきに依ヨり伴トモなひき。「古出古兒グチユグル、木勒合勒忽ムルカルク 二人フタリは、一ヒトつに千戶センコとなりて議ハカり合アひて居ヲれ」と宣ノリタマへり。
§224(09:30:08)白鳥庫吉訳『音訳蒙文元朝秘史』(東洋文庫,1943年)
親衞シンヱイを萬マンに滿ミたする勅ミコト
國クニを共トモに立タてたる共トモに艱難︀カンナンしたる者︀モノどもを千戶センコの官人クワンニンとなして、千センを千センとして、千戶センコ 百戶ヒヤクコ 十戶ジツコの官人クワンニンを任ヨサして、[萬マンを]萬マンとして、萬戶バンコの官人クワンニンを任ヨサして、萬戶バンコ 千戶センコの官人クワンニンどもに、恩賞オンシヤウを與アタふべき者︀モノには恩賞オンシヤウを與アタへて、恩賞オンシヤウの勅ミコトある者︀モノには有アりて、成吉思 合罕チンギス カガン 勅ミコトあるには「前サキに八十ハチジフの宿衞シユクヱイあり、七十シチジフの侍衞ジヱイの番士バンシ 有アりたりき。今イマ 長生トコヨの上帝アマツカミの力チカラにて、天地アマツカミクニツカミに力勢チカライキホヒを添ソへられて、普アマネき國民クニタミを匡タヾして、獨ヒトリの調度テウドの內ウチに入イれたる時トキ、今イマ 我ワが處トコロに番直バンチヨクする侍衞ジヱイを千戶センコ 千戶センコより選エラびて入イれよ。入イるゝには、宿衞シユクヱイ、箭筒士セントウシ、侍衞ジヱイに入イるゝには、萬マンに滿ミたせ入イれよ」