Page:尋常小學國史 上巻 1934.pdf/13

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(東国へお向ひになつた) その後、東の國の蝦夷がそむいたので、てんのうはまた尊に、これをお討たせになることになつた。尊は、いさみいさんで都をお立ちになり、まづ伊勢に行つて皇大神宮に参詣し、天叢雲劔をいたゞいて、東の國へお向ひになつた。 尊が駿河の國におつきになつた時、その地のわるものどもは鹿狩をするからと、尊をだまして、廣い野原におさそひした。さうして、急に草をやきたてて、尊をがいしようとはかつた。尊は、天叢雲劔をぬいてあたりの草を薙ぎはらひ、大いにおふせぎになつたので、わるものどもは、かへつて、自分のつけた火にやかれて、すつかりほろぼされてしまつた。 (草薙劔) これから、この御劔を草薙劔と申しあげ