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が ​曾祖︀父​​ヒオホヂ​​額鄰出克​(合不勒 罕)の​門​​カド​​額兀顚​の​近習​​キンジユ​​奄出​の​奴​​ヤツコ​[なりしに​由​​ヨ​る]と​我​​ワ​が​云​​イ​ひて​遣​​ヤ​ること、かくあり。」


§181(06:39:08)白鳥庫吉訳『音訳蒙文元朝秘史』(東洋文庫,1943年) Open original book in Wikimedia


​桑昆​​サングン​の不孝を​誡​​イマシ​むる​安荅​​アンダ​の忠言

 ​又​​マタ​ ​成吉思 合罕​​チンギス カガン​は「​桑昆 安荅​​サングン アンダ​(親征錄​鮮昆 案荅​​セングン アンダ​)に​言​​イ​へ」とて​言​​イ​はく「​衣服​​イフク​ありて​生​​ウマ​れたる​子​​コ​にて​我​​ワレ​はありしぞ。​裸​​ハダカ​にて​生​​ウマ​れたる​子​​コ​にて​汝​​ナンヂ​はありしぞ。​我等​​ワレラ​の​罕 額赤格​​カン エチゲ​は、​我等​​ワレラ​ ​二人​​フタリ​を​齊等​​ヒトシナミ​に​養​​ヤシナ​ひたりき。​閒​​アヒダ​に​入​​イ​らるゝより、​桑昆 安荅​​サングン アンダ​は、​我​​ワレ​を​嫉​​ネタ​みて​逐​​オ​ひたるぞ、​汝​​ナンヂ​。​今​​イマ​ ​我等​​ワレラ​の​罕 額赤格​​カン エチゲ​の​心​​コヽロ​を​艱​​ナヤ​まさず、​夕​​ユフベ​に​朝​​アシタ​に​入​​イ​りて​出​​イ​でて​慰​​ナグサ​めて​行​​ユ​け。​舊​​モト​の​心​​コヽロ​(明譯​你​​ナンヂガ​ ​舊​​モト​ ​嫉妒​​ネタメル​的 ​心​​コヽロ​)を​放​​ハナ​たず、​罕 額赤格​​カン エチゲ​を、​命​​イノチ​ある​內​​ウチ​に​罕​​カン​とならんとて、​我等​​ワレラ​の​罕 額赤格​​カン エチゲ​の​心​​コヽロ​を​艱​​ナヤ​まして​勿​​ナ​ ​苦​​クルシ​ましめそ」と​云​​イ​ひて、「​桑昆 安荅​​サングン アンダ​、​我​​ワレ​に​使​​ツカヒ​をおこせ​來​​ク​るには、​必勒格 別乞​​ビルゲ ベキ​、​脫朶延​​トドエン​(親征錄​必力哥 別吉​​ビリゲ ベキ​、​脫端​​トドン​)なる​二人​​フタリ​の​從士​​トモビト​をおこせよ」と​云​​イ​ひて​遣​​ヤ​りぬ。

七人の使 皆 二人づゝ

「​我​​ワレ​に​使​​ツカヒ​ ​來​​ク​るには、​罕 額赤格​​カン エチゲ​は、​二人​​フタリ​の​使​​ツカヒ​をおこせよ。​桑昆 安荅​​サングン アンダ​も、​二人​​フタリ​の​使​​ツカヒ​をおこせよ。​札木合 安荅​​ヂヤムカ アンダ​も、​二人​​フタリ​の​使​​ツカヒ​をおこせよ。​阿勒壇​​アルタン​も、​二人​​フタリ​の​使​​ツカヒ​をおこせよ。​忽察兒​​クチヤル​も、​二人​​フタリ​の​使​​ツカヒ​をおこせよ。​阿赤黑失㖮​​アチクシルン​も、​二人​​フタリ​の​使​​ツカヒ​をおこせよ。​合赤溫​​カチウン​(卷五の合赤溫 別乞)も、​二人​​フタリ​の​使​​ツカヒ​をおこせよ」とて、​阿兒孩 合撒兒​​アルカイ カツサル​、​速格該 者︀溫​​スゲガイ ヂエウン​ ​二人​​フタリ​をもてかゝる​言​​コトバ​どもを​傳言​​デンゴン​せしめて​遣​​ヤ​りぬ。

​桑昆​​サングン​の冥頑

この​言​​コトバ​どもをかく​言​​イ​はれて、​桑昆​​サングン​ ​言​​イ​はく「​幾​​イク​たびも