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都市計画法


目次

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第一章 総則(第一条 - 第六条)
第二章 都市計画
第一節 都市計画の内容(第六条の二 - 第十四条)
第二節 都市計画の決定及び変更(第十五条 - 第二十八条)
第三章 都市計画制限等
第一節 開発行為等の規制(第二十九条 - 第五十二条)
第一節の二 市街地開発事業等予定区域の区域内における建築等の規制(第五十二条の二 - 第五十二条の五)
第一節の三 市街地開発事業等予定区域の区域内における建築等の規制(第五十二条の二―第五十二条の五)
第二節 都市計画施設等の区域内における建築等の規制(第五十三条 - 第五十七条の六)
第三節 風致地区内における建築等の規制(第五十八条)
第四節 地区計画等の区域内における建築等の規制(第五十八条の二・第五十八条の三)
第五節 遊休土地転換利用促進地区内における土地利用に関する措置等(第五十八条の四 - 第五十八条の十一)
第四章 都市計画事業
第一節 都市計画事業の認可等(第五十九条 - 第六十四条)
第二節 都市計画事業の施行(第六十五条 - 第七十五条)
第五章 社会資本整備審議会の調査審議等及び都道府県都市計画審議会等(第七十六条 - 第七十八条)
第六章 雑則(第七十九条 - 第八十八条の二)
第七章 罰則(第八十九条 - 第九十七条)
第八章 雑則(第七十九条 - 第八十八条の二)
第九章 罰則(第八十九条 - 第九十八条)
附則

第一章 総則

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(目的)

第一条
この法律は、都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。

(都市計画の基本理念)

第二条
都市計画は、農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定めるものとする。

(国、地方公共団体及び住民の責務)

第三条
国及び地方公共団体は、都市の整備、開発その他都市計画の適切な遂行に努めなければならない。
2 都市の住民は、国及び地方公共団体がこの法律の目的を達成するため行なう措置に協力し、良好な都市環境の形成に努めなければならない。
3 国及び地方公共団体は、都市の住民に対し、都市計画に関する知識の普及及び情報の提供に努めなければならない。

(定義)

第四条
この法律において「都市計画」とは、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画で、次章の規定に従い定められたものをいう。
2 この法律において「都市計画区域」とは次条の規定により指定された区域を、「準都市計画区域」とは第五条の二の規定により指定された区域をいう。
3 この法律において「地域地区」とは、第八条第一項各号に掲げる地域、地区又は街区をいう。
4 この法律において「促進区域」とは、第十条の二第一項各号に掲げる区域をいう。
5 この法律において「都市施設」とは、都市計画において定められるべき第十一条第一項各号に掲げる施設をいう。
6 この法律において「都市計画施設」とは、都市計画において定められた第十一条第一項各号に掲げる施設をいう。
7 この法律において「市街地開発事業」とは、第十二条第一項各号に掲げる事業をいう。
8 この法律において「市街地開発事業等予定区域」とは、第十二条の二第一項各号に掲げる予定区域をいう。
9 この法律において「地区計画等」とは、第十二条の四第一項各号に掲げる計画をいう。
10 この法律において「建築物」とは建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号 に定める建築物を、「建築」とは同条第十三号 に定める建築をいう。
11 この法律において「特定工作物」とは、コンクリートプラントその他周辺の地域の環境の悪化をもたらすおそれがある工作物で政令で定めるもの(以下「第一種特定工作物」という。)又はゴルフコースその他大規模な工作物で政令で定めるもの(以下「第二種特定工作物」という。)をいう。
12 この法律において「開発行為」とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。
13 この法律において「開発区域」とは、開発行為をする土地の区域をいう。
14  この法律において「公共施設」とは、道路、公園その他政令で定める公共の用に供する施設をいう。
15  この法律において「都市計画事業」とは、この法律で定めるところにより第五十九条の規定による認可又は承認を受けて行なわれる都市計画施設の整備に関する事業及び市街地開発事業をいう。
16  この法律において「施行者」とは、都市計画事業を施行する者をいう。

(都市計画区域)

第五条
都道府県は、市又は人口、就業者数その他の事項が政令で定める要件に該当する町村の中心の市街地を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに人口、土地利用、交通量その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する必要がある区域を都市計画区域として指定するものとする。この場合において、必要があるときは、当該市町村の区域外にわたり、都市計画区域を指定することができる。
2  都道府県は、前項の規定によるもののほか、首都圏整備法 (昭和三十一年法律第八十三号)による都市開発区域、近畿圏整備法 (昭和三十八年法律第百二十九号)による都市開発区域、中部圏開発整備法 (昭和四十一年法律第百二号)による都市開発区域その他新たに住居都市、工業都市その他の都市として開発し、及び保全する必要がある区域を都市計画区域として指定するものとする。
3  都道府県は、前二項の規定により都市計画区域を指定しようとするときは、あらかじめ、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴くとともに、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならない。
4  二以上の都府県の区域にわたる都市計画区域は、第一項及び第二項の規定にかかわらず、国土交通大臣が、あらかじめ、関係都府県の意見を聴いて指定するものとする。この場合において、関係都府県が意見を述べようとするときは、あらかじめ、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴かなければならない。
5  都市計画区域の指定は、国土交通省令で定めるところにより、公告することによつて行なう。
6  前各項の規定は、都市計画区域の変更又は廃止について準用する。

(準都市計画区域)

第五条の二
都道府県は、都市計画区域外の区域のうち、相当数の建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の建築若しくは建設又はこれらの敷地の造成が現に行われ、又は行われると見込まれる区域を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)その他の法令による土地利用の規制の状況その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、そのまま土地利用を整序し、又は環境を保全するための措置を講ずることなく放置すれば、将来における一体の都市としての整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがあると認められる一定の区域を、準都市計画区域として指定することができる。
2  都道府県は、前項の規定により準都市計画区域を指定しようとするときは、あらかじめ、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴かなければならない。
3  準都市計画区域の指定は、国土交通省令で定めるところにより、公告することによつて行う。
4  前三項の規定は、準都市計画区域の変更又は廃止について準用する。
5  準都市計画区域の全部又は一部について都市計画区域が指定されたときは、当該準都市計画区域は、前項の規定にかかわらず、廃止され、又は当該都市計画区域と重複する区域以外の区域に変更されたものとみなす。

(都市計画に関する基礎調査)

第六条
都道府県は、都市計画区域について、おおむね五年ごとに、都市計画に関する基礎調査として、国土交通省令で定めるところにより、人口規模、産業分類別の就業人口の規模、市街地の面積、土地利用、交通量その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び将来の見通しについての調査を行うものとする。
2  都道府県は、準都市計画区域について、必要があると認めるときは、都市計画に関する基礎調査として、国土交通省令で定めるところにより、土地利用その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び将来の見通しについての調査を行うものとする。
3  都道府県は、前二項の規定による基礎調査を行うため必要があると認めるときは、関係市町村に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。
4  都道府県は、第一項又は第二項の規定による基礎調査の結果を、国土交通省令で定めるところにより、関係市町村長に通知しなければならない。
5  国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、都道府県に対し、第一項又は第二項の規定による基礎調査の結果について必要な報告を求めることができる。

第二章 都市計画

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第一節 都市計画の内容

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(都市計画区域の整備、開発及び保全の方針)

第六条の二
都市計画区域については、都市計画に、当該都市計画区域の整備、開発及び保全の方針を定めるものとする。
2 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
 都市計画の目標
 次条第一項に規定する区域区分の決定の有無及び当該区域区分を定めるときはその方針
 前号に掲げるもののほか、土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針
3  都市計画区域について定められる都市計画(第十一条第一項後段の規定により都市計画区域外において定められる都市施設(以下「区域外都市施設」という。)に関するものを含む。)は、当該都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に即したものでなければならない。

(区域区分)

第七条
都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、市街化区域と市街化調整区域との区分(以下「区域区分」という。)を定めることができる。ただし、次に掲げる都市計画区域については、区域区分を定めるものとする。
一  次に掲げる土地の区域の全部又は一部を含む都市計画区域
イ 首都圏整備法第二条第三項 に規定する既成市街地又は同条第四項 に規定する近郊整備地帯
ロ 近畿圏整備法第二条第三項 に規定する既成都市区域又は同条第四項 に規定する近郊整備区域
ハ 中部圏開発整備法第二条第三項 に規定する都市整備区域
二  前号に掲げるもののほか、大都市に係る都市計画区域として政令で定めるもの
2 市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とする。
3 市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とする。

(区域区分)

第七条の二
都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる方針(以下「都市再開発方針等」という。)で必要なものを定めるものとする。
一 都市再開発法 (昭和四十四年法律第三十八号)第二条の三第一項 又は第二項 の規定による都市再開発の方針
二 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 (昭和五十年法律第六十七号)第四条第一項 の規定による住宅市街地の開発整備の方針
三 地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律 (平成四年法律第七十六号)第三十条 の規定による拠点業務市街地の開発整備の方針
四  密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律 (平成九年法律第四十九号。以下「密集市街地整備法」という。)第三条第一項 の規定による防災街区整備方針
2 都市計画区域について定められる都市計画(区域外都市施設に関するものを含む。)は、都市再開発方針等に即したものでなければならない。

(地域地区)

第八条
一  第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域又は工業専用地域(以下「用途地域」と総称する。)
二  特別用途地区
二の二  特定用途制限地域
二の三  特例容積率適用地区
二の四  高層住居誘導地区
三  高度地区又は高度利用地区
四  特定街区
四の二  都市再生特別措置法(平成十四年法律第二十二号)第三十六条第一項の規定による都市再生特別地区
五  防火地域又は準防火地域
五の二  密集市街地整備法第三十一条第一項 の規定による特定防災街区整備地区
六  景観法(平成十六年法律第百十号)第六十一条第一項 の規定による景観地区
七  風致地区
八  駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)第三条第一項 の規定による駐車場整備地区
九  臨港地区
十  古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法 (昭和四十一年法律第一号)第六条第一項 の規定による歴史的風土特別保存地区
十一  明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法 (昭和五十五年法律第六十号)第三条第一項 の規定による第一種歴史的風土保存地区又は第二種歴史的風土保存地区
十二  都市緑地法(昭和四十八年法律第七十二号)第五条 の規定による緑地保全地域、同法第十二条 の規定による特別緑地保全地区又は同法第三十四条第一項 の規定による緑化地域
十三  流通業務市街地の整備に関する法律(昭和四十一年法律第百十号)第四条第一項の規定による流通業務地区
十四  生産緑地法(昭和四十九年法律第六十八号)第三条第一項 の規定による生産緑地地区
十五  文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第百四十三条第一項 の規定による伝統的建造物群保存地区
十六  特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法 (昭和五十三年法律第二十六号)第四条第一項 の規定による航空機騒音障害防止地区又は航空機騒音障害防止特別地区
2  準都市計画区域については、都市計画に、前項第一号から第二号の二まで、第三号(高度地区に係る部分に限る。)、第六号、第七号、第十二号(都市緑地法第五条 の規定による緑地保全地域に係る部分に限る。)又は第十五号に掲げる地域又は地区で必要なものを定めるものとする。
3  地域地区については、次に掲げる事項を都市計画に定めるものとする。
一  地域地区の種類(特別用途地区にあつては、その指定により実現を図るべき特別の目的を明らかにした特別用途地区の種類)、位置及び区域
二  次に掲げる地域地区については、それぞれ次に定める事項
イ 用途地域 建築基準法第五十二条第一項第一号 から第四号 までに規定する建築物の容積率(延べ面積の敷地面積に対する割合をいう。以下同じ。)並びに同法第五十三条の二第一項 及び第二項 に規定する建築物の敷地面積の最低限度(建築物の敷地面積の最低限度にあつては、当該地域における市街地の環境を確保するため必要な場合に限る。)
ロ 第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域 建築基準法第五十三条第一項第一号 に規定する建築物の建ぺい率(建築面積の敷地面積に対する割合をいう。以下同じ。)、同法第五十四条 に規定する外壁の後退距離の限度(低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため必要な場合に限る。)及び同法第五十五条第一項 に規定する建築物の高さの限度
ハ 第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域、工業地域又は工業専用地域 建築基準法第五十三条第一項第一号 から第三号 まで又は第五号 に規定する建築物の建ぺい率
ニ 特定用途制限地域 制限すべき特定の建築物等の用途の概要
ホ 特例容積率適用地区 建築物の高さの最高限度(当該地区における市街地の環境を確保するために必要な場合に限る。)

ヘ 高層住居誘導地区 建築基準法第五十二条第一項第五号 に規定する建築物の容積率、建築物の建ぺい率の最高限度(当該地区における市街地の環境を確保するため必要な場合に限る。次条第十六項において同じ。)及び建築物の敷地面積の最低限度(当該地区における市街地の環境を確保するため必要な場合に限る。次条第十六項において同じ。)

ト 高度地区 建築物の高さの最高限度又は最低限度(準都市計画区域内にあつては、建築物の高さの最高限度。次条第十七項において同じ。)
チ 高度利用地区 建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限(壁面の位置の制限にあつては、敷地内に道路(都市計画において定められた計画道路を含む。以下この号において同じ。)に接して有効な空間を確保して市街地の環境の向上を図るため必要な場合における当該道路に面する壁面の位置に限る。次条第十八項において同じ。)
リ 特定街区 建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限

三  その他政令で定める事項

4  都市再生特別地区、特定防災街区整備地区、景観地区及び緑化地域について都市計画に定めるべき事項は、前項第一号及び第三号に掲げるもののほか、別に法律で定める。
第九条
第一種低層住居専用地域は、低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。
2  第二種低層住居専用地域は、主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。
3  第一種中高層住居専用地域は、中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。
4  第二種中高層住居専用地域は、主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。
5  第一種住居地域は、住居の環境を保護するため定める地域とする。
6  第二種住居地域は、主として住居の環境を保護するため定める地域とする。
7  準住居地域は、道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域とする。
8  近隣商業地域は、近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域とする。
9  商業地域は、主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域とする。
10  準工業地域は、主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域とする。
11  工業地域は、主として工業の利便を増進するため定める地域とする。
12  工業専用地域は、工業の利便を増進するため定める地域とする。
13  特別用途地区は、用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地区とする。
14  特定用途制限地域は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)内において、その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域とする。
15  特例容積率適用地区は、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域又は工業地域内の適正な配置及び規模の公共施設を備えた土地の区域において、建築基準法第五十二条第一項 から第九項 までの規定による建築物の容積率の限度からみて未利用となつている建築物の容積の活用を促進して土地の高度利用を図るため定める地区とする。
16  高層住居誘導地区は、住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域でこれらの地域に関する都市計画において建築基準法第五十二条第一項第二号 に規定する建築物の容積率が十分の四十又は十分の五十と定められたものの内において、建築物の容積率の最高限度、建築物の建ぺい率の最高限度及び建築物の敷地面積の最低限度を定める地区とする。
17  高度地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区とする。
18  高度利用地区は、用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限を定める地区とする。
19  特定街区は、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定める街区とする。
20  防火地域又は準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するため定める地域とする。
21  風致地区は、都市の風致を維持するため定める地区とする。
22  臨港地区は、港湾を管理運営するため定める地区とする。
第十条
地域地区内における建築物その他の工作物に関する制限については、この法律に特に定めるもののほか、別に法律で定める。

(促進区域)

第十条の二
都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる区域で必要なものを定めるものとする。
一  都市再開発法第七条第一項 の規定による市街地再開発促進区域
二  大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第五条第一項 の規定による土地区画整理促進区域
三  大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第二十四条第一項 の規定による住宅街区整備促進区域
四  地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律第十九条第一項 の規定による拠点業務市街地整備土地区画整理促進区域
2  促進区域については、促進区域の種類、名称、位置及び区域その他政令で定める事項のほか、別に法律で定める事項を都市計画に定めるものとする。
3  促進区域内における建築物の建築その他の行為に関する制限については、別に法律で定める。

(遊休土地転換利用促進地区)

第十条の三
都市計画区域について必要があるときは、都市計画に、次に掲げる条件に該当する土地の区域について、遊休土地転換利用促進地区を定めるものとする。
一  当該区域内の土地が、相当期間にわたり住宅の用、事業の用に供する施設の用その他の用途に供されていないことその他の政令で定める要件に該当していること。
二  当該区域内の土地が前号の要件に該当していることが、当該区域及びその周辺の地域における計画的な土地利用の増進を図る上で著しく支障となつていること。
三  当該区域内の土地の有効かつ適切な利用を促進することが、当該都市の機能の増進に寄与すること。
四  おおむね五千平方メートル以上の規模の区域であること。
五  当該区域が市街化区域内にあること。
1  遊休土地転換利用促進地区については、名称、位置及び区域その他政令で定める事項を都市計画に定めるものとする。

(被災市街地復興推進地域)

第十条の四
都市計画区域について必要があるときは、都市計画に、被災市街地復興特別措置法 (平成七年法律第十四号)第五条第一項 の規定による被災市街地復興推進地域を定めるものとする。
2 被災市街地復興推進地域については、名称、位置及び区域その他政令で定める事項のほか、別に法律で定める事項を都市計画に定めるものとする。
3 被災市街地復興推進地域内における建築物の建築その他の行為に関する制限については、別に法律で定める。

(都市施設)

第十一条
都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる施設で必要なものを定めるものとする。この場合において、特に必要があるときは、当該都市計画区域外においても、これらの施設を定めることができる。
一  道路、都市高速鉄道、駐車場、自動車ターミナルその他の交通施設
二  公園、緑地、広場、墓園その他の公共空地
三  水道、電気供給施設、ガス供給施設、下水道、汚物処理場、ごみ焼却場その他の供給施設又は処理施設
四  河川、運河その他の水路
五  学校、図書館、研究施設その他の教育文化施設
六  病院、保育所その他の医療施設又は社会福祉施設
七  市場、と畜場又は火葬場
八  一団地の住宅施設(一団地における五十戸以上の集団住宅及びこれらに附帯する通路その他の施設をいう。)
九  一団地の官公庁施設(一団地の国家機関又は地方公共団体の建築物及びこれらに附帯する通路その他の施設をいう。)
十  流通業務団地
十一  その他政令で定める施設
2  都市施設については、都市施設の種類、名称、位置及び区域その他政令で定める事項を都市計画に定めるものとする。
3  道路、河川その他の政令で定める都市施設については、前項に規定するもののほか、適正かつ合理的な土地利用を図るため必要があるときは、当該都市施設の区域の地下又は空間について、当該都市施設を整備する立体的な範囲を都市計画に定めることができる。この場合において、地下に当該立体的な範囲を定めるときは、併せて当該立体的な範囲からの離隔距離の最小限度及び載荷重の最大限度(当該離隔距離に応じて定めるものを含む。)を定めることができる。
4  密集市街地整備法第三十条 に規定する防災都市施設に係る都市施設、都市再生特別措置法第五十一条第一項の規定により決定又は変更をする都市計画に係る都市施設、都市鉄道等利便増進法 (平成十七年法律第四十一号)第十九条 の規定により付議して定める都市計画に係る都市施設及び流通業務団地について都市計画に定めるべき事項は、この法律に定めるもののほか、別に法律で定める。
5  次に掲げる都市施設については、第十二条の三第一項の規定により定められる場合を除き、第一号又は第二号に掲げる都市施設にあつては国の機関又は地方公共団体のうちから、第三号に掲げる都市施設にあつては流通業務市街地の整備に関する法律第十条に規定する者のうちから、当該都市施設に関する都市計画事業の施行予定者を都市計画に定めることができる。
一  区域の面積が二十ヘクタール以上の一団地の住宅施設
二  一団地の官公庁施設
三  流通業務団地
6  前項の規定により施行予定者が定められた都市施設に関する都市計画は、これを変更して施行予定者を定めないものとすることができない。

(市街地開発事業)

第十二条
都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる事業で必要なものを定めるものとする。
一  土地区画整理法 (昭和二十九年法律第百十九号)による土地区画整理事業
二  新住宅市街地開発法 (昭和三十八年法律第百三十四号)による新住宅市街地開発事業
三  首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律(昭和三十三年法律第九十八号)による工業団地造成事業又は近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律 (昭和三十九年法律第百四十五号)による工業団地造成事業
四  都市再開発法 による市街地再開発事業
五  新都市基盤整備法 (昭和四十七年法律第八十六号)による新都市基盤整備事業
六  大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 による住宅街区整備事業
七  密集市街地整備法 による防災街区整備事業
2  市街地開発事業については、市街地開発事業の種類、名称及び施行区域その他政令で定める事項を都市計画に定めるものとする。
3  土地区画整理事業については、前項に定めるもののほか、公共施設の配置及び宅地の整備に関する事項を都市計画に定めるものとする。
4  市街地開発事業について都市計画に定めるべき事項は、この法律に定めるもののほか、別に法律で定める。
5  第一項第二号、第三号又は第五号に掲げる市街地開発事業については、第十二条の三第一項の規定により定められる場合を除き、これらの事業に関する法律(新住宅市街地開発法第四十五条第一項 を除く。)において施行者として定められている者のうちから、当該市街地開発事業の施行予定者を都市計画に定めることができる。
6  前項の規定により施行予定者が定められた市街地開発事業に関する都市計画は、これを変更して施行予定者を定めないものとすることができない。

(市街地開発事業等予定区域)

第十二条の二
都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる予定区域で必要なものを定めるものとする。
一  新住宅市街地開発事業の予定区域
二  工業団地造成事業の予定区域
三  新都市基盤整備事業の予定区域
四  区域の面積が二十ヘクタール以上の一団地の住宅施設の予定区域
五  一団地の官公庁施設の予定区域
六  流通業務団地の予定区域
2  市街地開発事業等予定区域については、市街地開発事業等予定区域の種類、名称、区域、施行予定者その他政令で定める事項を都市計画に定めるものとする。
3  施行予定者は、第一項第一号から第三号まで又は第六号に掲げる予定区域にあつてはこれらの事業又は施設に関する法律(新住宅市街地開発法第四十五条第一項 を除く。)において施行者として定められている者のうちから、第一項第四号又は第五号に掲げる予定区域にあつては国の機関又は地方公共団体のうちから定めるものとする。
4  市街地開発事業等予定区域に関する都市計画が定められた場合においては、当該都市計画についての第二十条第一項の規定による告示の日から起算して三年以内に、当該市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画を定めなければならない。
5  前項の期間内に、市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画が定められたときは当該都市計画についての第二十条第一項の規定による告示の日の翌日から起算して十日を経過した日から、その都市計画が定められなかつたときは前項の期間満了の日の翌日から、将来に向かつて、当該市街地開発事業等予定区域に関する都市計画は、その効力を失う。

(市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画に定める事項)

第十二条の三
市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画には、施行予定者をも定めるものとする。
2  前項の都市計画に定める施行区域又は区域及び施行予定者は、当該市街地開発事業等予定区域に関する都市計画に定められた区域及び施行予定者でなければならない。

(地区計画)

第十二条の五
区計画は、建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区を整備し、開発し、及び保全するための計画とし、次の各号のいずれかに該当する土地の区域について定めるものとする。
一  用途地域が定められている土地の区域
二  用途地域が定められていない土地の区域のうち次のいずれかに該当するもの
イ 住宅市街地の開発その他建築物若しくはその敷地の整備に関する事業が行われる、又は行われた土地の区域
ロ 建築物の建築又はその敷地の造成が無秩序に行われ、又は行われると見込まれる一定の土地の区域で、公共施設の整備の状況、土地利用の動向等からみて不良な街区の環境が形成されるおそれがあるもの
ハ 健全な住宅市街地における良好な居住環境その他優れた街区の環境が形成されている土地の区域
2  地区計画については、前条第二項に定めるもののほか、次に掲げる事項を都市計画に定めるものとする。
一  当該地区計画の目標
二  当該区域の整備、開発及び保全に関する方針
三  主として街区内の居住者等の利用に供される道路、公園その他の政令で定める施設(以下「地区施設」という。)及び建築物等の整備並びに土地の利用に関する計画(以下「地区整備計画」という。)
3  次に掲げる条件に該当する土地の区域における地区計画については、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進とを図るため、一体的かつ総合的な市街地の再開発又は開発整備を実施すべき区域(以下「再開発等促進区」という。)を都市計画に定めることができる。
一  現に土地の利用状況が著しく変化しつつあり、又は著しく変化することが確実であると見込まれる土地の区域であること。
二  土地の合理的かつ健全な高度利用を図るため、適正な配置及び規模の公共施設を整備する必要がある土地の区域であること。
三  当該区域内の土地の高度利用を図ることが、当該都市の機能の増進に貢献することとなる土地の区域であること。
四  用途地域が定められている土地の区域であること。
4  次に掲げる条件に該当する土地の区域における地区計画については、劇場、店舗、飲食店その他これらに類する用途に供する大規模な建築物(以下「特定大規模建築物」という。)の整備による商業その他の業務の利便の増進を図るため、一体的かつ総合的な市街地の開発整備を実施すべき区域(以下「開発整備促進区」という。)を都市計画に定めることができる。
一  現に土地の利用状況が著しく変化しつつあり、又は著しく変化することが確実であると見込まれる土地の区域であること。
二  特定大規模建築物の整備による商業その他の業務の利便の増進を図るため、適正な配置及び規模の公共施設を整備する必要がある土地の区域であること。
三  当該区域内において特定大規模建築物の整備による商業その他の業務の利便の増進を図ることが、当該都市の機能の増進に貢献することとなる土地の区域であること。
四  第二種住居地域、準住居地域若しくは工業地域が定められている土地の区域又は用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)であること。
5  再開発等促進区又は開発整備促進区を定める地区計画においては、第二項各号に掲げるもののほか、当該再開発等促進区又は開発整備促進区に関し必要な次に掲げる事項を都市計画に定めるものとする。
一  土地利用に関する基本方針
二  道路、公園その他の政令で定める施設(都市計画施設及び地区施設を除く。)の配置及び規模
6  再開発等促進区又は開発整備促進区を都市計画に定める際、当該再開発等促進区又は開発整備促進区について、当面建築物又はその敷地の整備と併せて整備されるべき公共施設の整備に関する事業が行われる見込みがないときその他前項第二号に規定する施設の配置及び規模を定めることができない特別の事情があるときは、当該再開発等促進区又は開発整備促進区について同号に規定する施設の配置及び規模を定めることを要しない。
7  地区整備計画においては、次に掲げる事項(市街化調整区域内において定められる地区整備計画については、建築物の容積率の最低限度、建築物の建築面積の最低限度及び建築物等の高さの最低限度を除く。)のうち、地区計画の目的を達成するため必要な事項を定めるものとする。
一  地区施設の配置及び規模
二  建築物等の用途の制限、建築物の容積率の最高限度又は最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の敷地面積又は建築面積の最低限度、壁面の位置の制限、壁面後退区域(壁面の位置の制限として定められた限度の線と敷地境界線との間の土地の区域をいう。以下同じ。)における工作物の設置の制限、建築物等の高さの最高限度又は最低限度、建築物等の形態又は色彩その他の意匠の制限、建築物の緑化率(都市緑地法第三十四条第二項 に規定する緑化率をいう。)の最低限度その他建築物等に関する事項で政令で定めるもの
三  現に存する樹林地、草地等で良好な居住環境を確保するため必要なものの保全に関する事項
四  前三号に掲げるもののほか、土地の利用に関する事項で政令で定めるもの
8  地区計画を都市計画に定める際、当該地区計画の区域の全部又は一部について地区整備計画を定めることができない特別の事情があるときは、当該区域の全部又は一部について地区整備計画を定めることを要しない。この場合において、地区計画の区域の一部について地区整備計画を定めるときは、当該地区計画については、地区整備計画の区域をも都市計画に定めなければならない。

(建築物の容積率の最高限度を区域の特性に応じたものと公共施設の整備状況に応じたものとに区分して定める地区整備計画)

第十二条の六
地区整備計画においては、適正な配置及び規模の公共施設が整備されていない土地の区域において適正かつ合理的な土地利用の促進を図るため特に必要であると認められるときは、前条第七項第二号の建築物の容積率の最高限度について次の各号に掲げるものごとに数値を区分し、第一号に掲げるものの数値を第二号に掲げるものの数値を超えるものとして定めるものとする。
一  当該地区整備計画の区域の特性(再開発等促進区及び開発整備促進区にあつては、土地利用に関する基本方針に従つて土地利用が変化した後の区域の特性)に応じたもの
二  当該地区整備計画の区域内の公共施設の整備の状況に応じたもの

(区域を区分して建築物の容積を適正に配分する地区整備計画)

第十二条の七
地区整備計画(再開発等促進区及び開発整備促進区におけるものを除く。以下この条において同じ。)においては、用途地域内の適正な配置及び規模の公共施設を備えた土地の区域において建築物の容積を適正に配分することが当該地区整備計画の区域の特性に応じた合理的な土地利用の促進を図るため特に必要であると認められるときは、当該地区整備計画の区域を区分して第十二条の五第七項第二号の建築物の容積率の最高限度を定めるものとする。この場合において、当該地区整備計画の区域を区分して定められた建築物の容積率の最高限度の数値にそれぞれの数値の定められた区域の面積を乗じたものの合計は、当該地区整備計画の区域内の用途地域において定められた建築物の容積率の数値に当該数値の定められた区域の面積を乗じたものの合計を超えてはならない。

(高度利用と都市機能の更新とを図る地区整備計画)

第十二条の八
地区整備計画(再開発等促進区及び開発整備促進区におけるものを除く。)においては、用途地域(第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域を除く。)内の適正な配置及び規模の公共施設を備えた土地の区域において、その合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため特に必要であると認められるときは、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限(壁面の位置の制限にあつては、敷地内に道路(都市計画において定められた計画道路及び地区施設である道路を含む。以下この条において同じ。)に接して有効な空間を確保して市街地の環境の向上を図るため必要な場合における当該道路に面する壁面の位置を制限するもの(これを含む壁面の位置の制限を含む。)に限る。)を定めるものとする。

(住居と住居以外の用途とを適正に配分する地区整備計画)

第十二条の九
地区整備計画(開発整備促進区におけるものを除く。以下この条において同じ。)においては、住居と住居以外の用途とを適正に配分することが当該地区整備計画の区域の特性(再開発等促進区にあつては、土地利用に関する基本方針に従つて土地利用が変化した後の区域の特性)に応じた合理的な土地利用の促進を図るため特に必要であると認められるときは、第十二条の五第七項第二号の建築物の容積率の最高限度について次の各号に掲げるものごとに数値を区分し、第一号に掲げるものの数値を第二号に掲げるものの数値以上のものとして定めるものとする。
一  その全部又は一部を住宅の用途に供する建築物に係るもの
二  その他の建築物に係るもの

(区域の特性に応じた高さ、配列及び形態を備えた建築物の整備を誘導する地区整備計画)

第十二条の十
地区整備計画においては、当該地区整備計画の区域の特性(再開発等促進区及び開発整備促進区にあつては、土地利用に関する基本方針に従つて土地利用が変化した後の区域の特性)に応じた高さ、配列及び形態を備えた建築物を整備することが合理的な土地利用の促進を図るため特に必要であると認められるときは、壁面の位置の制限(道路(都市計画において定められた計画道路及び第十二条の五第五項第二号に規定する施設又は地区施設である道路を含む。)に面する壁面の位置を制限するものを含むものに限る。)、壁面後退区域における工作物の設置の制限(当該壁面後退区域において連続的に有効な空地を確保するため必要なものを含むものに限る。)及び建築物の高さの最高限度を定めるものとする。

(道路の上空又は路面下において建築物等の整備を一体的に行うための地区整備計画)

第十二条の十一
地区整備計画においては、第十二条の五第七項に定めるもののほか、適正かつ合理的な土地利用の促進を図るため、都市計画施設である道路(自動車のみの交通の用に供するもの及び自動車の沿道への出入りができない高架その他の構造のものに限る。)の整備と併せて当該都市計画施設である道路の上空又は路面下において建築物等の整備を一体的に行うことが適切であると認められるときは、当該都市計画施設である道路の区域のうち、建築物等の敷地として併せて利用すべき区域を定めることができる。この場合においては、当該区域内における建築物等の建築又は建設の限界(当該都市計画施設である道路の整備上必要な建築物等の建築又は建設の限界であつて、空間又は地下について上下の範囲を定めたものをいう。)をも定めなければならない。

(適正な配置の特定大規模建築物を整備するための地区整備計画)

第十二条の十二
開発整備促進区における地区整備計画においては、第十二条の五第七項に定めるもののほか、土地利用に関する基本方針に従つて土地利用が変化した後の当該地区整備計画の区域の特性に応じた適正な配置の特定大規模建築物を整備することが合理的な土地利用の促進を図るため特に必要であると認められるときは、劇場、店舗、飲食店その他これらに類する用途のうち当該区域において誘導すべき用途及び当該誘導すべき用途に供する特定大規模建築物の敷地として利用すべき土地の区域を定めることができる。

(防災街区整備地区計画等について都市計画に定めるべき事項)

第十二条の十三  防災街区整備地区計画、歴史的風致維持向上地区計画、沿道地区計画及び集落地区計画について都市計画に定めるべき事項は、第十二条の四第二項に定めるもののほか、別に法律で定める。

(都市計画基準)

第十三条
都市計画区域について定められる都市計画(区域外都市施設に関するものを含む。次項において同じ。)は、国土形成計画、首都圏整備計画、近畿圏整備計画、中部圏開発整備計画、北海道総合開発計画、沖縄振興計画その他の国土計画又は地方計画に関する法律に基づく計画(当該都市について公害防止計画が定められているときは、当該公害防止計画を含む。第三項において同じ。)及び道路、河川、鉄道、港湾、空港等の施設に関する国の計画に適合するとともに、当該都市の特質を考慮して、次に掲げるところに従つて、土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する事項で当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを、一体的かつ総合的に定めなければならない。この場合においては、当該都市における自然的環境の整備又は保全に配慮しなければならない。
一  都市計画区域の整備、開発及び保全の方針は、当該都市の発展の動向、当該都市計画区域における人口及び産業の現状及び将来の見通し等を勘案して、当該都市計画区域を一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全することを目途として、当該方針に即して都市計画が適切に定められることとなるように定めること。
二  区域区分は、当該都市の発展の動向、当該都市計画区域における人口及び産業の将来の見通し等を勘案して、産業活動の利便と居住環境の保全との調和を図りつつ、国土の合理的利用を確保し、効率的な公共投資を行うことができるように定めること。
三  都市再開発の方針は、市街化区域内において、計画的な再開発が必要な市街地について定めること。
四  住宅市街地の開発整備の方針は、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第四条第一項 に規定する都市計画区域について、良好な住宅市街地の開発整備が図られるように定めること。
五  拠点業務市街地の開発整備の方針は、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律第八条第一項 の同意基本計画において定められた同法第二条第二項 の拠点地区に係る市街化区域について、当該同意基本計画の達成に資するように定めること。
六  防災街区整備方針は、市街化区域内において、密集市街地整備法第二条第一号 の密集市街地内の各街区について同条第二号 の防災街区としての整備が図られるように定めること。
七  地域地区は、土地の自然的条件及び土地利用の動向を勘案して、住居、商業、工業その他の用途を適正に配分することにより、都市機能を維持増進し、かつ、住居の環境を保護し、商業、工業等の利便を増進し、良好な景観を形成し、風致を維持し、公害を防止する等適正な都市環境を保持するように定めること。この場合において、市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとする。
八  促進区域は、市街化区域又は区域区分が定められていない都市計画区域内において、主として関係権利者による市街地の計画的な整備又は開発を促進する必要があると認められる土地の区域について定めること。
九  遊休土地転換利用促進地区は、主として関係権利者による有効かつ適切な利用を促進する必要があると認められる土地の区域について定めること。
十  被災市街地復興推進地域は、大規模な火災、震災その他の災害により相当数の建築物が滅失した市街地の計画的な整備改善を推進して、その緊急かつ健全な復興を図る必要があると認められる土地の区域について定めること。
十一  都市施設は、土地利用、交通等の現状及び将来の見通しを勘案して、適切な規模で必要な位置に配置することにより、円滑な都市活動を確保し、良好な都市環境を保持するように定めること。この場合において、市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、公園及び下水道を定めるものとし、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域及び準住居地域については、義務教育施設をも定めるものとする。
十二  市街地開発事業は、市街化区域又は区域区分が定められていない都市計画区域内において、一体的に開発し、又は整備する必要がある土地の区域について定めること。
十三  市街地開発事業等予定区域は、市街地開発事業に係るものにあつては市街化区域又は区域区分が定められていない都市計画区域内において、一体的に開発し、又は整備する必要がある土地の区域について、都市施設に係るものにあつては当該都市施設が第十一号前段の基準に合致することとなるような土地の区域について定めること。
十四  地区計画は、公共施設の整備、建築物の建築その他の土地利用の現状及び将来の見通しを勘案し、当該区域の各街区における防災、安全、衛生等に関する機能が確保され、かつ、その良好な環境の形成又は保持のためその区域の特性に応じて合理的な土地利用が行われることを目途として、当該計画に従つて秩序ある開発行為、建築又は施設の整備が行われることとなるように定めること。この場合において、次のイからハまでに掲げる地区計画については、当該イからハまでに定めるところによること。
イ 市街化調整区域における地区計画 市街化区域における市街化の状況等を勘案して、地区計画の区域の周辺における市街化を促進することがない等当該都市計画区域における計画的な市街化を図る上で支障がないように定めること。
ロ 再開発等促進区を定める地区計画 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進とが図られることを目途として、一体的かつ総合的な市街地の再開発又は開発整備が実施されることとなるように定めること。この場合において、第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域については、再開発等促進区の周辺の低層住宅に係る良好な住居の環境の保護に支障がないように定めること。
ハ 開発整備促進区を定める地区計画 特定大規模建築物の整備による商業その他の業務の利便の増進が図られることを目途として、一体的かつ総合的な市街地の開発整備が実施されることとなるように定めること。この場合において、第二種住居地域及び準住居地域については、開発整備促進区の周辺の住宅に係る住居の環境の保護に支障がないように定めること。
十五  防災街区整備地区計画は、当該区域の各街区が火事又は地震が発生した場合の延焼防止上及び避難上確保されるべき機能を備えるとともに、土地の合理的かつ健全な利用が図られることを目途として、一体的かつ総合的な市街地の整備が行われることとなるように定めること。
十六  歴史的風致維持向上地区計画は、地域におけるその固有の歴史及び伝統を反映した人々の活動とその活動が行われる歴史上価値の高い建造物及びその周辺の市街地とが一体となつて形成してきた良好な市街地の環境の維持及び向上並びに土地の合理的かつ健全な利用が図られるように定めること。
十七  沿道地区計画は、道路交通騒音により生ずる障害を防止するとともに、適正かつ合理的な土地利用が図られるように定めること。この場合において、沿道再開発等促進区(幹線道路の沿道の整備に関する法律第九条第三項 の規定による沿道再開発等促進区をいう。以下同じ。)を定める沿道地区計画については、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進とが図られることを目途として、一体的かつ総合的な市街地の再開発又は開発整備が実施されることとなるように定めることとし、そのうち第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域におけるものについては、沿道再開発等促進区の周辺の低層住宅に係る良好な住居の環境の保護に支障がないように定めること。
十八  集落地区計画は、営農条件と調和のとれた居住環境を整備するとともに、適正な土地利用が図られるように定めること。
十九  前各号の基準を適用するについては、第六条第一項の規定による都市計画に関する基礎調査の結果に基づき、かつ、政府が法律に基づき行う人口、産業、住宅、建築、交通、工場立地その他の調査の結果について配慮すること。
2  都市計画区域について定められる都市計画は、当該都市の住民が健康で文化的な都市生活を享受することができるように、住宅の建設及び居住環境の整備に関する計画を定めなければならない。
3  準都市計画区域について定められる都市計画は、第一項に規定する国土計画若しくは地方計画又は施設に関する国の計画に適合するとともに、地域の特質を考慮して、次に掲げるところに従つて、土地利用の整序又は環境の保全を図るため必要な事項を定めなければならない。この場合においては、当該地域における自然的環境の整備又は保全及び農林漁業の生産条件の整備に配慮しなければならない。
一  地域地区は、土地の自然的条件及び土地利用の動向を勘案して、住居の環境を保護し、良好な景観を形成し、風致を維持し、公害を防止する等地域の環境を適正に保持するように定めること。
二  前号の基準を適用するについては、第六条第二項の規定による都市計画に関する基礎調査の結果に基づくこと。
4  都市再開発方針等、第八条第一項第四号の二、第五号の二、第六号、第八号及び第十号から第十六号までに掲げる地域地区、促進区域、被災市街地復興推進地域、流通業務団地、市街地開発事業、市街地開発事業等予定区域(第十二条の二第一項第四号及び第五号に掲げるものを除く。)、防災街区整備地区計画、歴史的風致維持向上地区計画、沿道地区計画並びに集落地区計画に関する都市計画の策定に関し必要な基準は、前三項に定めるもののほか、別に法律で定める。
5  地区計画を都市計画に定めるについて必要な基準は、第一項及び第二項に定めるもののほか、政令で定める。
6  都市計画の策定に関し必要な技術的基準は、政令で定める。

(都市計画の図書)

第十四条
都市計画は、国土交通省令で定めるところにより、総括図、計画図及び計画書によつて表示するものとする。
2  計画図及び計画書における区域区分の表示又は次に掲げる区域の表示は、土地に関し権利を有する者が、自己の権利に係る土地が区域区分により区分される市街化区域若しくは市街化調整区域のいずれの区域に含まれるか又は次に掲げる区域に含まれるかどうかを容易に判断することができるものでなければならない。
一  都市再開発の方針に定められている都市再開発法第二条の三第一項第二号 又は第二項 の地区の区域
二  防災街区整備方針に定められている防災再開発促進地区(密集市街地整備法第三条第一項第一号 に規定する防災再開発促進地区をいう。)の区域
三  地域地区の区域
四  促進区域の区域
五  遊休土地転換利用促進地区の区域
六  被災市街地復興推進地域の区域
七  都市計画施設の区域
八  市街地開発事業の施行区域
九  市街地開発事業等予定区域の区域
十  地区計画の区域(地区計画の区域の一部について再開発等促進区若しくは開発整備促進区又は地区整備計画が定められているときは、地区計画の区域及び再開発等促進区若しくは開発整備促進区又は地区整備計画の区域)
十一  防災街区整備地区計画の区域(防災街区整備地区計画の区域について地区防災施設(密集市街地整備法第三十二条第二項第二号 に規定する地区防災施設をいう。以下この号及び第三十三条第一項において同じ。)、特定建築物地区整備計画(密集市街地整備法第三十二条第二項第二号 の規定による特定建築物地区整備計画をいう。以下この号及び第三十三条第一項において同じ。)又は防災街区整備地区整備計画(密集市街地整備法第三十二条第二項第三号 の規定による防災街区整備地区整備計画をいう。以下この号及び第三十三条第一項において同じ。)が定められているときは、防災街区整備地区計画の区域及び地区防災施設の区域、特定建築物地区整備計画の区域又は防災街区整備地区整備計画の区域)
十二  歴史的風致維持向上地区計画の区域(歴史的風致維持向上地区計画の区域の一部について地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律第三十一条第三項第三号 に規定する土地の区域又は歴史的風致維持向上地区整備計画(同条第二項第四号 の規定による歴史的風致維持向上地区整備計画をいう。以下この号及び第三十三条第一項において同じ。)が定められているときは、歴史的風致維持向上地区計画の区域及び当該定められた土地の区域又は歴史的風致維持向上地区整備計画の区域)
十三  沿道地区計画の区域(沿道地区計画の区域の一部について沿道再開発等促進区又は沿道地区整備計画(幹線道路の沿道の整備に関する法律第九条第二項第二号 に掲げる沿道地区整備計画をいう。以下同じ。)が定められているときは、沿道地区計画の区域及び沿道再開発等促進区又は沿道地区整備計画の区域)
十四  集落地区計画の区域(集落地区計画の区域の一部について集落地区整備計画(集落地域整備法第五条第三項 の規定による集落地区整備計画をいう。以下同じ。)が定められているときは、集落地区計画の区域及び集落地区整備計画の区域)
3  第十一条第三項の規定により都市計画施設の区域について都市施設を整備する立体的な範囲が定められている場合においては、計画図及び計画書における当該立体的な範囲の表示は、当該区域内において建築物の建築をしようとする者が、当該建築が、当該立体的な範囲外において行われるかどうか、同項後段の規定により当該立体的な範囲からの離隔距離の最小限度が定められているときは当該立体的な範囲から最小限度の離隔距離を確保しているかどうかを容易に判断することができるものでなければならない。

第二節 都市計画の決定及び変更

[編集]

(都市計画を定める者)

第十五条
次に掲げる都市計画は都道府県が、その他の都市計画は市町村が定める。
一  都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に関する都市計画
二  区域区分に関する都市計画
三  都市再開発方針等に関する都市計画
四  第八条第一項第四号の二、第九号から第十三号まで及び第十六号に掲げる地域地区(同項第九号に掲げる地区にあつては港湾法 (昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第二項 の重要港湾に係るものに、第八条第一項第十二号に掲げる地区にあつては都市緑地法第五条 の規定による緑地保全地域、首都圏近郊緑地保全法 (昭和四十一年法律第百一号)第四条第二項第三号 の近郊緑地特別保全地区及び近畿圏の保全区域の整備に関する法律(昭和四十二年法律第百三号)第六条第二項 の近郊緑地特別保全地区に限る。)に関する都市計画
五  一の市町村の区域を超える広域の見地から決定すべき地域地区として政令で定めるもの又は一の市町村の区域を超える広域の見地から決定すべき都市施設若しくは根幹的都市施設として政令で定めるものに関する都市計画
六  市街地開発事業(政令で定める小規模な土地区画整理事業、市街地再開発事業、住宅街区整備事業及び防災街区整備事業を除く。)に関する都市計画
七  市街地開発事業等予定区域に関する都市計画
1  市町村の合併その他の理由により、前項第五号に該当する都市計画が同号に該当しないこととなつたとき、又は同号に該当しない都市計画が同号に該当することとなつたときは、当該都市計画は、それぞれ市町村又は都道府県が決定したものとみなす。
3  市町村が定める都市計画は、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想に即し、かつ、都道府県が定めた都市計画に適合したものでなければならない。
4  市町村が定めた都市計画が、都道府県が定めた都市計画と抵触するときは、その限りにおいて、都道府県が定めた都市計画が優先するものとする。

(都道府県の都市計画の案の作成)

第十五条の二
市町村は、必要があると認めるときは、都道府県に対し、都道府県が定める都市計画の案の内容となるべき事項を申し出ることができる。
2  都道府県は、都市計画の案を作成しようとするときは、関係市町村に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。

(公聴会の開催等)

第十六条
都道府県又は市町村は、次項の規定による場合を除くほか、都市計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
2  都市計画に定める地区計画等の案は、意見の提出方法その他の政令で定める事項について条例で定めるところにより、その案に係る区域内の土地の所有者その他政令で定める利害関係を有する者の意見を求めて作成するものとする。
3  市町村は、前項の条例において、住民又は利害関係人から地区計画等に関する都市計画の決定若しくは変更又は地区計画等の案の内容となるべき事項を申し出る方法を定めることができる。

(都市計画の案の縦覧等)

第十七条
都道府県又は市町村は、都市計画を決定しようとするときは、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、当該都市計画の案を、当該都市計画を決定しようとする理由を記載した書面を添えて、当該公告の日から二週間公衆の縦覧に供しなければならない。
2  前項の規定による公告があつたときは、関係市町村の住民及び利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、縦覧に供された都市計画の案について、都道府県の作成に係るものにあつては都道府県に、市町村の作成に係るものにあつては市町村に、意見書を提出することができる。
3  特定街区に関する都市計画の案については、政令で定める利害関係を有する者の同意を得なければならない。
4  遊休土地転換利用促進地区に関する都市計画の案については、当該遊休土地転換利用促進地区内の土地に関する所有権又は地上権その他の政令で定める使用若しくは収益を目的とする権利を有する者の意見を聴かなければならない。
5  都市計画事業の施行予定者を定める都市計画の案については、当該施行予定者の同意を得なければならない。ただし、第十二条の三第二項の規定の適用がある事項については、この限りでない。

(条例との関係)

第十七条の二
前二条の規定は、都道府県又は市町村が、住民又は利害関係人に係る都市計画の決定の手続に関する事項(前二条の規定に反しないものに限る。)について、条例で必要な規定を定めることを妨げるものではない。

(都道府県の都市計画の決定)

第十八条
都道府県は、関係市町村の意見を聴き、かつ、都道府県都市計画審議会の議を経て、都市計画を決定するものとする。
2  都道府県は、前項の規定により都市計画の案を都道府県都市計画審議会に付議しようとするときは、第十七条第二項の規定により提出された意見書の要旨を都道府県都市計画審議会に提出しなければならない。
3  都道府県は、大都市及びその周辺の都市に係る都市計画区域その他の政令で定める都市計画区域に係る都市計画(政令で定める軽易なものを除く。)又は国の利害に重大な関係がある政令で定める都市計画の決定をしようとするときは、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならない。
4  国土交通大臣は、国の利害との調整を図る観点から、前項の協議を行うものとする。

(市町村の都市計画に関する基本的な方針)

第十八条の二
市町村は、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想並びに都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に即し、当該市町村の都市計画に関する基本的な方針(以下この条において「基本方針」という。)を定めるものとする。
2  市町村は、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
3  市町村は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するとともに、都道府県知事に通知しなければならない。
4  市町村が定める都市計画は、基本方針に即したものでなければならない。

(市町村の都市計画の決定)

第十九条
市町村は、市町村都市計画審議会(当該市町村に市町村都市計画審議会が置かれていないときは、当該市町村の存する都道府県の都道府県都市計画審議会)の議を経て、都市計画を決定するものとする。
2  市町村は、前項の規定により都市計画の案を市町村都市計画審議会又は都道府県都市計画審議会に付議しようとするときは、第十七条第二項の規定により提出された意見書の要旨を市町村都市計画審議会又は都道府県都市計画審議会に提出しなければならない。
3  市町村は、都市計画区域又は準都市計画区域について都市計画(都市計画区域について定めるものにあつては区域外都市施設に関するものを含み、地区計画等にあつては当該都市計画に定めようとする事項のうち政令で定める地区施設の配置及び規模その他の事項に限る。)を決定しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事に協議し、その同意を得なければならない。
4  都道府県知事は、一の市町村の区域を超える広域の見地からの調整を図る観点又は都道府県が定め、若しくは定めようとする都市計画との適合を図る観点から、前項の協議を行うものとする。
5  都道府県知事は、第三項の協議を行うに当たり必要があると認めるときは、関係市町村に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。

(都市計画の告示等)

第二十条
都道府県又は市町村は、都市計画を決定したときは、その旨を告示し、かつ、都道府県にあつては国土交通大臣及び関係市町村長に、市町村にあつては国土交通大臣及び都道府県知事に、第十四条第一項に規定する図書の写しを送付しなければならない。
2  都道府県知事及び市町村長は、国土交通省令で定めるところにより、前項の図書又はその写しを当該都道府県又は市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。
3  都市計画は、第一項の規定による告示があつた日から、その効力を生ずる。

(都市計画の変更)

第二十一条
都道府県又は市町村は、都市計画区域又は準都市計画区域が変更されたとき、第六条第一項若しくは第二項の規定による都市計画に関する基礎調査又は第十三条第一項第十九号に規定する政府が行う調査の結果都市計画を変更する必要が明らかとなつたとき、遊休土地転換利用促進地区に関する都市計画についてその目的が達成されたと認めるとき、その他都市計画を変更する必要が生じたときは、遅滞なく、当該都市計画を変更しなければならない。
2  第十七条から第十八条まで及び前二条の規定は、都市計画の変更(第十七条、第十八条第二項及び第三項並びに第十九条第二項及び第三項の規定については、政令で定める軽易な変更を除く。)について準用する。この場合において、施行予定者を変更する都市計画の変更については、第十七条第五項中「当該施行予定者」とあるのは、「変更前後の施行予定者」と読み替えるものとする。

(都市計画の決定等の提案)

第二十一条の二
都市計画区域又は準都市計画区域のうち、一体として整備し、開発し、又は保全すべき土地の区域としてふさわしい政令で定める規模以上の一団の土地の区域について、当該土地の所有権又は建物の所有を目的とする対抗要件を備えた地上権若しくは賃借権(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。以下「借地権」という。)を有する者(以下この条において「土地所有者等」という。)は、一人で、又は数人共同して、都道府県又は市町村に対し、都市計画(都市計画区域の整備、開発及び保全の方針並びに都市再開発方針等に関するものを除く。次項において同じ。)の決定又は変更をすることを提案することができる。この場合においては、当該提案に係る都市計画の素案を添えなければならない。
2  まちづくりの推進を図る活動を行うことを目的とする特定非営利活動促進法 (平成十年法律第七号)第二条第二項 の特定非営利活動法人、一般社団法人若しくは一般財団法人その他の営利を目的としない法人、独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社若しくはまちづくりの推進に関し経験と知識を有するものとして国土交通省令で定める団体又はこれらに準ずるものとして地方公共団体の条例で定める団体は、前項に規定する土地の区域について、都道府県又は市町村に対し、都市計画の決定又は変更をすることを提案することができる。同項後段の規定は、この場合について準用する。
3  前二項の規定による提案(以下「計画提案」という。)は、次に掲げるところに従つて、国土交通省令で定めるところにより行うものとする。
一  当該計画提案に係る都市計画の素案の内容が、第十三条その他の法令の規定に基づく都市計画に関する基準に適合するものであること。
二  当該計画提案に係る都市計画の素案の対象となる土地(国又は地方公共団体の所有している土地で公共施設の用に供されているものを除く。以下この号において同じ。)の区域内の土地所有者等の三分の二以上の同意(同意した者が所有するその区域内の土地の地積と同意した者が有する借地権の目的となつているその区域内の土地の地積の合計が、その区域内の土地の総地積と借地権の目的となつている土地の総地積との合計の三分の二以上となる場合に限る。)を得ていること。

(計画提案に対する都道府県又は市町村の判断等)

第二十一条の三
都道府県又は市町村は、計画提案が行われたときは、遅滞なく、計画提案を踏まえた都市計画(計画提案に係る都市計画の素案の内容の全部又は一部を実現することとなる都市計画をいう。以下同じ。)の決定又は変更をする必要があるかどうかを判断し、当該都市計画の決定又は変更をする必要があると認めるときは、その案を作成しなければならない。

(計画提案を踏まえた都市計画の案の都道府県都市計画審議会等への付議)

第二十一条の四
都道府県又は市町村は、計画提案を踏まえた都市計画(当該計画提案に係る都市計画の素案の内容の全部を実現するものを除く。)の決定又は変更をしようとする場合において、第十八条第一項又は第十九条第一項(これらの規定を第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により都市計画の案を都道府県都市計画審議会又は市町村都市計画審議会に付議しようとするときは、当該都市計画の案に併せて、当該計画提案に係る都市計画の素案を提出しなければならない。

(計画提案を踏まえた都市計画の決定等をしない場合にとるべき措置)

第二十一条の五
都道府県又は市町村は、計画提案を踏まえた都市計画の決定又は変更をする必要がないと判断したときは、遅滞なく、その旨及びその理由を、当該計画提案をした者に通知しなければならない。
2  都道府県又は市町村は、前項の通知をしようとするときは、あらかじめ、都道府県都市計画審議会(当該市町村に市町村都市計画審議会が置かれているときは、当該市町村都市計画審議会)に当該計画提案に係る都市計画の素案を提出してその意見を聴かなければならない。

(国土交通大臣の定める都市計画)

第二十二条
二以上の都府県の区域にわたる都市計画区域に係る都市計画は、国土交通大臣及び市町村が定めるものとする。この場合においては、第十五条、第十五条の二、第十七条第一項及び第二項、第二十一条第一項、第二十一条の二第一項及び第二項並びに第二十一条の三中「都道府県」とあり、並びに第十九条第三項から第五項までの規定中「都道府県知事」とあるのは「国土交通大臣」と、第十七条の二中「都道府県又は市町村」とあるのは「市町村」と、第十八条第一項及び第二項中「都道府県は」とあるのは「国土交通大臣は」と、第十九条第四項中「都道府県が」とあるのは「国土交通大臣が」と、第二十条第一項、第二十一条の四及び前条中「都道府県又は」とあるのは「国土交通大臣又は」と、第二十条第一項中「都道府県にあつては国土交通大臣」とあるのは「国土交通大臣にあつては関係都府県知事」とする。
2  国土交通大臣は、都府県が作成する案に基づいて都市計画を定めるものとする。
3  都府県の合併その他の理由により、二以上の都府県の区域にわたる都市計画区域が一の都府県の区域内の区域となり、又は一の都府県の区域内の都市計画区域が二以上の都府県の区域にわたることとなつた場合における必要な経過措置については、政令で定める。

(他の行政機関等との調整等)

第二十三条
国土交通大臣が都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(第六条の二第二項第二号に掲げる事項に限る。以下この条及び第二十四条第三項において同じ。)若しくは区域区分に関する都市計画を定め、若しくはその決定若しくは変更に同意しようとするとき、又は都道府県が都市計画区域の整備、開発及び保全の方針若しくは区域区分に関する都市計画を定めようとするとき(国土交通大臣の同意を要するときを除く。)は、国土交通大臣又は都道府県は、あらかじめ、農林水産大臣に協議しなければならない。
2  国土交通大臣は、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針若しくは区域区分に関する都市計画を定め、又はその決定若しくは変更に同意しようとするときは、あらかじめ、経済産業大臣及び環境大臣の意見を聴かなければならない。
3  厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針、区域区分並びに用途地域に関する都市計画に関し、国土交通大臣に意見を述べることができる。
4  臨港地区に関する都市計画は、港湾法第二条第一項 の港湾管理者が申し出た案に基づいて定めるものとする。
5  国土交通大臣は、都市施設に関する都市計画を定め、又はその決定若しくは変更に同意しようとするときは、あらかじめ、当該都市施設の設置又は経営について、免許、許可、認可等の処分をする権限を有する国の行政機関の長に協議しなければならない。
6  国土交通大臣、都道府県又は市町村は、都市施設に関する都市計画又は都市施設に係る市街地開発事業等予定区域に関する都市計画を定めようとするときは、あらかじめ、当該都市施設を管理することとなる者その他政令で定める者に協議しなければならない。
7  市町村は、第十二条の十一の規定により地区整備計画において建築物等の建築又は建設の限界を定めようとするときは、あらかじめ、同条に規定する都市計画施設である道路を管理することとなる者に協議しなければならない。

(準都市計画区域について都市計画区域が指定された場合における都市計画の取扱い)

第二十三条の二
準都市計画区域の全部又は一部について都市計画区域が指定されたときは、当該都市計画区域と重複する区域内において定められている都市計画は、当該都市計画区域について定められているものとみなす。

(国土交通大臣の指示等)

第二十四条
国土交通大臣は、国の利害に重大な関係がある事項に関し、必要があると認めるときは、都道府県に対し、又は都道府県知事を通じて市町村に対し、期限を定めて、都市計画区域の指定又は都市計画の決定若しくは変更のため必要な措置をとるべきことを指示することができる。この場合においては、都道府県又は市町村は、正当な理由がない限り、当該指示に従わなければならない。
2  国の行政機関の長は、その所管に係る事項で国の利害に重大な関係があるものに関し、前項の指示をすべきことを国土交通大臣に対し要請することができる。
3  第二十三条第一項及び第二項の規定は、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針又は区域区分に関する都市計画に関し第一項の指示をする場合に、同条第五項の規定は、都市施設に関する都市計画に関し第一項の指示をする場合に準用する。
4  国土交通大臣は、都道府県又は市町村が所定の期限までに正当な理由がなく第一項の規定により指示された措置をとらないときは、正当な理由がないことについて社会資本整備審議会の確認を得た上で、自ら当該措置をとることができるものとする。ただし、市町村がとるべき措置については、国土交通大臣は、自ら行う必要があると認める場合を除き、都道府県に対し、当該措置をとるよう指示するものとする。
5  都道府県は、前項ただし書の規定による指示を受けたときは、当該指示に係る措置をとるものとする。
6  都道府県は、必要があると認めるときは、市町村に対し、期限を定めて、都市計画の決定又は変更のため必要な措置をとるべきことを求めることができる。
7  都道府県は、都市計画の決定又は変更のため必要があるときは、自ら、又は市町村の要請に基づいて、国の関係行政機関の長に対して、都市計画区域又は準都市計画区域に係る第十三条第一項に規定する国土計画若しくは地方計画又は施設に関する国の計画の策定又は変更について申し出ることができる。
8  国の行政機関の長は、前項の申出があつたときは、当該申出に係る事項について決定し、その結果を都道府県知事に通知しなければならない。

(調査のための立入り等)

第二十五条
国土交通大臣、都道府県知事又は市町村長は、都市計画の決定又は変更のために他人の占有する土地に立ち入つて測量又は調査を行う必要があるときは、その必要の限度において、他人の占有する土地に、自ら立ち入り、又はその命じた者若しくは委任した者に立ち入らせることができる。
2  前項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする者は、立ち入ろうとする日の三日前までに、その旨を土地の占有者に通知しなければならない。
3  第一項の規定により、建築物が所在し、又はかき、さく等で囲まれた他人の占有する土地に立ち入ろうとするときは、その立ち入ろうとする者は、立入りの際、あらかじめ、その旨を土地の占有者に告げなければならない。
4  日出前又は日没後においては、土地の占有者の承諾があつた場合を除き、前項に規定する土地に立ち入つてはならない。
5  土地の占有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。

(障害物の伐除及び土地の試掘等)

第二十六条
前条第一項の規定により他人の占有する土地に立ち入つて測量又は調査を行なう者は、その測量又は調査を行なうにあたり、やむを得ない必要があつて、障害となる植物若しくはかき、さく等(以下「障害物」という。)を伐除しようとする場合又は当該土地に試掘若しくはボーリング若しくはこれらに伴う障害物の伐除(以下「試掘等」という。)を行なおうとする場合において、当該障害物又は当該土地の所有者及び占有者の同意を得ることができないときは、当該障害物の所在地を管轄する市町村長の許可を受けて当該障害物を伐除し、又は当該土地の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けて当該土地に試掘等を行なうことができる。この場合において、市町村長が許可を与えようとするときは障害物の所有者及び占有者に、都道府県知事が許可を与えようとするときは土地又は障害物の所有者及び占有者に、あらかじめ、意見を述べる機会を与えなければならない。
2  前項の規定により障害物を伐除しようとする者又は土地に試掘等を行なおうとする者は、伐除しようとする日又は試掘等を行なおうとする日の三日前までに、その旨を当該障害物又は当該土地若しくは障害物の所有者及び占有者に通知しなければならない。
3  第一項の規定により障害物を伐除しようとする場合(土地の試掘又はボーリングに伴う障害物の伐除をしようとする場合を除く。)において、当該障害物の所有者及び占有者がその場所にいないためその同意を得ることが困難であり、かつ、その現状を著しく損傷しないときは、国土交通大臣、都道府県若しくは市町村又はその命じた者若しくは委任した者は、前二項の規定にかかわらず、当該障害物の所在地を管轄する市町村長の許可を受けて、ただちに、当該障害物を伐除することができる。この場合においては、当該障害物を伐除した後、遅滞なく、その旨をその所有者及び占有者に通知しなければならない。

(証明書等の携帯)

第二十七条
第二十五条第一項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯しなければならない。
2  前条第一項の規定により障害物を伐除しようとする者又は土地に試掘等を行なおうとする者は、その身分を示す証明書及び市町村長又は都道府県知事の許可証を携帯しなければならない。
3  前二項に規定する証明書又は許可証は、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

(土地の立入り等に伴う損失の補償)

第二十八条
国土交通大臣、都道府県又は市町村は、第二十五条第一項又は第二十六条第一項若しくは第三項の規定による行為により他人に損失を与えたときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
2  前項の規定による損失の補償については、損失を与えた者と損失を受けた者とが協議しなければならない。
3  前項の規定による協議が成立しないときは、損失を与えた者又は損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第九十四条第二項 の規定による裁決を申請することができる。

第三章 都市計画制限等

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第一節 開発行為等の規制

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(開発行為の許可)

第二十九条
都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市又は同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「指定都市等」という。)の区域内にあつては、当該指定都市等の長。以下この節において同じ。)の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる開発行為については、この限りでない。
 市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域又は準都市計画区域内において行う開発行為で、その規模が、それぞれの区域の区分に応じて政令で定める規模未満であるもの
 市街化調整区域、区域区分が定められていない都市計画区域又は準都市計画区域内において行う開発行為で、農業、林業若しくは漁業の用に供する政令で定める建築物又はこれらの業務を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行うもの
 駅舎その他の鉄道の施設、図書館、公民館、変電所その他これらに類する公益上必要な建築物のうち開発区域及びその周辺の地域における適正かつ合理的な土地利用及び環境の保全を図る上で支障がないものとして政令で定める建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為
 都市計画事業の施行として行う開発行為
 土地区画整理事業の施行として行う開発行為
 市街地再開発事業の施行として行う開発行為
 住宅街区整備事業の施行として行う開発行為
 防災街区整備事業の施行として行う開発行為
 公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)第二条第一項の免許を受けた埋立地であつて、まだ同法第二十二条第二項の告示がないものにおいて行う開発行為
 非常災害のため必要な応急措置として行う開発行為
十一 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
2 都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内において、それにより一定の市街地を形成すると見込まれる規模として政令で定める規模以上の開発行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる開発行為については、この限りでない。
 農業、林業若しくは漁業の用に供する政令で定める建築物又はこれらの業務を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為
 前項第三号、第四号及び第九号から第十一号までに掲げる開発行為
3 開発区域が、市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域、準都市計画区域又は都市計画区域及び準都市計画区域外の区域のうち二以上の区域にわたる場合における第一項第一号及び前項の規定の適用については、政令で定める。

(許可申請の手続)

第三十条
前条第一項又は第二項の許可(以下「開発許可」という。)を受けようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
 開発区域(開発区域を工区に分けたときは、開発区域及び工区)の位置、区域及び規模
 開発区域内において予定される建築物又は特定工作物(以下「予定建築物等」という。)の用途
 開発行為に関する設計(以下この節において「設計」という。)
 工事施行者(開発行為に関する工事の請負人又は請負契約によらないで自らその工事を施行する者をいう。以下同じ。)
 その他国土交通省令で定める事項
2 前項の申請書には、第三十二条第一項に規定する同意を得たことを証する書面、同条第二項に規定する協議の経過を示す書面その他国土交通省令で定める図書を添付しなければならない。

(設計者の資格)

第三十一条
前条の場合において、設計に係る設計図書(開発行為に関する工事のうち国土交通省令で定めるものを実施するため必要な図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書をいう。)は、国土交通省令で定める資格を有する者の作成したものでなければならない。

(公共施設の管理者の同意等)

第三十二条
開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し、その同意を得なければならない。
2 開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為又は開発行為に関する工事により設置される公共施設を管理することとなる者その他政令で定める者と協議しなければならない。
3 前二項に規定する公共施設の管理者又は公共施設を管理することとなる者は、公共施設の適切な管理を確保する観点から、前二項の協議を行うものとする。

(開発許可の基準)

第三十三条
都道府県知事は、開発許可の申請があつた場合において、当該申請に係る開発行為が、次に掲げる基準(第四項及び第五項の条例が定められているときは、当該条例で定める制限を含む。)に適合しており、かつ、その申請の手続がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反していないと認めるときは、開発許可をしなければならない。
 次のイ又はロに掲げる場合には、予定建築物等の用途が当該イ又はロに定める用途の制限に適合していること。ただし、都市再生特別地区の区域内において当該都市再生特別地区に定められた誘導すべき用途に適合するものにあつては、この限りでない。
 当該申請に係る開発区域内の土地について用途地域、特別用途地区、特定用途制限地域、居住環境向上用途誘導地区、特定用途誘導地区、流通業務地区又は港湾法第三十九条第一項の分区(以下「用途地域等」という。)が定められている場合 当該用途地域等内における用途の制限(建築基準法第四十九条第一項若しくは第二項、第四十九条の二、第六十条の二の二第四項若しくは第六十条の三第三項(これらの規定を同法第八十八条第二項において準用する場合を含む。)又は港湾法第四十条第一項(同法第五十条の五第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の条例による用途の制限を含む。)
 当該申請に係る開発区域内の土地(都市計画区域(市街化調整区域を除く。)又は準都市計画区域内の土地に限る。)について用途地域等が定められていない場合 建築基準法第四十八条第十四項及び第六十八条の三第七項(同法第四十八条第十四項に係る部分に限る。)(これらの規定を同法第八十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定による用途の制限
 主として、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為にあつては、道路、公園、広場その他の公共の用に供する空地(消防に必要な水利が十分でない場合に設置する消防の用に供する貯水施設を含む。)が、次に掲げる事項を勘案して、環境の保全上、災害の防止上、通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置され、かつ、開発区域内の主要な道路が、開発区域外の相当規模の道路に接続するように設計が定められていること。この場合において、当該空地に関する都市計画が定められているときは、設計がこれに適合していること。
 開発区域の規模、形状及び周辺の状況
 開発区域内の土地の地形及び地盤の性質
 予定建築物等の用途
 予定建築物等の敷地の規模及び配置
 排水路その他の排水施設が、次に掲げる事項を勘案して、開発区域内の下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)第二条第一号に規定する下水を有効に排出するとともに、その排出によつて開発区域及びその周辺の地域に水等による被害が生じないような構造及び能力で適当に配置されるように設計が定められていること。この場合において、当該排水施設に関する都市計画が定められているときは、設計がこれに適合していること。
 当該地域における降水量
 前号イからニまでに掲げる事項及び放流先の状況
 主として、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為にあつては、水道その他の給水施設が、第二号イからニまでに掲げる事項を勘案して、当該開発区域について想定される需要に支障を来さないような構造及び能力で適当に配置されるように設計が定められていること。この場合において、当該給水施設に関する都市計画が定められているときは、設計がこれに適合していること。
 当該申請に係る開発区域内の土地について地区計画等(次のイからホまでに掲げる地区計画等の区分に応じて、当該イからホまでに定める事項が定められているものに限る。)が定められているときは、予定建築物等の用途又は開発行為の設計が当該地区計画等に定められた内容に即して定められていること。
 地区計画 再開発等促進区若しくは開発整備促進区(いずれも第十二条の五第五項第一号に規定する施設の配置及び規模が定められているものに限る。)又は地区整備計画
 防災街区整備地区計画 地区防災施設の区域、特定建築物地区整備計画又は防災街区整備地区整備計画
 歴史的風致維持向上地区計画 歴史的風致維持向上地区整備計画
 沿道地区計画 沿道再開発等促進区(幹線道路の沿道の整備に関する法律第九条第四項第一号に規定する施設の配置及び規模が定められているものに限る。)又は沿道地区整備計画
 集落地区計画 集落地区整備計画
 当該開発行為の目的に照らして、開発区域における利便の増進と開発区域及びその周辺の地域における環境の保全とが図られるように公共施設、学校その他の公益的施設及び開発区域内において予定される建築物の用途の配分が定められていること。
 地盤の沈下、崖崩れ、出水その他による災害を防止するため、開発区域内の土地について、地盤の改良、擁壁又は排水施設の設置その他安全上必要な措置が講ぜられるように設計が定められていること。この場合において、開発区域内の土地の全部又は一部が次の表の上欄に掲げる区域内の土地であるときは、当該土地における同表の中欄に掲げる工事の計画が、同表の下欄に掲げる基準に適合していること。
宅地造成及び特定盛土等規制法(昭和三十六年法律第百九十一号)第十条第一項の宅地造成等工事規制区域 開発行為に関する工事 宅地造成及び特定盛土等規制法第十三条の規定に適合するものであること。
宅地造成及び特定盛土等規制法第二十六条第一項の特定盛土等規制区域 開発行為(宅地造成及び特定盛土等規制法第三十条第一項の政令で定める規模(同法第三十二条の条例が定められているときは、当該条例で定める規模)のものに限る。)に関する工事 宅地造成及び特定盛土等規制法第三十一条の規定に適合するものであること。
津波防災地域づくりに関する法律第七十二条第一項の津波災害特別警戒区域 津波防災地域づくりに関する法律第七十三条第一項に規定する特定開発行為(同条第四項各号に掲げる行為を除く。)に関する工事 津波防災地域づくりに関する法律第七十五条に規定する措置を同条の国土交通省令で定める技術的基準に従い講じるものであること。
 主として、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為にあつては、開発区域内に建築基準法第三十九条第一項の災害危険区域、地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)第三条第一項の地すべり防止区域、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成十二年法律第五十七号)第九条第一項の土砂災害特別警戒区域及び特定都市河川浸水被害対策法(平成十五年法律第七十七号)第五十六条第一項の浸水被害防止区域(次条第八号の二において「災害危険区域等」という。)その他政令で定める開発行為を行うのに適当でない区域内の土地を含まないこと。ただし、開発区域及びその周辺の地域の状況等により支障がないと認められるときは、この限りでない。
 政令で定める規模以上の開発行為にあつては、開発区域及びその周辺の地域における環境を保全するため、開発行為の目的及び第二号イからニまでに掲げる事項を勘案して、開発区域における植物の生育の確保上必要な樹木の保存、表土の保全その他の必要な措置が講ぜられるように設計が定められていること。
 政令で定める規模以上の開発行為にあつては、開発区域及びその周辺の地域における環境を保全するため、第二号イからニまでに掲げる事項を勘案して、騒音、振動等による環境の悪化の防止上必要な緑地帯その他の緩衝帯が配置されるように設計が定められていること。
十一 政令で定める規模以上の開発行為にあつては、当該開発行為が道路、鉄道等による輸送の便等からみて支障がないと認められること。
十二 主として、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為(当該開発行為に関する工事が宅地造成及び特定盛土等規制法第十二条第一項又は第三十条第一項の許可を要するものを除く。)又は住宅以外の建築物若しくは特定工作物で自己の業務の用に供するものの建築若しくは建設の用に供する目的で行う開発行為(当該開発行為に関する工事が当該許可を要するもの並びに当該開発行為の中断により当該開発区域及びその周辺の地域に出水、崖崩れ、土砂の流出等による被害が生じるおそれがあることを考慮して政令で定める規模以上のものを除く。)以外の開発行為にあつては、申請者に当該開発行為を行うために必要な資力及び信用があること。
十三 主として、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為(当該開発行為に関する工事が宅地造成及び特定盛土等規制法第十二条第一項又は第三十条第一項の許可を要するものを除く。)又は住宅以外の建築物若しくは特定工作物で自己の業務の用に供するものの建築若しくは建設の用に供する目的で行う開発行為(当該開発行為に関する工事が当該許可を要するもの並びに当該開発行為の中断により当該開発区域及びその周辺の地域に出水、崖崩れ、土砂の流出等による被害が生じるおそれがあることを考慮して政令で定める規模以上のものを除く。)以外の開発行為にあつては、工事施行者に当該開発行為に関する工事を完成するために必要な能力があること。
十四 当該開発行為をしようとする土地若しくは当該開発行為に関する工事をしようとする土地の区域内の土地又はこれらの土地にある建築物その他の工作物につき当該開発行為の施行又は当該開発行為に関する工事の実施の妨げとなる権利を有する者の相当数の同意を得ていること。
2 前項各号に規定する基準を適用するについて必要な技術的細目は、政令で定める。
3 地方公共団体は、その地方の自然的条件の特殊性又は公共施設の整備、建築物の建築その他の土地利用の現状及び将来の見通しを勘案し、前項の政令で定める技術的細目のみによつては環境の保全、災害の防止及び利便の増進を図ることが困難であると認められ、又は当該技術的細目によらなくとも環境の保全、災害の防止及び利便の増進上支障がないと認められる場合においては、政令で定める基準に従い、条例で、当該技術的細目において定められた制限を強化し、又は緩和することができる。
4 地方公共団体は、良好な住居等の環境の形成又は保持のため必要と認める場合においては、政令で定める基準に従い、条例で、区域、目的又は予定される建築物の用途を限り、開発区域内において予定される建築物の敷地面積の最低限度に関する制限を定めることができる。
5 景観行政団体(景観法第七条第一項に規定する景観行政団体をいう。)は、良好な景観の形成を図るため必要と認める場合においては、同法第八条第二項第一号の景観計画区域内において、政令で定める基準に従い、同条第一項の景観計画に定められた開発行為についての制限の内容を、条例で、開発許可の基準として定めることができる。
6 指定都市等及び地方自治法第二百五十二条の十七の二第一項の規定に基づきこの節の規定により都道府県知事の権限に属する事務の全部を処理することとされた市町村(以下この節において「事務処理市町村」という。)以外の市町村は、前三項の規定により条例を定めようとするときは、あらかじめ、都道府県知事と協議し、その同意を得なければならない。
7 公有水面埋立法第二十二条第二項の告示があつた埋立地において行う開発行為については、当該埋立地に関する同法第二条第一項の免許の条件において第一項各号に規定する事項(第四項及び第五項の条例が定められているときは、当該条例で定める事項を含む。)に関する定めがあるときは、その定めをもつて開発許可の基準とし、第一項各号に規定する基準(第四項及び第五項の条例が定められているときは、当該条例で定める制限を含む。)は、当該条件に抵触しない限度において適用する。
8 居住調整地域又は市街地再開発促進区域内における開発許可に関する基準については、第一項に定めるもののほか、別に法律で定める。
第三十四条
前条の規定にかかわらず、市街化調整区域に係る開発行為(主として第二種特定工作物の建設の用に供する目的で行う開発行為を除く。)については、当該申請に係る開発行為及びその申請の手続が同条に定める要件に該当するほか、当該申請に係る開発行為が次の各号のいずれかに該当すると認める場合でなければ、都道府県知事は、開発許可をしてはならない。
 主として当該開発区域の周辺の地域において居住している者の利用に供する政令で定める公益上必要な建築物又はこれらの者の日常生活のため必要な物品の販売、加工若しくは修理その他の業務を営む店舗、事業場その他これらに類する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為
 市街化調整区域内に存する鉱物資源、観光資源その他の資源の有効な利用上必要な建築物又は第一種特定工作物の建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為
 温度、湿度、空気等について特別の条件を必要とする政令で定める事業の用に供する建築物又は第一種特定工作物で、当該特別の条件を必要とするため市街化区域内において建築し、又は建設することが困難なものの建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為
 農業、林業若しくは漁業の用に供する建築物で第二十九条第一項第二号の政令で定める建築物以外のものの建築又は市街化調整区域内において生産される農産物、林産物若しくは水産物の処理、貯蔵若しくは加工に必要な建築物若しくは第一種特定工作物の建築若しくは建設の用に供する目的で行う開発行為
 特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律(平成五年法律第七十二号)第九条第一項の規定による公告があつた所有権移転等促進計画の定めるところによつて設定され、又は移転された同法第二条第三項第三号の権利に係る土地において当該所有権移転等促進計画に定める利用目的(同項第二号に規定する農林業等活性化基盤施設である建築物の建築の用に供するためのものに限る。)に従つて行う開発行為
 都道府県が国又は独立行政法人中小企業基盤整備機構と一体となつて助成する中小企業者の行う他の事業者との連携若しくは事業の共同化又は中小企業の集積の活性化に寄与する事業の用に供する建築物又は第一種特定工作物の建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為
 市街化調整区域内において現に工業の用に供されている工場施設における事業と密接な関連を有する事業の用に供する建築物又は第一種特定工作物で、これらの事業活動の効率化を図るため市街化調整区域内において建築し、又は建設することが必要なものの建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為
 政令で定める危険物の貯蔵又は処理に供する建築物又は第一種特定工作物で、市街化区域内において建築し、又は建設することが不適当なものとして政令で定めるものの建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為
八の二 市街化調整区域のうち災害危険区域等その他の政令で定める開発行為を行うのに適当でない区域内に存する建築物又は第一種特定工作物に代わるべき建築物又は第一種特定工作物(いずれも当該区域外において従前の建築物又は第一種特定工作物の用途と同一の用途に供されることとなるものに限る。)の建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為
 前各号に規定する建築物又は第一種特定工作物のほか、市街化区域内において建築し、又は建設することが困難又は不適当なものとして政令で定める建築物又は第一種特定工作物の建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為
 地区計画又は集落地区計画の区域(地区整備計画又は集落地区整備計画が定められている区域に限る。)内において、当該地区計画又は集落地区計画に定められた内容に適合する建築物又は第一種特定工作物の建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為
十一 市街化区域に隣接し、又は近接し、かつ、自然的社会的諸条件から市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域であつておおむね五十以上の建築物(市街化区域内に存するものを含む。)が連たんしている地域のうち、災害の防止その他の事情を考慮して政令で定める基準に従い、都道府県(指定都市等又は事務処理市町村の区域内にあつては、当該指定都市等又は事務処理市町村。以下この号及び次号において同じ。)の条例で指定する土地の区域内において行う開発行為で、予定建築物等の用途が、開発区域及びその周辺の地域における環境の保全上支障があると認められる用途として都道府県の条例で定めるものに該当しないもの
十二 開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがないと認められ、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認められる開発行為として、災害の防止その他の事情を考慮して政令で定める基準に従い、都道府県の条例で区域、目的又は予定建築物等の用途を限り定められたもの
十三 区域区分に関する都市計画が決定され、又は当該都市計画を変更して市街化調整区域が拡張された際、自己の居住若しくは業務の用に供する建築物を建築し、又は自己の業務の用に供する第一種特定工作物を建設する目的で土地又は土地の利用に関する所有権以外の権利を有していた者で、当該都市計画の決定又は変更の日から起算して六月以内に国土交通省令で定める事項を都道府県知事に届け出たものが、当該目的に従つて、当該土地に関する権利の行使として行う開発行為(政令で定める期間内に行うものに限る。)
十四 前各号に掲げるもののほか、都道府県知事が開発審査会の議を経て、開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがなく、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認める開発行為

(開発許可の特例)

第三十四条の二
国又は都道府県、指定都市等若しくは事務処理市町村若しくは都道府県、指定都市等若しくは事務処理市町村がその組織に加わつている一部事務組合、広域連合若しくは港務局(以下「都道府県等」という。)が行う都市計画区域若しくは準都市計画区域内における開発行為(第二十九条第一項各号に掲げる開発行為を除く。)又は都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内における開発行為(同条第二項の政令で定める規模未満の開発行為及び同項各号に掲げる開発行為を除く。)については、当該国の機関又は都道府県等と都道府県知事との協議が成立することをもつて、開発許可があつたものとみなす。
2 第三十二条の規定は前項の協議を行おうとする国の機関又は都道府県等について、第四十一条の規定は都道府県知事が同項の協議を成立させる場合について、第四十七条の規定は同項の協議が成立したときについて準用する。

(許可又は不許可の通知)

第三十五条
都道府県知事は、開発許可の申請があつたときは、遅滞なく、許可又は不許可の処分をしなければならない。
2 前項の処分をするには、文書をもつて当該申請者に通知しなければならない。

(変更の許可等)

第三十五条の二
開発許可を受けた者は、第三十条第一項各号に掲げる事項の変更をしようとする場合においては、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、変更の許可の申請に係る開発行為が、第二十九条第一項の許可に係るものにあつては同項各号に掲げる開発行為、同条第二項の許可に係るものにあつては同項の政令で定める規模未満の開発行為若しくは同項各号に掲げる開発行為に該当するとき、又は国土交通省令で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。
2 前項の許可を受けようとする者は、国土交通省令で定める事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
3 開発許可を受けた者は、第一項ただし書の国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
4 第三十一条の規定は変更後の開発行為に関する工事が同条の国土交通省令で定める工事に該当する場合について、第三十二条の規定は開発行為に関係がある公共施設若しくは当該開発行為若しくは当該開発行為に関する工事により設置される公共施設に関する事項の変更をしようとする場合又は同条の政令で定める者との協議に係る開発行為に関する事項であつて政令で定めるものの変更をしようとする場合について、第三十三条、第三十四条、前条及び第四十一条の規定は第一項の規定による許可について、第三十四条の二の規定は第一項の規定により国又は都道府県等が同項の許可を受けなければならない場合について、第四十七条第一項の規定は第一項の規定による許可及び第三項の規定による届出について準用する。この場合において、第四十七条第一項中「次に掲げる事項」とあるのは、「変更の許可又は届出の年月日及び第二号から第六号までに掲げる事項のうち当該変更に係る事項」と読み替えるものとする。
5 第一項又は第三項の場合における次条、第三十七条、第三十九条、第四十条、第四十二条から第四十五条まで及び第四十七条第二項の規定の適用については、第一項の規定による許可又は第三項の規定による届出に係る変更後の内容を開発許可の内容とみなす。

(工事完了の検査)

第三十六条
開発許可を受けた者は、当該開発区域(開発区域を工区に分けたときは、工区)の全部について当該開発行為に関する工事(当該開発行為に関する工事のうち公共施設に関する部分については、当該公共施設に関する工事)を完了したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定による届出があつたときは、遅滞なく、当該工事が開発許可の内容に適合しているかどうかについて検査し、その検査の結果当該工事が当該開発許可の内容に適合していると認めたときは、国土交通省令で定める様式の検査済証を当該開発許可を受けた者に交付しなければならない。
3 都道府県知事は、前項の規定により検査済証を交付したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、当該工事が完了した旨を公告しなければならない。この場合において、当該工事が津波災害特別警戒区域(津波防災地域づくりに関する法律第七十二条第一項の津波災害特別警戒区域をいう。以下この項において同じ。)内における同法第七十三条第一項に規定する特定開発行為(同条第四項各号に掲げる行為を除く。)に係るものであり、かつ、当該工事の完了後において当該工事に係る同条第四項第一号に規定する開発区域(津波災害特別警戒区域内のものに限る。)に地盤面の高さが同法第五十三条第二項に規定する基準水位以上である土地の区域があるときは、その区域を併せて公告しなければならない。

(建築制限等)

第三十七条
開発許可を受けた開発区域内の土地においては、前条第三項の公告があるまでの間は、建築物を建築し、又は特定工作物を建設してはならない。ただし、次の各号の一に該当するときは、この限りでない。
 当該開発行為に関する工事用の仮設建築物又は特定工作物を建築し、又は建設するとき、その他都道府県知事が支障がないと認めたとき。
 第三十三条第一項第十四号に規定する同意をしていない者が、その権利の行使として建築物を建築し、又は特定工作物を建設するとき。

(開発行為の廃止)

第三十八条
開発許可を受けた者は、開発行為に関する工事を廃止したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

(開発行為等により設置された公共施設の管理)

第三十九条
開発許可を受けた開発行為又は開発行為に関する工事により公共施設が設置されたときは、その公共施設は、第三十六条第三項の公告の日の翌日において、その公共施設の存する市町村の管理に属するものとする。ただし、他の法律に基づく管理者が別にあるとき、又は第三十二条第二項の協議により管理者について別段の定めをしたときは、それらの者の管理に属するものとする。

(公共施設の用に供する土地の帰属)

第四十条
開発許可を受けた開発行為又は開発行為に関する工事により、従前の公共施設に代えて新たな公共施設が設置されることとなる場合においては、従前の公共施設の用に供していた土地で国又は地方公共団体が所有するものは、第三十六条第三項の公告の日の翌日において当該開発許可を受けた者に帰属するものとし、これに代わるものとして設置された新たな公共施設の用に供する土地は、その日においてそれぞれ国又は当該地方公共団体に帰属するものとする。
2 開発許可を受けた開発行為又は開発行為に関する工事により設置された公共施設の用に供する土地は、前項に規定するもの及び開発許可を受けた者が自ら管理するものを除き、第三十六条第三項の公告の日の翌日において、前条の規定により当該公共施設を管理すべき者(その者が地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務(以下単に「第一号法定受託事務」という。)として当該公共施設を管理する地方公共団体であるときは、国)に帰属するものとする。
3 市街化区域内における都市計画施設である幹線街路その他の主要な公共施設で政令で定めるものの用に供する土地が前項の規定により国又は地方公共団体に帰属することとなる場合においては、当該帰属に伴う費用の負担について第三十二条第二項の協議において別段の定めをした場合を除き、従前の所有者(第三十六条第三項の公告の日において当該土地を所有していた者をいう。)は、国又は地方公共団体に対し、政令で定めるところにより、当該土地の取得に要すべき費用の額の全部又は一部を負担すべきことを求めることができる。

(建築物の建蔽率等の指定)

第四十一条
都道府県知事は、用途地域の定められていない土地の区域における開発行為について開発許可をする場合において必要があると認めるときは、当該開発区域内の土地について、建築物の建蔽率、建築物の高さ、壁面の位置その他建築物の敷地、構造及び設備に関する制限を定めることができる。
2 前項の規定により建築物の敷地、構造及び設備に関する制限が定められた土地の区域内においては、建築物は、これらの制限に違反して建築してはならない。ただし、都道府県知事が当該区域及びその周辺の地域における環境の保全上支障がないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可したときは、この限りでない。

(開発許可を受けた土地における建築等の制限)

第四十二条
何人も、開発許可を受けた開発区域内においては、第三十六条第三項の公告があつた後は、当該開発許可に係る予定建築物等以外の建築物又は特定工作物を新築し、又は新設してはならず、また、建築物を改築し、又はその用途を変更して当該開発許可に係る予定の建築物以外の建築物としてはならない。ただし、都道府県知事が当該開発区域における利便の増進上若しくは開発区域及びその周辺の地域における環境の保全上支障がないと認めて許可したとき、又は建築物及び第一種特定工作物で建築基準法第八十八条第二項の政令で指定する工作物に該当するものにあつては、当該開発区域内の土地について用途地域等が定められているときは、この限りでない。
2 国又は都道府県等が行う行為については、当該国の機関又は都道府県等と都道府県知事との協議が成立することをもつて、前項ただし書の規定による許可があつたものとみなす。

(開発許可を受けた土地以外の土地における建築等の制限)

第四十三条
何人も、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内においては、都道府県知事の許可を受けなければ、第二十九条第一項第二号若しくは第三号に規定する建築物以外の建築物を新築し、又は第一種特定工作物を新設してはならず、また、建築物を改築し、又はその用途を変更して同項第二号若しくは第三号に規定する建築物以外の建築物としてはならない。ただし、次に掲げる建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設については、この限りでない。
 都市計画事業の施行として行う建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設
 非常災害のため必要な応急措置として行う建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設
 仮設建築物の新築
 第二十九条第一項第九号に掲げる開発行為その他の政令で定める開発行為が行われた土地の区域内において行う建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設
 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
2 前項の規定による許可の基準は、第三十三条及び第三十四条に規定する開発許可の基準の例に準じて、政令で定める。
3 国又は都道府県等が行う第一項本文の建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設(同項各号に掲げるものを除く。)については、当該国の機関又は都道府県等と都道府県知事との協議が成立することをもつて、同項の許可があつたものとみなす。

(許可に基づく地位の承継)

第四十四条
開発許可又は前条第一項の許可を受けた者の相続人その他の一般承継人は、被承継人が有していた当該許可に基づく地位を承継する。
第四十五条
開発許可を受けた者から当該開発区域内の土地の所有権その他当該開発行為に関する工事を施行する権原を取得した者は、都道府県知事の承認を受けて、当該開発許可を受けた者が有していた当該開発許可に基づく地位を承継することができる。

(開発登録簿)

第四十六条
都道府県知事は、開発登録簿(以下「登録簿」という。)を調製し、保管しなければならない。
第四十七条
都道府県知事は、開発許可をしたときは、当該許可に係る土地について、次に掲げる事項を登録簿に登録しなければならない。
 開発許可の年月日
 予定建築物等(用途地域等の区域内の建築物及び第一種特定工作物を除く。)の用途
 公共施設の種類、位置及び区域
 前三号に掲げるもののほか、開発許可の内容
 第四十一条第一項の規定による制限の内容
 前各号に定めるもののほか、国土交通省令で定める事項
2 都道府県知事は、第三十六条の規定による完了検査を行なつた場合において、当該工事が当該開発許可の内容に適合すると認めたときは、登録簿にその旨を附記しなければならない。
3 第四十一条第二項ただし書若しくは第四十二条第一項ただし書の規定による許可があつたとき、又は同条第二項の協議が成立したときも、前項と同様とする。
4 都道府県知事は、第八十一条第一項の規定による処分により第一項各号に掲げる事項について変動を生じたときは、登録簿に必要な修正を加えなければならない。
5 都道府県知事は、登録簿を常に公衆の閲覧に供するように保管し、かつ、請求があつたときは、その写しを交付しなければならない。
6 登録簿の調製、閲覧その他登録簿に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

(国及び地方公共団体の援助)

第四十八条
国及び地方公共団体は、市街化区域内における良好な市街地の開発を促進するため、市街化区域内において開発許可を受けた者に対する必要な技術上の助言又は資金上その他の援助に努めるものとする。
第四十九条
(削除)

(不服申立て)

第五十条
第二十九条第一項若しくは第二項、第三十五条の二第一項、第四十一条第二項ただし書、第四十二条第一項ただし書若しくは第四十三条第一項の規定に基づく処分若しくはその不作為又はこれらの規定に違反した者に対する第八十一条第一項の規定に基づく監督処分についての審査請求は、開発審査会に対してするものとする。この場合において、不作為についての審査請求は、開発審査会に代えて、当該不作為に係る都道府県知事に対してすることもできる。
2 開発審査会は、前項前段の規定による審査請求がされた場合においては、当該審査請求がされた日(行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十三条の規定により不備を補正すべきことを命じた場合にあつては、当該不備が補正された日)から二月以内に、裁決をしなければならない。
3 開発審査会は、前項の裁決を行う場合においては、行政不服審査法第二十四条の規定により当該審査請求を却下する場合を除き、あらかじめ、審査請求人、処分をした行政庁その他の関係人又はこれらの者の代理人の出頭を求めて、公開による口頭審理を行わなければならない。
4 第一項前段の規定による審査請求については、行政不服審査法第三十一条の規定は適用せず、前項の口頭審理については、同法第九条第三項の規定により読み替えられた同法第三十一条第二項から第五項までの規定を準用する。
第五十一条
第二十九条第一項若しくは第二項、第三十五条の二第一項、第四十二条第一項ただし書又は第四十三条第一項の規定による処分に不服がある者は、その不服の理由が鉱業、採石業又は砂利採取業との調整に関するものであるときは、公害等調整委員会に裁定の申請をすることができる。この場合においては、審査請求をすることができない。
2 行政不服審査法第二十二条の規定は、前項に規定する処分につき、処分をした行政庁が誤つて審査請求又は再調査の請求をすることができる旨を教示した場合に準用する。

第一節の二 市街地開発事業等予定区域の区域内における建築等の規制

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第五十二条
田園住居地域内の農地の区域内において、土地の形質の変更、建築物の建築その他工作物の建設又は土石その他の政令で定める物件の堆積を行おうとする者は、市町村長の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
 都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為
2 市町村長は、次に掲げる行為について前項の許可の申請があつた場合においては、その許可をしなければならない。
 土地の形質の変更でその規模が農業の利便の増進及び良好な住居の環境の保護を図る上で支障がないものとして政令で定める規模未満のもの
 建築物の建築又は工作物の建設で次のいずれかに該当するもの
 前項の許可を受けて土地の形質の変更が行われた土地の区域内において行う建築物の建築又は工作物の建設
 建築物又は工作物でその敷地の規模が農業の利便の増進及び良好な住居の環境の保護を図る上で支障がないものとして政令で定める規模未満のものの建築又は建設
 前項の政令で定める物件の堆積で当該堆積を行う土地の規模が農業の利便の増進及び良好な住居の環境の保護を図る上で支障がないものとして政令で定める規模未満のもの(堆積をした物件の飛散の防止の方法その他の事項に関し政令で定める要件に該当するものに限る。)
3 国又は地方公共団体が行う行為については、第一項の許可を受けることを要しない。この場合において、当該国の機関又は地方公共団体は、その行為をしようとするときは、あらかじめ、市町村長に協議しなければならない。

第一節の三 市街地開発事業等予定区域の区域内における建築等の規制

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(建築等の制限)

第五十二条の二
市街地開発事業等予定区域に関する都市計画において定められた区域内において、土地の形質の変更を行い、又は建築物の建築その他工作物の建設を行おうとする者は、都道府県知事等の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
 都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為
2 国が行う行為については、当該国の機関と都道府県知事等との協議が成立することをもつて、前項の規定による許可があつたものとみなす。
3 第一項の規定は、市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画についての第二十条第一項の規定による告示があつた後は、当該告示に係る土地の区域内においては、適用しない。

(土地建物等の先買い等)

第五十二条の三
市街地開発事業等予定区域に関する都市計画についての第二十条第一項(第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示があつたときは、施行予定者は、すみやかに、国土交通省令で定める事項を公告するとともに、国土交通省令で定めるところにより、当該市街地開発事業等予定区域の区域内の土地又は土地及びこれに定着する建築物その他の工作物(以下「土地建物等」という。)の有償譲渡について、次項から第四項までの規定による制限があることを関係権利者に周知させるため必要な措置を講じなければならない。
2 前項の規定による公告の日の翌日から起算して十日を経過した後に市街地開発事業等予定区域の区域内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、当該土地建物等、その予定対価の額(予定対価が金銭以外のものであるときは、これを時価を基準として金銭に見積もつた額。以下この条において同じ。)及び当該土地建物等を譲り渡そうとする相手方その他国土交通省令で定める事項を書面で施行予定者に届け出なければならない。ただし、当該土地建物等の全部又は一部が文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第四十六条(同法第八十三条において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けるものであるときは、この限りでない。
3 前項の規定による届出があつた後三十日以内に施行予定者が届出をした者に対し届出に係る土地建物等を買い取るべき旨の通知をしたときは、当該土地建物等について、施行予定者と届出をした者との間に届出書に記載された予定対価の額に相当する代金で、売買が成立したものとみなす。
4 第二項の規定による届出をした者は、前項の期間(その期間内に施行予定者が届出に係る土地建物等を買い取らない旨の通知をしたときは、その時までの期間)内は、当該土地建物等を譲り渡してはならない。
5 第三項の規定により土地建物等を買い取つた施行予定者は、当該土地に係る都市計画に適合するようにこれを管理しなければならない。

(土地の買取請求)

第五十二条の四
市街地開発事業等予定区域に関する都市計画において定められた区域内の土地の所有者は、施行予定者に対し、国土交通省令で定めるところにより、当該土地を時価で買い取るべきことを請求することができる。ただし、当該土地が他人の権利の目的となつているとき、及び当該土地に建築物その他の工作物又は立木に関する法律(明治四十二年法律第二十二号)第一条第一項に規定する立木があるときは、この限りでない。
2 前項の規定により買い取るべき土地の価格は、施行予定者と土地の所有者とが協議して定める。第二十八条第三項の規定は、この場合について準用する。
3 前条第五項の規定は、第一項の規定により土地を買い取つた施行予定者について準用する。
4 第一項の規定は、市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画についての第二十条第一項の規定による告示があつた後は、当該告示に係る土地の区域内においては、適用しない。

(損失の補償)

第五十二条の五
市街地開発事業等予定区域に関する都市計画に定められた区域が変更された場合において、その変更により当該市街地開発事業等予定区域の区域外となつた土地の所有者又は関係人のうちに当該都市計画が定められたことにより損失を受けた者があるときは、施行予定者が、市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画が定められなかつたため第十二条の二第五項の規定により市街地開発事業等予定区域に関する都市計画がその効力を失つた場合において、当該市街地開発事業等予定区域の区域内の土地の所有者又は関係人のうちに当該都市計画が定められたことにより損失を受けた者があるときは、当該市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画の決定をすべき者が、それぞれその損失の補償をしなければならない。
2 前項の規定による損失の補償は、損失があつたことを知つた日から一年を経過した後においては、請求することができない。
3 第二十八条第二項及び第三項の規定は、第一項の場合について準用する。

第二節 都市計画施設等の区域内における建築等の規制

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(建築の許可)

第五十三条
都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
 政令で定める軽易な行為
 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
 都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為
 第十一条第三項後段の規定により離隔距離の最小限度及び載荷重の最大限度が定められている都市計画施設の区域内において行う行為であつて、当該離隔距離の最小限度及び載荷重の最大限度に適合するもの
 第十二条の十一に規定する道路(都市計画施設であるものに限る。)の区域のうち建築物等の敷地として併せて利用すべき区域内において行う行為であつて、当該道路を整備する上で著しい支障を及ぼすおそれがないものとして政令で定めるもの
2 第五十二条の二第二項の規定は、前項の規定による許可について準用する。
3 第一項の規定は、第六十五条第一項に規定する告示があつた後は、当該告示に係る土地の区域内においては、適用しない。

(許可の基準)

第五十四条
都道府県知事等は、前条第一項の規定による許可の申請があつた場合において、当該申請が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可をしなければならない。
 当該建築が、都市計画施設又は市街地開発事業に関する都市計画のうち建築物について定めるものに適合するものであること。
 当該建築が、第十一条第三項の規定により都市計画施設の区域について都市施設を整備する立体的な範囲が定められている場合において、当該立体的な範囲外において行われ、かつ、当該都市計画施設を整備する上で著しい支障を及ぼすおそれがないと認められること。ただし、当該立体的な範囲が道路である都市施設を整備するものとして空間について定められているときは、安全上、防火上及び衛生上支障がないものとして政令で定める場合に限る。
 当該建築物が次に掲げる要件に該当し、かつ、容易に移転し、又は除却することができるものであると認められること。
 階数が二以下で、かつ、地階を有しないこと。
 主要構造部(建築基準法第二条第五号に定める主要構造部をいう。)が木造、鉄骨造、コンクリートブロツク造その他これらに類する構造であること。

(許可の基準の特例等)

第五十五条
都道府県知事等は、都市計画施設の区域内の土地でその指定したものの区域又は市街地開発事業(土地区画整理事業及び新都市基盤整備事業を除く。)の施行区域(次条及び第五十七条において「事業予定地」という。)内において行われる建築物の建築については、前条の規定にかかわらず、第五十三条第一項の許可をしないことができる。ただし、次条第二項の規定により買い取らない旨の通知があつた土地における建築物の建築については、この限りでない。
2 都市計画事業を施行しようとする者その他政令で定める者は、都道府県知事等に対し、前項の規定による土地の指定をすべきこと又は次条第一項の規定による土地の買取りの申出及び第五十七条第二項本文の規定による届出の相手方として定めるべきことを申し出ることができる。
3 都道府県知事等は、前項の規定により土地の指定をすべきことを申し出た者を次条第一項の規定による土地の買取りの申出及び第五十七条第二項本文の規定による届出の相手方として定めることができる。
4 都道府県知事等は、第一項の規定による土地の指定をするとき、又は第二項の規定による申出に基づき、若しくは前項の規定により、次条第一項の規定による土地の買取りの申出及び第五十七条第二項本文の規定による届出の相手方を定めるときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。

(土地の買取り)

第五十六条
都道府県知事等(前条第四項の規定により、土地の買取りの申出の相手方として公告された者があるときは、その者)は、事業予定地内の土地の所有者から、同条第一項本文の規定により建築物の建築が許可されないときはその土地の利用に著しい支障を来すこととなることを理由として、当該土地を買い取るべき旨の申出があつた場合においては、特別の事情がない限り、当該土地を時価で買い取るものとする。
2 前項の規定による申出を受けた者は、遅滞なく、当該土地を買い取る旨又は買い取らない旨を当該土地の所有者に通知しなければならない。
3 前条第四項の規定により土地の買取りの申出の相手方として公告された者は、前項の規定により土地を買い取らない旨の通知をしたときは、直ちに、その旨を都道府県知事等に通知しなければならない。
4 第一項の規定により土地を買い取つた者は、当該土地に係る都市計画に適合するようにこれを管理しなければならない。

(土地の先買い等)

第五十七条
市街地開発事業に関する都市計画についての第二十条第一項(第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示又は市街地開発事業若しくは市街化区域若しくは区域区分が定められていない都市計画区域内の都市計画施設に係る第五十五条第四項の規定による公告があつたときは、都道府県知事等(同項の規定により、次項本文の規定による届出の相手方として公告された者があるときは、その者。以下この条において同じ。)は、速やかに、国土交通省令で定める事項を公告するとともに、国土交通省令で定めるところにより、事業予定地内の土地の有償譲渡について、次項から第四項までの規定による制限があることを関係権利者に周知させるため必要な措置を講じなければならない。
2 前項の規定による公告の日の翌日から起算して十日を経過した後に事業予定地内の土地を有償で譲り渡そうとする者(土地及びこれに定着する建築物その他の工作物を有償で譲り渡そうとする者を除く。)は、当該土地、その予定対価の額(予定対価が金銭以外のものであるときは、これを時価を基準として金銭に見積つた額。以下この条において同じ。)及び当該土地を譲り渡そうとする相手方その他国土交通省令で定める事項を書面で都道府県知事等に届け出なければならない。ただし、当該土地の全部又は一部が、文化財保護法第四十六条(同法第八十三条において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けるものであるとき、又は第六十六条の公告の日の翌日から起算して十日を経過した後における当該公告に係る都市計画事業を施行する土地に含まれるものであるときは、この限りでない。
3 前項の規定による届出があつた後三十日以内に都道府県知事等が届出をした者に対し届出に係る土地を買い取るべき旨の通知をしたときは、当該土地について、都道府県知事等と届出をした者との間に届出書に記載された予定対価の額に相当する代金で、売買が成立したものとみなす。
4 第二項の届出をした者は、前項の期間(その期間内に都道府県知事等が届出に係る土地を買い取らない旨の通知をしたときは、その時までの期間)内は、当該土地を譲り渡してはならない。
5 前条第四項の規定は、第三項の規定により土地を買い取つた者について準用する。

(施行予定者が定められている都市計画施設の区域等についての特例)

第五十七条の二
施行予定者が定められている都市計画に係る都市計画施設の区域及び市街地開発事業の施行区域(以下「施行予定者が定められている都市計画施設の区域等」という。)については、第五十三条から前条までの規定は適用せず、次条から第五十七条の六までに定めるところによる。ただし、第六十条の二第二項の規定による公告があつた場合における当該公告に係る都市計画施設の区域及び市街地開発事業の施行区域については、この限りでない。

(建築等の制限)

第五十七条の三
施行予定者が定められている都市計画施設の区域等内における土地の形質の変更又は建築物の建築その他工作物の建設については、第五十二条の二第一項及び第二項の規定を準用する。
2 前項の規定は、第六十五条第一項に規定する告示があつた後は、当該告示に係る土地の区域内においては、適用しない。

(土地建物等の先買い等)

第五十七条の四
施行予定者が定められている都市計画施設の区域等内の土地建物等の有償譲渡については、第五十二条の三の規定を準用する。この場合において、同条第一項中「市街地開発事業等予定区域に関する」とあるのは「施行予定者が定められている都市施設又は市街地開発事業に関する」と、「当該市街地開発事業等予定区域の区域内」とあるのは「当該都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内」と、同条第二項中「市街地開発事業等予定区域の区域内」とあるのは「施行予定者が定められている都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内」と読み替えるものとする。

(土地の買取請求)

第五十七条の五
施行予定者が定められている都市計画施設の区域等内の土地の買取請求については、第五十二条の四第一項から第三項までの規定を準用する。

(損失の補償)

第五十七条の六
施行予定者が定められている市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画についての第二十条第一項の規定による告示の日から起算して二年を経過する日までの間に当該都市計画に定められた区域又は施行区域が変更された場合において、その変更により当該区域又は施行区域外となつた土地の所有者又は関係人のうちに当該都市計画が定められたことにより損失を受けた者があるときは、当該施行予定者は、その損失を補償しなければならない。
2 第五十二条の五第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。

第三節 風致地区内における建築等の規制

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(建築等の規制)

第五十八条
風致地区内における建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採その他の行為については、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる。
2 第五十一条の規定は、前項の規定に基づく条例の規定による処分に対する不服について準用する。

第四節 地区計画等の区域内における建築等の規制

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(建築等の届出等)

第五十八条の二
地区計画の区域(再開発等促進区若しくは開発整備促進区(いずれも第十二条の五第五項第一号に規定する施設の配置及び規模が定められているものに限る。)又は地区整備計画が定められている区域に限る。)内において、土地の区画形質の変更、建築物の建築その他政令で定める行為を行おうとする者は、当該行為に着手する日の三十日前までに、国土交通省令で定めるところにより、行為の種類、場所、設計又は施行方法、着手予定日その他国土交通省令で定める事項を市町村長に届け出なければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
 国又は地方公共団体が行う行為
 都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為
 第二十九条第一項の許可を要する行為その他政令で定める行為
2 前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項のうち国土交通省令で定める事項を変更しようとするときは、当該事項の変更に係る行為に着手する日の三十日前までに、国土交通省令で定めるところにより、その旨を市町村長に届け出なければならない。
3 市町村長は、第一項又は前項の規定による届出があつた場合において、その届出に係る行為が地区計画に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、その届出に係る行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとることを勧告することができる。
4 市町村長は、前項の規定による勧告をした場合において、必要があると認めるときは、その勧告を受けた者に対し、土地に関する権利の処分についてのあつせんその他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(建築等の許可)

第五十八条の三
市町村は、条例で、地区計画の区域(地区整備計画において第十二条の五第七項第四号に掲げる事項が定められている区域に限る。)内の農地の区域内における第五十二条第一項本文に規定する行為について、市町村長の許可を受けなければならないこととすることができる。
2 前項の規定に基づく条例(以下この条において「地区計画農地保全条例」という。)には、併せて、市町村長が農業の利便の増進と調和した良好な居住環境を確保するために必要があると認めるときは、許可に期限その他必要な条件を付することができる旨を定めることができる。
3 地区計画農地保全条例による制限は、当該区域内における土地利用の状況等を考慮し、農業の利便の増進と調和した良好な居住環境を確保するため合理的に必要と認められる限度において行うものとする。
4 地区計画農地保全条例には、第五十二条第一項ただし書、第二項及び第三項の規定の例により、当該条例に定める制限の適用除外、許可基準その他必要な事項を定めなければならない。

(他の法律による建築等の規制)

第五十八条の四
地区計画等の区域内における建築物の建築その他の行為に関する制限については、前二条に定めるもののほか、別に法律で定める。

第五節 遊休土地転換利用促進地区内における土地利用に関する措置等

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(土地所有者等の責務等)

第五十八条の五
遊休土地転換利用促進地区内の土地に係る土地所有者等(土地について所有権又は地上権その他の使用若しくは収益を目的とする権利を有する者をいう。以下同じ。)は、できる限り速やかに、当該遊休土地転換利用促進地区内の土地の有効かつ適切な利用を図ること等により、当該遊休土地転換利用促進地区に関する都市計画の目的を達成するよう努めなければならない。
2 市町村は、遊休土地転換利用促進地区に関する都市計画の目的を達成するため必要があると認めるときは、当該遊休土地転換利用促進地区内の土地に係る土地所有者等に対し、当該土地の有効かつ適切な利用の促進に関する事項について指導及び助言を行うものとする。

(国及び地方公共団体の責務)

第五十八条の六
国及び地方公共団体は、遊休土地転換利用促進地区の区域及びその周辺の地域における計画的な土地利用の増進を図るため、地区計画その他の都市計画の決定、土地区画整理事業の施行その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(遊休土地である旨の通知)

第五十八条の七
市町村長は、遊休土地転換利用促進地区に関する都市計画についての第二十条第一項(第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示の日の翌日から起算して二年を経過した後において、当該遊休土地転換利用促進地区内の土地を所有している者のその所有に係る土地(国土利用計画法(昭和四十九年法律第九十二号)第二十八条第一項の規定による通知に係る土地及び国又は地方公共団体若しくは港務局の所有する土地を除く。)が次に掲げる要件に該当すると認めるときは、国土交通省令で定めるところにより、当該土地の所有者(当該土地の全部又は一部について地上権その他の政令で定める使用又は収益を目的とする権利が設定されているときは、当該権利を有している者及び当該土地の所有者)に当該土地が遊休土地である旨を通知するものとする。
 その土地が千平方メートル以上の一団の土地であること。
 その土地の所有者が当該土地を取得した後二年を経過したものであること。
 その土地が住宅の用、事業の用に供する施設の用その他の用途に供されていないことその他の政令で定める要件に該当するものであること。
 その土地及びその周辺の地域における計画的な土地利用の増進を図るため、当該土地の有効かつ適切な利用を特に促進する必要があること。
2 市町村長は、前項の規定による通知をしたときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に通知しなければならない。

(遊休土地に係る計画の届出)

第五十八条の八
前条第一項の規定による通知を受けた者は、その通知があつた日の翌日から起算して六週間以内に、国土交通省令で定めるところにより、その通知に係る遊休土地の利用又は処分に関する計画を市町村長に届け出なければならない。

(勧告等)

第五十八条の九
市町村長は、前条の規定による届出があつた場合において、その届出に係る計画に従つて当該遊休土地を利用し、又は処分することが当該土地の有効かつ適切な利用の促進を図る上で支障があると認めるときは、その届出をした者に対し、相当の期限を定めて、その届出に係る計画を変更すべきことその他必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
2 市町村長は、前項の規定による勧告をした場合において、必要があると認めるときは、その勧告を受けた者に対し、その勧告に基づいて講じた措置について報告を求めることができる。

(遊休土地の買取りの協議)

第五十八条の十
市町村長は、前条第一項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、その勧告に係る遊休土地の買取りを希望する地方公共団体、土地開発公社その他政令で定める法人(以下この節において「地方公共団体等」という。)のうちから買取りの協議を行う者を定め、買取りの目的を示して、その者が買取りの協議を行う旨をその勧告を受けた者に通知するものとする。
2 前項の規定により協議を行う者として定められた地方公共団体等は、同項の規定による通知があつた日の翌日から起算して六週間を経過する日までの間、その通知を受けた者と当該遊休土地の買取りの協議を行うことができる。この場合において、その通知を受けた者は、正当な理由がなければ、当該遊休土地の買取りの協議を行うことを拒んではならない。

(遊休土地の買取り価格)

第五十八条の十一
地方公共団体等は、前条の規定により遊休土地を買い取る場合には、地価公示法(昭和四十四年法律第四十九号)第六条の規定による公示価格を規準として算定した価格(当該土地が同法第二条第一項の公示区域以外の区域内に所在するときは、近傍類地の取引価格等を考慮して算定した当該土地の相当な価格)をもつてその価格としなければならない。

(買取りに係る遊休土地の利用)

第五十八条の十二
地方公共団体等は、第五十八条の十の規定により買い取つた遊休土地をその遊休土地に係る都市計画に適合するように有効かつ適切に利用しなければならない。

第四章 都市計画事業

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第一節 都市計画事業の認可等

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(施行者)

第五十九条
都市計画事業は、市町村が、都道府県知事(第一号法定受託事務として施行する場合にあつては、国土交通大臣)の認可を受けて施行する。
2 都道府県は、市町村が施行することが困難又は不適当な場合その他特別な事情がある場合においては、国土交通大臣の認可を受けて、都市計画事業を施行することができる。
3 国の機関は、国土交通大臣の承認を受けて、国の利害に重大な関係を有する都市計画事業を施行することができる。
4 国の機関、都道府県及び市町村以外の者は、事業の施行に関して行政機関の免許、許可、認可等の処分を必要とする場合においてこれらの処分を受けているとき、その他特別な事情がある場合においては、都道府県知事の認可を受けて、都市計画事業を施行することができる。
5 都道府県知事は、前項の認可をしようとするときは、あらかじめ、関係地方公共団体の長の意見をきかなければならない。
6 国土交通大臣又は都道府県知事は、第一項から第四項までの規定による認可又は承認をしようとする場合において、当該都市計画事業が、用排水施設その他農用地の保全若しくは利用上必要な公共の用に供する施設を廃止し、若しくは変更するものであるとき、又はこれらの施設の管理、新設若しくは改良に係る土地改良事業計画に影響を及ぼすおそれがあるものであるときは、当該都市計画事業について、当該施設を管理する者又は当該土地改良事業計画による事業を行う者の意見をきかなければならない。ただし、政令で定める軽易なものについては、この限りでない。
7 施行予定者が定められている都市計画に係る都市計画施設の整備に関する事業及び市街地開発事業は、その定められている者でなければ、施行することができない。

(認可又は承認の申請)

第六十条
前条の認可又は承認を受けようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。
 施行者の名称
 都市計画事業の種類
 事業計画
 その他国土交通省令で定める事項
2 前項第三号の事業計画には、次に掲げる事項を定めなければならない。
 収用又は使用の別を明らかにした事業地(都市計画事業を施行する土地をいう。以下同じ。)
 設計の概要
 事業施行期間
3 第一項の申請書には、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる書類を添附しなければならない。
 事業地を表示する図面
 設計の概要を表示する図書
 資金計画書
 事業の施行に関して行政機関の免許、許可、認可等の処分を必要とする場合においては、これらの処分があつたことを証明する書類又は当該行政機関の意見書
 その他国土交通省令で定める図書
4 第十四条第二項の規定は、第二項第一号及び前項第一号の事業地の表示について準用する。

(認可又は承認の申請の義務等)

第六十条の二
施行予定者は、当該都市施設又は市街地開発事業に関する都市計画についての第二十条第一項の規定による告示(施行予定者が定められていない都市計画がその変更により施行予定者が定められているものとなつた場合にあつては、当該都市計画についての第二十一条第二項において準用する第二十条第一項の規定による告示)の日から起算して二年以内に、当該都市計画施設の整備に関する事業又は市街地開発事業について第五十九条の認可又は承認の申請をしなければならない。
2 前項の期間内に同項の認可又は承認の申請がされなかつた場合においては、国土交通大臣又は都道府県知事は、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。

(損失の補償)

第六十条の三
前条第二項の規定による公告があつた場合において、当該都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内の土地の所有者又は関係人のうちに当該都市計画が定められたことにより損失を受けた者があるときは、当該施行予定者は、その損失を補償しなければならない。
2 第五十二条の五第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。

(認可等の基準)

第六十一条
国土交通大臣又は都道府県知事は、申請手続が法令に違反せず、かつ、申請に係る事業が次の各号に該当するときは、第五十九条の認可又は承認をすることができる。
 事業の内容が都市計画に適合し、かつ、事業施行期間が適切であること。
 事業の施行に関して行政機関の免許、許可、認可等の処分を必要とする場合においては、これらの処分があつたこと又はこれらの処分がされることが確実であること。

(都市計画事業の認可等の告示)

第六十二条
国土交通大臣又は都道府県知事は、第五十九条の認可又は承認をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、施行者の名称、都市計画事業の種類、事業施行期間及び事業地を告示し、かつ、国土交通大臣にあつては関係都道府県知事及び関係市町村長に、都道府県知事にあつては国土交通大臣及び関係市町村長に、第六十条第三項第一号及び第二号に掲げる図書の写しを送付しなければならない。
2 市町村長は、前項の告示に係る事業施行期間の終了の日又は第六十九条の規定により適用される土地収用法第三十条の二の規定により準用される同法第三十条第二項の通知を受ける日まで、国土交通省令で定めるところにより、前項の図書の写しを当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。

(事業計画の変更)

第六十三条
第六十条第一項第三号の事業計画を変更しようとする者は、国の機関にあつては国土交通大臣の承認を、都道府県及び第一号法定受託事務として施行する市町村にあつては国土交通大臣の認可を、その他の者にあつては都道府県知事の認可を受けなければならない。ただし、設計の概要について国土交通省令で定める軽易な変更をしようとするときは、この限りでない。
2 第五十九条第六項、第六十条及び前二条の規定は、前項の認可又は承認について準用する。

(認可に基づく地位の承継)

第六十四条
第五十九条第四項の認可に基づく地位は、相続その他の一般承継による場合のほか、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の承認を受けて承継することができる。
2 第五十九条第四項の認可に基づく地位が承継された場合においては、この法律又はこの法律に基づく命令の規定により被承継人がした処分、手続その他の行為は、承継人がしたものとみなし、被承継人に対してした処分、手続その他の行為は、承継人に対してしたものとみなす。

第二節 都市計画事業の施行

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(建築等の制限)

第六十五条
第六十二条第一項の規定による告示又は新たな事業地の編入に係る第六十三条第二項において準用する第六十二条第一項の規定による告示があつた後においては、当該事業地内において、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物の建築その他工作物の建設を行い、又は政令で定める移動の容易でない物件の設置若しくは堆積を行おうとする者は、都道府県知事等の許可を受けなければならない。
2 都道府県知事等は、前項の許可の申請があつた場合において、その許可を与えようとするときは、あらかじめ、施行者の意見を聴かなければならない。
3 第五十二条の二第二項の規定は、第一項の規定による許可について準用する。

(事業の施行について周知させるための措置)

第六十六条
前条第一項に規定する告示があつたときは、施行者は、すみやかに、国土交通省令で定める事項を公告するとともに、国土交通省令で定めるところにより、事業地内の土地建物等の有償譲渡について、次条の規定による制限があることを関係権利者に周知させるため必要な措置を講じ、かつ、自己が施行する都市計画事業の概要について、事業地及びその附近地の住民に説明し、これらの者から意見を聴取する等の措置を講ずることにより、事業の施行についてこれらの者の協力が得られるように努めなければならない。

(土地建物等の先買い)

第六十七条
前条の公告の日の翌日から起算して十日を経過した後に事業地内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、当該土地建物等、その予定対価の額(予定対価が金銭以外のものであるときは、これを時価を基準として金銭に見積もつた額。以下この条において同じ。)及び当該土地建物等を譲り渡そうとする相手方その他国土交通省令で定める事項を書面で施行者に届け出なければならない。ただし、当該土地建物等の全部又は一部が文化財保護法第四十六条(同法第八十三条において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けるものであるときは、この限りでない。
2 前項の規定による届出があつた後三十日以内に施行者が届出をした者に対し届出に係る土地建物等を買い取るべき旨の通知をしたときは、当該土地建物等について、施行者と届出をした者との間に届出書に記載された予定対価の額に相当する代金で、売買が成立したものとみなす。
3 第一項の届出をした者は、前項の期間(その期間内に施行者が届出に係る土地建物等を買い取らない旨の通知をしたときは、その時までの期間)内は、当該土地建物等を譲り渡してはならない。

(土地の買取請求)

第六十八条
事業地内の土地で、次条の規定により適用される土地収用法第三十一条の規定により収用の手続が保留されているものの所有者は、施行者に対し、国土交通省令で定めるところにより、当該土地を時価で買い取るべきことを請求することができる。ただし、当該土地が他人の権利の目的となつているとき、及び当該土地に建築物その他の工作物又は立木に関する法律第一条第一項に規定する立木があるときは、この限りでない。
2 前項の規定により買い取るべき土地の価額は、施行者と土地の所有者とが協議して定める。
3 第二十八条第三項の規定は、前項の場合について準用する。

(都市計画事業のための土地等の収用又は使用)

第六十九条
都市計画事業については、これを土地収用法第三条各号の一に規定する事業に該当するものとみなし、同法の規定を適用する。
第七十条
都市計画事業については、土地収用法第二十条(同法第百三十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定による事業の認定は行なわず、第五十九条の規定による認可又は承認をもつてこれに代えるものとし、第六十二条第一項の規定による告示をもつて同法第二十六条第一項(同法第百三十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定による事業の認定の告示とみなす。
2 事業計画を変更して新たに事業地に編入した土地については、前項中「第五十九条」とあるのは「第六十三条第一項」と、「第六十二条第一項」とあるのは「第六十三条第二項において準用する第六十二条第一項」とする。
第七十一条
都市計画事業については、土地収用法第二十九条及び第三十四条の六(同法第百三十八条第一項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定は適用せず、同法第二十九条第一項(同法第百三十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定により事業の認定が効力を失うべき理由に該当する理由があるときは、前条第一項の規定にかかわらず、その理由の生じた時に同法第二十六条第一項(同法第百三十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定による事業の認定の告示があつたものとみなして、同法第八条第三項、第三十五条第一項、第三十六条第一項、第三十九条第一項、第四十六条の二第一項、第七十一条(これを準用し、又はその例による場合を含む。)及び第八十九条第一項(同法第百三十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定を適用する。
2 権利取得裁決があつた後、第六十二条第一項(第六十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示に係る事業施行期間を経過するまでに明渡裁決の申立てがないときは、その期間を経過した時に、すでにされた裁決手続開始の決定及び権利取得裁決は、取り消されたものとみなす。
第七十二条
施行者は、第六十九条の規定により適用される土地収用法第三十一条の規定によつて収用又は使用の手続を保留しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、第五十九条又は第六十三条第一項の規定による認可又は承認を受けようとする際、その旨及び手続を保留する事業地の範囲を記載した申立書を提出しなければならない。この場合においては、第六十条第三項第一号(第六十三条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる図面に手続を保留する事業地の範囲を表示しなければならない。
2 第十四条第二項の規定は、前項の規定による事業地の範囲の表示について準用する。
3 国土交通大臣又は都道府県知事は、第一項の申立てがあつたときは、第六十二条第一項(第六十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示の際、あわせて、事業の認可又は承認後の収用又は使用の手続が保留される旨及び手続が保留される事業地の範囲を告示しなければならない。
第七十三条
前四条に定めるもののほか、都市計画事業に対する土地収用法の適用に関しては、次の各号に定めるところによる。
 土地収用法第二十八条の三(同法第百三十八条第一項において準用する場合を含む。)及び第百四十二条の規定は適用せず、同法第八十九条第三項中「第二十八条の三第一項」とあるのは、「都市計画法第六十五条第一項」とする。
 土地収用法第三十四条及び第百条第二項後段に定める期間の終期は、第六十二条第一項(第六十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示に係る事業施行期間の経過の時とする。
 土地収用法第三十四条の四第二項中「第二十六条の二第二項の図面」とあるのは、「都市計画法第六十二条第二項(第六十三条第二項において準用する場合を含む。)の図書」とする。
 土地収用法第九十二条第一項中「第二十九条若しくは第三十四条の六の規定によつて事業の認定が失効し」とあるのは、「第三十九条第一項の規定による収用又は使用の裁決の申請の期限を徒過し」とする。
 土地収用法第百三十九条の四中「この法律」とあるのは「都市計画法第六十九条の規定により適用されるこの法律」と、「第十七条第一項各号に掲げる事業又は第二十七条第二項若しくは第四項の規定により国土交通大臣の事業の認定を受けた事業」とあるのは「都市計画法第五十九条第一項若しくは第二項の規定による国土交通大臣の認可又は同条第三項の規定による国土交通大臣の承認を受けた都市計画事業」と、「第十七条第二項に規定する事業(第二十七条第二項又は第四項の規定により国土交通大臣の事業の認定を受けた事業を除く。)」とあるのは「都市計画法第五十九条第一項又は第四項の規定による都道府県知事の認可を受けた都市計画事業」と、同条第一号中「第二十五条第二項、第二十八条の三第一項」とあるのは「第二十五条第二項」とする。

(生活再建のための措置)

第七十四条
都市計画事業の施行に必要な土地等を提供したため生活の基礎を失うこととなる者は、その受ける補償と相まつて実施されることを必要とする場合においては、生活再建のための措置で次の各号に掲げるものの実施のあつせんを施行者に申し出ることができる。
 宅地、開発して農地とすることが適当な土地その他の土地の取得に関すること。
 住宅、店舗その他の建物の取得に関すること。
 職業の紹介、指導又は訓練に関すること。
2 施行者は、前項の規定による申出があつた場合においては、事情の許す限り、当該申出に係る措置を講ずるように努めるものとする。

(受益者負担金)

第七十五条
国、都道府県又は市町村は、都市計画事業によつて著しく利益を受ける者があるときは、その利益を受ける限度において、当該事業に要する費用の一部を当該利益を受ける者に負担させることができる。
2 前項の場合において、その負担金の徴収を受ける者の範囲及び徴収方法については、国が負担させるものにあつては政令で、都道府県又は市町村が負担させるものにあつては当該都道府県又は市町村の条例で定める。
3 前二項の規定による受益者負担金(以下この条において「負担金」という。)を納付しない者があるときは、国、都道府県又は市町村(以下この条において「国等」という。)は、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
4 前項の場合においては、国等は、政令(都道府県又は市町村にあつては、条例)で定めるところにより、年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した額をこえない範囲内の延滞金を徴収することができる。
5 第三項の規定による督促を受けた者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しない場合においては、国等は、国税滞納処分の例により、前二項に規定する負担金及び延滞金を徴収することができる。この場合における負担金及び延滞金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
6 延滞金は、負担金に先だつものとする。
7 負担金及び延滞金を徴収する権利は、これらを行使することができる時から五年間行使しないときは、時効により消滅する。

第五章 社会資本整備審議会の調査審議等及び都道府県都市計画審議会等

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(都市施設等整備協定の締結等)

第七十五条の二
都道府県又は市町村は、都市計画(都市施設、地区施設その他の国土交通省令で定める施設(以下この項において「都市施設等」という。)の整備に係るものに限る。)の案を作成しようとする場合において、当該都市計画に係る都市施設等の円滑かつ確実な整備を図るため特に必要があると認めるときは、当該都市施設等の整備を行うと見込まれる者(第七十五条の四において「施設整備予定者」という。)との間において、次に掲げる事項を定めた協定(以下「都市施設等整備協定」という。)を締結することができる。
 都市施設等整備協定の目的となる都市施設等(以下この項において「協定都市施設等」という。)
 協定都市施設等の位置、規模又は構造
 協定都市施設等の整備の実施時期
 次に掲げる事項のうち必要なもの
 協定都市施設等の整備の方法
 協定都市施設等の用途の変更の制限その他の協定都市施設等の存置のための行為の制限に関する事項
 その他協定都市施設等の整備に関する事項
 都市施設等整備協定に違反した場合の措置
2 都道府県又は市町村は、都市施設等整備協定を締結したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、当該都市施設等整備協定の写しを当該都道府県又は市町村の事務所に備えて公衆の縦覧に供しなければならない。

(都市施設等整備協定に従つた都市計画の案の作成等)

第七十五条の三
都道府県又は市町村は、都市施設等整備協定を締結したときは、当該都市施設等整備協定において定められた前条第一項第二号に掲げる事項に従つて都市計画の案を作成して、当該都市施設等整備協定において定められた同項第三号に掲げる事項を勘案して適当な時期までに、都道府県都市計画審議会(市町村都市計画審議会が置かれている市町村にあつては、当該市町村都市計画審議会。次項において同じ。)に付議しなければならない。
2 都道府県又は市町村は、前項の規定により都市計画の案を都道府県都市計画審議会に付議しようとするときは、当該都市計画の案に併せて、当該都市施設等整備協定の写しを提出しなければならない。

(開発許可の特例)

第七十五条の四
都道府県又は市町村は、都市施設等整備協定に第七十五条の二第一項第四号イに掲げる事項として施設整備予定者が行う開発行為(第二十九条第一項各号に掲げるものを除き、第三十二条第一項の同意又は同条第二項の規定による協議を要する場合にあつては、当該同意が得られ、又は当該協議が行われているものに限る。)に関する事項を定めようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、第二十九条第一項の許可の権限を有する者に協議し、その同意を得ることができる。
2 前項の規定による同意を得た事項が定められた都市施設等整備協定が第七十五条の二第二項の規定により公告されたときは、当該公告の日に当該事項に係る施設整備予定者に対する第二十九条第一項の許可があつたものとみなす。

第六章 雑則

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(都市計画協力団体の指定)

第七十五条の五
市町村長は、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められる法人その他これに準ずるものとして国土交通省令で定める団体を、その申請により、都市計画協力団体として指定することができる。
2 市町村長は、前項の規定による指定をしたときは、当該都市計画協力団体の名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。
3 都市計画協力団体は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を市町村長に届け出なければならない。
4 市町村長は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。

(都市計画協力団体の業務)

第七十五条の六
都市計画協力団体は、当該市町村の区域内において、次に掲げる業務を行うものとする。
 当該市町村がする都市計画の決定又は変更に関し、住民の土地利用に関する意向その他の事情の把握、都市計画の案の内容となるべき事項の周知その他の協力を行うこと。
 土地所有者等に対し、土地利用の方法に関する提案、土地利用の方法に関する知識を有する者の派遣その他の土地の有効かつ適切な利用を図るために必要な援助を行うこと。
 都市計画に関する情報又は資料を収集し、及び提供すること。
 都市計画に関する調査研究を行うこと。
 都市計画に関する知識の普及及び啓発を行うこと。
 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

(監督等)

第七十五条の七
市町村長は、前条各号に掲げる業務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、都市計画協力団体に対し、その業務に関し報告をさせることができる。
2 市町村長は、都市計画協力団体が前条各号に掲げる業務を適正かつ確実に実施していないと認めるときは、当該都市計画協力団体に対し、その業務の運営の改善に関し必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
3 市町村長は、都市計画協力団体が前項の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。
4 市町村長は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。

(情報の提供等)

第七十五条の八
国土交通大臣又は市町村長は、都市計画協力団体に対し、その業務の実施に関し必要な情報の提供又は指導若しくは助言をするものとする。

(都市計画協力団体による都市計画の決定等の提案)

第七十五条の九
都市計画協力団体は、市町村に対し、第七十五条の六各号に掲げる業務の実施を通じて得られた知見に基づき、当該市町村の区域内の一定の地区における当該地区の特性に応じたまちづくりの推進を図るために必要な都市計画の決定又は変更をすることを提案することができる。この場合においては、当該提案に係る都市計画の素案を添えなければならない。
2 第二十一条の二第四項及び第二十一条の三から第二十一条の五までの規定は、前項の規定による提案について準用する。

(都市計画協力団体の市町村による援助への協力)

第七十五条の十
都市計画協力団体は、市町村から都市再生特別措置法第百九条の十四第二項の規定による協力の要請を受けたときは、当該要請に応じ、低未利用土地(同法第四十六条第二十六項に規定する低未利用土地をいう。)の利用の方法に関する提案又はその方法に関する知識を有する者の派遣に関し協力するものとする。

第七章 罰則

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附則

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