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の神々を従へて、日向へおくだりになつた。これから神器は、御代々の天皇がおひきつぎになつて、皇位の御しるしとなさることになつた。 大神は、神器を尊にお授けになる時、この鏡をわれと思ひてつねにあがめまつれ。」とおほせになつた。それ故、この御鏡を御神體として、伊勢の皇大神宮に大神をおまつり申し、御代々の天皇をはじめ、國民すべてが深く御うやまひもうしあげてゐるのである。

天照大神ー天忍穂耳尊ー瓊瓊杵尊ー彦火々出見尊ー鵜葺草葺不合命ー神武天皇

第二 神武天皇

瓊瓊杵尊から神武天皇の御時にいたるまでは、御代々、日向においでになつて、わが國をお治めになつた。けれども、東の方は、なほわるものが大勢ゐて、たいへんさわがしかつた。それ故、天皇は、これらのわるものどもを平げて、人民を安心させようと、船軍をひきゐて、日向から大和へお向ひになつた。さうして、途中所