通俗正教教話/神律と誡命
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< 通俗正教教話
(二)神律 と誡命 のこと
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良 心 と神 の十誡 )
- (
問
- 答
其 判断 の標準 は人々 が各々 心 の内 に持 って居 りまする『良 心 の判断 』と『神様の御 立 てになった法律 』とに拠 るので御座います。
問 聖書には『
- 答 ロマ書の
内 に斯 う書 いて御座います。 - 『
律法 を有 たざる異 邦人 等 性に順 ひて法律 の事 を行 ふ時 は法律 を有 たずと雖 自 ら己 の律法 たるなり、彼等は法律 の工 の其 心 に銘 せられたるを彰 す此 れ彼等の良 心 及び互 に貶 め或 は褒 むる思 慮 の証 する所 也 』(ロマ書二の十四、十五)此 語 を一口 に解 り易 く申 しますれば斯 う謂 ふ事 なので御座います『世 には神様のお立 てになった法律 の箇 條 を知 らぬ人 が有 るが併 し其様 な人 でも心 の内 に矢張 神様の法律 を自 然 と弁 へて物事 を行 って居 る、其 は其人 等 の心 の内 に良 心 と謂 ふ物 が有 るからなので有 る』
問 では
- 答
其 は人々 が良 心 の指揮 に従 はなくなったから止 むを得 ず規 則 を御 設 けになったので御座います、聖書 に申 して御座いまする通 り、『律法 は何 ぞや此 れ罪 の故 に由 りて設 けられし者 』(ガラテヤ三の十九)なので御座います。
問
- 答
是 を神様が御 授 けになったのはモイセイの時 代 の事 で御座いまして、エウレイ(ヘブライ)の民 を率 ひて埃及 を逃 れ出 で神様のお約束 なさったハナアンの地 に向 ひまする途 中 アラビヤの廣 野 の内 に聳 へて居 りまするシナイの山 に於 て神 親 ら火 焔 の内 に顕 はれてモイセイに御 授 けになりモイセイが此 を二つの石 に刻 んでエウレイ民 に知 らせたので御座います。
問
- 答
其 は次の様な十 箇 條 の御 誡 で御座います。 - 一
我 は主 、爾 の神 也 我 の外 爾 の神 あるなし。 - 二
汝 自己 の為 に何 の偶像 をも彫 む可 らず又 上 は天 に在 る者 下 は地 に在 る者 并 に地 の下 の水 の中 に在 る者 の何 の形状 をも作 る可 らず之 を拝 み之 に事 ふ可 らず。 - 三
爾 主 、爾 の神 の名 を妄 に口 に称 ふる勿 れ。 - 四
安息 日 を憶 えて之 を聖潔 すべし、六 日 の間 は労 きて汝 の一切 の業 を為 すべし七 日 は主 、汝 の神 の安息日 (スボタ)なれば其 日 には何 の業務 をも為 す可 らず。 - 五
汝 の父母 を敬 へ、其 は汝 の生命 の地 に長 からん為 め也 。 - 六
汝 人 を殺 す勿 れ。 - 七
姦淫 する勿 れ。 - 八
盗 む勿 れ。 - 九
汝 其 隣 の人 に対 して虚構 の証 拠 を立 つる勿 れ。 - 十
汝 其 隣人 の家 を貪 る勿 れ又 汝 の隣 人 の妻 及 び其 僕 、婢 、牛 、驢馬 、并 に凡 て汝 の隣人 の所有 を貪 る勿 れ。(出埃及記二十の一 - 十七)
問
- 答
無 論 で御座います、此 十 の誡命 は昔 イズライル民 に特 に神様のお授 けになった物 では御座いますが、此 誡命 の精神 は決 して今日 でも変 っては居 らないので御座いますから私 共 は今日 も此 十誡 を守 って行 く義務 が有 るので御座います。
問