Page:尋常小學國史 上巻 1934.pdf/8

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出雲をはじめ方々を平げられて、なかなか勢いが強かつたが、その他の地方は、まだまだまるものが大勢ゐて、さわがしかつた。大神は、御孫の瓊瓊杵尊にこの國を治めさせようとお考へになり、まづ御使を大國主命のところへやり、その地方をさし出すやうにおさとしになつた。命は、よろこんで大神のおほせに従つた。そこで、大神は、いよいよ瓊瓊杵尊をおくだしにならうとして、尊に向ひ、「この國は、わが子孫の王たるべき地なり。汝皇孫ゆきて治めよ。皇位の盛なること、天地と共にきはまりなかるべし。」とおほせになつた。萬世一系の天皇をいただいて、天地とともにいつの世までも動くことのないわが國體の基は、実にこの時に定まつたのである。 大神は、また八坂瓊曲玉・八咫鏡・天叢雲劔を瓊瓊杵尊にお授けになつた。これを三種の神器と申し上げる。尊は、この神器をささげ、大勢