首都建設法 (1956年立法第2号)
立法院の議決した首都建設法に署名し、ここに公布する。
- 一九五六年二月十一日
行政主席 比嘉 秀平
立法第二号
- 首都建設法
(目的)
第一条 この立法は、那覇市を琉球の首都として充分にその政治、経済、文化等についての機能を発揮し得るよう、計画し、建設することを目的とする。
(首都建設計画)
第二条 この立法で首都建設計画とは、那覇都市計画区域内において施行せられる重要施設の基本計画であって、その区域内における都市計画及び都市計画事業並びに前条の目的を達成するため必要な施設の計画及び事業の基準となるものをいう。
(委員会の設置)
第三条 第一条の目的を達成するための機関として行政事務部局組織法(一九五三年立法第九号)第二条第二項の規定に基いて、首都建設委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
(委員会の任務及び権限)
第四条 委員会は、首都建設計画を作成し、その実施の推進にあたるものとする。
(委員会の組織)
第五条 委員会は、左に掲げる者につき、行政主席が任命する委員九人をもって組織する。
- 一 行政副主席、内政局長及び工務交通局長
- 二 那覇市長
- 三 学識経験のある者五人
2 前項第三号に掲げる者を任命する場合においては、立法院の同意を経なければならない。
3 委員は非常勤とする。
(委員長及びその権限)
第六条 委員会に、委員長を置き、行政副主席たる委員をもって充てる。
2 委員長は、委員会を代表し、会務を総理し、所部の職員を指揮監督する。
3 委員会は、あらかじめ、委員のうちから委員長が故障あるときに委員長を代理する者を定めておかなければならない。
(定足数、表決)
第七条 委員会は、委員の半数以上の出席がなければ、会議を開くことができない。
2 委員会の議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
(事務局)
第八条 委員会に関する事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。
2 事務局に事務局長その他所要の職員を置く。
3 事務局の職員は、行政主席が任命し、又は依嘱する。
(公告)
第九条 委員会は、首都建設計画を作成した時は、その要領を公報をもって公告しなければならない。首都建設計画を変更又は廃止したときも同様とする。
(委任規定)
第十条 委員会の運営その他必要な事項は、規則で定める。
第十一条 政府、那覇都市計画区域内の市町村及び関係事業者は、首都建設計画が第一条の目的にてらし重要な意義をもつことを考え、首都建設計画の作成及び実施にできる限り協力し、援助を与えなければならない。
(勧告)
第十二条 委員会は、政府、那覇都市計画区域内の市町村又は関係事業者に対し、その所管の施設の計画の決定及び事業の施行又は許可、認可等の行政処分について、首都建設計画を尊重するよう勧告することができる。
2 委員会は、必要と認めるときは、首都建設計画に基づく事業の実施に関し、当該事業執行者に勧告することができる。
(事業の執行)
第十三条 政府は、那覇都市計画区域により行う都市計画事業については、那覇市が琉球の首都であることにかんがみて政府と市町村が分担して執行する事業種別を決定しなければならない。この場合においては、那覇都市計画区域の市町村の同意を得なければならない。
(特別の助成)
第十四条 政府は、首都建設事業の用に供するために必要があると認める場合においては、政府有財産法(一九五四年立法第八号)の第二十八条の規定にかかわらず、その事業の執行に要する費用を負担する市町村に対し、普通財産を譲与することができる。
(報告)
第十五条 首都建設事業の執行者は、その事業がすみやかに完成するように努め、少くとも六箇月ごとに委員会にその進捗状況を報告しなければならない。
2 行政主席は、毎年一回立法院に対し、首都建設事業の状況を報告しなければならない。
(立法の適用)
第十六条 首都建設計画及び首都建設事業については、この立法で特別の定がある場合を除く外、都市計画法(一九五三年立法第三十四号)の適用があるものとする。
(施行規定)
第十七条 この立法の施行に関し、必要な事項は、規則で定める。
附則
この立法は、公布の日から施行する。
但し、委員会の設置は、これに要する経費の支出が予算上可能になったときにこれを行う。
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